MIU404 第3話 「素敵な選TAXI」で人生の分岐点に戻りたい

MIU404
(2020年7月期・TBS・金22時枠)

脚本 – 野木亜紀子
音楽 – 得田真裕
主題歌 – 米津玄師「感電」
プロデュース – 新井順子
演出 – 塚原あゆ子、竹村謙太郎、加藤尚樹
編成 – 橋本孝、渡瀬暁彦

https://www.tbs.co.jp/MIU404_TBS/

第3話 分岐点

【ストーリー】

●警視庁

若い女性からの110番通報を本間が受け取る。
「助けて、変な人に追いかけられている。殺される」
「相手は知らない男、黒い帽子の・・」

その通報を受け矢島刑事は警視庁から各局に入電する。
成南町成南第一公園内の公衆電話から緊急通報。

現場周辺にいたPMの陣馬と九重は近くに居た為に急行する。
更に警視庁側からは予備知識として同管内ではスタンガン
を使った強制わいせつ事件が発生している事を告げる。

容疑者らしき人物を見つけた二人は停止を呼びかけるが
走って逃げてしまう。

●芝浦警察署

ゆずるは誰かと電話していた。
「私が出る時寝ていたから静かに出て行った」
と言うと、彼女は電話の相手に怒っていないかどうかの心配
をする。寧ろ逆だったことにはしゃぐゆずるは
「私も大好き(はあと)」
と語る。そんな会話をエレベーター待ちしていた伊吹と志摩
も耳にしてしまう。伊吹に至っては彼女を見る度にニヤニヤ
顔になっていた。

「隊長にはプライベートについて余計なことを言うな」
とは志摩談。
「男が居ても別にかまわないが、俺もウフフりたい」
とは伊吹談。

そんな中、陣馬たちが密行から戻ってくる。
110番通報のヘルプだが”いたずら電話”の可能性が高いという。
最近西武蔵野署の管内には頻発しているのが原因だった。

西武蔵野署の捜査官、毛利忠治と向島進から説明を受けた
としてそれを語る。犯人は本当に存在はしていてこの一年に
10件近く起きていること。帰宅途中の女性をスタンガンで
脅して長時間体をなで回して、徐々に犯行はエスカレート
していること。一年間もしっぽを掴ませない犯人に九重も
呆れるが、パトロール警官を増やして重点的な捜査はして
いるとのこと。しかし慎重な犯人故に捕まっていないと
された。いたずら事件については今月3回も発生している。
警察官が現場に到着すると犯人っぽい男がダッシュで逃げる。
警察の攪乱にも思えるが、ハイパーゲームというNowTubeが
発端だとされるゲームだろうとのこと。スリルを楽しむ為に
本物の警察官を使って逃走し、毎回逃げられているという。
それを聞いた伊吹は足が速いのかと興味を示す。

・2019年4月30日
●中堤町つつみ市民公園内の公衆電話

・2019年5月13日
●西武蔵野工業団地公園内の公衆電話

■感想

今回も面白いエピソードだった。
既にこのチームのことが好きになっているので余程のシナリオ
では無い限りは安定運行して行きそうなドラマとなっている。

言葉の潜在力が持つ大きさというのがこのドラマの持つテーマ
の一つで、ネット社会の今、それら発信者の影響力というもの
が誇示されていくのだろうけど、今回はその中でもより細分化
されたもので、言葉によって翻弄させられる姿を描いてみせた。

その最たるは今回の事件のネタともなる「狼少年」的エピソ
ード
であるが、言葉の持つ強み・弱みというのは他にもいく
つかの場面で見られる。

冒頭で電話していたゆずるさんネタもその一つ。
遠隔地からの会話だと聞く人によって印象が変わってくる。
伊吹はゆずると彼氏の会話だと思って居たが実際には娘との
ものだった。そして伊吹は何気なく所轄での会話の流れの中で
ゆずるさんを好きだと発言しているが、それを気にしている
のが志摩さんだ。
そして双璧と化していた二人の人物がそんな会話を通して
徐々に近づいていく姿は見ていてもよく分かる。

また言葉だけで見ると、今回「いたずら」という言葉に反応
していたが、言い方次第で大きくも小さくも感じる。
「いじめ」は暴行傷害・強要・侮辱罪になるし、
「いたずら」に関しても主語が児童への性的いたずらならば
性暴力
である。

