下剋上受験
(2017年1月期・TBS・金曜22時枠)
原作 – 桜井信一『下剋上受験』
脚本 – 両沢和幸
音楽 – 出羽良彰
演出 – 福田亮介、吉田秋生
プロデューサー – 渡辺良介、八木亜未
主題歌 – 斉藤和義「遺伝」
第6話 俺の娘を泣かせるな!父vs父の代理戦争
【ストーリー】
2016年1月、年が明ける。
家族で初詣に行く中で、三人は願掛けをする。
おみくじを引くと香夏子は吉、佳織は中吉、信一は凶だった。
全国模試で成績が上がり光明が見えたのもつかの間、佳織の成績
一進一退。復習テストをすると全然出来ていない。
佳織に対して何故出来ないか、そのことについてどう思うかを
問いかける。睡眠不足が原因なのか。気合い不足が原因なのか。
宿題は帰宅して5時から勉強、6時から食事、7時から本格的に受験
の為の勉強が始まる。最初は24時までだと決めていたが、それも
1時・・2時へと延長されていた。
2016年3月。
信一は思いきって勉強を減らして睡眠時間を増やさないかという。
佳織は学校で寝ているから大丈夫だという。今の時代はそうやっ
ても殴られないかとして信一や香夏子は自分の学生時代の頃と
比較する。いよいよ6年生が近づく。
2016年4月。
6年生、小学最終学年。中学受験まで10ヶ月を切る。
リナやアユミ、健太郎とは同じクラスだったことにホッとする。
保護者面談。
徳川は担任のみどりに娘を休学させたいと語る。みどりは一定の
理解を示しながらもまだ一学期が始まったばかりだという。
しかし勝負は始まって居る事を告げる。麻里亜はこの学校では
上手く行っていないという。しかしみどりは最初は私も心配した
が佳織たちと仲良くしていると語る。それは認めるがそもそもの
原因は佳織だと語る。
一方不動産会社では香夏子は見習い期間が終了。いよいよ一人で
販売の許可が下りる。
■感想
これまでの中でも一番面白かったかな。
子供たちも悩み、親たちも悩む。
答えのヒントを出してくれるのは親だけど最終的に決断を
下すのは子供自身であることを強調する流れ。
成績が伸び悩む流れの中、人が物を忘れる過程を理論的に説明
する流れもまたこのドラマらしいところだった。
楢崎のように困った時に答えを出せる人物が近くに居るっていう
ところはこのドラマに於ける奇跡としか言いようがなく、
ドイツの心理学者・エビングハウスの忘却曲線に対して、数値
的なものを提示して「人間は覚えた直後に半分は忘れる」生き物
であることを語ったところは励ましにも繋がっただろう。
そこにはDNA云々ではなく、人間としての当たり前のものが有り
記憶とは何かということを改めて教えてくれる。
ただそうなると佳織に勉強を教えている麻里亜などは、初心に
帰ってまた佳織に教えているので、色んな意味で役に立っている
ところもないのかな。
また佳織と麻里亜との関係に於いてライバルだとする担任の
言葉もまた複雑な関係を一言で解いて見せたのではないかな。
昔あだち充先生のマンガだったか、水泳の物語を扱ったものだけ
ど、確か
家族としての葛藤が有ったり、佳織本人にも自覚を促す流れが
有り、ちょっとした挫折感やそれに対応する自助努力的流れも
また心地よく写る。
■出演者
桜井 信一 …… 阿部サダヲ (40歳、元不良の中卒で佳織の父)
桜井 香夏子 …… 深田恭子 (33歳、元ギャルの中卒で佳織の母)
桜井 佳織 …… 山田美紅羽 (10歳、小学校5年生)
桜井 一夫 …… 小林薫 (65歳、信一の父親で大工屋)
楢崎哲也 …… 風間俊介 (33歳、スマイベスト不動産)
長谷川光秀 …… 手塚とおる (スマイベスト不動産・部長)
徳川直康 …… 要潤 (40歳、東京大学卒の大企業二代目社長)
徳川麻里亜 …… 篠川桃音 (10歳、佳織の小学校に転校)
小山みどり …… 小芝風花 (24歳、佳織が通う小学校の担任)
松尾 …… 若旦那 (40歳、地元仲間で、居酒屋店主)
竹井 …… 皆川猿時 (40歳、理容師)
梅本 …… 岡田浩暉 (40歳、酒屋)
杉山 …… 川村陽介 (38歳、大工屋の一夫の弟子)
山之内 …… 野間口徹 (羽柴進学塾)
芳江 …… 山野海 (徳川の家政婦)
大森健太郎 …… 藤村真優 (生徒、チビと)
川瀬リナ …… 丁田凛美 (生徒、ショートカット)
遠山アユミ …… 吉岡千波 (生徒)
黒崎 …… 菊田大輔 (家庭教師)
松井祐二
木元剛、有馬直美、魚谷貴世志、山川裕也、最上沙織、伊藤僑介
伊藤舞、細井優莉名、西勝心乃、田澤優至
渡邊心、山川心美、坂巻優有、志賀茉結、中村愛
池袋遙輝、森澤哲也
宮沢秀羽、金子幸樹、赤峰優、越智まりあ、岡村美優、鈴木元治