相棒15 第14話 前後編スペシャル!!声なき者~突入

相棒15
(2017年10月期・TV朝日・水曜21時枠)

プロデューサー:伊東仁、西平敦郎、土田真道
音楽:池頼広

http://www.tv-asahi.co.jp/aibou/

第14話 前後編スペシャル!!声なき者~突入

脚本/太田愛 監督/橋本一

【ストーリー】

伊丹は中の子は連れ去られからもうすぐ12時間だという。
中に人質にされているのは家主の森田八重と新堂明里だった。
籠城している男は誰なのか。
右京は彼は明らかに意図的に真渕の振りをしていること。
内村は吉岡に対して突入の準備をするよう告げる。

右京は神戸に呼びだされて喫茶店で会う。
神戸は吉井聡美さんが駅のホームから転落死していた時に実は
僕はここで彼女が来るのを待っていたのだという。直接に話を
聞くためだという。聡美の母・光子が大河内監察官の高校時代の
恩師であり、監察官からの頼みで遭ったら聡美の様子がおかしい
との相談を受けたのだという。個人的な依頼だったことで聡美の
身辺を調べ始めていたという。事故はは間違い無いのかと問う右京に
防犯カメラから他殺ではないことは確認しているという。ただ
目撃者の話ではフラフラして落下して自殺に見えたとのこと。
ただし遺書はなく検視報告書にも毒物検査はシロだったという。
遺族は事故死を受け入れていること。夫の秀典は優秀なビジネス
マンだが一方で聡美が病気や怪我の時に必ず病院に付きそう程の
愛妻家だったこと。右京は聡美の交友関係の中に新堂司、真渕治
Carsというクラウドソーシング会社の代表の水野浩介の名前が
なかったかを尋ねる。それは無いが一つ気になるのは聡美は
亡くなる前に姿を消して居た時機があるという。3歳になる息子
の彰浩くんと一緒に2ヶ月居なくなり、2人は突然戻ったという。
聡美に話を聞くが何も話そうとはしないとのこと。亡くなった
のに戻って半年後に自殺したという。
聡美を呼べと言っている男は女の子を浚って立てこもっているが
右京さんはもう犯人の見当が付いているのではないか?という
彼に浚われた女の子の兄の司くんだと思うと語る。

特命係。
冠城は右京に対して神戸さんに遭うなら言ってくれたら良いのに
と語る。右京さんの弱点を知っていそうだという。私には欠点
はあるが弱点はないという。神戸は右京さんは酢豚のパイナップル
を食べられないという。
そんな中右京は冠城こそ何処に行っていたのかと問うと、出向先の
法務省に神戸が話していた聡美の夫・吉井秀典とそっくりの男
がいるのだという。仕事はバリバリこなすが妻が病院に行くときに
は必ず付きそう愛妻家だという。
新堂誠・・法務省の矯正局のホープ。亮子さんの夫で司と明里の
父親だという。新堂の家庭は一人親家庭ではないという。いつから
知っていたのかと問うと、この通知を亮子さんのアパートの郵便
受けで見つけたという。勝手に持ち出すのは重罪ですよという
右京に
「細かい事が気になるのは辞めましょう」として手紙は共済組合
からのもの。国家公務員が入る健康保険。内容は資格喪失証明書
だったこと。誠の保険から妻子が抜けたという証明書だという。
亮子は新たに自分と子達だけの国民健康保険を申請する場合に
必要だという。亮子の親子は何者かから身を隠しているという
右京の話にピンと来たこと。夫から身を隠していたなら今の
居場所を知られないように共済組合に手続きが必要だという。
全ては夫からのDVからの避難の為だろうと。

■感想

特に可もなく不可もなくのエピソードだった。
この流れは劇場版に続くのか?なんだかよく分からない。
ただ「健全な家庭を守る会」とかいう前時代的なことを行う
ものが出て来たけれど、これぞまさに警察組織そのものって感じ
もするのでそういう所でまだ劇場版はぶつかり有っていくのか。

司が妹の明里に連れて行かれそうになり、咄嗟に頭の中で計算
してこれまでの事件の流れを解明しようとするものだったけど、
あの一瞬でよくそのロジックをはじき出したと思う。

2つの平行した事件の流れが有り、どちらも似たような境遇に有る
家庭に於ける夫の暴力問題を取り上げた。
両者の間にその繋がりを見出さなくても何処かで繋がって行け
そうな気もしたけれど、どの流れに於いてもネットの匿名性・
守秘義務・公権的な圧力によって、なかなか真実にたどり着けず
に、公表して欲しい悪事は影を潜めて、公にされたくないもの
ばかりに光が当たるというもどかしさを感じる構図が有り、
ちょっぴりストレスフルな流れだった。

