[終] 相棒20 第20話 冠城亘最後の事件―特命係との別離

相棒20
(2021年10月期・テレ朝・水曜21時枠)

監督:橋下一(1)(2)(3)(4)(6)(15)(16)(19)(20)、
守下敏行(5)(7)(8)
蔵方政俊(9)(10)、権野元(11)(12)(13)(18)
脚本:輿水泰弘(1)(2)(3)(19)(20)、神森万里江(4)、
池上純哉(5)、森下直(6)、山本むつみ(7)(15)、
瀧本智行(8)(18)、川﨑龍太(9)(13)、根本ノンジ(10)、
太田愛(11)、斉藤陽子(12)、徳永富彦(16)
エグゼクティブプロデューサー – 桑田潔
チーフプロデューサー – 佐藤凉一
プロデューサー – 高野渉、西平敦郎、土田真通
編集 – 只野信也
音楽 – 池頼広

https://www.tv-asahi.co.jp/aibou/

第20話 冠城亘最後の事件―特命係との別離

【ストーリー】

・前回まで

ネット動画で京匡平は自らのことを語る。
国家権力によっていじめられているのは、8年前に
鑓鞍兵衛を殺そうとしたこと。それが虎の尾を踏んだ
訳だが、王隠堂鷹児を失意のままに亡くなった事が
原因だった。警察は事故だと断定したが、自分は事故
に見せかけて殺されたと思っているという。

冠城は社美彌子の娘・Mことマリアと会っているのを
週刊誌によってすっぱ抜かれる。
美彌子は娘に冠城との関係を尋ねると、「姫と家来」
だと語る。

・とあるカフェ

社美彌子は冠城を呼び出し、娘のマリアと共に三者
で話し合う。

「何時から会っていたのか。」

連絡を取り合うようになったのは昨年の3月ごろから。
卒業と入学の祝いをもらったお礼の為に電話した
のが初めだという。連絡先は部署も名前もわかって
いるので調べるのは簡単だったと。
美彌子はお礼を言うなら私を通せば良いというが、
マリアは子供ではないという。私の目を盗んでこっ
そりと会っていたなんて気が付かなかったという。

「スパイの癖にだらしない」

とマリア。
冠城は”ママン”の部下だったし安心だからと言って
来たことを語るが、それを聞いた美彌子は、

「二度とママンなどと呼んだら承知しないわよ」
と殺意のオーラを出す。

・小料理店”こてまり”

冠城がやってくると既に店には右京の姿がある。

「野暮用は済みましたか?随分と時間がかかったよう
だ。」

そんな右京の言葉に余計なお世話だとするも冠城は
突然物騒なことを言い出す。

「俺、消されるかも知れません」

危険な事件に着手しているんですねと小出は語り、
席を外す。

「その恐ろしい組織を利用するのはどうか?」
という右京。

・王隠堂

特命の二人は京匡平に対して警護を申し出る。
本当に命が狙われる可能性が有ること。内調は予想
してるよりも遥かに恐ろしい組織で、一年前にも
内調工作により億万長者が殺されたという。
あの動画を流したことによって新たな内調という
虎の尾を踏んだのだという。素人が鑓鞍兵衛を狙う
のとは違う。内調はプロで狙ったものは確実に仕留
めることを語る。しかしそれでも京匡平は自分の身
は自分で守ると言い張る。右京らは何かあれば警視庁
本部に抗議してくださいという。
そして美馬さんならば警護することを理解できる
でしょうと告げる。

・駐車場

神長に電話がある。圧力に対してジャーナリストを
舐めるなよと語る。
そんな神長に対して名刺を差し出し名乗り出る男が
いた。公安調査庁の稲羽義一。
神長はマリアの写真を持っていた。

・王隠堂

特命係の元に捜一がやってくる。
特命係が警備していることに対して警視庁本部に抗議
の連絡が入ったこと。既に右京もそれを想定していた。
捜一は内村に挽回のチャンスを求める。最近の部長は
話が分かるという芹沢。しかし警護の押し売りなんて
聞いたことが無いと特命係の行動にあきれ返る。
警護も監視も似たようなもの。しかしそれも2人だと
限界が有るのでクレーム処理を名目に捜一を呼び出
した格好だった。伊丹は渋い顔をしながら、今回は
利害が一致するので協力するというが・・

