相棒16 第12話 暗数

相棒16
(2017年10月期・TV朝日・水曜21時枠)

EXプロブューサー:桑田潔
チーププロデューサー:佐藤凉一
プロデューサー:高野渉、西平敦郎、土田真道
音楽:池頼広

http://www.tv-asahi.co.jp/aibou/

第12話 暗数

脚本/山本むつみ 監督/橋本一

【ストーリー】

港区赤坂の料亭”葛の葉”で青木と衣笠は食事をする。
青木は特命係の責任を問えそうな事件記録をピックアップ
したとして再検証の価値有りのものだという。特命係と
甲斐さんをヒモで繋げるなんて・・と青木は微笑む。
衣笠はお父さんは元気か?と青木に尋ねると、暇なときは
釣り三昧で暢気にしているという。今夜は仕事を離れて旧友
の息子と食事だと語る。

女将は気をつけてとして二人を送り出す。
衣笠の元に妻・祥子から電話。戻る日決まったら知らせると
すると里奈が喜ぶだろうと語る。そんな状況の中、2人の
スケボーの男が突然衣笠に襲いかかる。運転手が二人を追い
かけるが・・・

・捜査会議
中園は通り魔的犯行なのか、副総監に恨みを持つものの仕業
なのか。捜査は内密に行うよう指示する。
副総監は神奈川県警本部長時代にカルト集団のウエボ神義教団
の一斉検挙を指揮していたこと。教祖の南輝夫、NO.2の松村
栄治を初めとして逮捕。教団は1985年に設立され2010年に
その検挙で関連施設22カ所を捜索・逮捕がきっかけでバラバラ
になっていた。サイバーセキュリティ捜査官の谷崎荘司は
ここ数年教団はネットを介して新たな信者を獲得している
事を告げる。本部は複数の裏サイトを持っていて教団の関与が
疑われるものだった。緊急対策チームは検挙に関わった神奈川
県警にも加わってもらうとし川崎北署の田川千波なども
捜査をすることになる。痛みは何故青木の写真があるのかと
すると、彼は目撃者であると同時に事件関与の疑いが有ると
のことだった。

特命係に青木は逃げ込んでいた。
右京たちは青木から副総監が襲われたことを語る。何故知って
いるのか?箝口令が敷かれているとし、僕は副総監から食事を
ご馳走され店を出たところで襲われたのだという。父と副総監
は友人なので近況を聞かれたのだという。青木は右京たちに
助けて下さいと語る。

ウエボ新義教団は逮捕された罪状は30件を超えて、20人以上が
逮捕され幹部はそのウチ8人だという。”信者の拉致監禁”、
“財産のだまし取り”、”爆発物の製造”など、今も係争中の案件
とのこと。教団の活動は続いていてサイバーセキュリー課
では継続監視案件だという。過激な信者が7年前の報復に出た
のか?と冠城。教団の活動の検挙の功績から衣笠は順調に
出世したのだという。それだけ恨みも多いと。以前副総監
の家に脅迫状が届いたことが有り殺害予告が有ったこと。
4年前のことだが今回の襲撃は繋がっていると見ているという
青木。

衣笠家には警備員2名が常時警護していた。
お手伝いの沖田晃子は衣笠の娘・市原里奈の為に紅茶を
入れたと語る。里奈はもうウンザリだと。
そんな中特命係が衣笠家にやってくるが、命令がないものは
入れないという。里奈が警備係のものに父から特命係の
二人が来ていることは聞いているとして室内に入れる。
里奈によると父が恐れているのと4年前の件は関係が無いと
思うという。晃子が家政婦紹介所から派遣される前の手紙。
脅迫状だが”襲撃”や”殺す”という文言は無かったこと。
衣笠は正義を殺したとか司法をねじ曲げたとか大切なものを
失う痛みを知れと書かれていたという。

