パーフェクトワールド 第9話 もう諦めない

パーフェクトワールド
(2019年4月期・フジ・火曜21時枠)

原作 – 有賀リエ 『パーフェクトワールド』
脚本 – 中谷まゆみ
音楽 – 菅野祐悟
主題歌 – 菅田将暉 「まちがいさがし」
プロデューサー – 河西秀幸
演出 – 三宅喜重、白木啓一郎

https://www.ktv.jp/perfectworld/index.html

第9話 もう諦めない

【ストーリー】

地震で下敷きになった鮎川を助けたつぐみ、つぐみの顔が
見られて良かったという。葵はヒロに対してちゃんと彼女
の気持ちを掴んだ上での結婚かと聞かれる。鮎川は一度は
別れて帰宅するが言わなければならないことがあると感じ
る。それはどうじにつぐみにも感じる思いだった。
自分には後悔があると鮎川はつぐみに伝える。

鮎川はつぐみに10年前に事故に有った場所に連れていく。
大学のサークル仲間とバスケ練習を終えた後に体育館を
出たら雨が降っていたこと。あの時雨が降っていなければ、
あの時自転車を置いて帰っていれば・・いつもの道を
帰っていれば・・と悔やんでも悔やみきれない後悔に長い
こと苦しんだ。人生いつ何が終わるか分からない。だから
せめて一日一日を後悔しないように行きよう・・そう思っ
て生きて来たハズだが俺はまた後悔しているのだという。
それは川奈の手を放したこと。
それを聞いたつぐみは私も心の何処かでずっと後悔して
たという。でももう引き返せないと思っていたこと。ずっ
とここに来るのが凄く怖かったこと。事故のこともなるだけ
思い出さないようにしてた。でももう逃げたくない。過去
からも現実からも・・目を反らさず正直に生きて行きたい
という鮎川。俺ともう一度やり直してくれませんかという。

しおりはその事実を知り帰宅したつぐみをビンタする。
ヒロみたいな良い人を傷つけて信じられないとし人として
どうかしていると語る。お姉ちゃんは無自覚に人の事を
傷つけて人の気持ちに鈍感で結局はお姉ちゃんも鮎川も
自分さえよければそれで良いのだと。人の気持ちを踏みに
じってまで幸せになりたいのか?お姉ちゃんのせいでヒロと
二度と逢えなくなったらどうしてくれるのかと語る。

一方ヒロはつぐみの実家に来て30歳の誕生日のサプライズ
をする。両親も既にヒロのことは認めていて、最大の
サプライズはこれだとして指輪を見せる。それを見て父は
つぐみは幸せだと語る。
しかしつぐみは東京に行くとしているという為、それを
止めようとするが・・

■感想

分かっていた事とはいえ最悪の展開のオンパレード。
自分は別段ヒロとか鮎川自身に肩入れはしていなかった
けど、やはり好きな女優さんである山本美月さんが度を
越えた恋愛経験不足からやってくる無知故の頑固さ鈍感さ
猪突猛進さを備えた優しい女性像が実に単純且つ厄介さを
備えていてなんとももやっとした感じだった。

このドラマは誰もが信念を貫いている。

父親への娘への気持ちは勿論だし、つぐみ、鮎川、ヒロ、
葵、しおりはみんな長いことその相手への思いを募らせ
目移りなど一切無く貫徹している格好だ。

だから結局みんな違うベクトルを持てば確実に衝突する
し並行なら一生そのままの道を歩んでいく結末が用意され
ている。妥協がないというのは素晴らしいことなのだが
この世の中は妥協しなければならないことが沢山ある
訳で、その妥協的エピソードがあまりに呆気ない描かれ
方をしてしまった。

それだけガチっとした恋愛観やら人物像を持っていると
他に入り込む隙がないんですよ。だから1話からもう結末
は決まってしまっている。

興味深いのはヒロはつぐみから言われるよりも先に
鮎川言われていたことなのに、ヒロはそれを無視して
つぐみの顔色や反応を観察するような流れが有ったシーン
が有ったことだ。

しかし私は今回のエピソードで一番気持ちの共感がはかれた
のはつぐみの父だったかな。
一生許さないかも知れないし、娘の性格を知って居れば
許さないわけにもいかないところも有る。なんとも難しい。

恋愛ドラマとしては淡泊になりすぎた。
唯一障害者との恋愛にはどういう不便さがあるのかを
知るばかりのドラマになってしまった。

■出演者

インテリアデザイン会社・クランベリーズ
渡辺設計事務所

鮎川樹 …… 松坂桃李 (29歳、渡辺設計事務所・一級建築士)
川奈つぐみ …… 山本美月 (29歳、クランベリーズ・事務員)
是枝洋貴 …… 瀬戸康史 (29歳、アプリ製作会社経営)
長沢葵 …… 中村ゆり (36歳、元看護師、ヘルパー)
渡辺晴人 …… 松村北斗 (24歳、渡辺設計事務所・社員)
川奈しおり …… 岡崎紗絵 (つぐみの妹、大学生)
渡辺剛 …… 木村祐一 (50歳、渡辺設計事務所)
雪村美姫 …… 水沢エレナ (29歳、樹の元彼女)
東美千代 …… とよた真帆 (48歳、クランベリーズ・経営)
川奈咲子 …… 堀内敬子 (53歳、母、長野県松本市)
鮎川文乃 …… 麻生祐未 (55歳、保険外交員)
川奈元久 …… 松重豊 (58歳、父、市役所・福祉課)
沢田一馬 …… 池岡亮介 (渡辺設計事務所)
三村 …… 高島豪志 (渡辺設計事務所・メガネ)

依頼する …… 森岡豊

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