アライブ がん専門医のカルテ 第2話 知られざる、男性の乳がん

アライブ がん専門医のカルテ
(2020年1月期・フジTV・木曜22時枠)

脚本 倉光泰子
演出 髙野舞
プロデューサー・プロデュース 太田大、有賀聡
音楽 眞鍋昭大
オープニング 須田景凪『はるどなり』

https://www.fujitv.co.jp/alive/

第2話 知られざる、男性の乳がん

【ストーリー】

患者会で心は夫が雨で強風の際に看板の下敷きになって
昏睡状態だと告白。関東医大で手術を受けたが執刀医の
梶山薫がちょっとしたミスで意識は戻らなくなる。
心は薫に何でうちの病院に来たのかと尋ねる。
須藤は薫が横浜みなと総合病院で働き心に近づいている
事を知り何のために近づいているのかと尋ねる。

全身ガンの高坂民代が消化器外科の薫の診察を受ける。
民代は詮索好きで、あなたは前の病院で悪いことをしたって
噂だと語る。しかしここの外科はロクなのが居ないから
来てくれてうれしいという。心先生もあなたは優秀な
医者だと言っていたこと。あんまり悪口を言うと失敗され
たら困るのでこの辺で冗談はやめておくという民代だが
図星故にドキっとしていた。

●乳がん検査

・日ノ原徹(58歳)
ステージIIの乳がんだと阿久津は語る。
守野は男性もかかるものなんですねと告げる。
乳腺科に言われウチは術前の化学療法をすることになった
という。乳がんの1%未満は中高年の男性。ゆえに発見が
遅れることがあるという。世間にも知ってもらわないといけ
ないと。

担当医の守野は、日ノ原徹に乳がんだと説明する。
そしてあなたの母親もまた乳がんなので遺伝性かもしれない
こと。子供は娘・楓が一人だというと、それなら遺伝子検査
をお勧めするという。ただし保険外なので25万円かかるとの
こと。娘は元嫁の元にいるので何年も話していないのだと
いう。

・佐倉莉子(26歳)

彼女は担当医の心に会社には病気のことを知られたくない
という。変に気を遣われたりするのは嫌だと。心は話したく
なるまで待つのも良いと語る。生活に合わせて仕事と治療が
出来るまで・・。何でも相談してくれという心。すると
手術は遅らせられるのか?という。全摘するなんて・・

医者たちは話す。莉子の場合二カ所に見つかったので全摘
しないといけないが、彼女にはもう少し時間が必要だと語る。

■感想

ドラマとしてはちょっぴり特殊ケースを扱った感じが
しないでもない。「男性の乳がん患者」「若い女性の
乳がん患者」

そして既に末期で「緩和ケアをしている患者」も居て、
一筋縄ではいかない。

そんな患者の気持ちは自分に向けられるものや他人に向けられ
るものなど様々だ。

莉子のケースで感じたのは、私も同様に感じて
いることでもある。病気だと発覚した後に混乱期が有り、
それから誰かに諭されて受け入れていく課程。
その中には深い葛藤が有り、同世代の人たちが恋愛や結婚・
出産などをしていくのをただただ見ていくしかないところに
寂しさを覚える。

自分はパニック障害持ちなので他人と必要以上に関わるのが
難しいし経済的自立はしていてもやはり精神的には親に
依存している。だから親兄弟がけがしたり病気をしたりする
と途端にメンタルが凹む。

莉子の場合、自分の胸の摘出よりも他人の幸せを素直に
喜べなくなっていることに怖さを感じていた。次第に
冷静になっていくとやはり自分の胸の摘出によって恋愛
が出来ないのではないかと考えていく。

気持ちの推移は、似たようなことを経験したものから受け
継がれてそれを受け入れていくまでの展開を時に大胆に
時に丁寧に描いているところは見事だ。

病気にならないとなかなか他人の事なんて気にも留めない。
病気でも余程大きな病気でなければそれさえも気がつかない。

他人への気遣いは心や薫、そして民代も同様だった。
そして身内のようで今は離れて暮らしている娘への残酷な
告知的流れが日ノ原徹の流れに有り、娘の楓にがん患者と
して「遺伝的素因を持つ家系である」ことを語るかどうか
で悩んでいる。

そしていつもはくせ者役としてお馴染みのふせえりさんが
今回は凄い役で出てきた。
自分の経験を役に立てたことでその知識は、同様に困った
人に連鎖的に広がっていくことを予感させるし、期待する
ものがある。いやそうなって欲しいとする願望かもしれない。
乳がんは女性特有のものだという思い込みから、そこに
通院しなければならない男性にとっては辛いところだろう。
そこにうまくスッと入ってきて協力者となってくれる。

女性にとってはやはり乳房の全摘は相当なダメージだろう。
いろんな経験者が中には含まれていて、薫がまさかの乳がん
患者だった過去があるというのがサプライズとして訪れた。

またドラマとしてはちょっぴりスリリングな形で進行し、
もの凄く直感の鋭そうな役柄として高畑淳子さんが配置
されている。2016年の「ナオミとカナコ」で謎の中国人
役を演じたときの様だ。

そして須藤進と梶山薫の関係もまた少しずつではあるが
明らかになりつつある。単なる医師同士の関係では無い
様で、須藤と薫の中には不倫だった時もあったりするのか。

■出演者

恩田心 …… 松下奈緒 (横浜みなと総合病院の腫瘍内科医)
梶山薫 …… 木村佳乃 (関東医大 -> 消化器外科医)
結城涼 …… 清原翔 (研修医)
夏樹奈海 …… 岡崎紗絵 (研修医)
恩田匠 …… 中村俊介 (心の夫、小説家、意識不明)
須藤進 …… 田辺誠一 (関東医大、消化器外科副科長)
守野光男 …… 藤井隆 (腫瘍内科医で心の同僚、5人の子)
阿久津晃 …… 木下ほうか (腫瘍内科の部長)
高坂民代 …… 高畑淳子 (患者。全身がん)
恩田京太郎 …… 北大路欣也 (匠の父、人気脚本家)
美川史郎 …… 阿南健治 (消化器外科・部長)
恩田蓮 …… 桑名愛斗 (息子・小学生)
近藤 …… (内緒で肝生検を頼む)
渡辺 …… 田川可奈美 (看護師)
松井 …… (看護師)

日ノ原徹 …… 寺脇康文 (58歳、乳がん、港南工務店勤務)
日ノ原楓 …… (徹の娘)
佐倉莉子 …… 小川紗良 (26歳、乳がん)
佐倉裕子 …… 村岡希美 (莉子の母)
紀子 …… ふせえり (緩和ケア)
吉田葵 …… 宮澤竹美 (妊婦、莉子の友達)

小池まり、王琳、三土幸敏
相田雄一郎、高谷心也、錦戸梨絵、西野陽子、道本成美、
山植久美加、湊川えみ

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