マスコミの使命が真実の追究と報道にあることは分かる
けれど、余計なところで真実を映し出してしまうところに皮肉しか
感じない。病院に入院した人物の特定を行い、放送
してしまうことで、途端に司側には不利な状況に陥るところが
怖かったかな。

それぞれの立場で色んな意図が働いていた。
エリート意識を持つものたちの身勝手な振る舞いが特に下劣な
までに目立ったし、どの人物も今の地位に至るまでに相当汚い
ことに関与して地位を築いている形跡が有る。その中でも頂点に
立つ山崎哲雄という人物にまで追求の手が及ばず、先を読んで
自分に責任の非が及ばないように工作しているところなと狡猾な
限り。

結局目撃者の明里も精神状態を疑われて目撃証言者としての
役割を果たすことは出来なかった。幼いのにパニック発作になって
可哀想だな。

捜査官のみんながバランスよく利用されたという点では、脇役
も含めて満遍なく俳優を活用したのは見事。
角田は水野の正体を突き止めるのに上手く利用され、大木と小松
を貸してくれた。
しかしまぁ右京と冠城だけで亮子を助ける為に乗り込むという
辺りは相当無理が有り、昔の水谷豊出演のドラマの彼ならば
無双化して敵をなぎ倒してもまるで違和感はなかったけど、
64歳の水谷豊にあんまりアクションさせるシーンを作らせては
いかんと思う。冠城にしても一人で獄龍会の相手を何人も倒す
っていうのもなぁ・・

最後の右京と山崎の会話はまるでかみ合わせず。

「あなたは何のために警察になられたのか?」(右京)
「君も警察としてマトモに事件を解決しては?」(山崎)

この山崎に右京がどれだけ解決したのか資料を見せてやってくれ。
というかこのドラマの上司達は右京の功績をまるで見ていないだろう。
そろそろ彼の力を認めるべきではないのか。

それよりもビジネスマンたちに問いかけるものが多かったのだ
ろうね。
「なんのために家庭を築いたのか?」と。

■出演者

杉下右京 …… 水谷豊 (警視庁・特命係)
冠城亘 …… 反町隆史 (4代目相棒、総務部広報課->特命係)
月本幸子 …… 鈴木杏樹 (2代目”花の里”)

伊丹憲一 …… 川原和久 (警視庁刑事部捜査第一課員)
芹沢慶二 …… 山中崇史 (捜査一課。伊丹の後輩)
角田六郎 …… 山西惇 (組織犯罪対策五課)
大木長十郎 …… 志水正義 (組織犯罪対策部)
小松真琴 …… 久保田龍吉 (組織犯罪対策部)
内村完爾 …… 片桐竜次 (警視長・刑事部長)
中園照生 …… 小野了 (警視正・参事官)

大河内春樹 …… 神保悟志 (首席監察官・警視正)
神戸尊 …… 及川光博 (長官官房付・警視)
米沢守 …… 六角精児 (鑑識課)
綿貫肇 …… 児島功一 (捜査一課)

真渕治 …… 三浦英 (29歳、司法浪人)
吉井聡美 …… 及川莉乃 (光子の娘、秀典の妻、ホームから転落死)
山崎哲雄 …… 菅原大吉 (警察庁長官官房総務課長)
吉岡琢磨 …… 坂田雅彦 (SITの班長)
水野浩介 …… 迫田孝也 (CARS代表、クラウドソーシングサイト)
新堂誠 …… 永野典勝 (法務省矯正局、夫)
新堂亮子 …… 仁藤優子 (妻、シングル)
新堂司 …… 田中偉登 (息子、定時制高校)
新堂明里 …… 横山芽生 (8歳、練馬区立旭台第一小学校)
森田八重 …… 片桐夕子 (66歳、森田鉄工所、夫の貴志は入院)
吉井秀典 …… (吉井コーポレーションの常務、海外出張)
吉井彰浩 …… 青木凰 (聡美の息子)
光子 …… (聡美の母)
北野 …… (山崎哲雄の部下・メガネ)

川崎誠一郎、大高雄一郎

宮崎高春、片山謳歌、宮崎重信、保科光志、柳川公輔、柳澤龍太郎、

栗田昌治、太田彩香、田中信一、島邑みか、宮田博一

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