[終] MIU404 11話 頭を使え!頭を!!

MIU404
(2020年7月期・TBS・金22時枠)

脚本 – 野木亜紀子
音楽 – 得田真裕
主題歌 – 米津玄師「感電」
プロデュース – 新井順子
演出 – 塚原あゆ子(1)(2)(3)(6)(9)(11)、
竹村謙太郎(4)(5)(8)(10)、加藤尚樹(7)
編成 – 橋本孝、渡瀬暁彦

https://www.tbs.co.jp/MIU404_TBS/

第11話 ゼロ
(最終決戦! 4機捜が迎える衝撃のラスト)

【ストーリー】

陣馬は違法ドラッグのトラックを止めようとして轢かれる。

病院に運ばれた陣馬は既に10日も意識が回復しないまま。
ゆづるが見舞いに訪れると、陣馬の息子の鉄と娘の澪が
入れてくれる。毎日色んな人が来てはお見舞いの品を置いて
いってくれることも有り、子供たちは父親の人望の厚さに
改めて驚く。ゆづるはこれは公務災害として扱われるとし
回復するまでは最大限のバックアップをすることを約束。

・2019年10月8日

久住は電話で来月の五輪の第二次チケット販売に於いて
開会式でのチケットは200万円でも買う人がいることを
語る。会場中は金持ちだけだと。

・重点密行

志摩と伊吹は機捜404から401へ変わっていた。
警視庁より入電で墨島駅前で高齢者が暴行を受けていると
の連絡を受けたとして、二人が現地に行く事になる。

九重はその時糸巻の所にいた。
二人が401と呼ばれていることに違和感を覚えるが、糸巻に
よるとコールサインは車のGPSを基準としているからだと
いう。二人が使用としていたメロンパン号は嘘の情報と
一緒に派手にネットに写真が流布されテロに使われる車と
しての認識が市民の中に埋め込まれてしまう。
現在無線がハズされて駐車場で寝ている・・本当に404 Not
Foundとなってしまったと語る。

ゆづるは我孫子に取りあえずメロンパン号や偽情報はネット
上から自浄されたことを語る。過去にサイレンを鳴らしてい
た所を目撃されたり助けられた人の情報がなんとか火消しの
役目を果たしていた。実際には存在しない都内12ヶ所の爆破
テロ。しかしその情報のせいで通信指令本部はパンク状態に
なり、助けられる人も助けられなかった。またテロ情報を
流した人物は投稿された時刻が最初の110番通報よりも早い
ことから犯人自ら攪乱させる目的で利用したであろうことが
判明していた。

対応に遅れたのは28件。
妊婦の搬送が遅れて胎児が死亡したり、古寺が火災で全焼
したり、ドーナツEP工場を捜していた刑事がトラックに
ひき逃げされた件でも現着が遅れてしまった。

■感想

いよいよ最終話。
見るのがだいぶ遅れてしまいネタバレを避けて交わして
ウェブの荒波を航海するのが大変でした(笑)

ドラマの世界観は現実のご時世を面白く取り込んで良く
出来ていたし、混沌とする世界の住民たちの現状やら立場
と言ったものの対照的な姿が至るところで散見して居て
バディとしての価値観というものを浮かび上がらせるよう
改めて描かれている。

対照的な対比の究極の姿は時間ではないだろうか。
「過去」と「未来」
それぞれに過去が有り、過去に絶望するあまり、未来に
対して希望が持てずにいた。その絶望的思考を上手く打ち
破り未来に向けたメッセージ性溢れる内容へと繋げている
が、その中には一致団結する姿が有ったり、その必要性を
感じさせる。

最終話では時間軸を利用して、三者三様の内面に秘めたる
今現在の犯罪者に対する価値観とか性格というものを引き
出す演出が成されている。

名作映画の「恋はデジャブ」ではないけど、繰り返しの
失敗的未来を描く内に何が正しいのかというものを視聴者
にも考えさせるようになっていたのかも知れない。

この二人は警察官として何を求めようとしているのか。
更に広げれば機捜の全ての職員は警察官として出来ることは
何かということを考えさせられる。

「刑事の自分を捨ててでも俺は許さない」

そんな内容から始まったドラマの流れから上手く未来志向へ
目を向けさせる流れの旨さはやはり評価されるに値するもの
が有った。

■事件発生です

刑事の単独行動はろくな行動・結果を生み出さない。
それぞれの中にある正義は必ずしも一致しない。
これは過去に刑事を止めたガマさんから始まり、前回の陣馬
や今回の志摩、そして伊吹などを見れば明らか。更にゆづるも
過去のエピソードでもそれに該当するものが有ったのかも
知れない。

この世界には色んな人が居て、暴走する人、それを止める
人が居て初めてバランスが取れる。スイッチのon/offは
誰かによって押され、誰かによって押されるという他人に
左右されることが多いのだ。