■事件

8年前に政治家・鑓鞍兵衛を殺人未遂を起こした男・
京匡平が出所し、再び彼を襲うのではないかとして
警戒している中、京匡平は国家権力の恐ろしさを
ネットで流布して世間を混乱させようとする。
一方で内閣情報調査室の社美彌子の娘・マリアの事
をつけ狙うジャーナリストの存在が浮かび上がる

■感想

これで冠城亘も相棒としての登場は最後か。
相棒のように長期シリーズだと安定した収入を得ら
れる反面、シリーズから降りた時の怖さみたいな
ものはあるのだろうが、このドラマに出演している
人は人気が有る人が多いからその心配はないか。
寧ろ固定した配役のイメージを嫌っている人も居る
かも知れないな。

冠城自体は亡くなった形での終わりではないので、
今後スペシャル版などに組み込まれる形での出演は
十分にある。

予想していたのは冠城が映画「The Bodyguard」の
Kevin Costner/Whitney Houstonの如く、
“And I~Will Always Love You”
との音楽が流れていると同時に襲撃を抑えて死傷する
ことも頭をよぎったけれど、流石にそれは無かった。

・テーマ

相棒のラストの感想は前回とそれ程変わりはないが、
テーマとしては明らかに「監視」の目であり、
次のシーズンは「諜報」「組織」「国家権力」
メインとなるのだろうか。

警察が見張っている状況の中での容疑者が行動計画を
実行することの難しさ。
それは逆に国民が見張っている中での警察や政治家
などの行動も同様である。

動画の流れを利用したので、それがもう少しドラマの
流れの中で活きて来るのかと思っていたが、この流れ
に紐付いたのは、鑓鞍兵衛の失脚だった。

・復讐、仇討ち

結局この言葉を引き合いに出した以上、それに準ずる
ような流れを最後まで貫いた。

主に復讐する女性たちの存在が浮かび上がる。

・鷹児の復讐の為に計画していたのは美馬だった。

神長敏の存在がカモフラージュのようになり、京匡平
の計画を裏で手を引いているのは神長のように思えた。
そもそもネット動画で拡散する中で、用意周到さを
最も短期間で実行できるのが彼だと思ったからだ。

しかし実際には美馬がパソコンや映像機器を使って
京匡平に行動させていた。

ジェネレーションのギャップは恐ろしい。
8年間の収監で、京匡平はネットに詳しいハズはない。
王隠堂鷹春はそもそもガラケーを使用している。
この家でネット回線、動画配信できるのは一人しか
いない。

・サプライズ

今の時代政治家でもなかなか秘密にできるものはない。

津崎真茅が出世したことでも浮かない顔をしていた
理由は、SPとして働き刺されたことによって、当時
妊婦だった彼女は刺された事で同時にお腹の中の子
まで失っていた。

しかしSPに妊婦を使いますかね?
そしてSPという仕事柄、自分がすべての責務を理解
した上で任務に当たると思う。もしも決断に揺らぐ
ものがあるのであれば現場からは外れる方が良い。

・事件の真相

息子・鷹児が事故ではなく自殺したことを父親は知っ
ていた。カーペットの流れを見た際には、あの部屋
で殺害されたものかと思っていたが、実際にはそれ
とは関係なく崖から転落した際に、鷹児は遺書を
書いていたことが分かる。父親は知りつつも警察の
捜査が捏造であるとして認めようとはしなかった。
そして恨むべきは党員から外した鑓鞍兵衛に向かう。

その鑓鞍兵衛もまた自殺するとまでは考えが及ばな
かった様だ。
若手を扇動して党内改革を行おうとしたことで
党の長老たちの逆鱗に触れた。まさに虎の尾を踏んで
しまった格好だった。元々鷹児は鑓鞍兵衛が育てた
ものだが、一度議員を落選して頭を冷やしてから
戻すつもりでいたようだ。

また例の怪文書。
冠城がパパ活云々で週刊誌に取り上げられた情報源
は青木だった。青木はいつも冠城との交流を進めた
いと思っていたが、常に足蹴にされていたことも有り
お灸を据えるとでも思っていたのだろう。

意外なのは青木の父親・綱一郎は衣笠藤治との繋がり
が有り、今まで青木の事を気にかけていたという背景
があるようだ。

青木は人が良いのか、土師太にバックドアを仕掛け
られて情報が筒抜けになる。

■人事異動

・冠城は日下部の提案から警視庁を辞めて公安調査庁へ
・片山雛子は当選し政治家として復帰
・青木は冠城の推薦で内閣情報調査室へ。

■マリアの件はどうなる?

