anone[あのね]
(2018年1月期・日テレ・水曜22時枠)
脚本 – 坂元裕二
演出 – 水田伸生
音楽 – 三宅一徳
プロデューサー – 次屋尚
チーフプロデューサー – 西憲彦
https://www.ntv.co.jp/anone/
第4話 叶わない願い。幽霊の娘と暮らす母の究極の愛
【ストーリー】
ハルカは亜乃音と出会ったのは幼少期に過ごした柘という街。
亜乃音は私が拾った大金のバッグを取り返す。その過程で
辛い記憶を蘇らせる。スマホの中の友達・カノンに会えた
ハルカ。しかしカノンは彦星という名前でハルカとは同じ
施設で過ごして知っていることを聞かされる。会えば死ぬ
のが怖くなるとして彦星は会うのを拒む。助けるには移植
手術が必要だがそれには大金が必要だった。
偽札のことを亜乃音に言うとあれは床下から出て来たもの
だという。玲は亜乃音の娘だが残念ながら血の繋がりはなく
幼少期から懐かずに育ってしまう。そんなに値の繋がってい
ない誰かから生まれたなんて大事なことなのか?と亜乃音。
るい子は舵に対して死に場所を探していたことを語る。
しかしその過程で亜乃音が大金を燃やしていることに気がつ
き、ハルカを誘拐して身代金を奪おうとするが、ハルカから
は私は子供ではないことを聞かされる。しかしそれでも亜乃音
はホントの娘ではない私に1000万円を払ってくれた。しかし
それは本物の金ではなく偽札。金はなんとるり子が盗んでいく。
— 少し昔 —
本田は石本くんは居るか?としてるい子のアパートにやって
くる。隣の部屋と間違えているのではないかと言って追い払
う。
るり子は自分の人生を振り返る。彼女のヒーローだったロッテ
の村田兆治に感化され中学で野球部に入ろうとしたが教師
からはマネージャーになるよう言われる。この頃から母の
願いは叶わなくなる。高2年の時にバンドを組んで練習中に
バンド仲間がるり子を押し倒したこと。その時彼女は抱かれ
ながらギターのピックを握りしめていた。その傷が今でも
残っていた。母は妊娠する。しかし結果として発達せず、
看護師からは生まれてくる子は女の子だったと言われる。母
は分身として生まれてこなかった我が子にアオバと名付けて
いた。社会人となった母は夢と希望を持っていたが、どんな
に働いても男性社員に勝てず、上司に相談すると出世したかと
思えば書類管理するだけの部署に飛ばされる。会社を辞めて
結婚する。人生の二度目の結婚で男の子・樹が生まれる。
そこで幽霊だったアオバは消えるが、結果的に母の願いは
大抵叶わないものだった。
■感想
色々と細かいエピソードが多いですね。
ただ金は天下の回りものとは言うけれど、自分で稼いだもの
ではない金が巡り巡っていき、まるでそれを受け取ったもの
は自分の人生を話さなければならないという縛りでも有って
昔の合コンでのゲームみたいな状況になっている。
どの人物も金が欲しい。
金が必要な理由が有り、本人自身が裕福になりたいという
ものではなく大抵は子供や愛するものたちの為に必要な金だ
ということ。
そういう事情がある分だけ無条件に金を奪ったその本人を
非難することは難しいのだけど、更に悲惨さを覚えるのは
助ける甲斐が果たしてあるのかどうかという相手の言動に
失望感を覚えるところだ。
親子の関係が本当に歪なものとして存在している。
そうなるとまさに田中裕子さんが語る様に、「血の繋がりとか
誰から生まれたとかなんて大事なことなのか」という問題に
突き当たる。
このドラマは報われない相手にその身を捧げようとしている
ところがあるけれど、本当に哀しいことだ。
今回幽霊であるアオバを登場させたのは絶妙なところだった。
るり子という人物はこれまで殆ど目立つ事がなく、実の子供
からも学校の教師からも、友達からも彼氏からも社会からも
まるで居ないもののようにして扱われている。
一番酷いのは何かと考えさせられるけれど、どれも正直酷い。
最初の子は暴行に近い形で妊娠したのにその男は何処にいった
のかという感じだし、次ぎに出会った男は恐らく石本という
人物で借金漬けだったのだろうけど、その時金を回収に来た
男によって奪われてしまった。
そして何よりも現在彼女は結婚している訳だが、別居に近い
状況で息子は祖母が甘やかしたせいでロクデナシに育って
しまっている。そんな相手にも母親ならば無条件に愛するもの
となければならないのか。息子がまたそんな母親の病気を無視
して食事に出かけるし、病気を気にする気配もない。
次ぎに問題になるのは中世古家だろうか。
二つの家族を持っているような感じで、更に酷いのは玲と
いう相手がいること。二重生活している理由は何なのか。
彩月という娘は理市の本当に娘ではないのか?
ドラマ自体は正直そんなに面白くない。
予想は色んなところで裏切っているところもあるけど、
最早不幸自慢みたいになっているよな。
■出演者
辻沢 ハリカ …… 広瀬すず (19歳、遺品整理”NEXT”アルバイト)
青羽 るい子 …… 小林聡美 (50歳、元商社勤務、放火5年服役)
持本 舵 …… 阿部サダヲ (45歳、カレーショップ”東印度会社”店主)
中世古 理市 …… 瑛太 (35歳、弁当屋、元印刷業者)
花房 万平 …… 火野正平 (65歳、法律事務所所長)
林田 亜乃音 …… 田中裕子 (62歳、法律事務所事務員)
紙野 彦星 …… 清水尋也 (“カノンさん”、元更生施設”ためがい学舎”)
林田 京介 …… 木場勝己 (亜乃音の亡くなった夫)
幼少期のハルカ …… 大迫莉榎
青島 玲 …… 江口のりこ (32歳、亜乃音の義理の娘)
花房 三太郎 …… 和田聰宏 (万平の息子。弁護士)
青島 陽人 …… 荒井悠 (5歳、玲の息子)
青島 陽人 …… 守永伊吹 (7歳、玲の息子)
林田アオバ …… 蒔田彩珠 (るい子の娘・・死産)
青羽 樹 …… 武藤潤 (るい子の息子、電話)
中世古結季 …… 鈴木杏 (31歳、妻)
中世古彩月 …… 山岸理樹 (理市と結季の娘)
相良百合子 …… 高林由紀子 (るい子の義母)
相良周平 …… 関幸治
倉多 ……
本田 …… 金時むすこ (石本の借金取り立て)
村川香帆、三ツ村奏音、斉藤天鼓、石塚理恵
竹森郁眞、中川望、半田浩平、小中実玲、戸井田美零