ミステリと言う勿れ 第11話 物語はいよいよクライマックスへ! 蘇る殺人鬼…妹の死の謎

ミステリと言う勿れ
(2022年1月期・フジテレビ・月曜9時枠)

原作:田村由美
プロデューサー:草ヶ谷大輔、熊谷理恵
脚本:相沢友子
演出:松山博昭(1)(2)(3)、品田俊介(4)
音楽:Ken Arai
主題歌:King Gnu「カメレオン」

https://www.fujitv.co.jp/radiationhouse2/index.html

第11話 物語はいよいよクライマックスへ! 蘇る殺人鬼…妹の死の謎

【ストーリー】

額に入れられて壁にかけられた一枚の肖像画
「犬堂愛珠」の絵。

・4か月前

ホームレスたちの暖を取っている横をスーツケース
を引いて歩いていく女性がいた。その中の一人・加藤
は最近通り魔が出るので一人出歩くのは危険だと
注意する。

●港区の路上・交差点

交差点の中央で女性の遺体が見つかる。
被害者は畑千尋(34歳)・世田谷区在住の主婦。
ここは交通量の少ない交差点だった。

●大隣署

署員たちは別の管区で起きた連続殺人事件の報道
をテレビで見ていた。これで三人目だという池本。
やっと生き埋め連続殺人が解決したのに・・と入江。

・そこに青砥がやってくる。

芝浜署からの応援要請が来ているのでいけるものは
いるのか尋ねる。誰も自分から協力することを言わ
ないことも有り彼は風呂光にその話をする。
芝浜署には備前島という凄腕の刑事がいるここと。
自分から風呂光が行くことを告げて置くという。

風呂光は事件が解決すればもっとスッキリするもの
かと思っていたが実際には怖くなっていることを
口にする。
彼女はその不安を払拭する為に毎日柔道での鍛錬を
欠かさなかった。

●芝浦署 / 捜査本部

捜査会議が行われる。
捜査本部長から今回発生した3人目の被害者について
の説明が有る。

死因は腹部をナイフで刺されたことによる失血死。
遺体を交差点の真ん中にはりつけのようなポーズで
寝かされていたこと。
以上のことからこれは過去に発生した事件の連続殺人
事件の犯人によるものだと思われる。

・一人目の被害者
福田南 (20歳、大学生、世田谷区新経堂)
・二人目の被害者
魚佳佑子 (54歳、会社員、杉並区中井草)

しかし三者の接点が見つかっていない。
たまたま襲われたものなのか現時点では区別が
つかないことが語られる。

それを聞いていた警部の備前島操は語る。

『こういう事件を起こす奴は必ず本人なりの法則が
ある。常人にには理解できないだけだと。』

捜査本部長はこれから語る内容はくれぐれもマスコミ
には情報を漏らさぬよう告げる。

・鑑識課の前川典之がやってくる。

彼によると遺体の傷口付近から被害者以外の血液が
検出されたということ。犯人のものなのか?と猫田
十朱は尋ねる。前川はかなり古い血液で凶器のナイフ
に元々付着していた可能性が高い。
備前島はそのナイフで過去、誰かを刺したことがある
のかと告げる。

すると血液のDNA検査の結果22年前(平成11年)の事件
の被害者のものと一致したという。

連続婦女暴行殺人事件の17人目の被害者・辻十岐子。
羽喰玄斗が当時の被疑者だった。

若い捜査官はその事件の詳細を知らない為に備前島が
補足説明をする。彼が捜査本部に居た時に起きた事件
で羽喰は3年間で18人の売春婦を殺したことで、
【平成の切り裂きジャック】と呼ばれていたこと。

・回想
18件目の事件を追っていた刑事の霜鳥信次を病院
送りにし、牛田悟郎は定年まで追いかけていた。

羽喰は消息を絶ち、それ以降の奴の消息はまるで
音信不通の状態だという。また殺しを始めたのか?

しかし備前島は今回の事件は羽喰がやったとは思え
ないことを口にする。彼が殺害したのは全て売春婦
で有り今回は職種も年齢もバラバラ。同一人物の
犯行とは考えられないと猫田も語る。しかも凶器が
見つかっていないのは17件目の事件だけだった。

■感想

いよいよ最終エピソードの前半部。

意外と驚かされるのはこの前半部には久能の存在が
不在であること。全く登場が無い訳ではないけれど
最終話前にして、風呂光の成長物語を見せられる
とは思わなかった。バスジャック事件のエピで彼が
求める「印象派展」が見られず、大阪で開催される
ことは言われていたので、今回はそれを見に行く形
での東京不在。
大抵のドラマの流れだと行く直前になって、何らか
の邪魔が入ってチケットが無駄になるというお約束
的展開かと思ったんだけどね。

