相棒22
(2023年10月期・テレ朝・水曜21時枠)
監督:橋本一(1)(2)(6)(8)(9)(15)、権野元(3)(7)(10)(16)
守下敏行(4)(5)(17)(18)、川崎龍太(11)、徳永富彦(12)、
片山耀(13)(14)
脚本:神森万里江(1)(2)(13)、岩下悠子(3)(5)(14)、
森下直(4)
光益義幸(6)、瀧本智行(7)(8)(17)(18)、輿水泰弘(9)(10)
田村孝蔵(11)(12)、川﨑龍太(15)、竹内清人(16)
エグゼクティブプロデューサー – 桑田潔
チーフプロデューサー – 佐藤凉一
プロデューサー – 高野渉、西平敦郎、古革昌実、
土田真通
編集 – 只野信也
音楽 – 池頼広
第18話 インビジブル~爆弾テロ!最後のゲーム
【ストーリー】
■前回まで
「INBISIBLE」を名乗って山田征志郎宅に荷物を送った
ものが居る。INBISIBLEは「目に見えない」「透明人間」
という意味もある。
山田邸では市長から逃げるよう言われて妻の美紀子
は家政婦の雅恵と外に逃げる。すると次の瞬間家は
爆発する。
そんな中、第2の爆破事件が発生。
その後、城北中央署には自ら場連続爆弾事件の犯人
だとして「INBISIBLE」を名乗る人物がやってくる。
警察官は取り押さえる。
■城北中央署
伊丹によると、「INBISIBLE」を名乗る容疑者は
チェス仲間である右京以外とは一切話すつもりはない
そうだとし、不本意だが捜査一課は後方支援にに
回るという。薫には副署長から話の続きをして欲しい
とのこと。彼は何かを隠していた。
・取調室
室内には、記録官として出雲麗音、そして容疑者と
机を挟んで対面する形で右京が座る。
容疑者は右京を初めて知った時のことを思い出す。
(回想シーン)
・クリスタルピース大会
マスターに呼ばれて山田は決勝戦にやってくる。
現在右京と外国人チェスプレイヤーが対戦していた。
右京の17連勝で間違いない。
彼が警視庁のシャーロック・ホームズと呼ばれている
人だ。マスターに説明を受けた山田。
右京のチェックメイトで優勝が決まる。
マスターは山田の事を右京に紹介する。
山田くんは半年前にチェスを始めたばかりだが腕を
挙げている。IQ150らしい。もう一局どうか?
対戦し、山田が先にチェックするも、右京の意外な
一手に形成は逆転する。
対局後に右京は何か相談があれば連絡してください
として名刺を渡す。
山田も最近こんな風に言ってくれる大人に出会って
いないとして感動し、いつかもう一度挑戦したい事
を語る。右京は来年の大会で勝負しましょうと語る。
(現在)
右京は彼にこんな形で向き合いたくはなかったこと
を語る。近い内にリベンジしたいことを言っていた
が、爆弾事件のことを指しているのか?
山田は本来ならばチェスでもう一度勝負して勝ちた
かった。でもそうも行かなくなった。
「この取り調べが僕にとっての勝負です」
・薫の流れ
警察署の外ではマスコミが多数情報が出るのを待つ。
その中には美和子の姿も有り、薫が城北中央署にいる
ことを知って電話する。爆弾事件の捜査の情報が
欲しいことを告げるも、薫はそれどころではないこと
を語る。
・那須野副署長の元へ
薫は当時牧野が仕事を辞めた時のことを聞く。
那須野が牧野ら部下から相談を受けて再就職の斡旋し
たことは稀にあること。
それを改めて聞いた後、薫は犯人が自首してきた事を
思えばここにいた当時の事が事件に関係している
と考えられるとし、何か隠していることはないかと問う。
しかし副署長は事件捜査でやることが沢山あるとして
その場から立ち去ってしまう。
・署長室
那須野は山田正義署長の元に行くと爆弾が本物だった
事を告げ、第二の被害者の牧野文雄は金森巡査が
関与している”あの”牧野だと語る。
特命係は牧野のことを気にしているので話した方が良い
のではないかとするが、署長は次の人事で警視庁に戻る
ので話さないよう告げ、これは命令であることを語る。
署長の元に父で市長の山田征志郎から電話が鳴る。
ウチを爆破した犯人が城北中央署に自首してきたのは
何かお前と関係があるのではないかとし、嫌な予感が
することを指摘される。
■城北中央署・人事課
薫は人事課で話を聞きにすこうとすると人事課職員が
牧野に関する噂話をしているのを耳にする。
今回の事件は金森巡査が牧野からパワハラを受けて
自殺した事と関係があるのではないかというもの。
