相棒17 第10話 ディーバ

相棒17
(2018年10月期・テレ朝・水曜21時枠)

プロデューサー:伊東仁、西平敦郎、土田真道
音楽:池頼広

http://www.tv-asahi.co.jp/aibou/

第10話 ディーバ

脚本/太田愛 監督/権野元

<h2>【ストーリー】</h2>

・2018年12月27日
パリで活躍中のシャンソン歌手・神崎瞳子が帰国する。
フランス中心に30年間活動し東洋人として始めてフレベール
勲章を受章し今回は凱旋公演。彼女は政治・国政にも興味を
示していた為フランスでは「闘うディーバ」と呼ばれていた。
経歴は規格外、20歳で渡仏、下積み時代に店とのトラブルで
逮捕されている。その後単身でモンマルトルの街頭で歌い始め
シャンソニエを経て現在フランスでリサイタルをしつつ
積極的に政治活動にも参加しているという。近年では2016年
4月に労働デモで市民と共にデモをして逮捕されていると
いう。キャッチフレーズは
「私は方には従わない。弱い者の嘆きに従う」。
それを見た青木は勝手に従たがっていればいいさと語る。

伊丹は芹沢に対して一年よく頑張ったので行きつけの店で
奢ってやるという。喫茶”銀座”に入ろうとしていた所、
そこには特命係の二人。嫌な顔をする伊丹たちだが、二人が
年末パトロールだと聞いて嬉しそうに”ご苦労さん”と
言って食事処に入ろうとする。しかしその時冠城が手にして
いたタブレットには通信指令本部から付近にあるアーブルハ
イムというマンジョンから110番通報だという。110番した
がそのまま切れたのでコールバックするも反応が無い。
念の為に確認してくれと言われて特命係の二人はいく。
伊丹は嫌な予感がするとして特命に付いていく。

・マンション・アーブルハイム
しかし現在の情報だと位置情報だけしか分からずマンション
の何処が救済信号を発したのか分からなかった。一軒ずつ
捜すしかなかったが、意外にも早くその現場を右京が見つけ
る。不自然にドアが開いていて電話すると着信音がした為
だった。室内を覗くと頭から血を流した女性が倒れていた。

・現場
室内を物色はなし。
被害者は敦盛槙(16歳)、家族が外出して一人になったので
狙われたのではないか?と右京。
防犯カメラ映像がマンションの出入り口についている為
にそれを見る。映像は12月27日8時31分のもの。再生している
中で、この家のものだという女性・敦盛貴巳(46歳)が戻って
くる。お嬢様が何者かによって襲われて救急搬送された
事を告げると、彼女は別の部屋を見に行く。この部屋には
生後8ヶ月の男の子・敦盛樹が居たのだという。
防犯カメラ映像を見せると出て行く男が青いジャケットの
息子を連れて行ったのを見てこの人だと証言する貴巳。
これは誘拐事件だと語る。
病院にいくと言って抜け出す貴巳。

・衆議院議員・敦盛邸
敦盛劉造(69歳)の元を尋ねる貴巳。
そんな劉造の元には預かりものだという動画メールが送られ
ていた。そこには樹が誘拐されたことを示す動画。
家政婦は貴巳が来たことを劉造に告げる。
一緒に動画を見ると「返して欲しければ要求に従え!」
というものだった。またそこにはいつの間にか右京がやって
くる。病院名を教えていないのに突然飛び出して行ったので
追いかけて来たという右京。貴巳は死んだ息子・優の妻。
樹は槙が生んだ子だという。貴巳は金目的ならば私ではなく
義父の劉造に連絡を取ると思ったという。

・捜査本部設置
内村は中園たちに急いで本部の設置を告げる。
敦盛劉造は官僚を歴任してきた重鎮で財界と政界を結ぶ人物
だという。綿貫肇は現場を設置する。

樹の父親は誰なのか?母の槙は自分で産んで一人で育てると
言い張ったのだという。二人を連れて千葉の別荘へ連れて行
ったがマンションには清月から戻り幼児教育に入れる準備の
為だという。二人のことは全て貴巳に任せているという劉造。
樹は敦盛の血を引くたった一人の跡取りだという。
そこに秘書をしている桐島伸也と特殊捜査班の班長の結城守
が来た為に特命係は帰れという。ただし青木は元サイバーの
捜査官としてアシスタントとして呼ばれたという。衣笠副総監
の指示なのか?と冠城。お前は今特命なので犯人から連絡が
有れば俺たちに知らせる義務があるとして冠城は告げる。

