パーフェクトワールド
(2019年4月期・フジ・火曜21時枠)
原作 – 有賀リエ 『パーフェクトワールド』
脚本 – 中谷まゆみ
音楽 – 菅野祐悟
主題歌 – 菅田将暉 「まちがいさがし」
プロデューサー – 河西秀幸
演出 – 三宅喜重、白木啓一郎
https://www.ktv.jp/perfectworld/index.html
第10話 未来への誓い
【ストーリー】
ヒロと別れたつぐみは鮎川と再び愛を確認する。
鮎川と一緒に生きて行きたいと両親に語ると父・元久は
激高して「だったら家を出て行きなさい!」と語る。
どんなに反対されても別れる選択はないという鮎川は
つぐみにプロポーズする。
そんな中、元久は鮎川と二人で話をしたいとして呼び出す。
二人が行ったのはつぐみとしおりが幼少期に遊んだ公園へ
といく。元久は鮎川に対して「公園のイメージ」を尋ねる。
「楽しくて幸せなイメージ」だとすると、元久も子供を持つ
までは同じように思ったこと。しかし実際連れて来るとなる
と二の次で走っては転ばないか、怪我しないか、ケンカしな
いか心配で目が離さないという。それで一日ぐったりしても
また遊びに来る。娘の笑顔は何にも変えがたい。逆に辛そう
な顔は身が切られる様。君と一緒台介助生活になる。
私も仕事で多くの障害者と接して来たが本人も大変だが
それをサポートする周りの人の大変さも知って居るという。
好きだという感情だけでやってかける問題じゃない。
それを知って君も別れてくれたのではなかったのか?と問う。
鮎川はそれが間違っていたと気がついたという。何で自分で
幸せにすると言えなかったのか。
「君はつぐみを幸せに出来るのか?つぐみを守れるのか?」
守れるとは思っていないが前もってリスクを考えてそれ
に対する用意・準備して置けるという。
つぐみと出逢って変わったこと。彼女を守りたい・幸せに
したい。一日も長くつぐみと居られるように・・そして必要
とされる存在で居たいと語る。
「彼女とならば乗り越えられる気がする」
僕達の結婚を認めて欲しいというが・・・
元久は君が悪い人間ではないことは分かったが考えは変わ
らないと告げる。鮎川は諦めないしこれからも許してもらう
まで通うとする中で、心臓の病を持つ元久は突然砂場の所
で胸が痛み出し苦しみ倒れてしまう。
■感想
もう分かっていたこと。こういうドラマでは余程のことが
無い限りはアンハッピーなエンディングはない。それだけ
大胆なシナリオを描ける人は更に先のシナリオも想定して
いるハズなので、ある程度余裕を持たせているが、この
ドラマにはそれが無かった。
今回のドラマの中では如何にして結婚することを父親に
認めさせるのかだった。
父親が亡くなる可能性も有ったがそれだと認めさせたこと
にはならない。
手っ取り早い方法は自分が一度障害者と同じ土俵に立つ
ことか。無力さを与えるというのは惨いことだけど、
障害者の気持ちに触れるという状況を作ることで転機が
あり、自分には何ができて何ができないのかということを
認知させることが必要だった。これが一番偏見に対する
頑なな気持ちを取っ払う方法。車イスの障害者に
人(娘)を助けることは出来ないと考えて居る父はそんな
彼によって助けられた。それは勿論父親本人も語っていた
ことだが物質的なことだけでなく精神的な助けも行えた
ことが大きかった。
障害者の気持ちは障害者に聞け。
ただこの作者はそういうことを聞かなくても恋愛が普通に
出来る偏見のない社会を求めているようなメッセージを
送っている。
私は元久さんよりもつぐみさんたちの方に年齢が近いの
だけど、それでも最後まで父親の方に肩入れしていた様に
思う。前にも書いたのだけど私自身パニック障害で、
行動が制限されるところがあるんですよ。他人と合わせる
ことが難しいのと、電車に乗ることが未だに出来ずに居る。
人の多いところは避けるし、車で行動出来る範囲もある
程度限られていたり、細かい事を言い出すときりがないの
だけど、とにかく相手を失望させてばかりでなかなか
難しい人生を送ってきたので、このつぐみさんのような人
が現れるというのが考えられない。ただ周りの人は優しい
ので人脈が全ての現代の世の中で辛うじて首一枚で繋がっ
ている気がする。
未だに信じられないがそれでも最後は説得力を感じる所
は有った。母親が二人の同じシーンを繰り返し見ている
こと。そして最後は両親が娘の成長した姿を目にして
認めるべくして認めるような形を作った。
韓国ドラマくらいに長いスパンで描ければ恐らく学生時代
のことをもっと長い時間を割いて描けたハズ。日本の
46分*10話構成だと二人の繋がりが多少端折ってしまい
同じような薄っぺらいドラマになってしまう。
サイドストーリーの晴人としおりも収まり処がありそう
だし、ヒロや葵も人に優しいので問題は無さそうだな。
偏見多いドラマではあるが、このドラマはみんな人が
良すぎた感じかな。
■出演者
インテリアデザイン会社・クランベリーズ
渡辺設計事務所
鮎川樹 …… 松坂桃李 (29歳、渡辺設計事務所・一級建築士)
川奈つぐみ …… 山本美月 (29歳、クランベリーズ・事務員)
是枝洋貴 …… 瀬戸康史 (29歳、アプリ製作会社経営)
長沢葵 …… 中村ゆり (36歳、元看護師、ヘルパー)
渡辺晴人 …… 松村北斗 (24歳、渡辺設計事務所・社員)
川奈しおり …… 岡崎紗絵 (つぐみの妹、大学生)
渡辺剛 …… 木村祐一 (50歳、渡辺設計事務所)
雪村美姫 …… 水沢エレナ (29歳、樹の元彼女)
東美千代 …… とよた真帆 (48歳、クランベリーズ・経営)
川奈咲子 …… 堀内敬子 (53歳、母、長野県松本市)
鮎川(小向)文乃 …… 麻生祐未 (55歳、保険外交員)
川奈元久 …… 松重豊 (58歳、父、市役所・福祉課)
沢田一馬 …… 池岡亮介 (渡辺設計事務所)
三村芳正 …… 高島豪志 (渡辺設計事務所・メガネ)
市役所の職員 …… 菅田将暉 (婚姻届)
俊矢 …… 阿部亮平 (バスケ選手)
卓 …… 新宅修英 (バスケ選手)
土田 …… 中村靖日 (理学療法士)
小向 …… 潟山セイキ (文乃の再婚相手)
医者 …… 北山雅康
つぐみの幼少期 …… 落井実結子
アプリ使用の子 …… 石崎日梨
看護師? …… 安藤瞳