ミステリと言う勿れ 第6話 放火殺人に潜む闇、子供を救う炎の天使! 謎の女性の目的は!?

ミステリと言う勿れ
(2022年1月期・フジテレビ・月曜9時枠)

原作:田村由美
プロデューサー:草ヶ谷大輔、熊谷理恵
脚本:相沢友子
演出:松山博昭(1)(2)(3)(5)、品田俊介(4)、松山博昭(6)
音楽:Ken Arai
主題歌:King Gnu「カメレオン」

https://www.fujitv.co.jp/radiationhouse2/index.html

第6話 放火殺人に潜む闇、子供を救う炎の天使! 謎の女性の目的は!?
(episode.5)

【ストーリー】

●大隣病院

久能は受付で治療費を払い退院する。
しかし彼には心残りがある。謎の女性・ライカとのやりとりが
引っかかっていた。彼女から『自省録』を利用した暗号が
送られてきて午後3時に温室で待ち合わせする約束をしていた
のである。3時までは20分。とりあえずランチを取ろうと考える。

病院内の敷地で食堂を目指して歩いているとメガネをかけた
男性・下戸陸太とぶつかる。彼は「ちゃんと謝れ」として
高圧的態度を見せる。謝罪する久能だが、下戸は彼に土下座
を要求する。久能は土下座で良いのかとして意外なリアクショ
ンをする。

・土下座はただの動作であり、金もかからない。心がこもって
いなくとも出来るものだ。
・土下座に意味があるということは、あなたはそうしろと言わ
れるのが嫌なこと。
・土下座は時に強要罪にあたることがある。

そう語ると下戸は久能をウザイやつだと認識して、その場から
立ち去る。近くにいた入院患者の二人からは、
「あの人は誰にも絡んで問題を起こしている」
と言われる。

●病院内 / 温室

3時に温室を訪れた久能はライカを探すと、またしてもその場
の床には数字が書かれていた。
自省録と照らし合わせて解析すると、

「正面 右 奥 大きな鉢の土の中の中を見る」

と書かれていた。
掘り起こしてみると何かが入っていた。
また死体の一部なのか・・ビニールの中にはカバンが入って
いた。

そこに慌てて温室を管理している病院スタッフの一人・梅津真波
が駆け付け、「辞めて」と語る。
更には「なぜそこにバッグがあるのが分かったのか」と問いかけ
てくるが手にはなんとナイフを持っていた。
久能は入院している女性な導かれて来たのだという。

「殺さないでください」

梅津は我に返り、「悪い事は出来ないものだ」としてナイフを
下げる。

・梅津のバッグ

彼女は手に入れるまでの経緯を語る。
宗像冴子という車椅子の患者がよく温室に遊びに来ていたこと。
とても上品で優しく、そして可愛がってもらったという。
その彼女と一緒に好きな場所だという温室に来る内に交流が
生まれる。ある時ワニ皮のバッグを持っていて、娘にあげよう
と言っていたこと。しかしその娘さんは一度も見舞いに来ること
はなく、危篤だと話しても来なかった。遺品の引き取りも拒否
し、そちらで勝手に処分して欲しいとのこと。どんなに仲が
悪くても最期くらいは来ても良いのではないかと思ったという。
バッグを処分されるのが嫌でもってきたが開けたら金が入って
いたのだという。

それを聞いていた久能は語る。

「娘さんが酷いかどうかは分からない。子供がそういう態度
を取る場合、大抵親が先に酷い事をしている。子供がそう
なるには理由がある。」

中を見ろと有ったので久能は梅津にバッグの中を探るよう告げ
ると、梅津へのお礼の手紙が入っていた。

「バッグは受け取ってもらえないだろうからあなたが使って。」

しかし金をどうするべきか。
病院には弁護士を抱えているので相談したらどうかと告げる。

「すっきりした方が良いのではないか? ずっと疚しい気持ちを
持つのは苦しいものだ。」

そう語ると久能は自分に起きた例えでそれを語る。

■感想

最新話から随分取り残されてしましましたが、一歩ずつ粛々と
更新していきます。今朝見たばかりのほっかほか~。
感想をアップする際にwordpressのパスワードを忘れていつも
苦労します。
自宅からなら簡単なんですけどね。

「相棒」の右京さんばりに犯罪関係者いるところ偶然という
名の必然さをもって存在している久能の姿。彼の歩くところに
犯罪・事件があるのか、それとも集まるのか。

「天使と悪魔」というテーマがあり、「善」と「悪」
を同時に備え持つキャラクター像が登場する事が稀に存在する
ことがある。今回の件でも法に及ばない案件の中で人権を無視
されている弱者を助けて命を助ける姿と、制裁によって命を
奪う行動はまさにそれに該当する。
もちろん決して許されない個人が代理的に復讐する姿である。

今回の事件は「連続放火殺人事件」だった。
犯人特定までの道筋はそれ程難しくはない。
久能が容疑者との接触の時点で色々と気が付いていたはずなのに、
それを警察には知らせずに意図して単独で行動している所
に違和感がある。

