MIU404 第6話 残酷な天使のテーゼ・・魂のルフラン

MIU404
(2020年7月期・TBS・金22時枠)

脚本 – 野木亜紀子
音楽 – 得田真裕
主題歌 – 米津玄師「感電」
プロデュース – 新井順子
演出 – 塚原あゆ子(1)(2)(3)(6)、竹村謙太郎(4)(5)、加藤尚樹
編成 – 橋本孝、渡瀬暁彦

https://www.tbs.co.jp/MIU404_TBS/

第6話 リフレイン
(相棒を救え! 過去の事件に隠された希望)

【ストーリー】

仕事を終えた志摩は分駐に戻ると無線で報告する。

伊吹はそんな志摩を見て先日の芝浦署で耳にした志摩の過去
(“相棒殺し”)のことが気にかかり話をしようと語る。志摩
のことを知る為の1-2-3だというが、志摩は俺は眠いと言って
突っぱねる。そんな彼に「よっ相棒殺し」と思わず話しかけ
る。お前のことをそう言っているヤツがいると。
しかし陣馬は余計な話を広めるなと告げ、九重は志摩の相棒
が亡くなっているのは本当だとし、それが「事故」「自殺」
「他殺」
なのかはよく分かっていないとのこと。

それは・・
「2013年8月8日未明、狛江市平羽で男性の遺体が発見され、
それは捜査一課の香坂義孝巡査部長だという。転落死と見ら
れ、香坂刑事の自宅があった雑居ビルの敷地内でのこと。
発見者は同僚刑事。靴は片方しか履いていなく、もう片方は
屋上にあった。近くにはウイスキーのボトル。」

報道ではここまでだという。
香坂啓治は酒が飲めなかったが、体内からは多量のアルコール
が検出されたという。

ゆづるはオフィスで電話し、給湯器屋に激怒する。昨日は
在宅で待っていたのに来なかったのはおかしいと。
しかも今日なら伺いますと急に言われても困ると語る。
志摩は報告書をゆづるに持っていく中、事情を知る。
ハムちゃんが居るので私が居ない時に知らない人を部屋に
あげたくないとのこと。そして次に来られるのは一週間後
だという。
それを聞いて志摩は俺が立ち会いますという。
どうせ家に居ても寝ているだけなので・・と。

伊吹は志摩と相棒の間に何かを知りたがる。
陣馬なら何か知っているのではないかとし前に志摩と組んで
いたという。
陣馬は俺が組んでいたのは志摩が捜一に入る前のことで、
4、5年居て優秀な刑事だったとのこと。しかし急に飛ばされる
ことになったという。
伊吹は志摩が捜査一課に居たことに驚き、そして彼に舐められ
ていることに憤怒。しかし陣馬は6年も前のことを今更ほじくる
なと語る。
伊吹は志摩にとってはこの事件はまだ終わっていないことを
感じていた。

志摩が来ると何があった?と尋ねる。
「ウゼー聴き方だ。工夫がない」
「刑事なら自分で調べろ」

そう言われると伊吹は、
「心の底からギャフンと言わせてやるからな」
と語る。

●作戦会議

伊吹はこの捜査に九重を巻き込む。そして当時の捜査資料を
見るのが一番だが、それも閲覧には刑事課長と署長の承認が
必要だと言う九重。刑事局長の権限でイケるだろとし、こうい
う時志摩ならサラっと調べている。九重ちゃんには無理か
と挑発する。すると九重は夕べ志摩さんのことを聞いたのが
誰なのかと尋ねる。

●捜査一課

一課の刈谷から話を聞いていた。伊吹は刈谷と田島が会話
した後、二人のことを画像に収めていたのである。
そしてその彼に志摩と相棒・香坂のことを聞く。

2013年8月8日は南田弓子の逮捕日だったこと。毒殺連続事件
のこと。刈谷も志摩たちもその事件の捜査で祖師谷署の帳場
に積めていたという。タリウムを使って会社の同僚を殺害
した事件だった。

■感想

意外と早い段階で志摩の過去が判明することになった。
それもこれもやはりゆづるさんの流れ、情報提供者の
羽野麦(ハムちゃん)の流れに集中する為の措置だろうけど、
中盤の中だるみしそうな時にこういうエピソードを持ってくる
となかなか引き締まる。一シーズンの構成の仕方がとても
上手い。

「相棒殺し」は無いだろうとは思って居たけど、星野源さん
って何を考えて居るのか読みづらい顔をしている。
そして過去に起きていることを周りに居る捜査官全員が
何処か知っていて隠蔽していないかと思わせたり、また
志摩が優秀な捜査官である程に、加害者を被害者にさせる
為の工作だって出来てしまう事だってあるのだ。

視聴者にはその辺のところでより考えさせる展開になった。

またそれに輪を掛けて実は単純そうで複雑な思考を持っている
のが伊吹なんだけど、彼は人を操り本音を引き出させるのが
上手いなと思う。
人心掌握術に長けていて、やる気を起こさせたり、怒らせ
つつも本音を引き出すのがとても上手い。気がつくと主導権
を握っているのが彼だ。その彼が2013年の件で猛烈に核心
に近づいていくところが凄い。

エピソードは2013年のこと。ドラマでの時計は2019年となっ
ているので6年前ということになる。
それだけに最後の最後に伊吹が気がついた志摩を助ける為の
決定的証拠の件が相当”できすぎ”、”後付け”感が凄すぎて
その辺は残念ではある。