冠城とマリアの件では確かに茶番劇のようになって
しまったが、実際にマリアの存在に注目して監視
している人物がいること。
公安庁の人間がジャーナリストの神長敏に接触して
いたので、美彌子の失脚を狙っているものが居るのか。
それとも単純に美彌子からの圧力がかかったのか。

「神長の事、今のあなたなら苦もなく潰せる。
いくらでも手段を取れる。命を取らなくても事実上
抹殺することもできる。国家権力が一般市民を潰した
ら終わりだ。闇に落ちないでください」。

ダークナイト化してしまったカイトの一歩手前まで
足を踏み入れたってことですね。

それにしても冠城と社親子のやりとりが面白かった
です。

「私の目を盗んでこっそり会っていたなんて気が
付かなかった」
「スパイの癖にだらしない。」

■出演者

杉下右京 …… 水谷豊 (警視庁警視庁・特命係)
冠城亘 …… 反町隆史 (4代目相棒、総務部広報課->特命係)

伊丹憲一 …… 川原和久 (警視庁刑事部捜査第一課員)
芹沢慶二 …… 山中崇史 (警視庁捜査一課。伊丹の後輩)
角田六郎 …… 山西惇 (警視庁組織犯罪対策五課)
内村完爾 …… 片桐竜次 (警視庁警視長・刑事部長)
中園照生 …… 小野了 (警視庁警視正・参事官)
青木年男 …… 浅利陽介 (警視庁サイバーセキュリティー)
益子桑栄 …… 田中隆三 (警視庁鑑識課員)
小出茉梨 …… 森口瑤子 (家庭料理店”こてまり”の女将)
出雲麗音 …… 篠原ゆき子 (警視庁 交通機動隊から捜査一課)
大河内春樹 …… 神保悟志 (警視庁警務部首席監察官、警視正)
衣笠藤治 …… 杉本哲太 (警視庁副総監)
甲斐峯秋 …… 石坂浩二 (警察庁次長・警視監 警察庁のキャリア官僚)

鑓鞍兵衛 …… 柄本明 (衆議院議員で国家公安委員会では委員長)
片山雛子 …… 木村佳乃 (元国会議員)
日下部彌彦 …… 榎木孝明 (法務省のキャリア官僚)
社美彌子 …… 仲間由紀恵 (内閣情報調査室・内閣情報官)
土師太 …… 松嶋亮太 (サイバーセキュリティ対策本部特別捜査官)

王隠堂美馬 …… 酒井美紀 (鷹春の娘)
津崎真茅 …… 野波麻帆 (警視庁警備部警備課第二警備係班長)
湯本律郎 …… 柿本光太郎 (警視庁警備部警護課警護第二係班員)
京匡平 …… 本宮泰風 (王隠堂家 書生)
王隠堂鷹児 …… 青戸昭憲 (王隠堂家 長男・鷹春の息子)
王隠堂鷹春 …… 勝野洋 (王隠堂家 当主)
林秀善 …… 黒澤優介 (小田山署・鶴ヶ谷交番・巡査)
芦田保 …… 関ヒロユキ (小田山署・鶴ヶ谷交番・巡査)
平賀弓雄 …… 植木祥平 (片山雛子の秘書)
久角壱仁 …… 辰巳智秋 (公安調査庁職員)
神長敏 …… 平塚真介 (「週刊自由画報」専属記者)
社マリア(M) …… 土方エミリ (社美彌子の娘)
稲羽義一 …… こくぼつよし (公安調査庁調査員)
社 …… 三谷侑未 (三谷侑未の母)

青木綱一郎 …… (青木の父、衣笠と所轄時代に働く)
武村護 …… (立明新党候補)
田所光汰 …… (日本公民党候補)
南信子 …… (真和党)

松嶋亮太、原江里菜
江端英久、山崎理彩、助川嘉隆

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