アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋
(2020年7月期・フジTV・木22時枠)
原作 – 荒井ママレ
脚本 – 黒岩勉
主題歌 – DREAMS COME TRUE 「YES AND NO」
音楽 – 信澤宣明
プロデュース – 野田悠介
演出 – 田中亮、相沢秀幸
第5話 第二の患者
【ストーリー】
辰川太一の容体が急変したという古川。
葵は樹里に対して苦しいのはおじいさんに病気のことを
隠している事だよねと語る。樹里はそんな葵に分からない
ことが沢山有り家族がどんどんとバラバラになる気がする
のが怖いとして助けを求める。
●萬津総合病院
エコー検査をする。
秀三はすぐに一般病棟に戻れると樹里に語り、自分の体の
ことを心配するよう告げる。しかし樹里は全てのことを
父が決めていることに不満だった。しかし秀三にも言い分
はあり、ばぁちゃんが抗がん剤で苦しむのを見ているとし
怖いのでは無いかと考えて居た。しかし樹里は本当に怖い
のは父さんの方だと語る。
瀬野は葵とすれ違う。すると瀬野は
「今回は泣くなよ」と語る。
●中島バッティングセンター
葵は秀三とそこで会う。
秀三が以前肉離れを起こして通院した際にバッティング
センターに行ったと言っていたのでここかと思ったという。
高校まで野球をしていたこと。父親・太一もまた野球をして
いて何度も二人でここに来たという。秀三自身は大丈夫
なのか?と問う。
『第二の患者』ということをご存じか?という葵。
大病を患った患者の家族と近しい人たちも患者と同じか
それ以上に苦しむことがあるというもの。辛い家族の姿を
目の辺りにするのは苦しいこと。気持ちを溜めずはき出せる
場所があるのが大切だと語る。強い罪悪感を引きずりながら
太一の傍に居たら樹里も平気では居られないのでは無いか
と問う。彼女も第二の患者であり相談してみたらどうか?
という。相手はあなたの店の常連の薬剤師とか・・と。
■感想
先週中途半端に終わったかに思われた辰川家の事情を描いた
もの。その中でも一人のがん患者・祖父の太一を中心として
第二の患者とも言える近しい人たちのケアの様子を描いて
見せた。
決して悪い内容では無かったが、完全にテーマからは逸脱
してしまっているような感じだ。平たく言えばソーシャル
ワーカー的なことを薬剤師が行うという内容である。
プロデューサーの野田さんは薬剤師は科間の障壁的なもの
がないのでより患者との関わりにリアリティを求めていく
ことを目指しているようだが、少々病院外での葵たちの
活動の多さが気になる。
患者の私生活に医療従事者が何処まで食い込んでいくのかと
いうのは興味深く、自分が同様の立場になった際に患者側/
家族側で見れば、こんな理想的な人たちが居れば良いなと
思わせるが、こんなことが出来るのは余程充実した医療の形
が無ければ出来る訳もない。
ただ今回はそんな感じの立場で薬剤師を目指すようになった
葵のことを取り上げられて彼女のキャラクターを少々掘り
下げる。
さて患者だが一度は抗がん剤治療は諦めてそのままの事情を
受け入れるつもりだった祖父だが、第二の患者である家族と
のことを考えて余生をなるべく自分の為、家族のために過ご
すということに集中させようとして、薬剤師・葵が誘導する
ような流れだった。
これをやってしまうと医者や看護師やソーシャルワーカーの
存在が霞んでしまう。
バケットリストなんてよく耳に居る言葉だけど、太一が
やりたいことを書き出して、それを一つずつかなえていく
という流れが有った。
ガン患者に限定するものではないが、長らく入院している
患者はこのドラマでもメインとして骨太のドラマを用意
している筈なので、辰川家の一件が解決した。
またもう一人小児白血病で入退院の多い簑島心春がここの所
関わり合いを見せてきた。後半は彼女の事情を扱っていく
のだろうし、ここでもまた死と隣り合わせのようなことを
行っていくのか。
更に気になるのは季節外れのインフルの流行の兆しという
のを口にしていたこと。これはもしかするとコロナを扱った
りしていくのか?基礎疾患のある患者たちは危険な状態に
置かれることになる。
また今回刈谷には「ケモ室(ケルセラピールーム)」でがん薬物
療法認定薬剤師の資格があることが語られた。
薬剤師にも色々とあり、先日は瀬野と小野塚との間で、
瀬野には救命室での薬剤調剤の資格があることが語られていた
よな。
くるみはその光景に目を輝かせていたが、当然その安易な
希望に待ったをかけるのが葵だった。
過去の症例の中でオプシーボを投与して5年生存した方が
居たということをくるみは患者たちの前で語る。
「希望を与えるなら責任を取らないといけない」
確かに安易な発言ではあるが、医者でもない彼女たちが
色んな選択肢を提示しても良いものなのだろうか?
■出演者
萬津総合病院薬剤部
葵みどり …… 石原さとみ (薬剤部)
相原くるみ …… 西野七瀬 (薬剤部・新人)
刈谷奈緒子 …… 桜井ユキ (薬剤部・主任)
羽倉龍之介 …… 井之脇海 (薬剤部・メガネ)
工藤虹子 …… 金澤美穂 (薬剤部・メガネ)
販田聡子 …… 真矢ミキ (薬剤部・)
七尾拓 …… 池田鉄洋 (薬剤部・副部長・治験担当)
荒神寛治 …… でんでん (薬剤部・魔術師、DI室)
瀬野章吾 …… 田中圭 (薬剤部・副部長)
小野塚綾 …… 成田凌 (ナカノドラッグ薬剤師)
豊中瑠衣 …… 臼田あさ美 (救急センター医師)
久保山竜也 …… 六角慎司 (小児科医)
金城圭 …… 遠藤史崇 (薬剤部SPD:医薬品管理者)
外来患者
辰川秀三 …… 迫田孝也 (中華料理”娘娘亭”、イライラ型)
簑島心春 …… 穂志もえか (20歳、白血病)
市原茉莉、不破りこ、長谷川恒、中村文也
佐々木ちあき、
松井貴香、山口真央、加賀美茂樹、大河原紗礼
辰川太一 …… 伊武雅刀 (77歳、末期の胃癌)
辰川樹里 …… 久保田紗友 (秀三の娘。摂食障害)
畑中聡 …… 長谷川朝晴 (消化器内科医師)
清水佐緒里 …… 田中美里 (みどりに寄り添ってくれた薬剤師)
古川 …… (看護師)
子供の頃のみどり …… 堰沢結愛 (妹が亡くなる)
みどりの妹…… 吉澤梨里花
岡村まきすけ、石川裕大
田澤泰粋、土屋愛貴、遠藤史崇、池田愛希、原田真季
乃上桃、郡司芹香