太陽にほえろ!
1972年7月21日から1986年11月14日・全718話
日本テレビ
プロデューサー:津田昭、岡田晋吉、清水欣也、山
口剛、川口晴年、中村良男、酒井浩至、服部比佐夫
プロデューサー:梅浦洋一、梶山仗佑、新野悟
企画・原作:魔久平
原案:小川英
音楽:大野克夫
http://www.teletama.jp/drama/index.html
第162話 したたかな目撃者
脚本/田波靖男、四十物光男、小川英 監督/小澤啓一
【ストーリー】
メガネの男・堀田四郎はあるマンションに空き巣に入る。
鍵のかかったタンスの引き出しを開けると中からネックレス
などが入っていた。しかし予想外に家の主の女性・奥江美知
と一緒に上条修一がやってくる。修一は美知を送って来ただけ
だが酔った彼女は別の女と結婚するなら滅茶苦茶にしてやる
からと語る。
先に室内に戻る美知は悲鳴を上げる。何者かが室内を荒らして
行った形跡が有ったからだった。真っ先に宝石類を見に行くと
美知は一切何も盗られていないことに安堵する。窓が開きっ
ぱなしになっていたので修一もそこから逃げたのだろうと語る。
美知はラッキーだったとしてすぐに110番する中、男は突然
ベルトで美知の首を絞めて殺害しそして宝石を掴んで逃げる。
一部始終をベッドの下で見て居た堀田四郎はまだ現場に居合
わせており、倒れた美知の遺体と目が合ってしまう。
急いで四郎も逃げるが、通報を受けてやってきた二人の警察官
によって捕まってしまう。
・現場検証
デンカとゴリは荒らされている現場を見て回る。そこに山さん
とテキサスも合流。窃盗のつもりが110番されて殺したのか?
とデンカ。空き巣専門の前科三犯の男・堀田四郎が現場近くに
いたのを警察官によって連行されているという。テキサスは
その男性を知って居た。
・取り調べ室
123号室に入ったのはお前なんだろうと長さんは四郎を問い詰
める。彼は空き巣に使う7つ道具を持っていたからだった。
それを持って何をしていたのかと問うと散歩だという。
そこにテキサスがやってくると去年交番勤務の時に窃盗の現行
犯で逮捕した三上だと四郎に告げる。二度と盗みはしないと
約束したからこそ調書には改心の情が著しいと書いたからこそ
刑も軽く済んだのに・・とテキサス。しかし四郎はこれは濡れ
衣だと語る。
確かにマンション近くを物色中だったが盗みには入っていない
という。子供が発作を起こして入院しているので金が欲しかっ
たという。小児喘息で治療費がすすること。おれみたいなもの
は盗みにでもしないと金が払えないという。
テキサスは四郎を信じたいと語る。そもそも盗んだ宝石も
所持していなかったし、マンションを物色された痕はない
という。ヤツは何よりも殺しが出来るヤツではないという
テキサス。長さんは前科三犯の常習犯だぞというが、そういう
考えが更生を阻むんですとテキサス。ゴリは本当に信じられる
のかと問うと、「人間を信じろ」がゴリさんの口癖ではない
のかとテキサス。
山さんは被害者の写真を持ってくる。すると首にはネックレス
が付けられていたがこれは300万円を超えるもの。盗みに入った
ものなら一番高価なものを狙う筈。首を絞めたならダイヤの
ネックレスに気がつかない筈はないという。
被害者の奥江美知はファッションモデルをしていて深い仲の
男性は数人あがっているという。強盗を殺人に見せたのは
カモフラージュではないかという。堀田を釈放して美知の
交友関係を調べる様告げる。
【感想】
貧しいものが自分の子供の為に金を盗みに入るというもの。
一見すると人の良い空き巣だが、正直この男の発言は嘘ばか
りであまり好かないところもたぶんに有った。
信用したものを裏切る行為。しかもそれが何度も続くと
正直信用するに値せず、結局また繰り返すだけなんだろうな
としか思えない。それだけ病的な嘘付きの男だった。
ただそんな男でも殺人と空き巣では当然罪の重さが変わって
くる。カモフラージュ殺人として取り上げられたが、
女を殺した男は金持ちの子供で金とか父親の権力で何でも
出来ると勘違いしている。
ファッション業界が取り上げられた格好だけどどうみても
設定は水商売である。
悪い事をしている会社だけ有って当時はヤクザと繋がりが
ある事も有ったのかな。
テキサスが尾行をしていることに気がつく四郎。
相変わらず七曲署の捜査官の尾行シーンは見て居られない。
圧力をかける意味では良いけど、もうバレバレ。
男の趣味は女と車とモーターボートだという道楽者。
父親は証拠品である現場から盗ってきた宝石類を未だに持って
いる息子を馬鹿扱い。
正直矢追総合病院で一郎少年と逢うまでは、病気の子供が
いるということさえも嘘だと思った。
そもそもこの男に妻が居たのか?で、今何をしているんだ?
子供がまた聞き分けが良すぎで悪いことしている父のこと
を把握している。
上手く駆け引きしたのは新宿緑屋で10歳の男の子の
パジャマを買ってその中に300万円を入れろとしたこと。
突然ながら偽札を掴まされて殺し屋に狙われテキサスに助け
られる。その言い訳を用意していたこと。ただテキサスが
居なかったことを考えられていたのかが謎。
次のチャンスは2000万円に要求額が変わり、その取引の
流れに”国鉄”で黒い革の財布を落としたとしてその財布の
中にロッカーの鍵をイレさせて盗み取った。
本当の我々の相手はどちらなのか。
堀田本人か、その堀田の命までも狙う真犯人か。
トイレにいくと行って巻かれてしまう刑事の光景。これで
二度目のミス。
定期口座に500万、そして普通口座に1500万を預ける。
大友が宝石詐欺を手配して、その宝石が堀田によって盗まれて
2000万円を渡したことを告白。当然ながら金の出所を話せない
堀田にとっては、その金がどうして宝石を盗んで得たのかと
する証拠が無いと最後まで食い下がる。金は連番だったこと。
しかし最後には狼男も正直に告白して、秀一が彼女を殺して
父親を強請って金を得たことを語る。
秀一とテキサスはボートの中で強引に自供させたけど、
そんな捜査は70年代の警察官にとっては当たり前だったんだ
ろうな。
でもこの堀田はまた出所したら空き巣狙いになりますよ。
これからの方が金がかかりますから。
【出演者】
藤堂俊介 …… 石原裕次郎 (七曲署・一係のボス、係長)
山村精一 …… 露口茂 (山さん)
石塚誠 …… 竜雷太 (ゴリさん)
島公之 …… 小野寺昭 (殿下)
野崎太郎 …… 下川辰平 (長さん)
三上順 …… 勝野洋 (矢追町派出所から異動、テキサス)
堀田四郎 …… 熊倉一雄 (前科三犯、空き巣専門)
上条社長 …… 山本麟一 (上条会館社長、金が全て)
上条修一 …… 沖田駿一 (上条社長の息子、女、車、)
堀田一郎 …… 水野哲 (四郎の息子、小児喘息)
奥江美知 …… 本田みちこ (被害者)
大友 …… 稲吉靖司 (戸川組?、堀田に罪をなすりつける為証言)
戸川組の殺し屋 …… 小坂生男
戸川組の殺し屋:小坂生男
稲吉靖、大前田武、川上大輔、辻義一、風戸祐介、小坂生男
森下明、岡田正典