相棒20 第5話 光射す

相棒20
(2021年10月期・テレ朝・水曜21時枠)

監督:橋下一(1)(2)(3)(4)、寄下敏行(5)
脚本:輿水泰弘(1)(2)(3)、神森万里江(4)、池上純哉(5)
エグゼクティブプロデューサー – 桑田潔
チーフプロデューサー – 佐藤凉一
プロデューサー – 高野渉、西平敦郎、土田真通
編集 – 只野信也
音楽 – 池頼広

https://www.tv-asahi.co.jp/aibou/

第5話 光射す

【ストーリー】

●通勤途中

角田は通勤途中で警視庁近くで水木洋輔の姿を目撃する。
朝からどうしたと声を掛ける角田。水木はもう始末書を
かかされる事もないとして退職するという。彼は東京都大田区
にある大田署の刑事だった。

●特命係

角田は特命係に行き水木のことを語る。右京は大田署の
水木と言えば娘さんが行方不明になっている事を知っていた。
冠城はネットで情報提供を呼びかけて問題になった人だと
いう。刑事がネットで人捜ししてどうするのかと大田署では
大騒ぎになったが、それも藁にもすがるところだったのだろう
と。音信不通になり二ヶ月が経過しているとのこと。
冠城はMPSCO (行方不明者捜索協力機構)に掲載されている
情報をモニタに映し出す。
水木沙也加(19歳)、155cm、42kg、大学生
水木と会話した際に「光が見えない」と言っていたとし、ネット
で情報を出しても匿名のふざけた連中からメッセージが来る
だけだったという。事件性が無いので警察としても動けない
とのこと。真っ暗闇、出口は見えない状態なのだろうという
角田。

●アパート”白池荘”

一人の男性がゴミ屋敷のようなところでゲームをしていた。

アパートには桂木雪乃がやってくると管理人の西村に対して、
同僚で101号室の紅林啓一郎と連絡が取れないとして上司に
言われて様子を見に来たことを語る。管理人のマスターキー
を使いドアを開けると首を吊って亡くなっている紅林の姿が
有った。

・鑑識・捜一が現場へ

101号室の室内を調べる。
麗音は被害者のおでこに傷が有るとして変だと語る。伊丹も
またただの自殺には見えないという。後頭部にも強く打ち付け
た挫創が見られた。検視官によれば死亡直前に殴打されたの
ではないかというもの。芹沢は指紋とかゲソ痕は見付からない
のかと問うと、明らかに拭き取ったとされる痕跡が至るところ
から見付かったという。それなのに玄関も窓も中からは施錠さ
れた状態だった。いわゆる「密室殺人」
目撃情報は特に有力なものはまだ見付かっていなかった。
この部屋で飼われていた亀だけが一部始終を見ていたのだろう
とのこと。

・右京らが現場へ。

被害者は紅林啓一郎(35歳)、独身。(株)キャピタル警備という
警備会社に勤務。彼の勤務地は羽田空港の夜間勤務だったと
いう。三日前に早退を申し出た後、音信不通になった。
第一発見者は同じ職場の同僚だったと冠城。
郵便受け、そして窓にも目張りがしてあった。
近隣に音が漏れないようにしていたのか。右京は部屋の中の
音響設備からオーディオが趣味のようだと語る。
「見守りカメラ」も室内に設置されていた。ルス中のペット
の様子などをスマホで確認出来るというもの。
犬や猫ならともかく亀を監視していたのか。室内飼育の亀は
紫外線をあてるライトが必要だが見当たらないという。

隣の102号室から咳をする声・三宅卓司が聞こえる。
尋ねてみると中から三宅富士子が出てくる。
101号室の紅林についての情報を求めるが、彼は夜勤生活だった
ので真逆の生活リズムであり顔も殆ど見た事が無いという。
右京は同居されている方からも話が聞きたいという。咳を
していたのは男性の声だったことを指摘すると、寝たきりなん
だとして不自然に話を遮りドアを閉めてしまうのだった。

■事件

アパート”白池荘”の101号室に住むセキュリティ会社の男性
紅林啓一郎(35歳)が室内で首を吊った状態で発見される。
発見したのは会社に出社しない為に様子を見に来た同僚の
女性だった。
窓や郵便受けが目張りしてあり、遺体の額には傷、そして室内
からカギがかかっていた事から密室殺人/他殺の線も考えて
調べることになる。
一方で水木という大田署の刑事の娘・沙也加(19歳)が失踪して
いる事が判明される。

■感想

とても興味深く現代の日本の問題を盛り込んでいる。
8050問題と言う言葉を耳にした人は多いと思うが、このドラマ
の中でもそれが起きている。

ただ視点を変えてドラマを見てみると面白さが浮かび上がる。
事件を除いて二つの家庭の物語として見てみよう。

犯罪者の隣人の三宅家はまさに8050問題に直面している母と
息子の物語。そして今回監禁されていた刑事の家庭は、
この問題には該当しないが、妻が亡くなり父と娘の物語であり、
互いに比較すべき家庭の問題として描かれている所がある。

そして嘘をついている人物が実に多い事。
しかし男の死に関しては関わる人物の多くは自分の責任では
ないかと心配していて、「心配」は度を過ぎれば「死」に
繋がってしまうことだ。

「光と影」
光が無ければ亀も生きられない。
それは人間も同じ事。「光射す」というサブタイトルから
すれば希望的観測の元で事件捜査を眺めることはできると思う。

・事件に於けるポイント

さて二つの事件が発生している場合、二つの共通項を探して
いく事が事件解決に一番近道である。しかし二つに繋がりが
あると確信するまでは決めつけてかかることも出来ない。

