相棒16 第4話 ケンちゃん

相棒16
(2017年10月期・TV朝日・水曜21時枠)

EXプロブューサー:桑田潔
チーププロデューサー:佐藤凉一
プロデューサー:高野渉、西平敦郎、土田真道
音楽:池頼広

http://www.tv-asahi.co.jp/aibou/

第4話 ケンちゃん

脚本/金井寛 監督/橋本一

【ストーリー】

39スマイルというコンビニで弁当を買う冠城は店員の森山健次郎
(通称:ケンちゃん)に声を掛ける。このプリペードカードって
使えるか?それを見せると使えるとされ、明るい笑顔で対応される。
冠城に電話がかかってきたのでカードを忘れて出て行ってしまう
中、わざわざ残り30円しか残っていないカードを届けに森山が
駆け寄ってくる。”ピカっとしていてとても綺麗なカード”を忘れた
という。

高校生カップルはボウリング場”スプラッシュボウル”に入り込む。
既に使用されていないボウリング場なのか辺りは静まり帰り、
中も不気味。女性は怖がるが男性は楽しいだろうとして一緒には
入ることを勧める。すると突然血相を変えて飛び出してくる
宍戸洋介の姿が有り逃げていく。ますます女性は怖がるが中に入る
と倒れている男性・森山の遺体を発見する。

冠城は右京にコンビニでの出来事を話す。
今時珍しい昭和の高校球児・全力投球って感じの青年に出会った
こと。そして忘れたカードをピカっとしているカードだと語った
こと。
角田が何時ものようにやってくる。”暇か?”と。
ワイドショーをちょっと見せてくれとテレビの電源を入れる中、
そこには殺人事件の映像が映し出される。冠城はボウリング場で
殺害されたという女性レポーターのニュースを目にして、その
人物こそ先ほど右京に話していたコンビニの青年だと語る。
被害者の近くには凶器だと思われるボウリングのピンが落ちてい
たと。

捜査本部が設置される。
「中野区上新井8丁目コンビニ店員殺人事件」。
平成29年12月1日、スプラッシュボウル敷地内で殺害されたもの。
被害者の身寄りは兄・真一郎のただ一人だけ。金融コンサルタント
会社を経営しているという。若いのにやり手。

そこに伊丹と芹沢がやってくると、いつもの口調で、”特命係
が何をしているのか”という。興味を持ったからという冠城に対し
て、捜査は夏休みの自由研究ではないという芹沢。特命係の出番
はないという伊丹は既に犯人の目星は付いているからだと。

芹沢からことの経緯が説明される。
被害者の森山は2年前に逃走途中の窃盗犯・宍戸洋介にぶつかり
入院したこと。森山の証言によって実刑になったという。
その宍戸が現場付近で目撃され、彼は一週間前に仮出所している
のだという。宍戸が犯人で決まったものだという伊丹たちに、
冠城は出て来たばかりでそんなにすぐに捕まるようなことをする
だろうかと語る。そもそも何故ボウリング場に居たのか。
そんなの捕まえてから聞けば分かることだと。
右京は現場写真を見て被害者の手に何かかかれているのを目に
する。手のひらには”中”とも”Φ”とも取れる文字が書かれていた。
店長によると被害者は手にすぐメモをするタイプだったとのこと。
近くに回転式のボールペンが落ちていてペン先が出されたままの
状態・・・つまり殺される直前に書かれた文字の可能性がある
とのこと。まさかダイイングメッセージなのか。

森山家に行く。
そこには被害者で弟の森山健次郎だけしか住んでいなかったが
兄の真一郎も来ていた。話を聞くと、兄が大学生で弟が小学5年生
の時に両親が事故で亡くなり10年ほど両親が残した家に住んでいた
という。4年前に自分はマンションに移ったがアイツはここが良い
として残ったとの。弟さんはあなたとの思い出を大切にしていた
ようだとして沢山有る写真を目にしてそう告げる。自分が親代わり
だったので・・と。アイツは私の後ばかりついて来たこと。
頼りにされていたんですねというと、何か弟さんにトラブルや
恨まれていることに心当たりはないかと尋ねるが、弟はみんなに
好かれていたことを語る。バイト先との関係も上手くやっていた
こと。そして中学卒業後にコンビニでバイトを始めたこと。
勉強が苦手で早くに仕事に出て迷惑をかけたくないようにと
言っていたという。健次郎の手のひらに”中”or”Φ”らしき文字が
書かれているが中という人物に心当たりはないかと問う。

