ミステリと言う勿れ 第4話 記憶喪失の爆弾魔、爆弾はどこへ? 爆発を食い止めろ

ミステリと言う勿れ
(2022年1月期・フジテレビ・月曜9時枠)

原作:田村由美
プロデューサー:草ヶ谷大輔、熊谷理恵
脚本:相沢友子
演出:松山博昭(1)(2)(3)、品田俊介(4)
音楽:Ken Arai
主題歌:King Gnu「カメレオン」

https://www.fujitv.co.jp/radiationhouse2/index.html

第4話 記憶喪失の爆弾魔、爆弾はどこへ? 爆発を食い止めろ
(episode.3)

【ストーリー】

歌を歌いながら新聞を切り抜く男。
部屋には化学薬品や電子機器があり、明らかに爆弾を作成
していたと思われる。

●大隣市/久能のアパート

久能はカレーライスを作り食べようとする。
しかしタイミング悪く風呂光から電話が鳴る。

『助けてほしいことがある』
『昨日品川区で爆弾騒ぎが有った。調べていると闇サイト
に”予告文”と”暗号文”が書かれていた。』

【品川区32階建ての建物を12月17日の午後3時30分に爆破する】
(“人生最悪の思い出の場所だ”)

幸いその暗号を解くことはできなかったが区内には32階建て
は一か所しかなくすぐに特定できたこと。しかし爆弾を設置
した場所が分からず、総動員し居酒屋”江戸川”で見つけて
解除に至ったという。

しんし今日もまた同じように闇サイトに予告文と暗号文が
掲載され、今度はウチの管轄だという。

【大隣市地上18階地下3階 12月18日の午後3時30分に爆破する】

この条件に合うのは市内二か所。品川南署で合同で捜索して
いること。暗号が解ければ場所の特定が出来るという風呂光。

しかし久能は自分はただの学生であり、暗号解析のプロに
頼んだらどうかという。しかし予告時間まで3時間しかない
ないこと。強引に暗号をメールで送られてくる。
無視してカレーライスを食べようとするが・・風呂光が次の
瞬間アパートまで呼びに来る。

●大隣署

残り2時間になる。
犯人はなぜ暗号を送ってきたのか?
【暗号】は紀元前前から有り、戦争では敵に内容を知られない
ように作られたこと。今回は誰にでも見られるようにサイト
の掲示板に掲載していること。
「何かを伝えようとしている」

【ユナ・ボマー】について風呂光に語る。
アメリカで起きた連続爆弾魔の犯人。彼も犯行声明文を
送っていた。彼が犯罪に走った理由として・・

・両親の期待の大きさ
・飛び級でいじめを受けた
・父のように慕っている人から酷い裏切りを受けた

それら様々な要因が世の中に対する怒りに変わったと分析
されているのだという。心理学の授業で天達先生から教わっ
たことだという。

「DAD IT IS I」(父さん、僕だ)

ユナ・ボマーが新聞社に送った一つ。

「IS IT I DAD」(僕か、父さん)

彼が過去のトラウマから助けてほしいと訴えているようにも
見えるものだという。

久能は爆弾を「”どこに”よりも”何で”が気になる」という。
しかし今は時間からして爆弾がどこにの方が先であるという
風呂光。

一回目のものは分かったかもしれないという。

「KUROKaGE (黒蜥蜴)」という小説のタイトル。作家は
“江戸川乱歩”。
そして爆弾が見つかったのは居酒屋「江戸川」
(品川区赤橋7丁目)だった。しかし先に名前が分かっていたから
こその結論だという。今回の暗号もその法則通りとは限らない
と語る。

しかしその時現場からの連絡で爆弾を見つけたという。
20階の宝石店「Queen」内で発見されたとのこと。

クイーンという名前の作家は居るのか?という風呂光に対して
“エラリー・クイーン(バーナビー・ロス)”という推理作家が
いると語る。

「Y NO HIGEKI (Yの悲劇)」

・そして犯人から第三の犯行予告が入る。
【墨田区 3階建ての建物、12月19日の午後3時30分に爆破する】

■感想

毎度偶然という名の必然として、犯人と主人公が対談形式で
相手の心情や信条、身上を探りながら事件を解決していく
ドラマなのかな。

犯人の中でも理由のある犯罪というのは比較的解決に導き
やすい気がするけど、ただでさえ理解しがたい思考を
持つ犯罪者心理と同時にその思考を吹き飛ばすような記憶
喪失という要素を盛り込んだりして描いて見せた。

視聴者の判断を鈍らせるのはこの記憶喪失が何処まで本当の
事なのか分かりづらい。目の前で彼が軽トラにぶつけられた
のは目にしているけど、その視覚のインパクト故に視聴者は
記憶喪失が本当だと思い混まされているはずだ。

しかし考えるとこの犯人はミスリードを誘っての犯行を
行っている。

実際に警察と救急車は呼ばれることに抵抗感を持っていた。
このタイミングは主人公の久能がまだ相手の記憶が喪失して
いることを知らない時だ。

風呂光と連絡を取る内に、雑談して引き延ばすよう言われ、
その流れから化学式や爆弾の話につながる。その際には
明確に表情にも変化が現れたので記憶がよみがえっていること
は明らかだった。

