グランチェスター 牧師と刑事の殺人捜査
(Grantchester) 2014 , England
製作総指揮 / Diederick Santer
第3話 死を呼ぶカラス Episode #1.3
脚本 / Daisy Coulam
監督 / Jill Robertson
プロディーサー / Emma Kingsman-Lloyd
原作 / Sidney Chambers and the Shadow of Death by James Runcie
(c) Lovely Day(Grantchester)Ltd 2014
イギリス放送 / ITV
放送権・配信権 / SHINE INTERNATIONAL
【STORY】
●ジャズバー
アマンダとガイはシドニーとジャズバーで話し合う。
「断ってもいい」「正直に言って欲しい」「忙しいのは分かってる」
「聞く価値はあるだろう」
僕達の司式を頼みたい。
それは光栄だ。
ただ教区民でないので大主教の承認が必要になる。
そして司祭として聞くが熟慮した結果だよね?結婚は軽く
考えるべきではない。
もちろん軽い気持ちではない。
言い聞かせるようにしてアマンダはガイと共に語るが彼女は
どこか動揺した様子でマラスキーノ・チェリーが添えられた
カクテルで舌を湿らせる。
●シドニーの書斎
音楽を聞きながらタバコを吸い酒を飲み、アマンダとの写真
を眺める。
気がつくとそこで朝を迎える。
Mrs.マグワイアの挨拶の言葉が聞こえたので急いでアルコール
を隠す。
男女が居間に来ている。
オーウェン夫人は苦情にきていて教会の庭の水栓が壊れ
シェパードさんが困っているとの報告。
更に夫人から「忘れていますね」と言われると、それに
気がつくまで少しの時間を要する。
●バス停
シドニーは愛犬のディケンズと共に自転車でバス停に向かう。
レナードが引っ越してくる日で多数の荷物を持っていた。
彼は一人で牧師館までの道を大量の荷物を持って歩んできて
いた。
慌ただしい日々。心を静める内省。
暖炉脇で交わす司祭職についての議論。
●牧師館
会話しながら歩いてくるとついにレナードが住む家に到着。
「我が家へようこそ」
Mrs.マグワイアは男女がお待ちだとしてレナードに急いで
荷物を置いてくるよう告げる。Maguire
シドニー宛てにベルリンからの手紙が届いていた。
シドニーは急いで懐に入れる。
現在配給しているが厳しいので魚は滅多に出ないという。
“手を出さない”こと。犯罪・女性・飲酒のことよ。Maguire
教会と教区民だけが彼の関心ごとです。Sidney
全てうまくいくというレナードだが副牧師としての経験は
皆無だった。全てに驚くはずです。Maguire
言葉を濁さない人だね。Sidney
居間のアーサー・エヴァンズ(Kieran O’Brien)は腐った
りんごですよ。Maguire
アーサーはシドニーに結婚できればと相談に来る。
アーサーが結婚するというと女性・イサベル・リビング
ストン (Lucy Black)も決意したことを告げる。
まだ数ヶ月(7ヶ月)の仲だが運命の相手なら分かるという。
ふたりとも熟慮した結果ですよね?とシドニーは尋ねる。
軽い気持ちで結婚すべきではないというと、イサベルは突然
涙する。
それを見て少しでも不安があるなら・・とシドニー。
不安は別の人にあるというアーサー。
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■感想
ガイとアマンダから司式を頼まれシドニーとしては困惑する。
更にイザベル・リビングストンとアーサー・エヴァンスは結婚の
許可を求めて牧師の元を尋ねる。しかしイザベルの母・デイジー
は結婚を許さず、マグワイアさんもまたアーサーの事を「腐った
りんごだ」として認めるべきではないことを告げる。
そんな状況の中、この教区にはレナード・フィンチが副牧師と
してやってくる。シドニーは戦争の苦しみとアマンダが婚約して
しまう事を受けてアルコールに飲まれ、レナードの引っ越して
来るのを忘れてしまう。
元々花粉症(スギ系)ですが、職場で風邪で咳をする人と隣り合っ
ているものだから思いっきりうつりました。屋内にいるとき
くらいはマスクしてくれればいいのになと思っていましたが、
言っても聞かず2日間 隣でゴホゴホ。やっぱり私にも
うつってしまいました。一人暮らしで風邪引くと大変だという
ことが分かってない。マスクしたらどうか?と言っても
「自分は大丈夫です」って返事が来て、いやいや周りにうつるから
言っているのに世界の中心はお前かと思わず小一時間。
結婚するには牧師の許可が必要だということが驚きの第3話。
「ねるとん紅鯨団」の如く、事前に告知して反対意見が無ければ
結婚への道を歩んでいくという段取りがあるそうです。
今回の事件はそんな結婚をしたいと願い出てきたカップルの
内、反対していた側の母親デイジーとその妹のグラディス
が亡くなって発見されるというものでした。
初めて牧師が家族の元に事情を聞きに行った際に、デイジーは
「アーサーは私を殺そうとしてる。」と言ったセリフは見逃せま
せん。
また水栓が壊れているとして教会にクレームに来たグラディス
はデイジーとは姉妹だということで何やら怪しい雰囲気が漂って
きます。
そもそもデイジーの夫でイザベルの父親が誰なのか。
戦争もそう遠くはなかったことも有り、子育てに関してワンオペ
の可能性はありますが色々と見えない部分で想像を働かせるよう
な作りではあります。
最後まで見ていくと「牧師」の存在と「生きること」についての
葛藤が有り複雑な思いにさせてくれるでしょう。
人々に取って「牧師」の存在とは何なのか?
