相棒19 第9話 女性の敵は女性

相棒19
(2020年10月期・テレ朝・水曜21時枠)

監督:橋下一(1)(2)(7)、権野元(3)(5)(6)(9)、杉山泰一(4)(8)
脚本:輿水泰弘(1)(2)、神森万里江(3)、児玉頼子(4)
斉藤陽子(5)、瀧本智行(6)、山本むつみ(7)、金井寛(8)
杉山嘉一(9)
エグゼクティブプロデューサー – 桑田潔
チーフプロデューサー – 佐藤凉一
プロデューサー – 高野渉、西平敦郎、土田真通
編集 – 只野信也
音楽 – 池頼広

https://www.tv-asahi.co.jp/aibou/

第9話 匿名

【ストーリー】

●現場 / 品川区網沢2丁目 11月19日(木)

益子は歩道橋の階段から転落死した女性の検視・現場検証
を行う。脳挫傷による外傷性ショック死と確定する。
一課の麗音は被害者の爪なのか?と尋ねると、つけ爪だと
いう。
伊丹と芹沢は目撃者で通報者の飯島智子(50歳)から話を
聞く。

「事件の状況、逃亡した男性の人相や特徴とは・・」

智子によると
「男女二人でもみ合い男の人が女性を突き落として逃走した」
とのこと。

●花の里

特命係の二人は時短前の夜に一杯飲む。
そこで小出がスマホを見てため息をついていることに気がつ
く。

「待ち人来たらずか?」

小出はそれに頷き、SNS”ENME”でのmari_coma_logという
ユーザーのインコの飼育日記(カンナ@マリコマの日常)を
楽しみにしていたが一週間更新されていないのだという。
カンナさんはアジアン雑貨を個人輸入している人だという
とそのログを見せてもらう。するとあるユーザーの書き込み
には
「お前を絶対に許さない」
という脅しの書き込みがある事が分かる。

“匿名”で卑怯・・”特命”・・使い方次第ですね。

●警視庁・特命係

テレビには一昨日殺害された殺人事件のことが報道されて
いた。被害者の名前は浅井環那(32歳)。冠城は、昨晩女将
さんが言っていた名前と一緒だと気がつく。
事件の詳細には
「人気ブロガー女性、11月18日(水)午後23時、品川区網島
で殺害された」

と有った。
もしかして同一人物ならば、あの脅しの書き込みもまた
犯行予告の可能性が有るとされる。

●捜査会本部

青木がゲームをしていると冠城が語りかける。
通報者は飯島智子。重要参考人は溝口修也(38歳)。
かつてシュウ・ミゾグチという飲食店を経営史、カリスマ
イケメンシェフとしてマスコミからもてはやされたという。
しかし彼の一つの発言が炎上してしまい人気と名声を
失っていた。
「お前らが料理を選ぶのでは無い、俺の料理が客を選ぶ」

彼はそれによって金に困っていた。被害者のマンション
で11月11日午後23時に騒ぎが有り、浅井環那は留守だったが
住人の通報で駆けつけた警察官2人に捕まっていた。
溝口は金を返してもらいに来ただけ・・しかし環那は金を
借りていないと主張していたという。更に環那は彼を
「あの人は付き合うとシツコイ」のだという。

青木によると今回の事件は迅速で詳細な通報が有ったのに
彼が捕まらなかったのは明らかに初動捜査のミスだと語る。
通報者の通報の音声が録音されていた。

「慌てた口調なのにまるで110番通報の手本だ」
と右京はそれを聞いて語る。
通報が有ったのは11月18日(水)午後22時過ぎだった。

■感想

令和3年、初めてドラマの感想を書いている気がする。
相棒19の9話・・昨年の12月に放送したものなのに一体
何をしていたんだか(^o^;