・日常生活の中の事件

五輪が近づく中で反対派と賛成派が未だに争っているという
ところが違和感はあったが、それでも近代五輪に関しては
色々と世界でも論議が大きくなりつつある。
過度の商業主義化によって久住が語っているように、金が
あるものの祭典となりつつあるのだ。
金のあるところには必ずと言って良いほど、それを狙う介在者
がいるということも忘れてはならない。
これはドラッグなどの流れにも言えることではなかろうか。
その結果が破滅である。人間の愚かさの象徴だ。

・久住にたどり着くまで・・

時間軸をいじる前に、久住にたどり着くまでもまた面白く
出来ていた。
志摩はRECと共謀して久住が所持していたスマホケースの
販売元を調べる。
ナノクリスタルが散りばめられた特殊なもので、パパラッチ
対策グッズとして海外で売れていて、撮影すると光を集めて
反射させ写真が黒くなるというもの。

Raymond Forsythというロンドン在住の人物が販売していた。

日本国内には9個。

3個は下北沢の店・Junkroomという雑貨店。
4個は個人販売・Ryota Ito、Maiko Miyamoto、Yasuo Matsui、
Hiroshi Imai
2個は東京湾マリーナ・G11宛て(久住)。

その流れを志摩は掴んだが、それを盗聴していたのは伊吹だ
った。

・三者三様の事件の流れ

実に分かりやすいように現在の心理状況を時間軸を繰り返し
再生させることであぶり出していった。
いずれもスタートは2019年10月15日の13時30分だっただろうか。

そして分岐が始まるのが16日の深夜24時である。

興味深いのは久住と会話する中でバディ関係を求める時の
それぞれの返信的言動である。

・ケースA

伊吹がドラッグルームに入れられて倒れている所に志摩が
駆けつける。伊吹の方がドラッグを多く吸わされて先に
志摩が目覚める。伊吹を殺そうとする際に志摩が銃を取り出す。
しかし後ろから撃たれる。
志摩は自らを久住のような人物だとしていて、だからこそ
殺せると言っていた。

・ケースB

伊吹がクルーザーのデッキ目覚める。
伊吹のことを凶暴な犬を心の中に飼っているのだろうとして
いたが自分は変わったと発言する。
志摩は瀕死の中で殺すなと語るが、伊吹は発砲する。

・ケースC

2人共捕まり手足を縛られている。
陣馬が目覚めたのをきっかけにして、それを九重が志摩や
伊吹、ゆづるにLINEでメッセージを送ったことが功を奏する。
あれだけ負の方向に利用された携帯が振動で机の上から落ちて
来た事で伊吹が目覚める。二人共死んでおらず、伊吹が志摩
を起こすことで別の方向に人生は流れる。

■結果

久住を捕まえる際には屋形船での攻防がある。
三人の共同作業はなかなか。そして一筋縄ではいかない
久住と、久住の自爆的行動が何とも言えないところがあったね。

ゆづるは最後に色々と良い言葉を残した。

ゆづるが我孫子を説得する際に語ったセリフでは・・

「面目や対面の為にできることをやらないなら私たちがいる
意味は何か?小さな正義を一つ一つひろったその先に少しでも
明るい未来が有るのではないか?」

ゆづるが異動することになった際には・・

「警察は権力があるからこそ信頼性を損ねることが有って
はならない。女の隊長で反対もあった。年齢・性別にかかわ
らず、機捜は良き刑事として最高の仕事をしてくれた」

改めて陣馬とゆづるが3機捜で組んでいた時のこともネタ
として出てきたね。2011年の震災の年だったとかなんとか。

■出演者

伊吹藍 …… 綾野剛 (第4機動捜査隊)
志摩一未 …… 星野源 (第4機動捜査隊)
九重世人 …… 岡田健史 (第4機動捜査隊・キャリア)
陣馬耕平 …… 橋本じゅん (第4機動捜査隊)
特派員REC(児島弓快) …… 渡邊圭祐 (WEB動画チャンネルの運営者)
糸巻貴志 …… 金井勇太 (第1機動捜査隊・解析班)
我孫子豆治 …… 生瀬勝久 (警視庁刑事部のトップ)
桔梗ゆづる …… 麻生久美子 (機動捜査隊隊長)
羽野麦 …… 黒川智花 (ハムちゃん、情報提供者)
桔梗ゆたか …… 番場天嵩 (息子)

久住(浜田) …… 菅田将暉 (ドーナツEPの売人?)
谷山 …… 坂田聡 (1機捜本部)
久住の手下 …… ジャック・フリーマン
ケン …… 村本明久 (屋台貸し切りの金持ち)
陣馬澪 …… 見上愛 (陣馬の娘)
陣馬鉄 …… 伊島空 (陣馬の息子)
新隊長 …… 小沼朝生

池下重大、中條サエ子、松崎亮
町井祥真、松井功、森喜行、中野順二
竹内義貴、陽菜えみね、久万玲子、出口竜太
向井政生(アナ)、宇内梨沙(アナ)

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