興味深いことに、二人共に不明な事が起きている。
アパート内で亡くなっていた人物は自殺か他殺か判断に
迷う状況に有るものの限りなく他殺に近い物証が有り、
室内は密室であるばかりか自宅の指紋などが拭き取られていた
という事である。

一方の刑事の娘に関しては、そもそもこの流れと紐付けされて
いる案件なのかもまだ分かっていない。
比較的早い段階で大田署の内川優刑事から情報が聞けたので
二つの件に接点があることは容易になる。

その二つの事象を繋げられるかも知れない人物がアパートの隣に
居る引きこもりの男性・三宅卓司であること。

亀だけは犯行の一部始終を見ている。その亀を見ていたかも
知れない監視カメラの映像。
今回はこのカメラ映像(アパート近くの公園の映像も含めて)が
大いに役立ったことは言うまでも無い。

・被害者情報

名前 : 紅林啓一郎
年齢 : 35歳 (独身)
職業 : (株)キャピタル警備 (勤務地は羽田空港・夜間)

備考 : 3日前に早退を申し出てから音信不通。そして自宅で死亡

亀を飼っている。
目張りがされている。
オーディオに凝っている。
見守りカメラがある。
隣人との壁が薄く咳払いする声が聞こえる。

■先入観

今回「先入観」は一つのキーワードとなっている。

容疑者としてどうしても視線を送ってしまうのは隣人で引きこ
もりの三宅卓司だが、第一発見者である桂木雪乃も男女の縺れ
とか嫉妬心で殺したことも考えられる。ただし雪乃が遺体を
見つけた際のリアクションはガチだったのでその可能性は
低いか。

情報通のアパート住民の女性のお陰で二人の情報がある程度
揃った。昼間に大きな音で音楽を流していることがあった。
隣人は病気で寝込んでいるとされていたが、実際には50歳過ぎ
の引きこもり男性である。ある意味では引きこもりそのもの
が病気と診ることも出来るか。

ただ上手くカモフラージュしたのは、目張りしていたのは防音
の為で間違いないが、実際には音楽を聴くためのものではなく
女性を監禁していたこと。
またもう一つ、亀を飼っていて見守りカメラが設置しているのか
と思われたが監視していたのは女性であることだ。

そして何よりも80歳という年齢がカモフラージュとなっている点
である。事件解決に刑事自身の協力というのもまた一つの
カモフラージュである。

■捜査

令状のない状況で家の中に踏み込んだ大田署の刑事たち。
踏み込んだ家は紅林家。
紅林家が疑われた原因はネットの掲示板での書き込みである。
誰が書き込みしたのか容易に想像が出来るけどね。

・捜一 – 伊丹 + 冠城

今回は話を聞きに行く際に伊丹が居なくて冠城がトリオに
なっていたところが有った。

公園の防犯カメラ映像から桂木という第一発見者との繋がり
が容易に見付かった。嘘をついていた理由は何なのか。
二ヶ月以上前に二人は別れていた。
気になるのは刑事の娘・沙也加の失踪も二ヶ月前である。

密室トリックの流れもあっさり判明した。
合鍵があったこと。

・女性を背負っている映像

女性は沙也加であることは間違いない。しかし背負っている
男性は誰なのか。

・ネットの書き込み

明らかにこの書き込みは引きこもりの隣人男性によるもの。

ただ不自然に写るのは80歳を過ぎる母・富士子は年齢の割に
色々とこの事件に関わりが過ぎて行動力がありすぎる点である。
例えばネットの書き込みを知った事。そして合鍵の流れ。
そして仕舞いには女性を背負って連れ出したのは彼女である。

■出演者

杉下右京 …… 水谷豊 (警視庁警視庁・特命係)
冠城亘 …… 反町隆史 (4代目相棒、総務部広報課->特命係)

伊丹憲一 …… 川原和久 (警視庁刑事部捜査第一課員)
芹沢慶二 …… 山中崇史 (警視庁捜査一課。伊丹の後輩)
角田六郎 …… 山西惇 (警視庁組織犯罪対策五課)
小松真琴 …… 久保田龍吉 (警視庁組織犯罪対策部)
内村完爾 …… 片桐竜次 (警視庁警視長・刑事部長)
中園照生 …… 小野了 (警視庁警視正・参事官)
青木年男 …… 浅利陽介 (警視庁サイバーセキュリティー)
益子桑栄 …… 田中隆三 (警視庁鑑識課員)
衣笠藤治 …… 杉本哲太 (警視庁副総監)
甲斐峯秋 …… 石坂浩二 (警察庁長官官房付)
大河内春樹 …… 神保悟志 (警視庁警務部首席監察官)

小出茉梨 …… 森口瑤子 (家庭料理店”こてまり”の女将)
出雲麗音 …… 篠原ゆき子 (警視庁 交通機動隊から捜査一課)

三宅富士子 …… 草村礼子 (紅林の隣室の老婦人)
水木洋輔 …… 伊藤洋三郎 (元大田署刑事)
三宅卓司 …… 矢崎まなぶ (富士子の息子・10年近く引きこもり)
内川優 …… 小島久人 (大田署刑事・水木の元部下)
桂木雪乃 …… 畦田ひとみ (「キャピタル警備」社員・紅林の元恋人)
水木沙也加 …… 近藤くれは (水木の娘・2か月前に失踪)
西村 …… 高橋新太郎 (白池荘管理人)
紅林啓一郎 …… 西野太盛 (キャピタル警備」警備員)
東 …… 池田ヒトシ (富士子が働く工場の社長)
白池荘の住人 …… 麻生純子

大竹一雄、増田迅利、畑山歌条子、星野豊

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