面白かったのはもちろんのこと、色々と計算高く製作して
あり、シナリオとして興味深いところが多かったです。

なんと言っても野村佑香さんが未だにもの凄く可愛い所が
驚きました。逆に杏さゆりさんはグラビア当時好きだった
のですが、久しぶりに見た彼女は言われるまで気がつきま
せんでした。まぁ冒頭で殺されている状況でしたから
顔を見るチャンスも殆ど無かった訳ですが・・。

インコが出てきた時には最後に犯人に繋がる言葉をインコが
語り始めるのではないかと思ったりしたのですが、犯行に
関しては通報者・第一発見者が一番怪しいという捜査の基本も
絡んでくる内容でした。
彼女によって相当振り回された感もあるけれど、実際に
操られていたのは視聴者だけで、特命係の二人はしっかり
最短ルートで犯人の事を追い続けている。ただ都合良く情報
を出している感が凄いので誰でも怪しいことは分かる。

また事件・捜査の流れは、最新要素を取り入れたという訳
では無いものの、現代的なSNSでの犯行計画と、その情報を
追いかける者が居るというリモート時代の犯罪・刑事ドラマ
という感じだった。

しかし一つ疑問なのは、冒頭での通報は智子が殺害したのに
「慌てた口調なのにまるで110番通報の手本」
として語ることが出来たのは何故なのか。弁護士との付き合
いが出来ていたからなのか?
殺したことには間違いない。怒りがあるならその感情が露わ
になる筈。全ての感情を消してしまった女性の心の傷の深さ
は怖いところだった。

興味深い要素が幾つかあったので幾つか具体的に挙げてみます。

・人には色んな顔がある。

これは今回のドラマのテーマとなるものでしょうか。
「匿名」がサブタイトルとなっていますけどね。

匿名と特命を駄洒落的に引っかけている時点で二つの顔が
あるんだなと思わせるけれど、SNSでの本アカと裏アカなんて
言葉から見るにそれを意図する所がある。

色んな顔と言っても、それを構成するのはその人となりの
性格的なものや社会的・家庭的立場などに起因する所が
大きいのかも。

なんと言っても事件の起こしているものと事件を追いかける
ものは、それぞれの顔や欲望が入り交じる。
SNSという匿名性がある場所だからこそ本性が出てくる所も
あるのだろう。

無力だとされている専業主婦が生きがいを持ち始めるきっ
かけから行動に移るまでの流れは、「言葉」による支配と
それを解き放つ為のある人との出会いがその行動を決定づける。

「相棒」でもかつて正義感が強く「ダークナイト事件」
きっかけとして刑事の座から一転してしまった甲斐享の
事は記憶に新しいし、海外ドラマ「スーパーマン」で言う
ところのクラーク・ケントの様なことを

花の里の女将がインコの飼育日記に引きつけられていた。

麗音もまたインコを見た時には同様の光景がある。
「そんな顔をするときがあるんだね」とは冠城談。

個々の「顔」に於ける印象はあくまで主観でしかない。
文字だけのコミュニケーションを行うSNSではより他人に
対する印象を勝手に形作ってしまうものかも知れない。

・言葉・文字の持つ威力

人間の感情を揺さぶるもの。
「言葉」「文字」は、ものによってはその人の生死に関わる
ものもあるし、楽しいものにも変化する。
特に現在の世の中はネットでの生活が長くなる分、コミュニ
ケーションは文字や言葉頼みである。実際に逢って会話する。
そんな行動だけでも相手の意図は見抜きづらいものなのに、
顔を見ずして相手の事は分かりづらい。

そしてネタバレになるが、右京が目を付けたのも「言葉」
による所が大きかった。

「縦の皺は幸せが逃げる」
「幸せを呼ぶには笑ってできる横の皺」

■今回の事件と謎

初動捜査として・・

被害者 : 浅井環那 32歳
仕事 : 人気ブロガー、アジアン雑貨
凶器 : 階段から突き落とされた
死因 : 脳挫傷による外傷性ショック死。
死亡推定時刻 : 昨夜22時16分
事件・死亡日: 2020年11月18日(水)