<h2>■感想</h2>

毎年恒例の正月SPの2時間越え。2019年はテレビ朝日開局
60周年記念でも有った様だ。

このドラマで一番誤算だったのは青木が特命係に入って
からというもの、活躍が期待されていたのに、彼自身の
キャラクターが完全に消滅しており、サイバー犯罪でも
殆ど目立つ活動が無かった。今回の流れを通して再び
特命係から分離させて改めてサイバー課としてバックアップ
していくようだが、また冠城と青木の絡みで面白い一面を
見せて欲しい。

正月スペシャルというくらいだからキャラクターとしては
豪華だった。ソンくんが所轄に扮して登場したり、
(官僚なりに所轄の演技をしていたからもの凄く大根で笑えた)
社美彌子と風間もオマケ程度だがワンポイントでの重要な
ヒントや癒しを与えていくゲスト出演だった。
そろそろ衣笠藤治とか日下部彌彦辺りは退出する流れが
あるかと思っていたけど、今回は極力政治的な流れや警察の
癒着・不祥事的流れは排除していた。それ故に処分されるべき
この二人は全く無傷のまま居座っている状況だ。
何故捜査の手がそこまで及ばないのかが分からない。

ドラマとしては色んな皮肉な流れを感じたけれど、
それもドラマの尺が長いのでどうもダラダラっと犯人が
劉造に対して右に左に走らせたような印象ばかりが残る。
その間に推理を働かせるという時間の取り方をしている
のであまりに締まりがない。

皮肉なのはそれぞれに「休暇」などの言葉を使っている
がその休暇にはとても重要な意味合いが込められている。
またそれぞれの流れに於いてMr & Mrs Xとも言える謎の人物
が想定されている事。樹の父親は誰なのか。神崎のことを
アシッド・アタック(酸の攻撃)でヤケドさせた人物とは
誰なのか。樹を誘拐したのは誰なのか。次々と殺人を
繰り返しているものは誰なのか。別荘の管理人とは誰なのか。

三人の自殺者はみんな保険会社に勤務しているという所も
また皮肉ではないか。自殺では保険は下りない。

最終的には繋がりを持つものを捜す為に右京が泳がし上手い
ことDNAを採取し鑑定することになる。
殺人事件での容疑者排除の観点からの捜査だったが、別件
で樹の父親を突き止めた格好だった。

隠されているのはそれぞれに持っている感情のベクトルも
また視聴者は何処に向かっているのかを捜す作業が必要
だった。
冒頭の流れでいきなり貴巳は病院には行かずに実家に戻った
時点で右京と同様に不自然だった。何故娘・槙の心配を
せずに誘拐の方にばかり気がいっていたのか・・とか。
そもそも息子の嫁だったものがどうも距離感を感じる流れ
が有ったところもまたヒントとなっていた。

歩容解析などと言うものが最終的にはヒントとなり、
解明が進む。
そして政財界もヤクザも所轄も牛耳られている世の中で
どのようにして事実を公表していくのか。
そんなに悪くは無かったけど面白いシナリオでもなかった。
せめてこのような冗長的な展開になるなら2時間枠に収める
べきだ。
最後はもう集中力が無かったので、どうでも良くなっていた
というのが印象でした。

G案件と称していたけどGentlemen’s social club。
不正な金が一切動いていない証拠が一切残らない案件。
最近正月に「dele」を見て居るんだけど証拠が残らないよう
にデジタル世界の痕跡を消していく物語なので、妙に
オーバーラップしたな。

ここの所、伊丹たちの活躍が最近目立っていたけど、また
今回は単なるピエロ役に戻ってしまった。
伊丹たちも鋭い視線を投げかけて欲しいんだよな。その上
で右京たちと対立して欲しい。
角田も今回は流石に詰め込みすぎたのか登場が足りなかった。