■感想

タイトルの暗数とは警察用語ではないけど、ドラマの中で
語られたことを引用して語ると・・

「実際発生してるのに警察では認知出来ない事件の数」
「被害に会ったのに声を挙げられずずっと苦しみ続けている
人間のこと。」

女性の被害者が立ち上がろうとして訴えを起こすが、男性
社会の中でも特に目立ってその社会的規範・権威を守ろうと
して組織という名で下で秩序だって保っている警察によって
被害を受けている女性被害者を見捨てる行動が今回の元凶
だった。

そんな組織や世間の好奇な目に対するの挑戦と挫折・・・
それでも諦めないという気骨心溢れる内容が込められた話
だった。

興味深いのは、そういう組織や徒党を組めば警察組織にとって
は脅威となりうるものとして排除しようとするし、今回関わっ
てくるカルト集団と警察組織が全く似た様にして被害者に
してみれば同一的な存在に見えてしまうという怖い存在と
して描かれたことだ。

副総監の娘・里奈が語っていた4年前の脅迫事件とは
s15の11話に登場したエピソード。

相棒15 (2017年1月期・TV朝日・水曜21時枠) プロデューサー:伊東仁、西平敦郎、土田真道 音楽:池頼広 第...
その時と同じスタッフで構成しているところなどは興味深い
ところか。

確かにサイバーセキュリティの谷崎は数話しか出ていない
にも関わらず過去青木と張り合っていたのでかなりその存在
は覚えている。
青木もまた不審な行動を取っていることを考えれば、
サイバーセキュリティそのものが腰砕けの部署と課す可能性
も高い。

4年前に沖田事件に関して衣笠本人は何処まで熟知していた
のだろうね。組織の人間として上からの命令を右から左に
受け流す~というムーディー勝山ばりのことをしている
衣笠の個人と組織に悩まされる深い役でも演じてくれれば良い
のだけど、この人の中にはあんまり葛藤がなく邪念ばかり
しか感じられないんだよな。全く演技に深みを感じない。

繰り返しセキュリティと称して衣笠家に2度も入り込んで
しまう特命係の流れと、セキュリティ犯罪の流れを平行的に
描いたところも興味深い流れが有ったかな。

なんだかんだ言って日本はまた治安が良い方だから良いけど
それが崩れて警察官僚たちの天下りなどの流れが表面化すれ
ば一気に信用度は地に落ちそうな感じがするのが今の警察
組織だね。

■出演者

杉下右京 …… 水谷豊 (警視庁・特命係)
冠城亘 …… 反町隆史 (4代目相棒、総務部広報課->特命係)
月本幸子 …… 鈴木杏樹 (2代目”花の里”)

伊丹憲一 …… 川原和久 (警視庁刑事部捜査第一課員)
芹沢慶二 …… 山中崇史 (捜査一課。伊丹の後輩)
角田六郎 …… 山西惇 (組織犯罪対策五課)
大木長十郎 …… 志水正義 (組織犯罪対策部)
小松真琴 …… 久保田龍吉 (組織犯罪対策部)
内村完爾 …… 片桐竜次 (警視長・刑事部長)
中園照生 …… 小野了 (警視正・参事官)
青木年男 …… 浅利陽介 (サイバーセキュリティー対策本部特別捜査官)
衣笠藤治 …… 大杉漣 (警視副総監)

田川千波 …… 久保田磨希 (川崎北署)
谷崎莊司 …… 柴木丈瑠 (サイバーセキュリティー対策本部)

市原里奈 …… 桜田ひより (衣笠の娘)
市原祥子 …… 筒井真理子 (衣笠の妻)
沖田晃子 …… 長野里美 (49歳、衣笠家の家政婦)
沖田真穂 …… 未浜杏梨 (24歳、事務機器メーカー営業)
料亭の女将 …… 歌川椎子 (料亭”葛の葉”)
柴野加代 …… 安澤千草 (家政婦紹介所の所長)
八百屋のオヤジ …… 古沢一郎 (晃子がよく来る)
南輝夫 …… 江藤純 (ウェボ神義教団教祖)

野村修一、高田健一、境基州
齋藤真矢、所博昭、佐川海斗、石川慎、鈴木琉那

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