薫は改めてその話を聞かせて欲しいとたのむ。
・一方城北中央署には・・
山田家の家政婦に面通しして、取り調べを受けている
人物が爆弾の入った荷物を運んできた宅配業者ではない
かを尋ねる。しかし彼ではないと証言する。
また容疑者を知るマスターに話を聞く。
「山田の下の名前が分からないか?」
「住所・年齢は?」
しかし名字以外のことは知らないことを言われる。
■感想
山田市長の家を狙った爆破事件は、AEGIR警備保障
で働く牧野文雄のアパートでも発生したことも有り
連続爆弾事件へと発展する。
犯人は城北中央署に自首してくるが、牧野はかつて
城北中央署に勤務しており、一件目に発生した
市長の息子である山田正義が署長を勤めている
ことからも山田家との関連性は外せないものが
あることが想定される。
彼は取調室に於いて右京との再会を求め、そして
その中でのやりとりを通してチェス大会でのリベンジ
を果たそうとしてゲームの続きを始めようという。
犯人はチェス大会で優勝した杉下右京がたまたま
頼まれて対局したことがあるIQ150の山田。
何故彼は爆弾を仕掛けるに至ったのか。
一番の興味はどの部分を取って“インビジブル”だと
したのか。「透明人間」という言葉は過去の日本
でも集団の中で存在感の無い人という意味で使われた
ことがあるし、名前を変えては時代時代で使われて
いるのではないか。
このドラマの中では、
「人が抱えている苦労や悩みなど、本当の姿は
世間の人の目には見えない」
というところから派生したものなのだろう。
しかしよく分からないのは、普通に生きている人の
心を何故折る必要があるのだろうか。
人の性格的なものなのか。
「自己責任」の意味が広義で使用され、大人の世界
の厳しさと子供の世界の厳しさの例が取り上げられ
庇護という言葉が無いに等しい絶望感のリレーに
より、今回の事件が発生したのだろう。
●余談
現実社会でこれに類似する事件が有りましたね。
統一教会に対する「安倍元首相銃撃事件」。
この事件が発生しなければ今頃はまだ宗教と政治の
金の問題は解決するものが無かった。この協会信者が
高額の品を売りつけて日本から稼いでいたのは私が
幼い時に既に周知のものとされていたし、統一教会
は世界平和**と称して世界のメディアなどにも入り込み
悪行を繰り返している。
昔、サッカーのKリーグ・城南一和は、統一教会から
の出資も有り、高額で海外から選手を引き抜いた。
Jリーグは確か10年間このチームに一度も勝利した
ことが無かった。
全盛期の頃にはなんと世界大会(Peace cup)を開催して
しまうのだから相当景気は良かったのだろう。
一番驚いたのはJリーグとKリーグのACL対決に於いて
信者が日本のスタジアムを訪れて、ホームのJリーグ
チームにも負けない数のサポーターが応援していた
ことだ。
今回城南ではなく城北地域が舞台設定となっている。
また東都愛育園という児童保護施設が登場するが、
美和子さんは過去「東都新聞」で勤務していたので
そういう地域があるんだなと思って見ていた。
■今回の事件
爆弾を使った事件は後半である今回も発生する。
一つは城北中央署近くの中央署の職員寮のゴミ置き場
で爆発したもの。
一つは城北中央署の空調設備に設置されていたもの。
自分で作った爆弾なのでどれだけの破壊力があるのか
分からないし、最後の爆弾だけは犯人自らも含めて
同じ建物内に有った事情を考慮すれば、どれだけ爆破に
本気度が有ったのかは分からない。
署長を狙っていたのであれば、壊れた空調設備の
ダクトを通して彼自身をピンポイントで狙えるもの
なのか。
●新たに分かること
今回の着火点となったのは城北中央署が影で行って
いたことだった。
前編の時から副署長と職員の会話の中で色々と
含みのあるやりとりが有ったので何かがある事は
誰にでも分かる。
天下りの話は今に始まったことではないが、
問題なのは何故警察官を辞めなければならなかった
というところにある。
過去、地域課に勤務していた金森翔吾、そして
柿沼勇作という人物が浮上する。柿沼勇作に関しては
前回でも名前だけがクレジットにあるので何のシーン
で出ていた人物なのか気になっていた。
■事件の流れ
事件そのものはそう難しいトリックは無かった。
回想シーンを通して、右京と山田が対局したシーン
が描かれ、右京が最後に厳しい局面から逆転する
一手を以て勝利したことが描かれる。
最近の将棋界では藤井聡太くん一色だ。
