ラジエーションハウスII 第6話 無敗の弁護士現る! 仲間の医療過誤 真実を暴け

ラジエーションハウスII ~放射線科の診断レポート~
(2021年10月期・フジテレビ・月曜9時枠)

原作:横幕智裕、モリタイシ
プロデューサー:中野利幸
脚本:大北はるか(1)(2)(3)(4)(5)、神田優(6)
演出:鈴木雅之(1)、相沢秀幸(2)(3)(6)、水戸祐介(4)(5)
音楽:服部隆之
主題歌:MAN WITH A MISSION「Remember Me」

https://www.fujitv.co.jp/radiationhouse2/index.html

第6話 無敗の弁護士現る! 仲間の医療過誤 真実を暴け

【ストーリー】

「1つのおにぎり、隣にはサンドイッチ。ランチの定番。
宿命のライバル。優劣が付けがたく人々を迷わせる」

●甘春総合病院

・売店「さくらショップ」

杏は売店でおにぎりかサンドイッチを買うか迷っていた所、
後ろから五十嵐(おにぎり)、辻村(サンドイッチ)がやってきて
それを手にする。二人は杏が買いたがっていた事を知り、
好きな方を選んでくれとして手を差し出す。
しかし辻村は思い出したかのように、時間が有るなら外で
イタリアンでも食べに行かないかと杏を誘うと、サイドイッチ
は五十嵐に手渡して二人はランチに行く。

「見事な負けっぷりだ by 軒下」
「恋にルールは無し by 軒下」
「愛は辻村だ by 威能」
「真っ向勝負で勝てる相手じゃない by 悠木」
「たかが昼飯だろ by 小野寺」
「積み重ねが大事。もたもたしていると危ない by たまき」

●検査室

田中は検査が終わらないのを見た軒下。
患者は武藤健(28歳)。軒下が見に来る際にようやく検査が終
わる。しかし軒下は田中の撮影技術がまだまだだと思い
もう一度撮り直すという。患者の武藤も最近診察を受けたばかり
なのでそれなりに撮れていれば問題ないことを語る。

●イタリアンレストラン

杏は辻村と食事にいく。
味の美味しさにご満悦の杏。毎日忙しいのによくこんなステキ
な店を見つけられますねと彼女。救急科のヘルプにも入ってい
て整形外科も忙しいのに・・。ウチの救急は慢性的な人手不足
で深刻だと。辻村は負けていられないとして、五十嵐を念頭に
置くと彼女に付き合う話について考えて欲しいという。時間は
関係なくいつまでも待つと言うが・・
そんな中、辻村に病院から電話が鳴る。

●甘春総合病院

軒下の撮影技術は確かに田中よりも上手かった。

そんな中患者だった武藤がやってくる。
今回は精密検査を名目に働きぶりや設備を確認させてもらった
という。

・院長室

灰島は先日リーガルユナイテッド法律事務所から病院宛に
通知書が届いたという。先生を訴える患者がいるとし、
曽根京子という人物。辻村が担当した患者で医療過誤に
ついて調べているという。

・ラジエーターハウス

広瀬はあり得ないとして武藤に語る。
それを確かめる為に調査しているという。重大な病気を
見逃したかどうか。妬んだ人が根も葉もない事を言っている
のではないかとして、軒下や田中を見る。
彼については不審な点があるという人は是非連絡して欲しい
という。それを否定しようとする技師たちに、医者を庇うのか
とし、医者に逆らえない立場なのは分かるがそれで良いのかと
問いかける。エリートの医者たちの多くは地位や名誉を守る
為に過ちを認めず保身の為なら隠蔽にも手を染める。地位も
名誉もないあなた方から本当のことを話して欲しいという。

「これって見下してますよね・・」

■感想

今回は辻村がターゲットにされるエピソード。

医療ドラマではあるのだけど、このドラマは医者と技師の
違いこそあれ、共通しているのは「患者に向き合い寄り添う
医療」
という方向性からして、医者が医療過誤の問題にさられる
ようなネタに発展するとは思わなかった。

