ミステリと言う勿れ
(2022年1月期・フジテレビ・月曜9時枠)
原作:田村由美
プロデューサー:草ヶ谷大輔、熊谷理恵
脚本:相沢友子
演出:松山博昭(1)(2)(3)(5)、品田俊介(4)、松山博昭(6)(7)、相沢秀幸(8)
音楽:Ken Arai
主題歌:King Gnu「カメレオン」
https://www.fujitv.co.jp/radiationhouse2/index.html
第8話 ミステリーナイト開幕! 殺すのか?殺されるのか?
アイビーハウスの謎解きミステリー
【ストーリー】
何者かがエディタで文章を書く。
【殺すのか?殺されるのか?やっぱり殺すしかないんだろ
うな】
PCの記憶ドライブに2011と書かれたフォルダを開くと、
そこには写真・画像が入っていた。映っていたのは
左から天達、美吉、蔦、橘高だった。
●墓地
久能が墓地にやってくると、そこには既に天達先生
の姿が有った。今日は大切な人の命日。墓標には
美吉喜和の名前が書かれていた。
あれからもう5年が経過していて月日の流れの速さを
感じる二人は、手を合わせて祈る。
・茶屋
帰り道で二人は茶屋に立ち寄る。
久能はみたらし団子とわらび餅のセットが定番だった。
そんな中、天達はある話をする。
今度高校の同級生に会うことになっており、友人の
別荘に行くという。そこでは「ミステリー会」と
呼ばれるゲームを開催することになっていて、ゲスト
を招いたりして謎解きの出題をするもの。
集まるものはみんなミステリー好き。
以前からそこで行っていたが久しぶりの集まり。
久能の活躍話は風呂光から聞いて天達も知っていた。
最近警察に協力して解決していること。
風呂光に会った際に彼女は久能のことを、
「人のことをよく見てて些細なことによく気が付く」
「心理学を学びたいし、久能がどういう風にして
物事を見ているのか知りたい」のだという。
天達は久能に対して腕を披露して欲しいというが、
その時は冗談だとしてアルバイトとして荷物運びで
同行してくれないかと語る。
そして「一つだけ頼みたいことがある」とのことだっ
た。
●大隣総合病院
久能はライカに会う。
約束していなかったが、久能はライカが居るのでは
ないかと思って来たという。ライカは久能が来ると
線香の匂いがすることを語る。
美吉喜和には子供の頃から可愛がられていたこと。
いつも話を聞いてくれた「大切な人」の命日だった
ことを語る。
ライカにはそんな大切な人が居るかと尋ねる。
すると彼女は千夜子の名前をあげ、
「私の願いは千夜子が幸せになること。」
更にライカはいつものように数字で語る。
「自省録」に照らし合わせてみると、彼女のメッセ
ージは
「桜が咲くころには、私はこの世にいない」
だった。
●別荘に行く当日
久能は天達の車に同乗していくことになっていたの
で待ち合わせ場所にいく。すると天達は風呂光を
同乗させていた。
天達は今回は風呂光が刑事であることは内緒にして
おこうという。
天達が久能に頼みたいことと言った内容は・・
「ミステリー会の中で一人だけ嘘をつく人がいる
から見ていてくれないか?」
というものだった。
●山梨県の蔦薫平所有の別荘・アイビーハウス
屋敷の外観は蔦でびっしりなのでアイビーハウスと
呼ばれていることを聞く。
するとそこには既に橘高勝の姿があり、雪かき用の
スコップを手にしていた。先に来て掃除の手伝いを
頼まれたという。
勝から天達に「三回忌以来だな」と言われる。
玄関のマットを気にしつつ、土をはらって室内へ。
勝は潔癖症なのでマイスリッパを所持していた。
以前は玄関マットはなかった。ガレージから出入り
していたからなのか。
・家主の蔦と会う
軽く挨拶をしたところ、蔦からはアイビーと呼ばれ
ているのでそう呼んでくれという。
ミステリー会で知り合ったとするデラとパンの二人
もいた。
「今宵は楽しいミステリーナイトだ」
客室は3つあるので、デラとパン、風呂光は女性なので
一人部屋へ。残りは三人部屋になるというが、勝は
寝袋を持ってきたのでテントで寝るという。
天達は久能に相部屋が苦手だからここのソファで
寝ても良いことを聞く。
・食事
風呂光と久能がバーベキューを焼く。
そこでそれぞれに自己紹介を軽く済ませる。
■感想
