FINAL CUT 第2話 消された目撃証言

FINAL CUT
(2018年1月期・フジTV・火曜21時枠)

第2話 消された目撃証言

【ストーリー】

・12年前
(平成18年3月12日・午後5時から6時)
新宿区内の工場跡地で女児の遺体が発見。被害者は熊谷志穂
(5歳)。12日の夜に目撃が有り容疑は無認可保育園の園長の
恭子に向けられる。当時報道で現場を駆け回っていた
久美子はそんな恭子を追い回していた。そして「ザ・プレミ
アワイド」の百々瀬もまた盛んにこの事件を取り上げる。
刑事の慶介は高田副署長から熱心に過去の事件を調べている
ことを指摘される。12年当時の事件で怪しい人物がいた。
小河原祥太・・彼には妹と姉が居て、若葉と雪子がいて、
口裏合わせするように二人は園長を見たと語っていた。

・現在
若葉は慶介とデートする。慶介は若葉に家族のことについて
尋ねる。父は仕事人間で母は有閑マダム系、お姉ちゃんは
残念美人で好きな人が居るみたいだけど下手な駆け引きを
しているみたいだと語る。そして兄がいるが現在海外に
行っていて全然会っていないという。そんな中若葉は慶介と
キスする為にクレープを食べるのを手伝ってと言いつつ顔を
近づけるとキスしてと迫る。しかし慶介に仕事の電話が鳴る。

野田からの呼び出し。
真崎久美子のことでタレコミに来ていたと掲示板の書き込み
のことを語る。先月起きた朱保野市での事件のことだと
いう。
テレビでも百々瀬が取り上げる。「大家女性殺害事件」
被害者の河合千尋(40歳)は26日夜アパートの共有部分中庭で
腹部を刺されてうつ伏せの状態で殺されていた。夫の史郎
さんが発見。夫婦にトラブルが無かったのか現在アパート
の立ちのき交渉中でもありその経緯から犯人の目星を立てて
いる所で逮捕は間近だと行っていたとのこと。
慶介は夫の史郎と会い当時のことを尋ねる。
すると真崎が逮捕より先に話した内容を報道として流して
しまったと語る。それを聞いた慶介はこの人はやらかす人で
すからと語る。事件後に取材の申し込みがあり自分は犯人は
201号室の住吉浩平(39歳)だと話したという。立ちのきを渋っ
ていて殺された時には争った跡が有り、DNA鑑定を待った後
に逮捕すると言っていたこと。しかし彼女はその日のウチに
スクープとして流した為に逃走してしまったのだという。
現在指名手配されていた。
後々マスコミ関係者から話を聞いた所、警察からは内々に
取材の自粛を関係者各位に知らせが渡っていたのに無視
して強引に取材した結果逃走させてしまったのだという。
エゴ取材・・ですねと。特ダネの為に捜査妨害。
アパートは妻が親から譲り受けて居たもので丁寧な対応を
していたとし、犯人側の勝手な言い分ばかりを放送している
とのことだった。

■感想

一話目には期待していたけれど、少々二話目に入って不自然
さが目立ち始めたかな。

テレビ局に設置されている監視装置は未だハッキングされた
ままの状態で、是正しようとしている気配が無い。
確かに一話で脅された井出としてはあまり大胆な動きが出来
ないにしても、記者ならばカメラの仕掛けてある位置とか
真っ先に気にしないだろうか?

慶介が一人をドラマで酷使し、全てを彼が解決したように
見せすぎている。
こういうのは協力者の存在がないと難しい訳で、あまり多す
ぎても困るけど少なすぎるとこれまた不自然で嘘くさい。

マスコミの中でも今回はどういう報道が視聴者から受ける
ものなのかが提示された。
過去のホロコーストの実体を紐解くアイヒマン裁判と、
人類初の有人飛行を成し遂げたガガーリンの例を提示して
当時のマスコミはカガーリンを優先したことを挙げる。