医師がその問題で訴えられると必ず下のものにしわ寄せが来る。
CTやMRIを撮影した技師とか読影をしている放射線科に問題を
投げつけて益々医師との距離を広げていくものかと思わせた。

今回のドラマは正直医療システムや病院に於ける問題の
あらゆるネタを持ち込みすぎている。しかしそれでいて
全ての問題をシンプルに語り尽くして、それを一本のドラマの
脚本に織り交ぜてとして仕上げる所は上手く出来ていたと思う。

院長としては、経営的な責任も関わってくるので、慢性的な
赤字である救急医療の問題の解決に、今回の流れを利用しよう
とする小狡さは健在だった。
救急医療の慢性的な人手不足の問題、それに伴い勤務超過の
問題
に触れて、科間へのヘルプの問題を医療過誤という問題へ
とスライドさせる。
現在の病院システムでは医師一人にかかる負担の大きさ
というものが根底には存在しているし、今回の勤務超過を
見れば技師達も同様である。

医師と技師の違いについてはこれまでにも描かれてきたこと
だけど、責任の重さの違いが明らかになり、患者の命を預かる
医師の負担の大きさを改めて知る事になる。

正直医療に対して、患者やその家族のものたちは医学という
ものに幻想を求め過ぎてはいないか。
勿論素人の患者にとっては医者に全てを任せるしかない。
ただし医者は絶対に治さなければならない、治せるものだという
ことを前提にしている為に、何かがあると医療過誤の問題を
持ち出す。これによって医療システムは益々疲弊していかな
ければ良いのだけど、今回のケースを見ても分かる通り、
救急医療がかなり制限を持つようになった。

甘春総合病院の様な病院・医師が活動を制限されれば損する
のは市民の側であり、コロナが世界中で蔓延しているこの時期
に医療システムを攻撃するようなやり方は、正直タイミングが
悪かったとしか言いようがない。

因みにウチの母親が骨粗鬆症の治療を受けている。
骨密度の数値が少々足りないので定期的に注射を打っている
のだが、その副作用は当然ある。脳の手術、乳がんの手術も
ここ2、3年の間に経験していることもあり、薬の量が
ハンパなく増えているのが心配するところだ。

弁護士の男性は父親の無念を晴らすために医療過誤問題の
鬼と化した。しかしいつの間にか彼は病院に非を認めさせる
ことだけが目的になり、患者の病気そのものの追求には
まるで無縁のものとして扱うようになってしまった。

自分の仕事を全うしたのだと思うが、そういう嫌なヤツに
写ったことは確かだ。

そして最後に敵とライバルの違いについての語りを入れた辺り
も上手く出来ていたところ。最後に杏と五十嵐の前でおにぎり
を横取りしていく広瀬の行動はなかなか面白かったのではないか
な。

■出演者

甘春総合病院

五十嵐唯織 …… 窪田正孝 (天才放射線技師)
甘春杏 …… 本田翼 (放射線科医)
広瀬裕乃 …… 広瀬アリス (放射線技師)
軒下五郎 …… 浜野謙太 (放射線技師)
南里美 …… 浅見姫香 (医師?)
威能圭 …… 丸山智己 (放射線技師)
悠木倫 …… 矢野聖人 (放射線技師)
黒羽たまき …… 山口紗弥加 (放射線技師)
小野寺俊夫 …… 遠藤憲一 (放射線技師長)
辻村駿太郎 …… 鈴木伸之 (整形外科医)
鏑木安富 …… 浅野和之 (副院長)
大森渚 …… 和久井映見 (循環器内科長)
田中福男 …… 八嶋智人 (放射線技師)
灰島将人 …… 高嶋政宏 (新院長)
…… 朝丘真理 (院内売店「さくらショップ」のおばちゃん)

武藤健 …… 片寄涼太 (28歳、Legal United法律事務所・弁護士)
曽根京子 …… 澤井孝子 (70歳、骨盤骨折)
息子 …… 西山聡 (京子の息子)
江本 …… 野中隆光 (救急科)
甘春総合病院弁護士 …… 小平伸一郎 (病院の弁護士)
武藤の同僚弁護士 …… 田中穂先、中川あきら

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