すると真一郎は自分の会社は総務をしている中井小百合に逢わせ
る。

■感想

昭和の伝説・洗濯屋ケンちゃんが殺されたのではなく、
昭和の高校球児の様なコンビニ店員の森山健次郎というさわやか
青年が殺害されるというもの。

一見すると殺される様には見えない人物像で、取り柄はないが
笑顔に溢れる人物であり、周りの人からも愛されているとされて
いたが・・・

その人によって最もキラキラ輝くものは違うのだろうけど、
本質的なところでは人が輝くのは特別なスキルそのものでも
物質的なものでもなく、「人間」そのものであり、その人が放つ
優しさこそが、人を引きつけて止まないところが伺える。

プライドの高い人物ほど、そんなスキルに気に病んで自分の役割
が奪われるのではないかと心配したり、そんなスキルを悪用する
人を利用しようとしては近づいてくるものたちがどの世界にも居る。

小手先のやり方でしか弟からの尊敬を集められないと思っている
のは、かなり解せないところだけど、こういう葛藤が生まれた
のも両親の事故が発端にはあるのかな。
自己犠牲の下で弟を育てたというところに自負心は有りそうだ。
しかしそのことを引き合いに出して犯罪に荷担させようとする
ところに愛はない。
ただ兄弟とは複雑なもので、寧ろこういう細かい嫉妬心や焦燥感
を家族のものに抱くのは女性姉妹の関係性ってことが多いけれど、
今回は男性だった。

たった二人しかいない血を分けた兄弟。
「カインとアベル」のようには決してならない兄だけが持つ
優越感から劣等感に変わった時の心情を、ミスリードのように
仕立てて、実際には被害者のスキルを疎んでいた講師の男が
自分の役割を奪われないようにして殺害する流れが有る。

不自然なのはあの手のマークを見て”中”だと思ってしまう所だね。
どう見てもΦにしか見えないのに右京ともあろう人が可能性を
考えて排除しなかった。

更に意外と言えば月本が数学を趣味にしていて、「空集合」の
説明役をしたことかな。
先日も着物に関するスキルを彼女にも止めていたけど、彼女って
仕方が無いとはいえ元犯罪者なんだよな。

突然2年前の事故によって頭がよくなったとされるサヴァン症候群
が背後に有る。金の流れから次々と繋がりを見つけていき、
彼は大学にいく資金でも貯めている為に色々と勉強しているのか
と思った。

犯人は講師が出た時点で如何にも怪しさムンムンだったけど、
その教授が犯人である可能性も否定出来ないところが有った。
賢太郎が解いた論文を盗用した教授の仕業なのかと思う所も
有ったけど、結局は万年講師となっている服部の犯行だった。

■出演者

杉下右京 …… 水谷豊 (警視庁・特命係)
冠城亘 …… 反町隆史 (4代目相棒、総務部広報課->特命係)
月本幸子 …… 鈴木杏樹 (2代目”花の里”)

伊丹憲一 …… 川原和久 (警視庁刑事部捜査第一課員)
芹沢慶二 …… 山中崇史 (捜査一課。伊丹の後輩)
角田六郎 …… 山西惇 (組織犯罪対策五課)
大木長十郎 …… 志水正義 (組織犯罪対策部)
小松真琴 …… 久保田龍吉 (組織犯罪対策部)
内村完爾 …… 片桐竜次 (警視長・刑事部長)
中園照生 …… 小野了 (警視正・参事官)
青木年男 …… 浅利陽介 (サイバーセキュリティー対策本部特別捜査官)
益子桑栄 …… 田中隆三 (警視庁の鑑識課員)

森山真一郎 …… 内田朝陽 (森山金融コンサルタントCEO)
森山健次郎 …… 西井幸人 (25才・2年前にサヴァン症候群)
中井小百合 …… 久保陽香 (森山金融コンサルタント)
宍戸洋介 …… 菅原卓磨 (仮出所した窃盗犯)
中垣智徳 …… 山中敦史 (慶明大学・理学部数学科教授)
服部由和 …… 池田良 (慶明大学・大学講師)
檜原 …… 大滝明利 (ニシゾノ印刷工場)
山崎真吾 …… 右近良之 (慶明大学・理事長)
入試担当 …… 飯塚弘貴 (慶明大学・入試問題流出)
高校生カップル? …… 羽田将大、戸苅ニコル沙羅
アナウンサー? …… 木下彩

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