ミステリと言う勿れ
(2022年1月期・フジテレビ・月曜9時枠)
原作:田村由美
プロデューサー:草ヶ谷大輔、熊谷理恵
脚本:相沢友子
演出:松山博昭(1)(2)
音楽:Ken Arai
主題歌:King Gnu「カメレオン」
https://www.fujitv.co.jp/radiationhouse2/index.html
第2話 奇妙なバスジャック!その目的は…
【ストーリー】
●大島南バス・大隣美術館前
久能は印象派展が行われている大隣美術館に向かう最中、
バスジャックに遭遇する。
一方風呂光は久能の忘れ物を届けるために美術館前で待って
いたが全く来る気配がなくバスにも載っていなかった。
電話するが久能は電話にも出ない。
●現場 / 捜査本部
一方連続殺人事件が再び発生する。
これまでの3体と同じ雑木林で発見されたもので、被害者
は生き埋めにされ窒息死していた。口・鼻・指の爪の中に
は土が付着していた。
1人目の被害者は若い女性・犬堂愛珠
2人目の被害者は高齢の男性・大貫修三(63歳)、紫陽花堂
3人目の被害者は中年の男性・村田俊樹(48歳)、会社員
4人目の被害者は中年の女性・関根薫(46歳)、エブリーエイト大隣
被害者の特徴には一貫性がない。互いに知り合いでもなく
個々にトラブルを抱えている気配もなかった。
しかし連続殺人犯には必ず共通する法則があるのだという。
被害者の繋がりを徹底的に調べろと刑事は指揮する。
風呂光は大原交差点で降りると、刑事たちに途中で購入した
「紫陽花堂」のお茶菓子を持っていく。それを知った刑事
たちは風呂光は聞き込みをしてきたのかと問う。なんと偶然
ではあるが紫陽花堂の菓子職人が殺害されたものだった。
違うと知り落胆する青砥成昭たち。
風呂光はこれから彼らが現場に行くことを知って自分も
一緒に連れて行ってほしいことを告げるが青砥は来なくて
いいと一蹴する。
●大島南バス
バスジャックをした犬堂オトヤは、重客たちに持ってきた
バッグの中に入った布で窓をすべて覆うよう要求する。
そしてそれが終わるとオトヤは一人一人を指して名前と職業
を言わせていく。
1人目・眼鏡の男性「淡路一平」。コンビニのバイト。
2人目・赤いコートの女性。町工場の事務員「露木リラ」。
3人目・「坂本正雄」は現在無職。
4人目・「柏めぐみ」は主婦。
5人目・「奈良崎幸仁」元帝国証券取締役、定年後ボランティア。
6人目・「熊田翔」は大学の研究室にいるという。
すると久能の番になるが、犯人に対して、あなたの名前と
バスジャックの目的を教えてくださいと突然語りだす。
犯人は怒りながらも自分の名前は「犬堂オトヤ」だと語る。
●大隣署
会議室にいる風呂光のところに婦警がやってくる。
気になる通報があったとしてバスジャックが発生している
かのよう。しかしいざ風呂光は調べたがどこの路線も異常は
無いとのことだった。風呂光は生活不審者のリストアップ
をしておけと命じられる。
●大隣市憩いの森公園
駐車場でバスが止まると、オトヤから一人ずつトイレに
行くよう言われる。時間は3時半を過ぎていて、既に美術展は
終わっていた。オトヤはトイレに行かせる条件として
3分以内に戻ること、逃げて戻ってこなければ皆殺しにすること。
「逃げた奴のせいでみんなが死ぬ・・逃げた奴の責任だ」
それを聞いた久能はその言葉に反論する。
■感想
このドラマの全体の構成がどうなっているのか分らないのだ
けど、来週には連続殺人犯は見つかるという段取りなのか。
私はシーズンを通して連続殺人犯を追っていくドラマになる
のかと思っていたのだがwikiを見る限りでは原作は事件ごとに
分かれている感じなので4話目からはまた「御破算で願いまし
ては・・」ってことになるのか。
主人公は状況を分析し、常に正論を掲げているようには見える
けど、意外とその言動は実際には否定された方としては感情的
にならざるを得ないところがある。
「相手がどこまで我慢できるのか」
チキンゲームの様だけど、血の気の多い人、頭が悪い人など
言い方は悪いがいくらでも反論に詰まれば理性のボーダーを
ぶち破り暴力に訴えてくる人は居ますからね。