思想そのものを揺るがす大きな課題を若い二人の牧師にぶつける
形でした。
「真実」とはケースバイケースであらかじめ経典等に書くことは
出来ないもののように思います。
●よくある物語だと思った
ドラマは見えない部分でもわかりきっており、アーサーが
結婚詐欺師であろう事。
「結婚を軽く見るべきではない」とするシドニーの言葉に
アマンダたちは揺らぎのない姿勢を見せたが、イザベル
は何処か浮かない様子。母親は何故娘の結婚に反対を示すのか。
病床に伏せている事もあって娘の介護を要しているのではないか。
デイジーが持ってきたご飯を払い除けた光景を見たシドニー
も流石にただ事ではないと思ったことでしょう。
しかしこの件に関してデイジーの妹・グラディス・シェパード
は何も口にはしませんでした。
Mrs.マグワイアさんは「私も腐ったリンゴと結婚してた」と語る
もののそれがアーサーだったのでしょうか。この界隈で彼が
悪さをしていればとっくにその性格は知れ渡っており犯罪など
出来るはずもないですよね。
アーサー・エヴァンズ名義での犯罪は今のところ見つけられません。
牧師は冷静に中立的立場を取り”疑わしきは罰せず”を繰り返します。
●牧師の仕事もいっぱい
フィンチに対して次の日曜日に説教をしないかと彼に丸投げ
します。
シドニー自身が恋愛において素直になれず、アマンドとの関係、
そしてドイツのベルリンに住むエルデガードとの関係の間で
揺れ動いています。
●母親の死
デイジーの死について調べていくと、1953年5月5日に死亡診断
がくだされ、その書類は検視法廷 Coroner’s Court & Office
にも送付済。
問題は火葬が午後から行われると聞いて一足間に合わなかった事。
遺言が有り嫌っていた妹のグラディスに全ては渡ったこと。
しかし墓場に来たジャックとの会話で疑問が生じる。
彼はデイジーはここへの埋葬を望んでいてオークの木下から目を
光らすと述べている。死しても尚家族を心配する姿。
そしてその土地契約も行われている。
●ロンビソン医師
彼に寄るとデイジーの死は乳がんによる合併症。
彼によれば自然死だとされる。
医師の元にも患者が次々と訪れフィールディング氏も辛いと言って
やってきます。
私の仕事は「知見に基づき死因を判断すること」
警部情報だとこの検視官は知っているが引退間際で使えないヤツ
だという。
警部が乗っている車は「ルーツ・グループのHillman Minx」。
この車はいすゞ自動車がライセンス生産して日本でも流通しました。
●シェパードの死
彼女もまたベッドの上で亡くなっていた。
彼女の家から立ち去るジャックが運転する車。
死因は打撲痕もなく争った形跡もない。死は一瞬。心臓麻痺。
起きた原因は毒かも知れない。
シェパード家で盗まれたのは写真だけ。
イザベルからどんな写真だったのかを尋ねると
「赤ん坊の頃の私と母」
“傷つけられるわ” “男はろくでない”と母親が残した言葉。
●アーサーの正体は?
