太陽にほえろ!
1972年7月21日から1986年11月14日・全718話
日本テレビ
プロデューサー(日本テレビ):津田昭、岡田晋吉、清水欣也、山
口剛、川口晴年、中村良男、酒井浩至、服部比佐夫
プロデューサー(東宝):梅浦洋一、梶山仗佑、新野悟
企画・原作:魔久平(共同ペンネーム)
原案:小川英
音楽:大野克夫
http://www.teletama.jp/drama/index.html
第160話 証言
脚本/長野洋 監督/児玉進
【ストーリー】
真っ赤なベレー帽をかぶり公園を通り過ぎて行こうとする
女性・北岡直子。しかし彼女は時に脇に抱えていた料理
の本”基礎とおかず500種” 岩倉さき著を落とし、更には
風に吹かれて帽子が飛ばされ男性にそれを取ってもらう。
一部始終をベンチに座っていた中年男性が見ていた。
木の裏でこっそり用を足しに行こうとしたその男性は、
倒れている男性を発見。その男性は死んでいた。
・現場の公園
すぐに七曲署の捜査官も現場入りする。
喉を針金のようなものが絞められ絞殺されているという
ゴリ。身元と証明するものがなくスーツの裏地には木村
と刺繍が掘られていた。長さんは昼間からこんな場所で
殺人なんてただの強盗ではないことを語る。ゴリもまた
金目的ならさっさと逃げる筈なのに証拠一つ残していかない
ことはプロによる犯行ではないかと推察する。
目撃者の男から当時の状況を尋ねる。
男とは奥の茂みから出て来たところをすれ違ったが視力が
悪いので顔はよく分からないという。山さんとデンカは
何でも良いのでヒントになるものはないかと尋ねると、
あの娘さんならばその男に帽子を拾ってもらったので覚えて
いるかもしれないことを語る。赤いベレー帽を被り料理の本
を抱えていた女性。近くには大人気のマンモス料理学校が
あることからそこの生徒の一人だろうと。
・七曲署
山さんはそれら事実をボスに伝え、現在デンカが料理学校で
調べている事を告げる。
・江上料理学院
デンカは赤いベレー帽の女性が居ないか校門のところで
監察していた。するとそれに該当する人物が出てくる。
しかし女性の話では、私のアクセサリーと彼女の帽子を
交換したことを聞かされる。相手は北岡直子
北岡直子について調べて見ると住所は矢追町2-3に住んで
いて父親は「高野」というコーヒー専門店をしているとの
こと。父親の名は分からないか?と尋ねるボス。これから
山さんがコーヒー店を尋ねるというがボスは北岡という人物
に心当たりが有った為に自分がその店に行くので山さん
はデンカと共に更に目撃者捜しを手伝ってくれという。
・コーヒー専門店・高野
ボス/藤堂は店にいくとそこでマスターをしていたのは北岡
圭介だった。マスターは藤堂にとってはかつての先輩刑事
だった。
そろそろここに来て半年になるという。田舎で同様の店を
していたが娘も年頃だし店舗は手頃な値段で手に入ったと
いう。親一人子一人だから・・と。ボスは直ちゃんも大きく
なったでしょうとし最後に有ったのはおかっぱ頭の中学生
の時で、奥さんの葬式が最後だったという。圭介は藤堂が
家庭の事情も深く知って居ることを改めて語り出す。直子
にも恋人が出来たみたいで、世代の断絶だと笑うマスター。
何か用事が有って来たのかと尋ねられる中、ボスのポケベル
が鳴り山村から新しい事実が発見されたとの知らせが入る。
【感想】
藤堂のボス的役割の人物をテキサス編で登場させるという
のは「第142話 真実はどこに?」での鹿児島に行った時の
エピソードを思い出すな。
あれは元七曲署の小谷警部に向けて殺し屋が復讐に向かう
もので15年前の事件に関連して真相を突き止められるのか
どうかという物語だったような感じだった。もしかすると
警部自身がミスしているのではないかと疑いの目を向ける
ところも有ったしね。
今回はボスが元城北署にいた時に鬼係長として名を馳せていた
北岡圭介が「ある事件」をきっかけとして捜査官の職を
辞しており、それが何だったのかという事と、刑事として
育つ家庭の難しさみたいなものを感じる流れが有った。
地検が内偵中のオーロラ貿易と官庁ぐるみの汚職事件が背景
に有り、殺された人物がオーロラ貿易に属していた事から
この人物は当時者かその事実を知って居るものとして
影の黒幕によって殺害されてしまったのではないかと疑って
いく。
目撃者として浮上するのがまさに10年前の過去との因縁と
しか思えない鬼係長の娘。
過去の事件で犯人の偽りのアリバイを崩すのに協力してくれ
た人物は今回の黒幕によって殺されたことで繋がりが見えて
くる。
当時の事情が語られるまでが長かったか。
それだけ苦労していたのだろうけどね。
改政社という怪しい会社が有ってオーロラ貿易と繋がりが
有る。改政社を率いているのは誰なのか。オーロラ貿易は
何なのかはよく分からなかったけど、共通するのは二宮コウ
ヘイという人物。この人物はフィクサーなのか政治家なのか
分からないけど、この時代は裏の大物みたいな役割の人が
登場するのが多かったな。
少々展開は野暮ったい。
例えば近くのプラットホームで娘が突き落とされそうにな
ったときには捕まえられず、またあれだけ用心して殺人を
犯していたのにいきなり店に向けて銃乱射ですよ。
ボスは肩を撃たれてしまった。
しかし最終的には外で待っていたものたちが車で追いかける
とそこで改政社に乗り込んで黒幕を見つける。
その中に分かり安い形で金庫があるなんて出来過ぎだけどね。
【出演者】
藤堂俊介 …… 石原裕次郎 (七曲署・一係のボス、係長)
山村精一 …… 露口茂 (山さん)
石塚誠 …… 竜雷太 (ゴリさん)
島公之 …… 小野寺昭 (殿下)
野崎太郎 …… 下川辰平 (長さん)
三上順 …… 勝野洋 (矢追町派出所から異動、テキサス)
北岡圭介 …… 木村功 (コーヒー専門店”高野”、元城北署)
北岡直子 …… 白川望美 (江上料理学院・生徒)
二宮公平 …… 浜田寅彦 (改政社)
疋田 …… 市村昌治 (殺し屋)
ベンチで座る目撃者 …… 浅野進治郎
木村達夫 …… (53歳、被害者・オーロラ貿易営業二課・課長)
小倉雄三、新井一夫、久保田鉄男、矢野豊、竹田寿郎