刑事ゆがみ
(2017年10月期・フジテレビ・木曜22時)
http://www.fujitv.co.jp/yugami/
原作 – 井浦秀夫『刑事ゆがみ』
脚本 – 倉光泰子、大北はるか、藤井清美
主題歌 – WANIMA「ヒューマン」
プロデュース – 藤野良太、高田雄貴
演出 – 西谷弘、加藤裕将、宮木正悟
第1話 超適当偏屈自分勝手非常識遅刻常習犯KY問題児、だけど天才
【ストーリー】
羽生虎夫は弓神適当を相手に事情聴取の練習をする。
「相手は上司だったそうですね。嫉妬したのではないですか?
同期なのに彼女は出世して係長・・一方あなたは万年ヒラ。
だから殺したのではないか?」と。すると弓神は施錠されていた
ものをハズして羽生に襲いかかってくる。多々木、町尾、
そして菅能が見ている中、その辺で終了だという。
そんな中、236事件発生、うきよ区北うきよ5丁目の路上だと。
現場では老人が包丁を振り回していた。弓神と羽生は二人で
上手いこと煽ったり宥めたりのそれぞれの立場で接して見事
容疑者を現行犯確保する。しかし弓神は老人に現在何歳なのか?
と問うと89歳だという。刑務所の中で死んでしまうよとして
逮捕する必要はないのではないかという。チョコレートを取った
くらいだし・・と。元々刑務所に入りたいだけだという。
しかし羽生は法に則って捕まえると語る。
押田マイは酔っ払って帰宅する。
歩道橋のところで階段から転落して死亡。翌朝マラソンに
やってきた大橋克彦が彼女が倒れているのを発見して通報する。
押田マイ(21歳)、白蘭女子大の学生。夕べ1時に死亡。
アルコールの羅甥がするとし酔って足を踏み外したのか?
羽生のことを弓神が呼んでいるというので歩道橋にいくと彼は
突然羽生を突き落とす。凄い勢いで階段から落ちるが、普通は
うつ伏せで倒れるだろうと。
「捜査は2人で動くのが原則」だということで羽生は一人で
被害者の自宅に行こうとする弓神に付いていく。しかし行って
も仕方が無いとしパソコンは押収して遺体からはアルコールが検出。
見た目は事故死だなと。そんな中マイのマンションの前にやってく
ると弓神はピッキングでドアを開ける。羽生はそれは違法で
不味いことだという。羽生に中を調べさせる中、弓神は入口の
ドアの汚れ具合とペンキかスプレーで塗ったとされる赤色の
染料と、ドアの汚れ具合を見ていた。
羽生は近隣に聞き込みしていると、弓神から電話。
今夜一時に歩道橋にこいとし、場所は被害者が死亡した場所だ
という。現場に実際被害が起きた自国に言ってみないと分から
ないものだという。
■感想
最初は面倒なドラマなのかなと思っていたけど、かなりのツボ
を付いていて、ここ最近のフジテレビ木22時のドラマの中では
名作になりそうな予感。
一瞬堤幸彦さん系のドラマかと思ったんですけど、浅野忠信さん
の役所を見ると内容は違えど「弁護士のくず」の豊川悦司っぽい
かな。ということは神木くんは伊藤英明さんか。
とにかく弓神の先を見通す力が凄いし洞察力も長けている。
完全に羽生は弓神が仕掛けた罠に踊らされるだけ踊らされて
いる格好で、弓神が熱血漢で法の遵守を原則にしている刑事
だからこその面白さと引き立て具合がある。
それぞれに持っている「正義」の定義とか、倫理感のぶつかり
合いがこのドラマの肝になっている。
ルールに縛られていると解決出来る捜査も解決出来ない。
情が入ればより目の前の事実を見逃してしまう可能性が有り、
知識が豊富な人よりもその知識をより柔軟的に利用して使える
人にこそ部が有る展開だった。
本当に弓神は自分勝手だ。
上述したが捜査解決のロジックは全ては弓神が握っていて、
羽生のキモチを利用してでも犯人をあぶり出そうとする。
彼が自分の計画を話してしまえば当然相手に悟られるので知らせ
ることが出来ない事情があるにせよ、やはり他人のキモチを利用
するというのは気分はよくない。特にバディであるならば尚更の
ことだ。
面白い役所としては、あまりに髪型が変なハッカーの女性氷川
和美の存在がある。山本美月さんはどんなにダサイ髪型をして
も可愛い。
どの人も正義感と仕事に対する拘りは想像を超えるものが有る。
被害者を中心として、それを恨む人たちの多さ。
そしてその事情を知るものたちは彼女を引っかける為に色々と
工作したりいる光景がある。
「正義」と「悪」とは背あわせのものとして存在しているな。
人を殺めた時点でその人の負けではあるのだけど、弓神の捜査
は「正義」を突き止める過程で数々の違法捜査スレスレのことを
繰り返し行っている。主犯を見つける為には小さい違法は無視
しても良いのかどうか。
そして今回は日本の社会問題でもある痴漢が取り上げられた所
も大きい。痴漢防止対策をしていない訳では無いのだろうけど
やはり痴漢が多いのが事実で、海外の観光客が多くなるにつれて
こういう恥部がより際立って広報されてしまう現状は日本人と
しては切ない部分だ。
因みに犯人はかなり前の段階で分かった(笑)
しかしマイは酔った状態でアソコまで追いかけられるものでしょ
うかね。
そして犯人の坂本はマジメ過ぎる委員長タイプ故に他人の人生
に共感しすぎたところもまた歪んでしまったところでもあるんだ
ろうな。
しかし二人の存在感が大きすぎるので他の捜査官はその他大勢
になってしまっているぞ。
■出演者
弓神適当 …… 浅野忠信 (うきみ署刑事課強行犯係)
羽生虎夫 …… 神木隆之介 (うきみ署刑事課強行犯係)
菅能理香 …… 稲森いずみ (うきみ署刑事課強行犯係・係長)
多々木挙男 …… 仁科貴 (うきみ署刑事課強行犯係・ベテラン)
町尾守 …… 橋本淳 (うきみ署刑事課強行犯係・中堅)
氷川和美 …… 山本美月 (“ヒズミ”、サイバー知識が豊富)
坂木望 …… 杉咲花 (うきよ台駅の駅員)
沢谷薫子 …… 小倉優子 (勝己の妻)
沢谷勝己 …… 岡田義徳 (痴漢容疑のサラリーマン)
倉間藍子 …… 大後寿々花 (白蘭女子大3年・ダンス部)
押田マイ …… 小倉優香 (白蘭女子大・21歳、冤罪)
大橋克彦 …… (第一発見者)
倉間民夫 …… (46歳、冤罪で2009年10月に投身自殺)
牧口元美、三日尻健太郎、河野安郎
落合実結子、田上ひろし、落合歌歩子、矢嶋優作、オリーヴ
宮地大介、高橋政裕、矢嶋裕太、守崎朋子、候偉、馬逸菲
ボルジギンチチグマ、YI、神原れおな、農海姫夏、野口綾奈
尾屋葵、西原愛夏、鴨川明日香