パーフェクトワールド 第5話 幸せを願って

パーフェクトワールド
(2019年4月期・フジ・火曜21時枠)

原作 – 有賀リエ 『パーフェクトワールド』
脚本 – 中谷まゆみ
音楽 – 菅野祐悟
主題歌 – 菅田将暉 「まちがいさがし」
プロデューサー – 河西秀幸
演出 – 三宅喜重、白木啓一郎

https://www.ktv.jp/perfectworld/index.html

第5話 幸せを願って

【ストーリー】

鮎川は障害者で良かったなんて思ったことは一度もないと
告げる。ヒロは鮎川に対して俺の方が絶対につぐみを幸せ
に出来るという。葵もまたつぐみに対してこのポジション
を譲る気はないと語る。そんな中つぐみは仕事と介護スク
ールの両立に疲れて駅のホームで倒れ線路に落ちる。
誰か助けてくれと叫ぶ中駅員が線路に降りる。

・武蔵第一病院
しおりたちがやってくると鮎川はひたすら謝罪する。
医師によると命に別状はなく頭の傷は軽症だが左脚の関節
を骨折して全治二ヶ月。血液検査の結果ヘモグロビン値から
みると低かったので貧血傾向に有ったと言われる。鮎川は
つぐみは残業続きで大変だったとするが、ヒロはそれは
嘘だからと語り、本当は介護セミナーに通っていた
のだという。
鮎川はそれを聞いて愕然とするが、更に彼は近くに居たのに
彼女を助けられなかったことにショックを受ける。
こんな身体ではなければ・・無事だったのは奇跡だ。
目の前でつぐみは突然グラっと来た。鮎川は手を伸ばして
くると私も手を伸ばしたという。しかしつぐみは鮎川とは
逆に手が届かなくて良かったと語る。手が届いていたら
鮎川までも巻き添えにしていたかも知れないからだと。

つぐみの両親がやってくる。
両親は一連の件で鮎川に対してどうしたのかと迫る。
線路に落ちるなんて尋常なことではないと。つぐみは私が
勝手に落ちたんだという。しかし一緒に居たのに何も出来
なかったという鮎川は僕の責任だという。
すると父・元久は家族だけにしてくれないかとしてみんな
に退室を求める。

ヒロは鮎川に対して二人は純愛を絵に描いたようなカップル
だなと。しかし綺麗なものはそんなに長く続く物なのか?と。

■感想

このドラマを見て居ると、私と鮎川は顔も状況も違うけど
ある意味では自分の物語を見て居るようで心が痛い。
脊椎損傷とパニック障害を一緒にするなと言われそうだ
けど、私の大学時代から数年間を描いているかと思う程
似ていてその後の人生もある意味では似ている。

パニック障害はいつ再発するかも分からず不安の繰り返し。
パニックアタック(発作)の状態になると動けない。
移動がほぼ自主制約のようにして行けない場所がかなり
自分の中で設定してあり、手足が縛られているような感覚
に似ている。

だからこそなのか。
まずつぐみのような人物は100%この世の中には居ないと
思ってしまう。嫉妬にも近いかも知れないがそういう人に
出逢ったことはない。
葵のような人物は居るんですけど・・。

今回一番良かったのはつぐみ自身にも足が不自由な状況
を作ったことでより鮎川の苦労が分かったことでしょうか。

そして先日の焼き鳥屋での障害者が荒くれ者のアホ
相手にして助けられない状況に続き、今度もまた愛する
人を助けられないシチュエーションを用意した。

出来ない事、足りないことを互いに分からせたこと。
甘い部分だけでなく現実を色々な形で見せたのだ。

これでもか!!というくらいに別れろコールが周り中で
鳴り響く中、それでも別れないのがドラマなんだろうけど
私は実利的にも今後の社会生活に於いても生活する為には
別れた方が良いと思ってしまう。二人の認識が甘いん
じゃないかなと。

他人を不幸にしてもその人たちが幸せならば良いという
のはどうも近年の日本の価値観にはそぐわないような
気がしてくる。自己責任論がやたらと強調されるのが日本
だ。

やり方は非常に非情だが葵は現状を見せる為に最後に
つぐみとヒロが帰るシーンをさりげなく見せることに
なった。父親の気持ちは自分の変わりに娘を背負っていく
相手。勿論今は女性が男性を背負っていっても良い時代
だが日本はまだその時代について行っていないので
やはり難しい関係だ。

最後のデートだと分かって居たけどつぐみは分からなかった
のかな。

■出演者

インテリアデザイン会社・クランベリーズ
渡辺設計事務所

鮎川樹 …… 松坂桃李 (29歳、渡辺設計事務所・一級建築士)
川奈つぐみ …… 山本美月 (19歳、クランベリーズ・事務員)
是枝洋貴 …… 瀬戸康史 (29歳、アプリ製作会社経営)
長沢葵 …… 中村ゆり (36歳、元看護師、ヘルパー)
渡辺晴人 …… 松村北斗 (24歳、渡辺設計事務所・社員)
川奈しおり …… 岡崎紗絵 (つぐみの妹、大学生)
渡辺剛 …… 木村祐一 (50歳、渡辺設計事務所)
雪村美姫 …… 水沢エレナ (29歳、樹の元彼女)
東美千代 …… とよた真帆 (48歳、クランベリーズ・経営)
川奈咲子 …… 堀内敬子 (53歳、母、長野県松本市)
鮎川文乃 …… 麻生祐未 (55歳、保険外交員)
川奈元久 …… 松重豊 (58歳、父、市役所・福祉課)
沢田一馬 …… 池岡亮介 (渡辺設計事務所)
三村 …… 高島豪志 (渡辺設計事務所・メガネ)

岩田知幸
ふるかわいずみ、田中啓三、黒沢リコ、佐藤誠
林田直樹、落井実結子、伊豆義継、柳澤有毅、吉川一勝

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