犯罪者が計画から実行を隠すようにして、連絡方法には独特
なものがあり、意思の疎通がインターネットだけにあらず、
あらゆるものを行使して見知らぬ相手と連絡を取る。

しかしそんな疎通も伝えたい人にはなかなか伝わらないもので
あることが同時に感じるところ。
やはり人の心を他人に伝えるのは難しいことなのか。

ライカという女性からの連絡方法も少々癖があり、隠す必要性
があるのか、回りくどい方法を取る必要性があるのかなど
気になるところである。

・犯罪とは

今回のエピソードでは「放火」と共に「子供の虐待」が関係
している。
犯行の実行者もまたかつての被害者であり、加害者は実の親で
あるか、再婚した継父・継母である。
親や教師、指導者たちが躾を名目にして厳しく子供に指導する
ことはあるけれど、そこに愛情が含まれていなければ立派な
虐待者だ。
また未だに日本では根深い血縁の濃さに於ける感情の問題が
存在していて、血縁にないものからは安易な形ではじき出さ
れて不利益を被る。

しかし実際のところドラマの中で描かれている実態は・・
「血縁が濃くても虐待、血縁がなくても虐待。」
この世は地獄である。

日本や世界の虐待数を見れば、決して特殊な案件ではなく、
血縁にある親が子供が安心して暮らせる環境を作れない
ところは、現代サバイバルだ。

かねてからドラマでも親子関係が上手くいかずに親が最期の時に
なってから子供の存在を大切に扱いして仲直りを試みるドラ
マは存在する。子供が当時の親の裏事情を知って涙する
ドラマを作るか。親も子供も喧嘩別れして長い事生活していると
意固地になって連絡できない事でタイミングを逃すシナリオ
など幾つかのパターンは存在するが、離婚後に新しい恋人の
存在が第一になって子供の存在が邪魔になって虐待に及ぶなど
論外なもの。

虐待していたとしてもそれが許されるには、多少なりとも愛情
を示した過去のエピソードは必要なはずだ。

・警察は連続性に気が付かないのか?

警察が無能に描かれすぎるドラマは個人的には好かない。
両親が火災で亡くなり子供が助かったというケースを見れば
1、2件ならばともかくもう少し早い時点で共通性に気が付いて
欲しいところ。

これは虐待に対する親子関係・家庭の事情でも言えることだけ
どね。

「警察は個人の私生活に介入できない」

というウンザリするほど耳にしたセリフだけど、個人的な
付き合いが希薄な現代に於いては、行政などが仲介しなければ
永遠と辛い事の繰り返しになりそうだ。

・ライカ

意外と温室というのは犯罪で使われることが多いロケーション
にも思える。
今回の案件では、ライカが一人の看護師・梅津真波を救うために
相当回りくどいやり方で久能をそこにたどり着かせた。
その彼女は余命幾ばくも無い感じ。

ライカもまた宗像冴子と同様に梅津によって精神的に助けられ
た人物なのだろうか。

逆にあまりに事情を知りすぎていると、敢えて梅津の犯罪の
正当化に加担しているのではないかという感じも受ける。

またライカの存在は実に不思議だ。
入院している女性で、久能のことを気に入ったのかクリスマス
のプレゼント交換をした。
久能が渡したのは、アンリ・ルソーの「蛇使いの女」のポスト
カード。この絵画を差し出したことには相当意味深いものが
あり現状をうまく示したものだと言える。

・スッキリするには・・

隠していることを明かすことによってスッキリすることはある。

ただ人を殺してスッキリするという感覚は、既に人として
精神がおかしくなっているようにも思える。

親が子供を人間扱いしなかったようにして、子供も親に復讐
する。その為のスイッチとして、絵文字を壁にかけば実行
してくれる人が居る。

子供を愛せず、人を愛せずという人は居ると思うが、身内を
殺したことによって後に後悔することはないのか。
後の世界を考えるよりも今を生きることを唱えるべきなのか。

・不気味な存在

井原香音人のことはまだ殆ど掘り下げられていない。
下戸の存在感だけでも十分だが、2話が1つのエピソードとなっ
ているようなので今後の存在感に期待してみよう。

●その他

・大隣市宮元町放火殺人事件

2014年3月22日(7年前)
深夜に下戸家が放火された。
両親は縛り上げられていた。
次男だけが助かった。

■出演者

久能整 …… 菅田将暉 (東英大学教育学部の学生)
風呂光聖子 …… 伊藤沙莉 (大隣署・新人刑事、”フロミツ”)
池本優人 …… 尾上松也 (大隣署・巡査)
青砥成昭 …… 筒井道隆 (大隣署・警部、冤罪事件)

ライカ …… 門脇麦 (入院患者、牛田悟郎に『自省録』を渡す)
天達春生 …… 鈴木浩介 (久能整が通う東英大学教育学部の准教授)
下戸陸太 …… 岡山天音(「炎の天使」、井原と協力。)
井原香音人 …… 早乙女太一 (「炎の天使」主犯)
梅津真波 …… 阿南敦子 (大隣総合病院内にある温室の管理者)
宗像冴子 …… 冨田恵子 (大隣総合病院で亡くなった老婆)
幼少時代の下戸陸太 …… 猪股怜生
井原の小学生時代 …… 徳山凛響
里沙 …… 福島星蘭 (両親に虐待され”炎の天使”に依頼する少女)
里沙の父 …… 一條恭輔
里沙の母 …… 村木エリ
浩輝 …… 柳下晃河

村松成美、中村匡志、宮崎京、にしだまちこ

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