<h2>■出演者</h2>

杉下右京 …… 水谷豊 (警視庁・特命係)
冠城亘 …… 反町隆史 (4代目相棒、総務部広報課->特命係)
月本幸子 …… 鈴木杏樹 (2代目”花の里”)

伊丹憲一 …… 川原和久 (警視庁刑事部捜査第一課員)
芹沢慶二 …… 山中崇史 (捜査一課。伊丹の後輩)
角田六郎 …… 山西惇 (組織犯罪対策五課)
小松真琴 …… 久保田龍吉 (組織犯罪対策部)
内村完爾 …… 片桐竜次 (警視長・刑事部長)
中園照生 …… 小野了 (警視正・参事官)
青木年男 …… 浅利陽介 (特命係・サイバーセキュリティー)
益子桑栄 …… 田中隆三 (鑑識)
衣笠藤治 ……杉本哲太 (警視庁副総監)
日下部彌彦 …… 榎木孝明 (法務省・法務事務次官)
甲斐峯秋 …… 石坂浩二 (警察庁長官官房付)

風間楓子 ……芦名星 (“週刊フォトス”、記者)
神戸尊 ……及川光博 (警察庁長官官房付・キャリア)
社美彌子 ……仲間由紀恵 (警視庁総務部広報課課長)

神崎瞳子 …… 大地真央 (シャンソン歌手)
敦盛劉造 …… 西岡徳馬 (69歳、衆議院議員)
敦盛貴巳 …… 河井青葉 (46歳、劉造の亡き息子の妻、槙の母、心臓病)
敦盛槙 …… 優希美青 (16歳、貴巳の娘)
幼少期の槙 …… 阿由葉さら紗
敦盛樹 …… (8ヶ月、槙の息子)
桐島伸也 …… おかやまはじめ (代議士秘書)
市原澄江 …… 茅島成美 (76歳、千葉の別荘の管理)
市原幸雄 …… 碓井将大 (25歳、次男、工業原料会社勤務)
市原敏夫 …… (8年前(平成22年)、無断欠勤、解雇され自殺)
西英司 …… 本宮泰風 (蠍龍会・ボス)
尾幡克彦 …… 吉田ウーロン太 (フリーライター)
渋沢武則 …… 三田村賢二 (弁護士)
川村 …… ミスターちん (所轄)
三雲 …… 西村秀人 (三雲生命保険会社・会長)
松岡大 …… 室屋翔平 (蠍龍会構成員、日本刀で襲いかかる)
天野弘 …… (29歳、三雲生命保険会社)
多田誠 …… (27歳、三雲生命保険会社、2年前)
石田圭 …… (31歳、三雲生命保険会社、5年前)
結城守 …… 平井真軌 (特殊班の捜査官、白髪・メガネ)
田崎 下川役??…… 玉熊直人 (特殊班・尾行、携帯回収)
敦盛優 …… 溝呂木賢 (享年39歳、弁護士、7年前死亡、16年前結婚)
藤野リサ …… 菊池真琴 (過去(2001年)塩酸をかけた歌手)
奈美 …… 戸田れい (蠍龍会で監禁、冠城と一緒)
家政婦 …… 美沙のえる (敦盛家、家政婦は見ている)
今泉義清 …… (医者)
蠍龍会 …… ルパン・J・葉山 (ヒゲの人、神部を室内へ)
リボーター …… 高橋里英 (神崎瞳子にマイクを向ける。)
司会者 …… 大島奈穂美
綿貫肇 …… 児島功一 (刑事、メガネ、捜査本部設置)
ICUの医者 …… 小磯勝弥
新藤剛志 …… (槙の実父、傷害服役)

室屋翔平、雲雀大輔、小森郁子、池田宣大
安田敦、永嶋玲、支松栄、秋吉孝男、安田俊、所博昭
西沢智治、北原拓実、浜田大介、依田真一、長島玄真
カルロ・アントニオリ、宮田博一、保科光志

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