Morris Minor 1000に乗っている詐欺師。
車が置かれている場所が場所だけにそう遠くは逃げられない。
ローラー作戦で草原を調べていると彼の姿が発見される。
複数のパスポートを持っていた彼。
逮捕されても悪びれた様子を見せず、誰も傷つけていないという
ところが頭のおかしいところ。
「妊娠」に関してはこのエピソードの怪しげなところ。
年寄がうろついていたという彼の証言。
写真立ての指紋は誰のものなのか。
●ジャックの正体
昔この教区で聖歌隊をしていた人物。※ミッドナイト・マスで独唱
したとのこと。
(※クリスマス・イブの深夜に行われる最も神聖で重要な礼拝のこと)
姉妹とはクラスメイトだった事。
彼に銀の杯を取ってもらうふりをして指紋を取る。
写真立ての指紋が一致。
ジャックとデイジーの間に生まれた子がイザベルなのだろう。
ジャックは元々家族など求めていなかった。
マグワイアもその辺の事情を理解していたのか。
グラディスからの手紙で「姉はもう長くない」とされたことで
街に戻ってくる。シェパード自身もガンだった。
遺伝的に見てガンにかかりやすかったのだろうけどそうタイミング
よく姉妹がガンにかかるものなのか。
●フィンチが述べる説教
カント派と功利主義の倫理論における対立は人をカント主義の原点
に立ち返らせます。僕が思い起こしたのは、
「ルカによる福音書」の6章31節。
「人にして欲しいと思うことを人にもしなさい」
そのことからさらに頭に浮かんだのは、非常に魅力的かつ
“定言命法”に代わる代表的な論理の一つでした。
ジェレミー・ベンサム提唱の手段と目的論。功利主義です。
しかし不評だったようで、哲学ではなく真理はほんの中にはないと
されます。
人のために悪いことをするのは危険な坂道で止まれなくなるのでは
ないかというフィンチ。
その後アマンダと会ったシドニーは大主教が許可を出さなかった
と彼女に述べる。教区民ではないものの結婚はなかなか難しい事。
しかしすでにその問題は解決していて、シドニーが事実を捻じ曲げて
いる。
殺された女性について話し合う二人。
急いで結婚する理由は何だったのか?
因みにフィンチはバーで「罪と罰」
CRIME & PUNISHMENT Fedor Dostoiefskyを読む。
“不道徳な行いは正当化され得るのか?”について考えていた。
●死因
塩化カリウム。争った形跡がなく、受け入れていた人物が犯行を
犯したと考える。
ロビンソン医師による犯行。
苦しみ死にたがっているものを殺していた。
痛みにもだえる人の病床で神など見たことがない。
信仰など何の意味もない。
●フィンチの主張 Part.II
カントはこう書きました。
「嘘は人間としての尊厳を放棄する行為だ。」
「彼は言葉を濁す人ではなかった。物事を白か黒かで見たの
です。曖昧さを許しませんでした。しかし善意の嘘をついた
ことはないといえますか?本当にいい人生を贈っていると
言える人は? しかし努力はすべきです。よりよい姿を目指
して努力し続けるのです。過去の罪から解放されるため。
自分自身と他人の過ちを受け入れられるようになるため。
本当の自分でしか居られません。真実と真正面に向き合う
のです。人生では時にただ踏み出してみればいいのです。」
■使用された曲
・
■出演者
シドニー・チャンバース (James Norton) 牧師
ジョーディ・キーティング (Robson Green) 警部
アマンダ・ケンダル (Morven Christie) シドニーの友人、美術修復師
Mrs.マグワイア (Tessa Peake-Jones) 教会
レナード・フィンチ (Al Weaver) 副牧師、ヒゲ
ジェニファー・チェンバース (Fiona Button) シドニーの妹
ジョニー・ジョンソン (Ukweli Roach) ジェニファーの彼、黒人
Sir エドワード・ケンダル (Pip Torrens) アマンダの父親で、爵位
アンリ・ケンダル (Leon Rolfe) アマンダの弟
アレクサイダー・ケンダル (Lukas Rolfe) アマンダの弟
ガイ・ホプキンス (Tom Austen) アマンダの婚約者
デイジー・リビングストン (Jean Marsh) 75歳、母親
イザベル・リビングストン (Lucy Black) デイジーの娘、アーサーと結婚
Dr.ロビンソン (Mark Bonnar) メガネ、引退間際の医師
グラディス・シェパード (Isla Blair) デイジーの妹
DCアトキンス (Joe Claflin) 警部から指示され捜査する
ジャック・チャップマン (Nick Brimble) デイジーの知り合い、元聖歌隊
アーサー・エヴァンス (Kieran O’Brien) 薬局、結婚相談に
デレク・ジャーヴィス (Michael Simkins) 検視官事務所・検視法廷
サンディ (Gregg Lowe) 戦場で撃たれた兵士
ヴァル (Mike Noble) 兵士
ジョージ (Frankie Wilson) 兵士
タム (Brian Vernel) 兵士
Mr.フィールディング (Hugh Dickson) 患者
ベティ (Josie Bloom) 看護師
若い頃のデイジー (Carrie-Louise Knight)
(Lisa Ronaghan) ジャーヴィスの秘書