しかし途中で犯人が分かるシーンが有り風呂光に連絡を入れる
けどなかなか来ない。本人たちが来なくともせめて所轄の近く
の警察官を現場に呼ぶべきだよな。電話からやけにスパンが
有りすぎて違和感が有った。

・難しい解答編

3という数字にこだわりがあることは最初の掲示板の書き
込みを見た際に、やたらと3が多いことに気がついた。
(1度目の書き込み、2度目の書き込みのいずれも11時33分33秒
に書き込みしている。むしろ3時30分に爆発させるとするなら
何故3時33分できないのかという方が気になる。)

ただ「3」という数字に強迫的なこだわりを見せたところで
犯罪者の心情も信条も身上も見破ることは難しい。
理解できたとしてもそれがわざわざ犯罪者の道筋として過去
の流れに通じているかも分からないし、また爆弾を設置した
場所にも通じるとは限らない。

皮肉にも久能が語るように・・

「爆弾魔はどうして予告どおりの時間に爆発させるのか。
少し前に爆発させれば大勢を巻き添えにできる。」

ミスリードを誘うのが好きな犯人はここだけは異例の爆発
させることを行わず、三度目の正直という言葉を使っているが
寧ろ言葉が三度目にして正直ではないところが面白い。

本当の答えは3つの暗号が揃わないと導き出せないとする
チャンスを与えてしまっているが、これは説明していた
通りに、大事なものには蓋をしたいが、それでも大事なもの
は残しておきたい心理は働くのであろう。

秘密は秘密のままでいると誰にも分からない。
しかし誰かに自分の存在を知ってもらいたい心理もあるのか。

「爆破したい」のと同時に「爆破したくない」
唯一の「楽しい」記憶がある場所を思い出すと「苦しい」

二つの極論がぶつかり合う。
結局亡くなってしまえばその思考は無意味のものになる。
久能は「水」を例に挙げて、「雨」は新しいものだと思っていたことを
語っていた。しかし実際には循環している。水も余程のことがない
限りは無くならない。しかし「記憶」というのはそうではないのだ。

記憶は一つのテーマでもある。
短期的記憶と長期的記憶。根底にある記憶は忘れてはいないが、
繰り返し刷新していかない限りなかなか脳の格納庫からの引き出し
は難しい作業となる。

そこが犯人の人間らしいところなのか・・潔癖症の人ならば間違えることは
まずないであろう「記憶」。
「山賊」の歌を「海賊」だと思っていた。
「大阿蘇」の詩の中で「牛」だと思っていたものが「馬」

・第1-2-3の事件

●品川区32階建ての建物を12月17日の午後3時30分に爆破する

暗号 = 「KUROKaGE (黒蜥蜴)」
作家 = “江戸川乱歩”
犯行現場 = 居酒屋「江戸川」

●大隣市地上18階地下3階 12月18日の午後3時30分に爆破する

暗号 = 「Y NO HIGEKI (Yの悲劇)」
作家 = “エラリー・クイーン(バーナビー・ロス)”
犯行現場 = 宝石店「Queen」

●墨田区 3階建ての建物、12月19日の午後3時30分に爆破する

暗号 = 「ABC殺人事件」
作家 = “アガサ・クリスティ”
犯行現場 = 喫茶「クリスティ」

・小説・詩集色々

・『ABC殺人事件』アガサ・クリスティ
「ABC」「SATSUJIN」「JIKEN」

・『乳母車』 三好達治
「母よ、私は知ってゐる。この道は遠く遠くはてしない道。」

・『大阿蘇』 三好達治
「雨は蕭々と降ってゐる」

・『春の岬』『測量船』『一点鐘』

■興味深い点

・3に纏わるエトセトラ

最後の現場を見つける”どこに”のキーワードと共に
三船の犯行を予告する”何で”が分かるためのヒント。

・山賊の歌
・山賊雨というのは三束雨から来てる言葉
・三拍子のワルツが好き
・水素(H2)+酸素(O1) = 水(3)
・リチウムの原子番号は3
・三好達治が大好き
・ゴジラの全長は300m
・時計を30分進めている
・浅草・三社祭
・東京タワーは333m
・東京の地下鉄3号線は 銀座線
・向島に三囲神社、三角石鳥居、三井家の守護神、
三越のライオン像
・3は最も神聖な数字
(小4の担任の先生の教え)
・自分の名前は三船三千夫

・我路の言葉

「君は人の癖をまねるところがある。相手を怒らせるか
もしれないから気を付けた方がいい」

■出演者

久能整 …… 菅田将暉 (東英大学教育学部の学生)
風呂光聖子 …… 伊藤沙莉 (大隣署・新人刑事、”フロミツ”)
池本優人 …… 尾上松也 (大隣署・巡査)
青砥成昭 …… 筒井道隆 (大隣署・警部、冤罪事件)
佐橋謙介 …… 三島ゆたか (大隣署・入江の相棒)
入江 …… 古河耕史 (大隣署・頭が薄い方)

三船三千夫 …… 柄本佑 (雨に濡れた記憶喪失の男)
幼少時代の三船 …… 竹林遼
小学生時代の三船 …… 瀬戸山晃輔
幼少期の久能 …… 柊木陽太
幼少期の久能の母 …… 成澤優子
警察官 …… 村松利史
女性教師 …… 杏実えいか

鈴木雄二、岩立紫龍

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