※インコを飼っていてSNSで公開していた

また事件捜査が進んでいくウチに・・

被害者 : 矢坂美月 28歳
仕事 : 弁護士
凶器 : 事故扱い・不慮の事故
死因 : 脳挫傷による外傷性ショック死。
死亡推定時刻 : 昨夜23時
事件・死亡日: 2020年11月11日

※一年前からDVやセクハラ、ストーカーの女性被害者の
事を扱う。遺産分割調停が上手くいかずに依頼人は腹を
立てて美月を襲った

・重要なファクト

・人間同士の繋がりを調べることが今回の重要な要素だっ
た。両者の間に直接的なつながりがあるのかどうか。
またSNS上に於いてもそのつながりが有ったのかなど・・

・誰を脅し、誰が脅されていたのか。
分かってみると意外と複雑な感じになっていることが
分かる。人と人との出会いは一体何処から来るものなのか。
その人にとって必要だと思うところに現れる人たちは果た
して偶然か必然か。

・二つの事件
人気ブロガーの死・・そして捜査しているウチに同じような
死に方をしている弁護士の死。

・二つの立場の違うものたち

今回の捜査に於いてはSNSによる色々と特徴的なことが利用
された。
それも有るのだけど今回の捜査は、素人主婦の女性と
警視庁のサイバーセキュリティの青木が捜査をする状況を
作る。二つの違いは何か。

「こいつが警察官でよかったと改めて思いますね」
「同感です」

・捜一と青木と角田の存在感

・青木くん

SNSの書き込みから本人の情報を突き止めていく。
その課程・絞り込み作業はなかなか面白かった。

・角田さん

あんまり存在感が無かったけど奥さんの悪口を書くくらい
なら実アカが書くと豪語していた。

・捜一

ホテルに泊まっている溝口を逮捕。取り調べについては
右京さんに任せていましたね。これは珍しい。

■クローズド

結局爪によるDNAが証拠となった。

・ブロガー・環那を殺害したのは智子。
・弁護士・矢坂を殺したのは環那。
・過去に矢坂が襲われるのを助けたのは智子。
・溝口は悪評を記載したレストランに落書きをし、その映像
を環那が持っていて脅されていた。
・環那が女性をおびき出して溝口と関係を持たせて、その
映像を隠し撮りして金を脅し取っていた。

■出演者

杉下右京 …… 水谷豊 (警視庁・特命係)
冠城亘 …… 反町隆史 (4代目相棒、総務部広報課->特命係)

伊丹憲一 …… 川原和久 (警視庁刑事部捜査第一課員)
芹沢慶二 …… 山中崇史 (捜査一課。伊丹の後輩)
角田六郎 …… 山西惇 (組織犯罪対策五課)
小松真琴 …… 久保田龍吉 (組織犯罪対策部)
内村完爾 …… 片桐竜次 (警視長・刑事部長)
中園照生 …… 小野了 (警視正・参事官)
青木年男 …… 浅利陽介 (サイバーセキュリティー)
益子桑栄 …… 田中隆三 (警視庁鑑識課員)

小出茉梨 …… 森口瑤子 (家庭料理店”こてまり”の女将)
出雲麗音 …… 篠原ゆき子 (警視庁 交通機動隊から捜査一課に異動)

飯島智子 …… 藤吉久美子 (50歳、専業主婦)
矢坂美月 …… 野村佑香 (28歳、一倉法律事務所 弁護士)
浅井環那 …… 杏さゆり (32歳、人気ブロガー、殺される)
水野彩香 …… 白勢未生 (美月に助けられた主婦)
溝口修也 …… 海斗 (38歳、元カリスマシェフ)
一倉 …… 瀬戸将哉 (一倉法律事務所 所長)
林早紀 …… 三輪明日美 (32歳、運送会社社員・恐喝されていた)
彩香の娘 …… 前田織音

浅地直樹、八尾宗徳

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