ミステリと言う勿れ 第10話 ファイナルエピソード! さようなら、ライカさん…

ミステリと言う勿れ
(2022年1月期・フジテレビ・月曜9時枠)

原作:田村由美
プロデューサー:草ヶ谷大輔、熊谷理恵
脚本:相沢友子
演出:松山博昭(1)(2)(3)(5)(6)(7)(10)、品田俊介(4)
相沢秀幸(8)(9)
音楽:Ken Arai
主題歌:King Gnu「カメレオン」

https://www.fujitv.co.jp/radiationhouse2/index.html

第10話 ファイナルエピソード! さようなら、ライカさん…

【ストーリー】

●大隣総合病院

入院患者であるライカは病室を抜け出した際に倒れ
て見つかる。風呂光が居たことも有って大事には
至らなかった。
ライカは医者から事情を聴かれる。
見回りの隙を狙いいつも病室を抜け出していた事。
午前3時と午後3時の2回で、1時間で戻るようにして
いたこと。千夜子はこの事は知らないという。

そんなライカは医師に対して相談したいことがある
という。

●神社

久能は鳥居の前を通りかかると、ライカとの会話を
思い出す。

●病院の温室前

会話の話題は直毛のライカの「髪の毛」に羨ましさを
覚えるモジャモジャの天然パーマの久能の話から始ま
る。その自分の髪の毛が嫌いだという彼に対して
ライカは逆に好きだという。何よりも遠くからでも
わかるからだと・・。

話題は更に「正月」の話になる。
病院では正月に何をするのか。

・お雑煮が出る。
・獅子舞が来たことがある。
・初詣の行く人も居る。

それを聞いた久能は初詣に行かないかと彼女を誘う。
そして元日の午前3時に会う約束をする。

●大隣署

大晦日の夜。
風呂光は先日のライカが倒れていた時のことを思い
出す中、池本がやってくる。
本庁からの緊急の協力の要請が入ったとのこと。

●久能のアパート

年越しそばと称してラーメンを作る。
塩味大好きの彼は味自体が変わるのを好まないため
最小限の具材しか入れなかった。

●神社

約束した草木も眠る丑三つ時の午前3時。
辺りでは鐘の音が鳴り響く。

突然久能は緊張し始める。
これはデートなのだろうか。
神社に到着すると既にライカは待っていた。

「明けましておめでとうございます。」

二人は拝殿の前で、賽銭箱、本坪鈴を鳴らして
手を合わせて参拝し、目をつぶり願い事をする。
久能はすぐに目を開けるが、ライカは長い時間願い
ごとをしていた。

「何を願ったのか」

ライカには千夜子の幸せのことしか考えてはいなかっ
た。春が来て私が居なくなったら一人になってしまう
あの子の幸せを祈っていたという。
神などとえに見限っているが最期くらいは良いので
はないかと。

おみくじを引く。

久能は凶で、ライカは中吉だった。
ライカは久能に対して「凶は単に気を付けろ」という
ことだと語る。

久能はおみくじの順について今まで間違っていたこと
を語る。

これまで、
「大吉」「中吉」「小吉」「吉」「末吉」「凶」だ
と思っていたが、実際には
「大吉」「吉」「中吉」「小吉」「末吉」「凶」
であること。

凶の字に成り立ちは、

・落とし穴にハマってもがく人
・怨霊封じ
・空の米びつ(飢餓)

など諸説あるのだという。

ライカは久能の話や考え方が面白いことを告げるが
一つ疑問に思うことがあった。

「既成の概念に問題意識を持つのに、何故おみくじ
を信じるのか」

ということ。

喜和から過去に聞いた話を思い出す。
「占星術は統計学とか人文科学」
「人が生きてきた証みたいなもの」

■感想

ラストエピソードだと勝手に思い違いをし観ていた
のだけど、このエピソードが最終話でも十分に満足
する内容だった。
一話だけで完結する事件で有っても、その内容には
十分に濃厚なシナリオが待っている。

寧ろ今回は事件をきっかけにした上での主人公たちの
影の部分である心理的な掘り下げ作業と、現在の初々
しいまでの不慣れな恋愛描写を描いて見せて、これ
までの鋭い思考とは別にかわいらしい一面が有ること
を示した。

恋愛は成就した方が見ている側としては安心・安定
の内容だが、実際には悲哀で哀愁漂う結末である方
が余韻を残すことにもなり、後々まで視聴者の中に
残るものが多いようにも思う。一時期の韓国ドラマ
はこのパターンで有ったが最近のはよく分からない。

これまでのライカは千夜子という人物を口にしていて
自分とは違うものだと思わせていたが、それは千代子
から派生したものだった。
千夜子の存在はライカにとっては母なる大地そのもの
であり、彼女無くしてライカの存在はない。
性的暴行を受けていた幼少期に、新しい人格に身を
置いて、自分自身は精神世界の中に引きこもって
時が過ぎるのを待つことで自分を守る。
解離性同一性障害を扱うドラマの設定ではよく目に
したことがあるものだ。

実はそんな別人格は、事件を主導して暴走する
ことがある。今回のライカの様な別人格が独り歩き
して自制心を発揮して自らの意思で消滅するなどと
いうことはあまり見ない。大人を恨み、世間を恨んで
とんでもないことをするのが常である。