久能は幼いころに話し相手で、自分の才能を引き
出してくれた美吉喜和の命日に、天達春生に墓地で
会う。天達は喜和のかつての恋人でも有った。
そこで天達から同じ趣味のもの同士で集まる
「ミステリー会」が有るので一緒に来て欲しいことを
いわれる。
ミステリー会に集まるのは本人と風呂光を合わせて7人。
その中に「一人嘘をついているであろう人物」が居ると
思われ、更には「一人本当のことを言っている人物」が
居る可能性があり、その見極めを頼まれる。
先週から登場した水川あさみさん演じる美吉喜和は
既にこの世には居ないものとしての出演か。
色々とキャラクタヘーへの思い入れも出来るように
掘り下げは行われており、彼女の影響力によって
今の久能があること。大学に進学したのも、今の大学
を選んだのも、そして教師になることを目指している
のも彼女の影響だろう。
■さぁ、ゲームのスタートです
「イカゲーム」・・・ではなくて「LIAR GAME」ね。
私が鈴木浩介さんという俳優の凄さを初めて見たのが
このドラマだったな。毒キノコみたいな名前で呼ばれて
いた気がしますが・・
・参加者
集まることになったのは蔦から急に連絡が有ったという
勝。(これは嘘だという事は明らか)
・蔦薫平 (別荘の家主、人を舐めている感じ、悪ふざけ
が過ぎるとは勝談)
・橘高勝 (公務員・市役所、学生の頃は生徒会長、陸上部のスター、潔癖症、山登りの趣味)
・天達春生 (東英大学教育学部の准教授、冷静沈着)
・デラ (アイビー張り巡らせようの会で知り合う、謎)
・パン (アイビー張り巡らせようの会で知り合う、謎)
・久能整 (大学生、教師を目指す)
・風呂光聖子 (刑事)
とりあえずデラとパンは今のところ存在している意義
も意味もよく分からない。蔦のシンパなのか?
彼ら二人がなぜここに来ているのかを精査していか
ねばならない。
・ポーカーフェイス、無意識
取り合えずは先入観を無くしてみる為にゲームという
名で本当の事件(美吉喜和の死)についての再考察を
促し行うことになるが、感情的にはそれを快く思わない
ものも居る。見た限りではこの件を軽く茶化すように
行っているのが蔦であり、言葉の端々に怒りが出ている
のが橘高勝だ。
感情は最も素直な表現で、特には悲しみ・怒り・喜び
など、より強い思いがある人ほどに無意識に出て来て
しまうものではないかな。
しかしドラマを見ているとその感情の抑制を心得て
いるのが天達春生であり、その辺の駆け引きはリアル
に面白いかも知れない。
・正しい時系列は?
喜和が亡くなったことに関しては事実なのだろうが
その事件の全貌はまだ視聴者にはわかっていない。
今回語られるものが、本当に実際に亡くなった時の
シチョエーションと類似しているのかも分からない。
今回最も興味深いのは【時系列】が意図して分かり
づらくしていることだ。
話の中では「二つの事件」が混在している。
一つは美吉喜和の死。
そしてもう一つは蔦の妻・蔦彩子(当時39歳)が
12月27日に亡くなっている。
亡くなっているのは蔦の妻と、天達の妻の喜和
である。(のちに一方は嘘だと分かるが)
・事件の話
最初に透明人間の話をしたのが勝。
山荘に5人居て4人が殺されるとされたもの。
1人が4人を殺した後に逃走する。殺した証拠が無い
ので警察はこれを自殺案件にしてしまった。
これは喜和の事件のことを語っていたのかと思ったが
死んでいるのは1人で4人は生きているという逆の状況
である。
1人が生きて全員が亡くなるパターンを考えると、
今回の蔦夫婦の結婚20周年記念で飲もうとしていた
ワインの中に入れたとされる毒によって計画的に
以上のようなことを想定していたのかも知れない。
・次に事件の話をしたのは蔦。
自分の妻が亡くなったであろうことを話す。
彼の話では人物に関して直接的な表現はない。
以前のオーナーの妻が5年前にここのバルコニーから
転落死したことを語る。
夫は物書き。常に二人で仲が良い。
遺書なし。
蔦はストーカーが居たのではないかと思っている。
妻は花が好き。特に四つ葉のクローバーことシロツ
メクサが好きで押し花としても多くを残す。
しかしその事実を彼は相思相愛・おしどり夫婦だと
したところで知る由も無い。
