太陽にほえろ!
1972年7月21日から1986年11月14日・全718話
日本テレビ
プロデューサー(日本テレビ):津田昭、岡田晋吉、清水欣也、山
口剛、川口晴年、中村良男、酒井浩至、服部比佐夫
プロデューサー(東宝):梅浦洋一、梶山仗佑、新野悟
企画・原作:魔久平(共同ペンネーム)
原案:小川英
音楽:大野克夫
http://www.teletama.jp/drama/index.html
第163話 逆転
脚本/小川英、杉村のぼる 監督/竹林進
【ストーリー】
山村とデンカは男を調べる。
金融ブローカーの今井忠雄(34歳)の殺害事件の重要参考人だ
という。住所、氏名、年齢、職業を言って下さいという。
住所は渋谷区大門、大正13年生まれの52歳、名前は権藤義一。
城北署の警察署勤務の警視だという。山村は刑法38条第1項
を引き合いに出し、自己に不利益な供述は黙秘できること
を語る。君たちがオレを容疑者扱いするなら掴んでいる証拠
とは何かと尋ねる。
テキサスはゴリにどうしたのかと問う。
相手はあり権藤だという。長さんもまたあの人の前では心臓
が痛いという。権藤は目的の為には手段を選ばない男だから
怖いというボス。
山村は被害者の今井を知って居るかと問うと知って居るとい
う。アイツは金融暴力のダニのような男だという。人に食ら
いついて金を取ることしか考えて居ないヤツだと。それなら
ダニとあなたの関係は?と問うと、癒着の噂は聞いていると
いう。今井からは暴力団の情報を得て、あなたは警察の情報
を流しているという山村。今井は恐喝と商法違反の容疑で
本庁に逮捕されるが、あなたと今井の関係が事実ならばあなた
は懲戒免職になるという。今井を殺す動機が有るとのこと。
山村は一昨日のアリバイを聞きに来た時に答える気にはならな
かったという。強引に容疑者扱いされたこと。何処に証拠が
あるのかと再び尋ねる。
・今井は自宅マンションで殺害されていた。
凶器はベルトで絞殺されそのベルトは現場に落ちている。
ワインで一杯飲んでいること。テレビが付けっぱなしである
ことから見て居る所を殺されたのか。長さんは指紋は残らず
拭き取られているという。
マンジョンの隣近所の住民が第一発見者だった。
今朝今井家のドアが開いていたので覗いたらこと。
山村はゴリに三階の住民に目撃者がいると語る。午後23時
に帰ってきたら慌てて帰って行く男がいたという。
被害者の死亡推定時刻は20日の午後22時30分。死体が殺されて
すぐに見つかったことも有って特定しやすかったのが幸い
した。顔は見ていないが黒のクラウン車を見て居たとのこと。
昨夜の午後23時30分に黒いクラウン車/45年型が目撃され
権藤の顔も見て居るという。
その事を取調室で問い詰めると、権藤は証言を翻して確か
に今井のマンションには行った事を告げ、23時を過ぎていた
という。西署の捜査一課長の川上と逢っていた。場所は矢追町
の”清鮨”。21時から寿司を食べて22時15分に店を出たという。
町をぶらついて光ストアの裏口に駐車していた車で今井の
マンションに向かったという。矢追町から今井のマンション
までは40分はかかるだろうという権藤。裏取りしてみれば良い
と語る。
【感想】
久しぶりに名作的エピソード。
正直、山さんの勘が外れる訳が無いので、どのようにして
相手の考えた鉄壁の犯罪計画を崩していくのかというのが
今回の目玉。
相手は何と言っても泣く子も黙る定年間近のベテラン警視
の権藤という刑事。ただ先輩後輩みたいな感じで描かれて
いたけれど、そんなに繋がりがあるようには見えなかった
な。ただ山村が権藤を模範にしてきて警察として多くの
ことを学んだと語っていた。
ドラマでは、今時の科学捜査であれば、殺害現場を動かした
ということが明らかになる筈だし、やはり防犯カメラが
あるからね。そもそも3階で裏口から入ったとはいえ
死体を持ち運ぶという行為は相当一人の定年間近の男性では
辛いようにも思う。
やはりドラマを魅せたのは、山村たちが新たに見つける物証
や状況証拠など次々と提示されても、それらは想定内と
ばかりに全て上手く回避してしまうところが有る。この手の
攻防戦では紙一重の所で闘っているからこその楽しさも有る
し、攻撃的に相手を攻めていくもなかなか相手の牙城を
切り崩すことが出来ずに居る。
結局アリバイに関しては着眼点は良かったけど、数々の
ことをアリバイ崩しに費やしたのに結局殺したのは自宅
ではないということになってしまったこと。
そして最後は目撃証言などに於いて被害者の妹が殺害に
協力していたところなどなかなか難しい。
この手の取調室の攻防というと、自分はどうしても
時間の感覚を狂わせて時効間際に逮捕した過去のエピソード
のことを思い出してしまうけど、何のエピソードだったかな。
完璧過ぎるところに落とし穴が有る。
海外ドラマの「クローザー」とか「Major Crimes」ではよく
やる手だけど、意図して妹の貴子を署内に連れて来て自供
させたという印象を与えても良かったのではないのかな。
ライターを使って上手いこと貴子と権藤を繋げたが殺しの
証拠ではない。
今時ならそんな繋がりも電話を通して見つけられるけど
アナログ時代だってかけた証拠は残っていないか?
一度も車の掃除などしないような男がチリ一つ無かったと
いう流れも正直相当後付感が有った。
【出演者】
藤堂俊介 …… 石原裕次郎 (七曲署・一係のボス、係長)
山村精一 …… 露口茂 (山さん)
石塚誠 …… 竜雷太 (ゴリさん)
島公之 …… 小野寺昭 (殿下)
野崎太郎 …… 下川辰平 (長さん)
三上順 …… 勝野洋 (矢追町派出所から異動、テキサス)
権藤義一 …… 西村晃(城北署所属の警視)
今井貴子 …… 堀井永子 (妹)
川上 …… 井上三千男 (西署の捜査一係長)
宮田光、山田貴光、村瀬正彦、夏川圭