「日本語の表現は軟らかくて美しい。だけど重大な問題まで
オブラートで包み隠してしまう」

とは、ゆずる談だけど今回のケースが果たしていたずらだけ
で済むものなのか。
「少年法」という言葉の定義を今一度考えさせられていく
内容なのかも知れない。

そして今回のテーマとなるピタゴラ装置ことルーブ・ゴール
ドバーグマシーン。この装置は紆余曲折しながらもボールは
ゴールに向かうように作ってある。この前ネットを見ていたら
わざとその装置が稼働しないように作られていてオートマチ
ズム性がなく、失敗するごとに人為的に再稼働させていくと
いう計算されたコメディを動画として作られていて、こういう
別の角度から見た計算性というのもあるのだなと感じさせた。

ボールの流れは次第に必要性のあるところに向かっていき、
今回そのボールは最初は眠っている伊吹のところへと向かい
そして最後に受け取ったのは九重であるというところも
見逃せないものである。
それを考えるとドラッグ流通への流れの一つは九重に繋がっ
ていきそうな感じがするね。

実は自分はこのドラッグに於ける失策を演じたのは陸上部で
最も熱心に活動していた成川の隣にいたまえだまえだの
弟さんが演じた役の人が使用してしまったものかと思って
観ていたんだけどね。ネットに書いて学校のことをばらそう
と言っていた成川を止めていたのは勝俣だったからね。

・気になるいくつか

・黒川智花さんが麦という役名で初登場。
・3秒で眠ることが出来る陣馬さん。
・ゆづるには息子のゆたかが居る。
・伊吹が語る”雰囲気”はかなり確信に近いところがある。
・ピタゴラ装置の流れの中で、その辿る道の課程に於いて
犯罪者となるスイッチを押してしまうものがあるとしていた
が、そのスイッチを押すかどうかは”自己責任”だと唱えて
いたのは九重だった。
・伊吹には”俺らに無いもの”を持っている (志摩談)
・オブラートに包む大人たち。教育する機会を失う子供たち。
・今後はドラッグ問題(ドーナツEPと呼ばれるMDMA系の粗悪品)
・台車のタイヤ痕に気がついた志摩。
・犯人像は慎重な人物だとされていたが意外とリスクを犯して
いる。
・ネットでの私的制裁の是非。事件のある所に特派員RECが
現れるというのは誰か署内で情報を漏洩させている人が
いるのかどうか。
・ゆづるには息子が居た。父親の姿が無い。志摩の相棒だ
った可能性は?
・虚偽通報は偽計業務妨害
・成川は一人逃走し、そして菅田将暉が演じる謎の男と
再会?した。

■出演者

伊吹藍 …… 綾野剛 (第4機動捜査隊)
志摩一未 …… 星野源 (第4機動捜査隊)
九重世人 …… 岡田健史 (第4機動捜査隊・キャリア)
陣馬耕平 …… 橋本じゅん (第4機動捜査隊)
特派員REC …… 渡邊圭祐 (WEB動画チャンネルの運営者)
糸巻貴志 …… 金井勇太 (第1機動捜査隊・解析班)
我孫子豆治 …… 生瀬勝久 (警視庁刑事部のトップ)
桔梗ゆづる …… 麻生久美子 (機動捜査隊隊長)
麦 …… 黒川智花 (ベビーシッター?)
桔梗ゆたか …… 番場天嵩 (息子)

男 …… 菅田将暉 (ドーナツEPの売人?)
矢島 …… もらいくや (警視庁)
本間 …… 土井玲奈 (警視庁)
鈴木 …… 笠田康平 (警視庁)

毛利忠治 …… 大倉孝二 (西武蔵野署刑事)
向島進 …… 吉田ウーロン太 (西武蔵野署刑事)
成川岳 …… 鈴鹿央士 (バシリカ高校・元陸上部、3年生)
真木カホリ …… 山田杏奈 (バシリカ高校・元陸上部、3年生)
亀田 …… 岡崎体育 (女性わいせつ事件の犯人)
竹中浩平 …… 石内呂依 (バシリカ高校・元陸上部、後輩)
勝俣奏太 …… 前田旺志郎 (バシリカ高校・元陸上部、3年生)
佐野悠貴 …… 川口友雅 (バシリカ高校・元陸上部、後輩)
藤下 …… 赤間麻里子 (バシリカ高校・校長)
教頭 …… (バシリカ高校・教頭)
田崎 …… (バシリカ高校・担任?)
店長 …… バッファロー吾郎A

並木秀介、辻岡甚佐、鈴川琴音、すわいつ郎

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