太陽にほえろ!
1972年7月21日から1986年11月14日・全718話
日本テレビ
プロデューサー(日本テレビ):津田昭、岡田晋吉、清水欣也、山
口剛、川口晴年、中村良男、酒井浩至、服部比佐夫
プロデューサー(東宝):梅浦洋一、梶山仗佑、新野悟
企画・原作:魔久平(共同ペンネーム)
原案:小川英
音楽:大野克夫
http://www.teletama.jp/drama/index.html
第159話 海のテキサス
脚本/柏倉敏之、小川英 監督/小澤啓一
【ストーリー】
ゴリとテキサスは大雨が降った後の夜道をパトロールして
いた。多摩川の河川敷付近を通りかかった頃、二人はこんな
夜には何も無ければ良いと語っているとテキサスが窓越しに
閃光を目にする。テキサスはゴリに対岸に銃を撃ったもの
がいるという。確かに二度も閃光が出て居たという。
時計を見ると午後23時。急いで対岸へと向かうが誰もいない。
ゴリはライターの火と間違えたのではないかとするが・・
テキサスは懐中電灯を使い周辺を調べると人がいた形跡が
有り、そして船員手帳が落ちていた。更に車のタイヤ痕が
あることからも死体を引きずり車に乗せた際に手帳を落とした
のではないかと告げる。
・七曲署
手帳には大垣弘(28歳)、平館港に停泊している第十一勇勝丸
の乗組員。現場検証で微弱の血液反応が有り、A型で被害者
と同じだったとのこと。現場に薬莢などが落ちていることは
無いのか?と問うも一つもないという。船員手帳だけが
落ちているのは変だという長さん。テキサスの推理に基づいて
捜査してみようというボス。第十一勇勝丸の出港は明日朝8時
だとすると急がねばならないとして、山さん、デンカ、テキサス
は現場へ、長さんとゴリは平館港へ行ってくれというボス。
・平館港
ゴリと長さんは、平館港に停泊する漁船”第十一勇勝丸”を
調べる。船長が居たので話を聞く。手帳を見せると確かに
大垣のものだと確認。多摩川の瓦に落ちていたことを語る長
さん。今は何処に居るのかを問うと、漁師は陸に上がったら
何処に居るか分からないという。大垣は時間に遅れてくる
のはちょっちゅうだと。夕べ何故彼は東京に行ったのか?と
問うが船長は遊びでしょうと語る。知って居る店があるので
そこに行ったのではないか?という。半年前まで船に乗って
いた人物が経営している店だという。
・居酒屋かもめ
デンカたちは聞き込みにいくと経営者は確かに大垣が来た
事を語る。時間にして19時。ただし来たのは一人ではなく
勇勝丸の人と一緒だったと。
・七曲署
デンカは聞き込みした結果、夕べ大垣と居たのは船員の
中西鉄夫、二宮英明、竹本雄次、寺内保だという。そして
気になることにこの4人とは激しい口論をしていたとのこと。
大垣は暴力的な男でみんなが憎んでいたのだという。店を
出たのは21時頃。その後4人も追うようにして出て行ったと。
テキサスが発砲を聞いたのは23時だという。テキサスは漁船
はいい奴だが海の仕事なので気性が荒いところがあるのも
否定出来ない所。大喧嘩した時にたまたま銃が有ったら・・
と。テキサスは自分も一度平館港に行きたいことを語る。
■感想
久しぶりに太陽にほえろ!を見た気がします。
テキサスは元々漁師の家系(父親)だったっけ?
手帳がキーワードとなった今回のエピ。
漁船に乗り込んでの潜入捜査。
こういうのは海外ドラマでもよく見かける(「BONES」の潜入
捜査に似ているな)のだけど、感情移入していくごとに逮捕も
難しくなったりして、意外としんみりさせられる終わり方が
多いんだよね。かつてマカロニも暴走族に入って潜入したような
エピソードが無かったっけか。
冒頭から発砲を見たとしたけど、ここはアメリカか?って
感じで光だけでは流石に銃と見分けられる訳が無い。
音なら分かるけどね。あの短時間で遺体を運べる訳もない。
遺体なき捜査ということで当時の法整備が適当だとしても
難しいものが有ったに違いない。
殺したと仮定しての捜査。
それ故に大垣の死というキーワードを聞いた時のそれぞれの
関係者の反応には興味深く、また注意深く見守る必要が有った。
飲み屋に聞き込みに行った際に、テキサスは寺内保と竹本雄次
と飲んで仲間に入れてもらう。朝まで飲む中で、保が夕べ殺し
たと自供したかと思えばナイフで刺したことを示唆する言葉を
述べた為に寺内保は除外される。
遺体は横浜の海から発見された。引き揚げられた車の中に
遺体が入っていて盗難車と6発の拳銃で撃たれている。
正直殺しを計画していなければ、再び出航までに殺すのは
難しいと思われ共犯者の可能性も考えられた。
中西鉄夫のアリバイが気になってくる。保によると船に乗る
のが怖いので相談に行ったが約束の場所”かもめ”には居なく
なっていたとのこと。
ミニクラブ”カーニバル”で山さんはマスターから大垣は
一人だったが若い男から電話が鳴り出て行ったとのこと。
その男こそ犯人の可能性が高かった。
船に乗って漁業にいくが、テキサスはあれだけ冒頭で重要な
証拠として印象づけていた「船員手帳」を持っているハズも
なく・・
ただ容疑者の一人でまだ容疑の晴れていなかったものたちの
精査作業が行われていく。
中西鉄夫かと思っていたが、夜中に甲板でハーモニカを
拭いている時のテキサスとのやりとり。
テキサスの働きっぷりを評価して警察ではなく漁師と見たの
だろうけど結局裏切る事になった。ネックレスが落ちていた
為に英明が疑われたり、「警察手帳」と「手錠」が見つかり
集団リンチされそうになるが、新たな過去として大垣と竹本
が一緒に働いていた前の漁船で700万円が盗まれる事件が
有り、そこで金を盗んだものが大垣から強請られていたのでは
ないかということだった。犯人は結局竹本だった。
服を着たままで海に入るなんて危険過ぎるよな。
逃げられると思っていることも滑稽だしね。
最後はボスがテキサスの無謀さに2発パンチ。
■出演者
藤堂俊介 …… 石原裕次郎 (七曲署・一係のボス、係長)
山村精一 …… 露口茂 (山さん)
石塚誠 …… 竜雷太 (ゴリさん)
島公之 …… 小野寺昭 (殿下)
野崎太郎 …… 下川辰平 (長さん)
三上順 …… 勝野洋 (矢追町派出所から異動、テキサス)
船長 …… 沼田曜一 (第十一勇勝丸の船長)
竹本雄次 …… 槙健太郎 (漁師)
寺内保 …… 高橋英三郎 (漁師)
中西鉄夫 …… 樋浦勉 (漁師)
二宮英明 …… (漁師)
大垣弘 …… (28歳、被害者、漁師)
島津元、藤竹修、西条貴之