MIU404 第8話 仏の顔も三度までよ。

MIU404
(2020年7月期・TBS・金22時枠)

脚本 – 野木亜紀子
音楽 – 得田真裕
主題歌 – 米津玄師「感電」
プロデュース – 新井順子
演出 – 塚原あゆ子(1)(2)(3)(6)、竹村謙太郎(4)(5)(8)、
加藤尚樹(7)
編成 – 橋本孝、渡瀬暁彦

https://www.tbs.co.jp/MIU404_TBS/

第8話 君の笑顔
(未解決の連続殺人!? 警察官になった理由)

【ストーリー】

ゆづきの部屋で盗聴器が発見されたことを受けて捜査官や
鑑識に改めて調査・報告をさせる。
土曜日の朝に突然お湯が出なくなったが今思えばそれ自体
給湯器を何者かに壊されていたのかも知れないという。
日曜日に来るはずの修理屋が来ず、翌日業者側からの連絡
で突然今日なら修理できると言われたこと。勤務中だったので
立ち会えず志摩が代わりに立ち会っていた。
志摩も伊吹からの電話があった五分間に目を離してしまった
ことがあり、その間に仕掛けられたであろう事を告げる。
ゆたかとハムちゃんを別の場所に移さなければならない。
ゆづるによると、これはすぐにバレる仕掛けであり私が
誰なのかを知っている人間の仕業とは思えないこと。
狙われたのは私でも刑事でもなく羽野麦であろうことを語る。
彼女は過去に闇カジノの情報を警察にたれ込んでくれたので
辰井組とエトリという男に追われているという。
そして麦たちは警察の人の住むマンションに引っ越すことに。

・2ヶ月後
伊吹は麦やゆたかの引っ越しが夏休み前で良かったことを
語る。夏休みのお陰で新しい友達と遊べた為に二学期から
スムーズに友達の輪に入れたこと。しかし二ヶ月経っても
エトリに関する情報・糸口は見つからなかった。
志摩は自分が目を離した責任を感じていたが、その引き金
となる電話をかけたのは俺だという伊吹。しかし志摩は
電話は香坂の件のことで、それは俺の問題なので責任は俺
に帰着するという。伊吹は呆れて、それなら世界中の全ての
問題の責任はお前のせいだと語る。

●機捜 / 重点密行中

警視庁から入電。八王子南署管内から人の遺体が発見され
たとの通報が有ったという。

●現場 / 高山町

遺体は袋に入れられていた。そして中国語らしき文字が
書かれていた。袋を開けてみると小柄の成人男性。
20から40代。死後一ヶ月は経っているという。胸には刺し傷
が5カ所以上、指は切り落とされている。人差し指、中指、
薬指と両手の指3本ずつ。被害者はクリスチャンなのかと
問う。十字架のネックレスが有った。

そんな現場にはNowtuberのナイトクローラーチャンネルの
RECたちが来ていた。人気のNowtuberで登録者40万人越え。
撮影のバイトを雇いパトカーや救急車の行く先々に集まって
くるのだという。

現場には捜査一課の刈谷と田島がやってくる。
志摩がいることで刈谷とは少々揉める。
しかし田島からはその事件は単独ではなく未解決の連続殺人
事件であることを言われる。

●捜査本部”八王子南署”

事件は20年前(1999)に千葉の海であがった遺体・小野健介(28)
そして二人目は15年前(2004)に荒川区の自然公園で見つかった
植松敏朗(52)。どちらも胸を滅多刺しで両手の中指三本が
切り落とされていたもので荷札には中国語でショウと呼ぶ
「獣」を意味する文字が残されている。これは犯人しか知り
得ない情報であることを語る。
そして今回の被害者は堀内伸也(41)。前科二犯の男性だった。
堀内は茨城出身・・俺と同じだという伊吹。

■感想

「アンナチュラル」とのプチコラボレート。
アンナチュラルってフジテレビかと思って居たのでちょっと
驚いたのだが、実際にはこのMIU404と同じ放送枠だった。
野木亜紀子さんってフジのヤングシナリオから出てきたので
多分そういうイメージがついたのだろうけど、やはり漫画
などのドラマ化ではなく書き下ろしのドラマで名作を作って
いるところが凄い。
アンナチュラルの主演は石原さとみさんだったので、
現在放送している病院ドラマの「アンサング・シンデレラ
病院薬剤師の処方箋」
なんかとも何処か被っている。
この辺は先週の「アンサング・シンデレラ」でも書いたのだ
けど・・