情報には二種類有る。
「知る価値が有るものと人が見たいもの。僕達は人が見たい
ものを追い求める。ただし真実だけを・・」

藤木さんは「嘘の戦争」の役柄と似ていて、一見すると悪役
だが意外とギリギリのところで正論を振りかざして上手いこ
とやってのけているのではないか。

問題は相変わらずマスコミによる偏向報道とマスコミと公権力
の協力関係のことがいつ明るみにされるのかだね。

捜査官ではつかみ取れない情報、踏み込めない領域をマスコミ
が汚れ役のようにして踏み込み、最後は捜査官によって
捕まえられる。その過程の流れの中で被害者たちの気持ちに
はまるで触れることはない。

そもそも司法制度自体が人権という名の下で加害者の権利を
守り被害者を蔑ろにしていると言われているくらいなのだか
ら、難しいところだね。

でもこんなにも都合良くカメラのカットが用意されてしまう
とワンパターン過ぎて面白くない。そもそも各エピソードの
終わりですっきりとした感覚が残らないのは残念だった。

寧ろこのドラマでは情報操作しているものたちに選択肢を
与えて、「クイズ$ミリオネア」のみのもんたのように
「ファイナルアンサー」とばかりに選択させれば良いん
じゃないか。この調子でいくと右肩下がりに視聴率は確実に
下がっていくな。

当然だか高野が慶介のことを知っていた。
佐々木蔵之介さんの不気味さが不透明感を生んでいるけど、
そんな佐々木さんを見るのは「Mの悲劇」以来かも知れない。
このドラマで蔵之介さんは不動の存在になったよなぁ。
当時掲示板でも盛り上がっていたし・・

■出演者

東都テレビ・「ザ・プレミアワイド」

中村 慶介 …… 亀梨和也 (30歳、WEBサイト「MP.info.net」)
百々瀬 塁 …… 藤木直人 (45歳、「ザ・プレミアワイド」司会者)
小河原 雪子 …… 栗山千明 (30歳、長女光の森美術館で学芸員)
小河原 若葉 …… 橋本環奈 (22歳、次女)
小池 悠人 …… 林遣都 (32歳、若手ディレクター)
野田 大地 …… 髙木雄也 (26歳、慶介の幼馴染・保育園の友達)
皆川良和 …… やついいちろう (40歳、番組カメラマン)
井出 正弥 …… 杉本哲太 (50歳、番組プロデューサー)
早川 恭子 …… 裕木奈江 (享年40歳、保育園”ルミナスキッズ”の園長)
芳賀 恒彦 …… 鶴見辰吾 (52歳、警視庁の刑事部部長)
小河原 達夫 …… 升毅 (60歳、弁護士、保育園の近く)
小河原 夏美 …… 長野里美 (55歳、達夫の妻)
真崎 久美子 …… 水野美紀 (40歳、番組ディレクター)
高田 清一郎 …… 佐々木蔵之介 (48歳、新宿中央署の副署長)

高校時代の中村慶介 …… 細田 佳央太
神野久志 …… 大河内浩 (58歳、新宿中央署の署長)
熊谷志穂 …… 田中乃愛 (享年5歳ルミナスキッズの園児)

押田恵、右近良之、岡安譲(アナ)

波木さえ …… 青谷優衣 (テレビ局アナ)
高野 …… 小園凌央 (テレビ局・新人)
穂積菜美 …… 伊藤梨沙子 (テレビ局・新人)
根本 …… (テレビ局)
木島 …… (テレビ局)
武井 …… (テレビ局)
蓮子 …… (テレビ局・編集スタッフ)
海老沼 …… (テレビ局)
高橋マモル …… (慶介が若葉と会う時の偽名・会社員営業設定)
吉澤 …… (慶介が雪子と会う時の偽名・小学校教師)
小河原祥太 …… (長男)

久保田武人、是近敦之
毛利愛美、鈴木花音、梅田希、落井実結子

住吉 浩平 …… 高橋努 (39歳、らーめん”まる玉”、201号室)
河合 史郎 …… 田中幸太朗 (千尋の夫)
河合 千尋 …… (40歳、アパート管理人)
真崎茜 …… 田幡妃菜 (娘)

細田佳央太、松尾れい子、湯田堂登
山城琉飛、吉成浩一、澤純子、川北れん