トレース ~科捜研の男~
(2019年1月期・フジ・月曜21時枠)
原作 – 古賀慶 『トレース 科捜研法医研究員の追想』
プロデュース – 草ヶ谷大輔、熊谷理恵
脚本 – 相沢友子
主題歌 – 関ジャニ∞「crystal」
演出 – 松山博昭、相沢秀幸、三橋利行
https://www.fujitv.co.jp/trace_drama/
第10話 遂に最終回目前! 隠蔽した巨悪へ復讐
【ストーリー】
アジアオープンテニスの選手で三連覇がかかる春日部芳彦。
試合が始まる前に不慮の死を遂げた原田恭一選手に向けて
黙祷する。
早川はテニス選手の原田の件で真野に相談に来る。
ドーピング事件を起こしてテニス業界から離れていた
原田の件。
2年前の試合で春日部の体内から禁止薬物が検出されたが
彼が食べた食事の中にそれが入っていて、混入させたのが
ライバル選手だった原田だったこと。その後彼は業界から
離れていたが有るとき歩道橋から転落死していた。
そのニュースを見て早川は気がついたことがあるという。
彼らの実業団のオーナーは四葉食品の社長の佐保優作。
彼は多分ボクの教え子で、先日殺されたホームレスの
新妻大介と一緒に君のお兄さんを虐めていた主犯グループ
の一人だという。佐保は卒業後にクラスメイトとは関係
は疎遠になっていたので気がつかなかったのだという。
ノンナは真野の件でトラから話を聞いて知って居た。
彼が10歳当時(25年前)に武蔵野一家殺人事件の生き残りの
一人であること。
トラがやってくると真野に対してまだ過去の事件を調べて
いるんだろうと語る。新妻の件を調べていたが事故死には
思えないというトラ。しかも打ち切り命令が出たことを
語る。しかし今度ばかりはそうはいかないというトラ。
一人で動くには限度があることを真野もみんなから言われ
て理解していた。トラはノンナには悪いが全てを話させて
もらったという。
すると真野はトラたちに対して先日事故死したとされる
テニス選手の原田の件で話をする。
■感想
元々11話構成だったのかな。
近年では10話を越えるのは珍しいけど、実質的に延長分
などを考慮すると12話分くらいの分量だった。
決して嫌いじゃないのだけどやはり日本のドラマは
きっちりと自分の目指すことになった事件の謎を解かな
ければドラマは終えることは出来ないようだ。
こういう気持ちはずっとモヤモヤしたまま心に秘めた
状態で、それを逆に原動力として描いていくべきである。
そして可能な限りシーズンを積み重ねて続けられないと
分かった頃になってスペシャル版でも良いので謎を解き
明かせば良い。どうしてもドラマは1シーズンでこの真野
の事件に向けた流れを前提に描いているので最終話近く
なると必ず関連のある人物が出て来てこの為ばかりに
存在しているドラマという感覚しかない。
この事件を解決したらドラマの中の世界観は続けること
が難しくなりそうだし単発で終わらせてしまうので
折角感情移入してきたキャラクターはこの世から排除され
また新たに似た様な設定のキャラクターが別のドラマの
タイトルで生産されるという非常に浅い感じのドラマと
なる。まさに日本のドラマの欠点だ
さて今回は全く25年前の事件とは関係無さそうな事件だ
ったけど、それでも強引に当てはめてしまった。
犯人は君だよねと今回のドラマだけを見ると犯罪者役で
お馴染みとなっている袴田吉彦さん演じる佐保優作。
25年前の事件に於いては確実に当時影響力の有った境遇
にいる人物でなければまず隠蔽したり捜査を上層部の
都合でケースクローズなどさせられる訳もないので、
早川尚文が犯人か壇浩輝が犯人かと言われているけど、
自分もどちらも違うような感じも受ける。早川尚文が犯人
だとしたら隠す必要が無いし協力する必要もない。
壇浩輝は見せかけ度がハンパ無いんですよ。もう私が
犯人ですと公表して回っているような割には登場が少ない。
吉本所属の芸人が犯人になれば「役者でもないのに美味
しいところだけもっていった」と批判は必死だし、
それでも警視庁内での偉い人が握り潰そうとでもしていな
いと、ここまで事件のもみ消しも起こらないからね。
今回は現場の油性塗料から始まり、繊維片からニトル
ベンゼンが検出された。
それらの物質が使われて居るところは限られ、現場から
はイヤリングや人間の亡くなるまでの行動を示す痕跡が
どういう事なのかを考えさせられるつくりで面白く出来て
いた。その中には偶然という必然だがノンナの協力を
織り交ぜて一連の過去の案件にも入っていけるような
流れを作ったようだ。
しかし相手は大企業の社長を殺す人物であるだけに最終話
は命が狙われる危険性がある。その辺は少しスリルに
描いて欲しいところだ。
■出演者
真野礼二 …… 錦戸亮 (科学捜査研究所・法医研究員)
沢口ノンナ …… 新木優子 (科学捜査研究所・法医研究員)
相楽一臣 …… 山崎樹範 (科学捜査研究所・法医研究員)
水沢英里 …… 岡崎紗絵 (科学捜査研究所・法医研究員)
市原浩 …… 遠山俊也 (科学捜査研究所・法医研究員)
猪瀬祐人 …… 矢本悠馬 (警視庁捜査一課刑事)
沖田徹 …… 加藤虎ノ介 (警視庁鑑識課)
沢口カンナ …… 山谷花純 (科学捜査研究所)
壇浩輝 …… 千原ジュニア (警視庁刑事部長)
江波清志 …… 篠井英介 (警視庁捜査一課・課長)
海塚律子 …… 小雪 (科学捜査研究所・法医科長)
虎丸良平 …… 船越英一郎 (警視庁捜査一課刑事)
源公則 …… 飯田基祐 (父、当時47歳)
源義一 …… 倉悠貴 (長男、当時18歳虐めで登校拒否、大検)
源仁美 …… 夏子 (長女、当時16歳、高校1年生)
源良枝 …… 加茂美穂子 (母、当時43歳)
幼少期の真野礼二 …… 大山蓮斗 (当時10歳)
早川尚文 …… 萩原聖人 (当時、義一と新妻の担任)
新妻大介 …… 伊藤高史 (ホームレス事件被害者)
佐保優作 …… 袴田吉彦 (40歳、四葉食品・斜長)
春日部芳彦 …… 柾木玲弥 (テニスの選手)
原田恭一 …… 上杉柊平 (テニスの選手・肩を壊していた)
新田清美 …… 奥田恵梨華 (ホステス、結婚詐欺)
島谷正和 …… 藤田宗久 (25年前の解剖医)
佐保敬一郞 …… (四葉食品の会長)
佐保明美 …… (会長の娘・長女、優作の妻)
菅沼庸平 …… (四葉食品・役員)
横路博、橋下拓也、吉成浩一、湯浅浩史、植田有希子
俵木藤汰、北村友彦、黒田浩史、歌川椎子、篠原剛