この件で怪しいのは蔦本人が妻のことを束縛して
いたのではないかという疑惑が有る。
「鍵のついた部屋」はその一つの例だ。
ただし、本人が言うには記事から何からすべてが
ゲームの為に作ったものだとされ、すべてのこれまで
の流れがリセットされそうな勢いである。
・部屋の捜索
大体この手のドラマでは無駄な要素がないことが多く
どの要素も解答へのヒント的メッセージ性が高い。
例えば例題に出された「透明人間」説もそうだし、
彼女は「絵」が好きで、「花言葉」やフラワーショップ
で人気の528種類書かれた「花図鑑」(ルイーズ・フル
ール監修)に込められていたSOSを発する信号なども役に
立つ。
そして結婚の20周年が本日だということも偶然では
なく必然性があり計画的に集められたものだろう。
・蔦の妻への愛。本物か幻想か。
ゲームネタにし、遺品を放置し、年中一緒に居たにも
関らず妻の好きな花の名前も分からない。
上述したように書庫の本のしおりは、252ページに
差してあり、消防の無線の通話コードで要救助者を
し意味逃げ遅れてる生存者あり「SOS」を意味している。
ただし蔦は自ら結婚していないとされた。
・本題
実は5年前に事件が発生し犠牲者となったのは天達春生
の妻の喜和だった。
これまで蔦が話していた彩子(仮名)の話は、人物
設定をはじめとして多くを喜和の事件と置き換えら
れることになる。
ストーカーという第三者の存在が現れた。
そのストーカーは喜和が行っていた心療内科の患者
の一人。暖炉にキョウチクトウがくべられていて
その煙を吸い込んで死んでいた。
不運なことに煙突も詰まったままで煙が充満したこと
も死を早めてしまう。
特にこの置き換え作業で面倒になったのは、花が好き
だったのが喜和だったということ。
16枚の掲げられていた絵も蔦彩子ではなく喜和の絵
であった。
「死んでも離さない」(アイビー)
「嫌悪」(オニユリ)
「貴方は冷たい」(アジサイ)
「貴方が信じられない」(ラベンダー)
「冷淡」(アジサイ)
「失望」(黄色いカーネーション)
「触れないで」(アザミ)
「悲嘆」(キンセンカ)
「絶望」(マリーゴールド)
「憎悪」(オレンジのユリ)
「敵意」(オトギリソウ)
「私は明日死ぬだろう」(ミスツス)
・興味深い点、メモ
・最近都内でもストーカー事件が頻発中。
・教師になりたい久能
接客をした際に蔦からは、教師にあまり向いていない
のではないかとの指摘があった。
久能の恩師・天達は以下のように語る。
『自分に苦手なものがあると認識してる教師は
生徒にも苦手なものがあると理解できる。』
『自分ができることは人もできると信じてる教師は
多くを取りこぼすことになる。』
・花言葉
キスツス「私は あした死ぬだろう」
クローバー「復讐」
キョウチクトウ強い毒がある。
・久能は芸術が好き
3話でもバスに乗って大隣美術館に印象派展に行こう
としてバスジャック事件に巻き込まれたことがある。
久能はバロック絵画の画家レンブラントが好き。
印象派はルソーとドガは好きだという。。
・幸せならばクローバーを探すか?
四つ葉が出来る経緯は三つ葉を傷つけることによる
もの。植物が好きならば意図してそんなことはしない
のではないか。そして幸せならばクローバーを探す
だろうか。
「痛みの先に幸せがあると思ったのか?」
■出演者
久能整 …… 菅田将暉 (東英大学教育学部の学生)
風呂光聖子 …… 伊藤沙莉 (大隣署・新人刑事、”フロミツ”)
池本優人 …… 尾上松也 (大隣署・巡査)
青砥成昭 …… 筒井道隆 (大隣署・警部、冤罪事件)
ライカ …… 門脇麦 (大隣総合病院の入院患者)
天達春生 …… 鈴木浩介 (東英大学教育学部の准教授)
美吉喜和 …… 水川あさみ (心理カウンセラー)
橘高勝 …… 佐々木蔵之介 (西東京中央市役所・市民課市民係勤務の公務員)
蔦薫平 …… 池内万作 (物書き)
デラ …… 田口浩正 (アイビー張り巡らせようの会で知り合う)
パン …… 渋谷謙人 (アイビー張り巡らせようの会で知り合う)
ストーカー …… 藤村直樹 (喜和を殺した?)
久能整の幼少期 …… 柊木陽太
蔦彩子 …… 島田莉沙 (享年39歳、バルコニーから落下。実在する?)
UNA、山本栄治