アンナチュラルの細かい内容はあんまり覚えていないけど
これもまた色んな他部署との戦いみたいになっていたよね。

本来のそれぞれの役所を越えたところに人生ドラマが詰まって
いて、それが身内なり近しい人物ならば感情移入するところ
が有るのは尚更だ。
今回は主人公にとっての身内・・というか心の恩師であり、
そして指導者でも有る人物の事件関与。

今回はドラマ全体に見ても8話という終盤的エピソードと
いうことも有って、重厚感もあり、まるで人生の選択を
迫られるような勢いのあるシナリオでもあった。

ドラマを見れば意外とテーマはわかりやすい。
3という数字はキーワードとなっていて至るところでその
数字が浮かび上がる。
ピタゴラスイッチが壊れていてそれを志摩が直していたが、
人は何かのスイッチを押すことにより背中を押されて、
思いがけない行動を取ることがある

過去のこのドラマの中にも似たようなセリフがあっただろうか。
人を信じて人を許して来た警察官も最後は感情ありき人で
あることが提示された格好である。
人生の選択。非常に皮肉なものだけど、日本のことわざに
「仏の顔も三度」という言葉があるが、今回はそれが破られた
ことによるもので、まるで反省することを知らない男によって
人生をぶちこわされた人の復讐劇だった。感情を抑制する
ことも出来なくなったが、誰にでも怒り悲しみ絶望という
負の感情はあるもの。
自分の人生をかけてでもやりたいことはある。
リミッターを外された際に、そこで人生を分けるのは傍に
寄り添う人が居るかどうかや、信じてくれる人がいるか
どうかではないか。
それを考えれば人は甘やかせすぎても駄目だし突き放しすぎ
ても難しいということになるね。
その点、伊吹と志摩は良いタイミングで出会ったという
ことだね。

さて今回の事件は・・
先日志摩の過去に触れた流れがありそこが引き金となる
メインの流れと、そして今回訪れた連続殺人事件に似せた
模倣的犯行、そして未だ解決していない連続殺人事件という
ものも存在する。

警察官が一番してはいけない行動。
それは警察官しか知り得ない情報・スキルを使って人を
私的に裁くことだ。
ただしもちろん今の彼は警察官ではない。
ずる賢いところは「記憶」というもの色んな形で利用して
いる。
そういう暗部を暴こうとしているRECは一見すればゲスな
存在だが、こういう警察官の行動が彼のような存在を際立たせ
てしまう。

伊吹とガマさんの関係については5話で少し触れられている
が、「犯人・関係者しか知り得ない情報」ならぬ、「彼だけ
が信用してくれた恩師」
故に、シナリオの雲行きが怪しく
なるにつれて辛い流れへと誘う。

視聴者が何処でその流れに気がついたのかということも
興味深いが、最初にガマさんの家を訪れた際には、勘の鋭い
二人の刑事にとっては十分な情報がそこには有ったという
ところだろうか。
伊吹に至っては冒頭での現場での十字架を目にした瞬間に
何かに気がついたのかも知れない。この時の彼には感情の
バイアスがかかっていなかったので、そのような疑うべき
素地を見いだしていたのではないか。

やはり上手く出来ているのは過去と現在を繋ぐ人生模様の流れ
とそれに伴う立場や機微な感情の流れをさらりと描いて
いること。スイッチが上手く機能していた。

また警察官という職務はいつまで警察官で居なければならない
のか。
ガマさんは退官後の人生を外国人労働者のボランティアに
費やしていたのだから、それまでの茨城の県警で行っていた
市民との距離の近いコミュニケーションの形を取っていた。
それでも逆恨みのような形で不思議なことに刃となって突き
刺さってくる。
今回の加害者側には同情の余地が多分にあったし、人生の
不条理さを見た瞬間だった。

■事件発生です

・連続殺人事件、被害者と現場検証

・20年前(1999)に千葉の海であがった遺体・小野健介(28)

・15年前(2004)に荒川区の自然公園で見つかった植松敏朗(52)