久能を演じる菅田将暉さんは3月23日に新型コロナ
ウイルスに感染したことが発表されたけれど、
このドラマはそれ以前に収録は終えているんだよね。

・時間軸

このドラマにみるその特殊性もまた興味深く、
時間軸を色々と編集・構成の段階で操作し、視聴者に
思わせぶり展開を見せたり、分かりづらい展開に
して見せたり工夫していることがうかがえる。
多くの場合一話の中で時間軸をいじったりするけれど
このドラマの場合一話ごとにその流れの順序が違って
いる。

・エピソードのナンバリング

時間軸に関連しドラマ放送の流れからすると、
(ep=エピソード)

ep1 -> ep2 -> ep5 -> ep6、7、8 -> ep10 -> ep9

この様な順番でドラマは放送され、視聴者も不思議
な感覚で見守るしかなかった。
今回のepのナンバリングはep2.5という位置づけである。
最終話がep3であることを見ると、いかに時間軸が
いじられているかが分かると思うが、ep2のメイン
キャラクターとして登場した犬堂家の人たちの物語
をここに来て掘り起こしていく所などなかなかうまく
出来ている。

特に犯人像に於いて、今回のドラマの中では過去の
犯罪者や登場人物の特異性を改めて回想シーンの中
で抽出し、そのシーンを挿入することでより犯人側
の気持ちを映し出し、想像力が増すような下地が
出来ている。

バスジャック事件で被害者を生き埋めにさせていた
煙草森誠の犯罪に駆り立てる異質的な性的反応・心情
を改めて描いてみせたり、それを追いかけて来た
捜査官たちのことにも言及したり・・

複数の事件が混じり合っているように見えるが、
犯罪者の中にも色々と違うことが見て取れる。

今回のドラマの中のアイテムとして「寄木細工」
使われたのも、それ自体が犯人像に迫る物証以上に、
このドラマの持つ特異性を象徴しているかのようだ。

・連続殺人事件のドラマの面白さ

連続殺人事件を題材にしたシナリオにみる共通性
と犯人像を想像させる楽しさはこのドラマに於いて
も健在だ。

幾つかの事件の流れが偶然なのか必然なのか繋がり
を見せ始めて、少しずつ一つの犯人像にたどり着いて
いく。

十字架に張り付けたように見せる犯人の特異性。

22年前から発生してきた連続殺人事件のことに関して
は、ライカと出会うことになる定年後に警備員を
し、総合病院で出会うことになる牛田悟郎から話は
聞いていた。

・今回の事件の共通性

22年前の事件は父親が行っていると思うが、今の
事件は息子が行っているものであることは容易に
想像がつく。気になるのはまだその父親・羽喰玄斗
が健在なのかどうかだ。

今回の事件では意外とフットワークのある人物が
行っており、それが息子であることが判明していく。

「裏カジノ」の従業員として働いていた女性のこと
をつけ狙っていたこと。

・犯罪の色分け

平成11年に発生している事件と、平成24年に発生
している事件は明らかにジェネレーションの違いを
感じさせる。
また共通項として売春婦を指していたが、平成11年
の事件ではそうかも知れないが、平成24年の事件に
関してはそれに該当するのかどうか分からない。
そして最近起きている事件。いくつかに共通する
要素は有るけれど、やや違うように見えるのは気の
せいだろうか?

よくあるパターンだと羽喰玄斗の親が売春関係
の仕事に従事していたことで憎むべきものがあり、
母親を殺したのは彼なのではないか。
そして殺人を働いていた父親の下で生活していた息子
の羽喰十斗。別の名前は辻浩増。母親なのか苗字が
同じ辻十岐子が玄斗の最後の被害者であることから
して何らかの関係があることは容易に想像がつく。

・違和感のあるシチュエーション

・ジュートが誰か

犬堂愛珠が書いた遺書のようなものの中にジュート
という名前が有った。
この場合の名前の拘りは良いとしても、それ以外の
ターゲットとなるべき被害者を名前だけで選んで
しまうというのは少々安易で何の意味も無さそうな
気がする。人の名前(漢字)を見れば十字架なんて
色んなところについている
気がするが・・

ただこのドラマの中にはそういう所で変な拘りを
持っている人が多い。先日まで登場していたライカも
「自省録」の中の文字でしか大事な時には伝えようと
はしなかった。それだけ筆者にとって強調したい
何かが有ったのだろう。