ライカにとっては自分の事なのに自分の事ではない。
悲しいことだけど「記憶」「経験」という脳内の未知
の領域に触れ、完全に別人格として育ったものたちは
例え源流は同じであって決して交わることのないもの
として描かれる。これが時空を超えた同一人物が
設定としてあると、脳裏に微かに残る記憶が少しずつ
剝がれ落ちて来るのだけどね。

守るためだけに生まれた悲しき存在。
痛みだけを味わい、そしてその嵐が済めば自ら消えて
いく。

■新年明けましておめ事件

恋愛感情が高ぶるが故に自ら身を引いてしまう
ライカの存在。
彼女が狡猾で大人の様なズル賢さを持ち合わせて
いたらこの関係は春までという縛りは無かったのか
もしれない。

日本ドラマの中でも”幽霊”が何かをするということは
あるけれど別人格がそこまで深く関わり恋愛関係に
深い感情を抱くというのは珍しいかも知れない。

・偶然ではなく必然的行動・習性

さてそんな前置きはさておき、新年にいきなり強盗
殺人事件が発生する。

神社参りをしておみくじを引いて、たこ焼きを食べ
そして焼き肉屋に行く。

焼き肉屋に行ったのは偶然でもなく実際には毎日の
行動の変化に気が付いていたことは後々語られる。

二人共デート慣れしていない。
その割には意外と冷静で物事を観察している。

水を出しに来た店員の沙也加は初デートで緊張して
いる二人よりも更に緊張し震えている。

暗号1)
「見たか、ひどく緊張している」

暗号2)
「父のふりをしている」

これはリアルタイムの流れで話したものではない。
ついでに言えば沙也加に名前が無いのは親子関係で
はないことを視聴者に悟らせない為の措置でもある。

・違和感に気が付く

稀にドラマの中で強盗に入られて大事な人が人質と
なり何とかして助けを求めるシーンはあるものだ。

・フヤフヤじゃない、ゴーヤの入ってないゴーヤトーフ
(ゴーヤトーフって何なのだろうか。ゴマトーフとか
コウヤトーフならば聞いたことがあるが・・)
・小銭の5と10
・お薦めされた酢もつがメニューにない
・網じゃなくて鉄板
・タン塩、酢もつ、ケジャン、テールスープ
頭文字を見れば、「タ」「酢」「ケ」「テ」

普通の人は気が付くのが難しいと思う。
ドラマで見ていても、大人によって傷つけられる話
が今回ドラマ全体を覆っていたので、沙也加が浦部沢
によって傷つけられている可能性はあるけど、強盗
だというのは分からなかった。

そもそも正直に言って堀部圭亮さん演じる役の人が
強盗殺人事件を起こしているというのは相当無理が
ないか?

・医者にも助けを求める

今回は一話で処理したので、重要な言葉は即明かす
ことはなく、最後の流れの中で語られることが多かっ
た。医者とライカの会話も同様である。

・主人格のアイデンティティーが優位になった
・私は私の意思で出ることも消えることもできた
・私の願いは千夜子が幸せになること
・この傷は ライカさんの傷と同じ痛み
・マークを使ってライカも両親を放火してもらっていた
・下戸の取り調べの裏どりで、彼女もDV被害者だった

・興味深い点

・天達と久能の会話

『花見の楽しみが分からないと思っていた。美しい
ものを眺めるなら一人の方が静かで集中し、好きな時、
好きなだけ好きなように楽しめる。今年は初めて誰か
と桜を見たいと思った。』

『あなたはまだ頭でしか知らないことが多いが、
この先、体験することで考えが変わることも有る。
それが恥ずかしいことじゃない。』

『人に会い、人を知りなさい。それは自分を知る旅』

・久能と風呂光の微妙な会話

『私が友達になってあげます』
『ありがとうございます』

■出演者

久能整 …… 菅田将暉 (東英大学教育学部の学生)
風呂光聖子 …… 伊藤沙莉 (大隣署・新人刑事、”フロミツ”)
池本優人 …… 尾上松也 (大隣署・巡査)
青砥成昭 …… 筒井道隆 (大隣署・警部、冤罪事件)

ライカ(音無千夜子) …… 門脇麦 (大隣総合病院の入院患者)
天達春生 …… 鈴木浩介 (東英大学教育学部の准教授)

沙也加 …… 志田未来 (焼肉亭”力”)
浦部沢邦夫 …… 堀部圭亮 (強盗・殺人鬼)
梅津真波 …… 阿南敦子 (大隣総合病院内にある温室の管理者)
…… 田上ひろし (精神科医師)
…… 今村有希 (看護師)

(回想シーン)
牛田悟郎 …… 小日向文世 (元刑事、末期患者)
美吉喜和 …… 水川あさみ (心理カウンセラー)
下戸陸太 …… 岡山天音(「炎の天使」、井原と協力。)
井原香音人 …… 早乙女太一 (「炎の天使」主犯)
幼少期の久能 …… 柊木陽太
幼少期のライカ …… 大貝瑠美華

中脇樹人、岩寺真志、成松修、田村智浩
田中モエ
平岡映美、七生奈央、川尻雅也、末吉めぐみ
藤田聖子、佐藤雄一郎、木下理緒、佐久間みなみ(アナ)

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