・今回(2019)八王子の高山町で見つかった遺体・堀内伸也(41)

遺体は胸に刺し傷があり、人差し指、中指、薬指の三本が
両手の指とも欠落している。

また中国語で獣を意味する漢字の荷札がついている。

・時間と場所

第一の容疑者はパチンコ店の菅沼(55)。第二の容疑者として
峯岸(34)という中古車修理/販売店の人物が浮上する。
3件の事件が同一人物によるものだと、1件目に発生した20年
前の事件を勘案し、峯岸は14歳で仙台に住んでいたので
可能性が低い。

・ガマさんの家

ガマさんは記憶障害を患っていた。志摩の叔父が飲んでいた
クスリと同じものが置いてあり、「脳血管型認知症」を疑う。

被害者の堀内のことを尋ねると意外としっかりと覚えていた
こと。

また車椅子だか歩行補助器だったかが曲げられていて、とても
人の力では壊せないものがあったこと。

・結果

結果として色んな事実を突きつけたことでガマさんも犯行を
認めた。車は盗まれたのではなく廃車にされていること。
人なつっこいとされる堀内がまたしても助けを求めてガマの
元を尋ねるが警察官では無い彼には何も出来ないとしたこと
で逆恨みされた格好だった。

またUDIラボによって過去の事件との違いを見いだされていた。
「切断の向き」

三本の指の切断についても九重が長崎を訪れた時の事を
思いだしキリシタン狩りでの拷問の形を思い出させるもの。
「この者は人間にあらず獣である」

事故現場の塗料痕。殺された麗子さんの写真の中に写っていた
十字架のネックレス

■気になるいくつか

ゆづるの自宅に取り付けられた盗聴器は素人によるもの。

EPというドラッグを売りに行った成川は澤部のPCの画像の中に
羽野麦の写真を見る。

ガマさんの記憶がおかしいと感じた時に伊吹は麦と共にガマ
さんの家で三人で暮らそうと考えた。迷惑をかけたくない
彼女としては悪くない提案のように考える。

■出演者

伊吹藍 …… 綾野剛 (第4機動捜査隊)
志摩一未 …… 星野源 (第4機動捜査隊)
九重世人 …… 岡田健史 (第4機動捜査隊・キャリア)
陣馬耕平 …… 橋本じゅん (第4機動捜査隊)
特派員REC …… 渡邊圭祐 (WEB動画チャンネルの運営者)
糸巻貴志 …… 金井勇太 (第1機動捜査隊・解析班)
我孫子豆治 …… 生瀬勝久 (警視庁刑事部のトップ)
桔梗ゆづる …… 麻生久美子 (機動捜査隊隊長)
羽野麦 …… 黒川智花 (ハムちゃん、情報提供者)
桔梗ゆたか …… 番場天嵩 (息子)

久住 …… 菅田将暉 (ドーナツEPの売人?)
成川岳 …… 鈴鹿央士 (私立バシリカ高等学校3年2組)
谷山 …… 坂田聡 (1機捜本部)
刈谷 …… 酒向芳 (捜査一課)
田島 …… 永岡卓也 (捜査一課)

蒲郡滋生 …… 小日向文世 (62歳、元茨城県警警部補、外傷性高次脳機能障害)
坂本誠 …… 飯尾和樹 (UDIラボ所属の臨床検査技師)
神倉保夫 …… 松重豊 (UDIラボの所長)
蒲郡麗子 …… 丸山瑠真 (58歳、蒲郡滋生の妻。カトリック信者)
堀内伸也 …… 大重わたる (41歳、山中で変死体、前科二犯)
峯岸智明 …… 植木祥平 (34歳中古車販売業者)
菅沼聡 …… 若杉宏二 (55歳、中野のパチンコ店店員)
小野健介 …… (28歳、1999年当時千葉の海で見つかった遺体)
植松敏朗 …… (52歳、2004年当時荒川区自然公園で発見の遺体)
フォン …… ユイ・グエン (ベトナムに帰国しニセットと結婚)
澤部 …… 福山翔大 (成川のドラッグの顧客、辰川組??)
鑑識 …… 尾花かんじ

河野安郎
石井紀行、一條恭輔、安藤稜浩、平野健太
西村桂祐

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