ミステリと言う勿れ 第5話 奇妙な入院生活! 22年前の未解決事件が動き出す

ミステリと言う勿れ
(2022年1月期・フジテレビ・月曜9時枠)

原作:田村由美
プロデューサー:草ヶ谷大輔、熊谷理恵
脚本:相沢友子
演出:松山博昭(1)(2)(3)(5)、品田俊介(4)
音楽:Ken Arai
主題歌:King Gnu「カメレオン」

https://www.fujitv.co.jp/radiationhouse2/index.html

第5話 奇妙な入院生活! 22年前の未解決事件が動き出す
(episode.4)

【ストーリー】

●ER / 大隣総合病院

久能は救急車で運ばれる。
頭ではなく胸から落ちたと救命士や医師に告げる。

元々久能がケガしたのは事件解決後に風呂光がお礼に駆け
付けた際に、気を取られて久能が丘から落ちたのだった。

・大隣署

青砥は風呂光に久能のケガの状態を尋ねる。
念のために検査入院してもらっていることを報告。
池本は青砥と久能が近づいていることを告げ、そして彼が警察
にも協力してくれていることを語る。
すると青砥は入院費の手続きをしてあげるよう告げる。
風呂光は自分が行くとして志願する。

●大隣総合病院

久能は入院するも複数個のベッドが置かれているにも関らず
一人だけだった。
そして久能は気が付くと彼宛に袋に入った荷物が届く。
容器の中にドライフラワーのバラが入っていて、お見舞いの
メッセージカードが添えられていた。

「またいつか会いたいな。”下手な横好きレベルより”」

メッセージのフレーズから見てかつて久能が犬堂我路に
対して言った言葉が含まれていた。
更にまだ何か入っていて不気味な想像をするが中に入っていた
のはラピスラズリ。射手座のマークが刻まれているが、
彼は射手座ではなった。一体どういう意味があるのか。

・そこに風呂光がやってくる。

彼女はすぐにお見舞いのプレゼントに気が付き、彼にはだれか
懇親にしている人物が居ると勘違いする。風呂光は入院費は
警察が払うので署名だけして欲しいと語る。

・病室での夜

指輪について考える。犬堂我路が送ってきたからには何か
意味があるだろうと考える。

消灯の時間を知らせる看護師がやってきた為に寝ようかと
するが、隣にはいつの間にか老人・牛田悟郎の姿が在る事
に気が付く。彼は本を読んでいた。マルクス・アウレリウス
の「自省録」
。マルクスは16代ローマ皇帝。軍事よりも
学問を好んだとされる人物。この本は入院していた女の子
にもらったという牛田。その子は既に暗記しているのだ
という。本を読むとローマ時代の皇帝の悩みは俺たちと
変わりがないとし死についての話が多い。

「死は自然」

それを聞いた久能は、
「恰も一万年も生きるかのように行動するな」
というくだりがドキっとして肝に銘じようと感じたという。
人生は短い。病院では誰かが毎日死んでいる。
ここは出るらしいという牛田。
それは「幽霊」のことなのか。

そんな中、牛田は現役時代は刑事だったことを告げ、色んな
事件が有ったので少し話をしてあげようという。久能は内心
嫌だったが話を続ける彼の話に耳を傾ける。

彼は「3つの事件」を一つずつ語り始める。

■感想

ドラマは牛田刑事の現役時代のエピソードを通して、最期に
担当した事件の真相を解き明かすというもの。
墓まで持っていったはずの謎を墓の中から出てきて語りだす
という律儀なまでに約束を守る男。

何故そのような事件を他人である久能に語ったのか。
冒頭で救急車で運ばれる映像があり頭部を打った衝撃に
よって見えないものが見えるようになった事も考えられるし、
たまたま運ばれてきた病院・病室で牛田刑事は最期の時を
迎えたことが想像される。

3つの事件に関しては、ほぼ後半の流れまでの繋ぎ感が強くて
意外と退屈さを覚える流れではある。

この事件の解答を正確に答えられなかった場合、牛田は途中
で消えてしまったのか気になる。

また説教的とは言わないが、彼は自分の価値観を語るシーンが
毎度あり少々鼻につくことも有る。

その彼の今回の持論は「闘病」について。
戦うから勝ち負けがつく。それならば勝とうとして努力すれば
勝てるものなのか。亡くなった人に鞭打つ無神経な言葉
だとされる。
久能は勝ち負けがあるとしたらその時点での医療が負けたので
有って患者本が負けたわけではないことを説いていた。

更に牛田が目の前に現れ悩んでいたことを告げると久能は
核心を突く言葉を投げかける。

「相棒の罪が暴かれること」
「罪を被った自分の罪がバレること」

いずれにしても人間の弱さを表したエピソードで有って、
牛田が誰かに事件を話そうと考えたのは、霜鳥が牛田の様子を
心配した振りをして自己保身的な行動を取ったこと。
そして牛田が過去の事件について回りくどく話したのは、
死して尚、相棒を庇おうとした格好だが、実際には自らもその
事件の罪の一旦を担ってしまっていることへの保身的な人の
弱さの裏返しで有った。

・次のエピソードへの前振り

意外と長かった。しかも回りくどい。

冒頭でドライフラワーに添えられていたメッセージカードを
見て回想シーンまで出てくるので誰もが想像がつく。

気になるのは女の子の存在だ。

・「自省録」を牛田に渡した女性
・病院内のメッセージを意図して誤字を使用した。
「暖かい」->「温かい」、「質外機」->「室外機」
「P.M賛辞」->「P.M三時」、「紹かれ」->「招かれ」
「待機」->「対機」
・数字の羅列は「自省録」のページ数と行数に書かれていた文字

その結果
「お疲れ! 君はその目的を達した」
「明日 昼 3時 この場所で」

というメッセージにつながる。

久能に送られてきたメッセージを親しい相手からのものだと
勘違いした風呂光だが、意外と池本のキャラクターの方が登場
は少ない割に興味深い使われ方をしている。

■出演者

久能整 …… 菅田将暉 (東英大学教育学部の学生)
風呂光聖子 …… 伊藤沙莉 (大隣署・新人刑事、”フロミツ”)
池本優人 …… 尾上松也 (大隣署・巡査)
青砥成昭 …… 筒井道隆 (大隣署・警部、冤罪事件)

牛田悟郎 …… 小日向文世 (大隣総合病院の病室で隣になる入院患者)
霜鳥信次 …… 相島一之 (牛田悟郎の見舞いに来た男)
羽喰玄斗 …… 千原ジュニア (平成の切り裂きジャック)
ライカ …… 門脇麦 (入院患者、牛田悟郎に『自省録』を渡す)

中川あきら、柾賢志、歌川椎子、藤本静、ジャン裕一
佐伯新、東海林知佳、実森彩伽、島田勇矢、千村義也
野崎・ゲレーロ・聡史、高梨瑞樹、中村エリカ、只埜なつみ
RIO、青山海美、五十嵐梅郷、植村勇輝、伊澤彩織、由和紗
坂内勇気、島村みやこ

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