MIU404 第2話 切なる願い

MIU404
(2020年7月期・TBS・金22時枠)

第2話 切なる願い

【ストーリー】

●
担当区の密行が終了し分駐に戻ったことを1機捜に方引くする
伊吹と志摩。そんな伊吹は志摩に対して毎晩言っておかない
といけないと思って居たことがあると告げる。それは何か。

「謝ってもらっていない」

先日の事件の際に志摩は伊吹が銃を持ち出して被疑者を脅した
ことに殴り飛ばすが実際にはこけおどしの為の武器で銃では
無かった。これは暴行傷害に値するものだと。

そんな中二人が密行で使用している車がなんと「まるごとメ
ロンパン」と書かれたものでかつて張り込みで使用された
ものだという。ゆづるに文句を言うが他に余っている車は
ないしそもそも先日の車を乱暴に扱った第4機動捜査隊の
二人に貸してくれる部署などいない。
スピードが出ないと捕まえられないという伊吹に対してゆづる
は私たちは交通機動隊ではなく刑事部の機動捜査隊である
事を告げ、事件発生時にいち早く現場にいって初動捜査に
当たることだと告げ、問題さえ起こさなければ何でもよい
というゆづる。

丸重はこの部屋は一体何なのかと尋ねる。ここが分駐署だとし
芝浦署のすぐウラにあるという。

・伊吹と志摩は密行へ

色々と警視庁から入電が入る中、二人の乗った車は
「まるごとメロンパン」と書かれたバン。女子高生は興味深く
近づいてくる。

そんな中一般道を走っていると隣を走行している車の後部座席
で女性が不自然な行動を取っていることに伊吹が気がつく。
何度か志摩との不自然なやりとりをしているウチに入電が
入ってくる。

・2019年4月13日
●品川区西森で発生した殺人事件の容疑者が逃走中。
容疑者は28歳。黄緑色のジャンパーにジーパン。やせ形で
凶器を所持している。

伊吹は志摩に対して隣を走行している車に容疑者が乗っている
事を告げる。志摩は何故そう思うのかを尋ねると、黄緑色
のジャンパーを”一瞬見た”し、おばちゃんの様子が変だった。
走る人質、監禁、立て込みか・・志摩は伊吹の意見を却下する
かと思われたがゆづるに通報し追尾の許可を得る。

■感想

シナリオのテーマも深いものが有るし、刑事ドラマに於ける
バディ関係は最高に面白くなってきた。
冷静な行動かつ何処か冷めている感じの星野源さんに対して、
その彼に何とか意見や感情を引き出そうとしている綾野剛
さんのおちゃらけた感じのキャラクターの構図。

勿論それ以外に第4機動捜査隊にはベテランの橋本じゅんさん
とキャリアでエリート意識の抜けていない常識マン
の岡田健史さん。そしてそれらをソーシャルディスタンスで
指示している麻生久美子さんの存在。

このドラマを見ていると全員が確実に捜査官としてのスーパー
スキルをお持ちで、普段はそれをあまり表に出さない。
いや表に出ないように言動を茶化してなんとか上手く
隠している感じだ。
いざというときになってそういうのが垣間見えた時の頼もし
さと手際の良さに爽快感を覚える作り。

今回は色々とそれぞれに感情移入出来るように出来ている。
一人の容疑者に込められた複数人の思い。

そしてそれが今回のテーマの中には「人を信じることの意味」
的ものに繋がっている。

登場人物の中の多くは人間不信に陥っていて、それが何なのか。
「人を信じるか否か」の状況に於いてその選択肢で失敗
した過去が有る。勿論選択出来る環境にいればまだマシな
方で、生まれながらにしてそれが出来ない人も居る。
そして幸か不幸か突如として出会うものに、その自分の選択
肢の失敗・過去に於ける罪悪感を埋める存在とも言えるし、
信じたい気持ちが色々と言動を曇らせてしまっているのでは
ないかというところに繋がっていく。

流れとしては伊吹の意見に同調出来そうな形で進行していく。
そしてカージャックされた相手がまるで運命の巡り合わせ
ではないかという感じで上述した様に面白い人間関係の連鎖
ができあがる。

自分のミスを謝罪できないこと。
その言動が自分の信念に近い自分の一部として存在されていた
としたらどうなのか。謝罪したくても出来ないのではなく
そもそも間違えているという認識が無ければ結果として
その謝罪は無意味なものとなる。

それぞれのエピソードの中に自分の父と自分の息子への気持ち
が込められており、そして相棒への気持ちなども今回は興味
深く描かれていた。

しかしまぁ尾行していくのにあの車では目立ちすぎる。
面白くしようとした結果だろうが、富士山が見えるあの土地
まであの車で行ったというのは少々違和感があったな。

・気になるいくつか

・志摩は相棒を殺した

・伊吹は一瞬で犯人を見抜いたが心までは見抜けず

・謝る行為について、謝って欲しい相手でなくても、類似
した人物によるものならばその効果はあるのだろうか?

・県を跨いだ捜査になる。捜査共助課、通信情報部、
広域通信リンクなど、色々と手配をしていた。

・「俺たちの仕事の99%は無駄だ」by 陣馬

・十三回忌の息子の墓参りの車をジャックした殺人鬼

・犯人は過去の父親像と現実の父親像と理想の父親像の姿
を目にする。

その現実の父親像とは会社の上司で有った。そして理想の父
親像・家庭像はカージャックした夫婦・田辺だろう。
そして現実の父親は既に他界していた。

・人は信じたいものを信じる

・事件は2019年4月13日に発生した。相変わらず現在との
タイムラグが気になっている

・犯人の車にBluetoothの携帯を置いて行き無線で飛ばして
車内で同時再生させた

・上司殺害した人物を最後まで色々と可能性を残していた。

■出演者

伊吹藍 …… 綾野剛 (第4機動捜査隊)
志摩一未 …… 星野源 (第4機動捜査隊)
九重世人 …… 岡田健史 (第4機動捜査隊・キャリア)
陣馬耕平 …… 橋本じゅん (第4機動捜査隊)
特派員REC …… 渡邊圭祐 (WEB動画チャンネルの運営者)
糸巻貴志 …… 金井勇太 (第1機動捜査隊・解析班)
我孫子豆治 …… 生瀬勝久 (警視庁刑事部のトップ)
桔梗ゆづる …… 麻生久美子 (機動捜査隊隊長)

謎の女 …… 黒川智花 (謎)

岩坂 …… (第4機動捜査隊)
乾 …… (第4機動捜査隊)
鈴村 …… (第4機動捜査隊)
鈴木 …… (第4機動捜査隊)
谷山 …… 坂田聡 (警視庁)

加々見崇 …… 松下洸平 (28歳、清掃会社”ウチクリン”、山梨出身)
田辺将司 …… 鶴見辰吾 (夫、運転手)
田辺早苗 …… 池津祥子 (妻)
仙田太郎 …… 谷田部俊 (清掃会社”ウチクリン”、第一発見者)
松村幸弘 …… 林和義 (清掃会社”ウチクリン”、専務)
田辺秀則 …… (13年前中学3年生の時に自殺)
岸拓哉 …… 吉村卓也 (清掃会社”ウチクリン”、加々見の友人)
女子高生2名 …… (まるごとメロンパン)
検問の警察官名 ……

相田雄一郎、もらいくや、土井玲奈、笠岡康平

國武亜沙妃、宮野陽名、山本栄治、小林未来