気になるのは「カウンセリング」という単語がシナ
リオの中に出て来たことと、恐らく病院で出会った
であろう犯人と愛珠の関係か。
このドラマに於いてはクセモノが多い。

・刑事が一人で行動を取る危うさ

学芸員が出て来た所でものすごい犯人オーラが有った。

『お客様体質』の事に備前島警部が言及していた。
ただし明確な答えは自分で探せとばかりに言葉を
投げただけの“投げっぱなしジャーマン”状態
(by 三沢光晴)。

風呂光は「指示されるのを待つだけで自分から動か
ない人のこと」
ではないのかとしていたけど、
警部の語る言葉はその意味ではない。

「客ではなくチームの一員。一人粋がり舐められた
くないという思いから助けを求めなかった所にある」

刑事がバディで行動せよというのはこういう所に
あるのだろうけど、風呂光にとっては参考になりそう
な先輩格の猫田が繰り返し同じことをして致命的
な状況に追い込まれているのだからなんとも言えない。
結局学習も成長もしなかったのか。
これは普段の捜査ではなく連続殺人鬼が相手で、
しかも異常犯罪なのだ。まさに愚の骨頂ではないか。

・今回の犯人の事件

福田南 (20歳、大学生、世田谷区新経堂) 11/21AM2
魚佳佑子 (54歳、会社員、杉並区中井草) 12/5AM1
畑千尋 (34歳、主婦、墨田区押上南)12/14AM2
横田留美 (21歳、大学生、目黒区元碑文谷) 12/17AM1

・過去の事件

田本華子(21歳、H11/1/16)
九十九柚香 (21歳、H24/23)
隈本香苗 (22歳、H24/2/4)
田所優菜 (21歳、H24/2/25)
南本杏奈 (31歳、H11/3/21)
森田美緒 (28歳、H11/4/26)
佃美佳 (21歳、H11/5/2)
高島十和子 (29歳、H11/5/6)
小川美博 (23歳、H11/5/11)
松田圭衣子 (31歳、H11/5/16)
沼田浩子 (30歳、H11/5/20)
田浦信子 (29歳、H24/5/23)
木本直美 (26歳、)
辻十岐子 (38歳、H11/6/1)

■出演者

久能整 …… 菅田将暉 (東英大学教育学部の学生)
風呂光聖子 …… 伊藤沙莉 (大隣署・新人刑事、”フロミツ”)
池本優人 …… 尾上松也 (大隣署・巡査)
青砥成昭 …… 筒井道隆 (大隣署・警部、冤罪事件)
入江 …… 古河耕史 (捜査官)

犬堂我路 …… 永山瑛太
犬堂甲矢 …… 久保田悠来
犬堂乙矢 …… 阿部亮平
犬堂愛珠 …… 白石麻衣
煙草森誠 …… 森下能幸 (回想、片付け屋)
牛田悟郎 …… 小日向文世 (回想、元刑事)
霜鳥信次 …… 相島一之 (回想、負傷した刑事)
羽喰玄斗 …… 千原ジュニア (被疑者、逃走中?)

備前島操 …… 船越英一郎 (芝浜署・警部)
猫田十朱 …… 松本若菜 (芝浜署、一係、巡査部長)
横田留美 …… 夏子 (闇カジノ・ウェイトレス、被害者)
辻浩増 / 羽喰十斗 …… 北村匠海 (寄木細工ミュージアム学芸員)
辻十岐子 …… 奥田恵梨華 (当時38歳、22年前の被害者)
加藤 …… 水野智則 (ホームレス)
月岡桂 …… 森岡龍 (寄木細工工房”月の桂”)
畑千尋 …… 夕帆 (34歳、主婦、被害者)
福田南 …… (20歳、大学生、被害者)
魚佳佑子 …… (54歳、会社員、被害者)

…… 信太昌之(捜査本部長)
前川典之 …… 堀井新太(鑑識課)
吉村和仁 …… 佐伯新(刑事)
小野信一 …… 谷恭輔(若手刑事)
…… 磯崎義知 (警察官)
岩谷裕司 ……
関岡猛 ……
須永正彦 ……
伊藤信介 ……
白河章信 ……
高山寛弘 ……

伊藤まな美 …… 山口景子 (芝浜寄木細工ミュージアム学芸員)
河越希 …… (芝浜寄木細工ミュージアム学芸員)
中根穂乃香 ……
違法カジノの黒服 …… ビッケブランカ
違法カジノの黒服 …… 横田龍儀 (取り調べ)

邱太郎、林田直樹、荒川真
原布介、橋本浩大、内田嶺衣奈(アナ)
松村未央(アナ)、森昭一郎(アナ)

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