彼も押されている局面に於いてプロでも予想でき
ない様な一手を指して形成を逆転させる事をよく
耳にする。
ターニングポイントが分かりやすいものだが、
このドラマでも同様だった。
右京はチェス大会の時に山田と出会い、そして一局
指した。逆転勝利した際に右京が語ったセリフ
がここに来て思い起こされる。
「あれで混乱し、捨て身になるしか勝てる見込みが
無かった」
自首してきたのも、マスコミを使ってこの地域に
集めたかったのだろう。ネットを使ってデジタル
タトゥーを入れたかったのかも知れない。
残念ながらドラマでは全く意外性がなく緊迫感
に欠けていた。
勝負が拮抗していれば、相手との駆け引きに於ける
事件の微妙な流れを面白く感じられたのかも知れな
い。
この子は勝負を仕掛けたのは右京相手では無い。
過去のシーンを引用したのであれば、右京から
名刺を渡された際に言われた様に、一度でも右京に
相談すればよかったのである。
それを飛ばした行動故にどうも右京に迷惑をかけた
としか思えない印象だけが残る。
■才能や努力や希望が活かせる世界に・・
色々と言葉を追っていくと興味深い流れはある。
それぞれに必要なものが違いの名前とか志の中に
含まれていて、噛み合っていないところがある。
被疑者の山田希望の名前をつけた市長の息子の名前
は正義である。
市長がつけた名前は将来を見通して考えたものだ
ろうが、どちらも失敗した。
才能のある山田希望は学生時代には同級生や教師から
いじめを受けた。
金森は正義感に溢れ、希望や卓たちからヒーローの
ように思われていた。
リスカする希望に対して「命の大切さ」「希望」に
ついて語るも、自らはそれを失う。
右京も才能故に希望らと同じような生育を歩んでいる。
しかし彼は自らの名前が示すように体を表して
今に至っている。
■その他
・1972年の棋譜
ボビー・フィッシャーとボリス・スパスキーが世界
チャンピオンの座をかけた第六局。チェス史上に
残る名勝負と言われた対局の棋譜。
取調室で行われたエアチェスはこの展開で進んで
いたようだ。
・ケアリーバー
施設から離れた子の意味。
基本原則18歳になったら施設から離れなければなら
ない。
退所するとその途端に大人の庇護を受けることは
できなくなる。
・Invisible People
外国では「世間から見放された人々」の意味。
・戸籍法第57条第2項
「その様な子は当該地方自治体の首長が命名する」
山田の名前を付けたのは市長の山田だった。
■出演者
杉下右京 …… 水谷豊 (警視庁警視庁・特命係)
亀山薫 …… 寺脇康文 (1と5代目相棒、特命係)
伊丹憲一 …… 川原和久 (警視庁刑事部捜査第一課員)
芹沢慶二 …… 山中崇史 (警視庁捜査一課。伊丹の後輩)
角田六郎 …… 山西惇 (警視庁組織犯罪対策五課)
内村完爾 …… 片桐竜次 (警視庁警視長・刑事部長)
中園照生 …… 小野了 (警視庁警視正・参事官)
益子桑栄 …… 田中隆三 (警視庁鑑識課員)
小出茉梨 …… 森口瑤子 (家庭料理店”こてまり”の女将)
出雲麗音 …… 篠原ゆき子 (警視庁 交通機動隊から捜査一課)
亀山美和子 …… 鈴木砂羽 (フリージャーナリスト)
土師太 …… 松嶋亮太 (サイバーセキュリティ)
山田希望 …… 中川翼 (IQ150の天才少年)
本城卓 …… 吉田日向 (「スギナ電気設備」社員)
金森翔吾 …… 井上拓哉 (22歳、元城北中央署地域課巡査・1年前自殺)
山田正義 …… 金井浩人 (城北中央署署長・征志郎の息子)
柿沼勇作 …… 横山涼 (22歳、元城北中央署地域課巡査)
那須野 …… 永倉大輔 (城北中央署副署長)
牧野文雄 …… 山形匠 (28歳、「AEGIR警備保障」警備員)
雅恵 …… 福井裕子 (山田家の家政婦)
…… 本多新也 (「スギナ電気設備」職長)
川口雄一郎 …… 野口俊丞 (「スギナ電気設備」職人)
田口 …… 佐藤文吾 (「スギナ電気設備」職人)
記者 – 小平伸一郎、相馬一貴、土屋いくみ、伊住聰志
山田征志郎 …… 升毅 (東都市役所・市長)
…… 山田敦彦 (マスター)
城北中央署人事一課職員 – 宮下幸生、星野卓
…… くまさかりえ (リポーター)
…… 鎌田麻里名 (教師)
…… ラッセル・グドール (チェスの対戦相手)
加藤静子 …… 島かおり(「東都愛育園」園長) –
幼少期の希望 …… 黒岩紘翔
幼少期の卓 …… 下村洸太
幼少期の金森 …… 小林丞之介