しかし「色んなスイッチがある」とする話の流れ、そして
「志摩は酒が飲めるのに飲まないようにしていた」流れが
ここに来てボディブローのように効いてきて思わず完成度
の高い話となった。
それを考えると「ハムちゃん」の流れは、守っているのか実は
別の流れがあるのか分からないところも有る。
今回ハムちゃんに復讐したいのであればそれが出来た流れ
だったしね。それをせずに敢えて盗聴器を仕掛けた理由と
いうのがまた一癖有るなと思わせた。

また今回のキーワードとして「部屋」というものが浮かび
上がる。この辺は下で言及しよう。

■事件発生です

・志摩の相棒・香坂義孝の死

私がよく分からなかったのはこの香坂は25歳と若く、それ程
スキルが高いとは思えないのに、何故捜査一課として志摩と
組んでいたのかという所かな。

この件を調べる為には当時発生していた「タリウム殺人」
を調べることになる。

・タリウム殺人

2013年に輸入雑貨店で2人の男性社員が同僚社員によって
タリウムが殺された。

・1人目の被害者は7月30日に発生した浅野大輔(41歳)
・2人目の被害者は8月1日に発生した三島翔(36歳)

・志摩は現場に居たのか

色々と当時、彼は他の捜査官が知らないことを知っていた。
相棒ならば相手のことを知らねばならないことは確かだが。

現場の屋上で香坂が飲んでいた酒はスコットランド製のウイ
スキー”グレングリアン”。

屋上に行くのにエレベーターではいけない。非常階段のみ。

・当時の捜査報告書と香坂の書いていたもの

部外秘扱いでゆづるが見せてくれた。
「捜査報告書」「司法解剖の結果」「手紙のようなもの」

当時はタリウムの入手経路が分からず部屋を調べれば分かる
のではないかとされる。
しかしどのようにして部屋に入るのか。
タリウムはフリーメールのアドレスから購入したもの。
結局香坂は容疑者の室内に入って毛髪・尿などの献体を
入手して家宅捜索が可能となる。

「警察は法律が定める手続きによってのみ個人の自由を制限
出来る。法を守らず力を振るったら、それは権力の暴走だ」

・司法解剖の結果

「陥没骨折は無く脳挫傷は見られない。頭蓋骨なには放射状
の亀裂骨折のみ。」

つまり高所からの転落出来なく低い場所から落ちていた。

「頭頂部の打撲による急性硬膜下血腫」

因みに報告書を見ると執刀医は三澄ミコト。担当刑事は
松元裕貴でした。このキャラクターは「アンナチュラル」
のキャラであり、脚本家の野木さんは上手いこと「CSI」
とか「LAW & ORDER」、「CHICAGO」シリーズのように
同じ世界観を利用して構成しているのかも。

・結果

犯行に関しては色々と男女の問題なり、人を操ることの
異常性を発揮した南田と中山という二人の人物が関係して
いた。中山は南田がタリウムで二人を殺害しているのを知っ
ていた。南田のことを知った中山が彼女を操り警察を混乱
させていた。

・気になるいくつか

上にも書いたけど「部屋」というのは今回キーワードである。
容疑者の家宅捜索の件でもそうだし、ゆづるの部屋にも
今回は第三者である「水回りのチャンブ」の作業員を入れた。
部屋には色んな個人的情報の宝であり、最後はなんと女性の
「部屋」に暴行目的の男が侵入しようとして、それが6年の月日
を経て物語りが完成する。

また志摩は自分は香坂を気に掛けることは出来たのに敢えて
それをやらずに見て見ぬ振りをしてしまった。その結果、
真相を知らずに性格までねじ曲がってしまう(笑)

「自分が使えないヤツと認めるのは怖い」(九重)
「間違いも失敗も言えるようになれ。最初から裸なら何でも
出来る」(陣馬)

興味深いが今回は警察を恐れる人は居なかった。
特に中山も南田もドラマみたいだと笑っていた。

最後に助けてくれたとする千春も、
「サイレンの音が天使のラッパに聞こえた」としている。

■出演者

伊吹藍 …… 綾野剛 (第4機動捜査隊)
志摩一未 …… 星野源 (第4機動捜査隊)
九重世人 …… 岡田健史 (第4機動捜査隊・キャリア)
陣馬耕平 …… 橋本じゅん (第4機動捜査隊)
特派員REC …… 渡邊圭祐 (WEB動画チャンネルの運営者)
糸巻貴志 …… 金井勇太 (第1機動捜査隊・解析班)
我孫子豆治 …… 生瀬勝久 (警視庁刑事部のトップ)
桔梗ゆづる …… 麻生久美子 (機動捜査隊隊長)
羽野麦 …… 黒川智花 (ハムちゃん、情報提供者)
桔梗ゆたか …… 番場天嵩 (息子)

成川岳 …… 菅田将暉 (ドーナツEPの売人?)

香坂義孝 …… 村上虹郎 (当時25歳、元警察官で志摩の相棒)
中山詩織 …… 北浦愛 (同僚・南田を操る、偽メールを出した)
千春 …… 垣内彩未 (妊婦、2013年暴行犯がマンション侵入)
南田弓子 …… 範田紗々 (当時28歳、不倫していた女性。タリウム事件は中山)
警察官 …… 黒田浩史 (祖師谷署の捜査本部)
水回りのチャンプ作業員 …… 西村佳祐 (給湯器を修理)
浅野大輔 …… 白仁裕介 (当時41歳、一人目の被害者)
三島翔 …… 濱仲太 (当時36歳、二人目の被害者)
刈谷 …… 酒向芳 (捜査一課)
田島 …… 永岡卓也 (捜査一課)

杉野和之、石井紀行

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