その流れを見越してチキンゲームしているのかどうかが
謎であるし、またそのゲームを制したところで状況が
好転するとは思えないところがまたなんとも言えない。
相手の感情を引き出し、本音を引き出したところで自分が
殺されていたりしたら何の意味もない。
またドラマでは大きく分けて二つの流れがあり、一つは
これまでに言及したバスジャック事件。そしてもう一つは
そのバスジャック事件を見つけるまでの警察の流れである。
この二つの流れには多少なりとも温度差が生じるところが
ある。
・違和感のあるシチュエーション
事件は「バスジャック事件」と「連続殺人事件」の二つの
事件が発生したので、一緒くたに語られてしまいそうなところ
だけど、意外とバスジャック事件発生の中で起きていることと
外部から判明するまでの流れに温度差があり相当まどろっこしい。
あれだけ路線バスが中から布のようなもので隠すように覆われて
いれば思いっきり目立つ。
人通りの少ない時間ではあるとは思うがそれでも対向車が
ないような道とも思えず、しかも計算高く語ってはいたけれど、
主人公を除いては全員がバス路線の常用利用者であり自己紹介を
しなくても犯人たちは知っているような素振りである。
ならばそんなリスクのある行動をとらず一人一人素性を
調べていけば逆に効率的なことができたのではないか。
二つ目はわざわざトイレ休憩をさせた点。
あの地点でトイレの為に休ませる必要はあったのだろうか。
確かに視聴者的には面白い駆け引きを目にするわけだけど、
現実的にバスジャック犯となればそのまま豪邸に直行しないか?
精神的BDSMの様な暴力が行われている格好だが、それでも
最低限人間としての行動を取ることで、連続殺人犯ではない
という事を強調しているかのようだ。
ドラマ内容からすると10年以上前に放送された「熱海の捜査官」
のような世界観を想像させるものがある。
やたらと地名が強調されている印象だ。
・興味深い点
悪い部分だけ抜粋するのも悪いので、興味をひかれた部分も
書き出してみる。
金髪に染めている永山瑛太さんがクレジットされており、
それが分かっていても変わった感じに見えることに単純に
驚きを感じた。人の印象って髪の毛でずいぶん変わりますよね。
ドラマを見ている冒頭では私はバスに乗っているほぼ全員が
何かに手を貸しているものかと思っていた。「どっきりTV」
で仕掛け人は全員がネタを知っているみたいなものかと・・。
女性が正当に評価されていないと思い込んでいる内には
雑用係としての役割しか任せられないが、徐々に自分に必要
なものが何かということを掴んでいき、最終的にはバスジャッ
クの流れに於いては偶然も重なり、うまく点と点を結ぶ大きな
役割で結ばれていることか。
■出演者
久能整 …… 菅田将暉 (東英大学教育学部の学生)
風呂光聖子 …… 伊藤沙莉 (大隣署・新人刑事、”フロミツ”)
池本優人 …… 尾上松也 (大隣署・巡査)
青砥成昭 …… 筒井道隆 (大隣署・警部、冤罪事件)
佐橋謙介 …… 三島ゆたか (大隣署・)
寒河江健 …… 藤枝喜輝 (西郷坂公園で刺殺された久能の同級生)
露木リラ …… ヒコロヒー (乗客、事務員)
熊田翔(犬堂我路) …… 永山瑛太 (乗客、大学の研究室)
奈良崎幸仁 …… 金田明夫(乗客、元帝国証券取締役、定年後ボランティア)
坂本正雄(犬堂) …… 久保田悠来(乗客、無職)
犬堂オトヤ …… 阿部亮平(バスジャック犯)
煙草森誠 …… 森下能幸(バスの運転手)
柏めぐみ …… 佐津川愛美(乗客・主婦)
淡路一平 …… 森永悠希(乗客・コンビニのバイト)
大隣署の刑事 …… 古河耕史 (池本と階段下で雑談)
犬堂愛珠 …… 白石麻衣 (1人目の被害者)
捜査本部長 …… 小須田康人
婦警 …… 遠田恵理香
サイクリング …… 佐川正治
保育士 …… 松山愛里
バーの店員 ……
警察官(池田潤?) …… 青戸昭憲 (公園前、巡査)
洋菓子店員 …… 数ヒロキ
子供 …… 柿本鈴音
関根薫 …… 平林美子 (被害者)
秀光、小出ミカ、川口浩、渡辺勝則