相棒20 第17話 米沢守再びの事件

相棒20
(2021年10月期・テレ朝・水曜21時枠)

監督:橋下一(1)(2)(3)(4)(6)(15)(16)、守下敏行(5)(7)(8)
蔵方政俊(9)(10)、権野元(11)(12)(13)(17)
脚本:輿水泰弘(1)(2)(3)、神森万里江(4)、池上純哉(5)、
森下直(6)、山本むつみ(7)(15)、瀧本智行(8)、川﨑龍太(9)(13)
根本ノンジ(10)、太田愛(11)、斉藤陽子(12)、徳永富彦(16)
岩下悠子(17)
エグゼクティブプロデューサー – 桑田潔
チーフプロデューサー – 佐藤凉一
プロデューサー – 高野渉、西平敦郎、土田真通
編集 – 只野信也
音楽 – 池頼広

https://www.tv-asahi.co.jp/aibou/

第17話 米沢守再びの事件

【ストーリー】

●警視庁・特命係

右京は紅茶を入れ、冠城はコーヒーを淹れる。
そんな中、突然右京の携帯に電話が鳴る。
電話してきたのは元鑑識課で、現在は警察学校で働いている
米沢守だった。右京は前置きは良いので現場は何処かと尋ねる。
遺体を発見したであろうことを想定しての発言だった。
米沢はなぜ分かったのかと尋ねる。
すると右京は、電話からは踏切の音が聞こえること。米沢が
勤務する警察学校の近くに線路がないこと。休日を利用して
鉄道愛好会としての活動の中、事件に遭遇し、遺体を見つけて
しまったのではないかという。
米沢は相変わらず鋭いところに感心する。

・遺体遺棄現場

現場は千葉県のローカル私鉄・星川鐡道の沿線だった。

凶器が見当たらず、財布とスマホを持ち去られている事。
死亡推定時刻は昨夜22時から24時。

鑑識が現場撮影しているのを見た米沢は突然黙っていられず
に彼らに意見を述べる。

「鑑識写真のコツは空間すべてを把握する意識を持つことだ」

・捜査一課登場

捜査一課の伊丹と芹沢がやってくる。
伊丹は米沢に対して愚痴る。

「警察学校では遺体発見したら特命係に連絡しろと教わって
いるのか?」

「長年の習慣です。」

何故こんな場所をうろついていたのか?という芹沢の問いかけ
に、高千代線のキハ101形がまもなくラストランなので
名残惜しもうと思ったという。芹沢がその行動を馬鹿にする
ような発言をすると突然鉄道マニアの米沢は、事の重要性を
語る。

「昭和55年に試作車が登場し、その中でもキハ101形は湘南形
と呼ばれる貴重な車両である
」ことを。

右京はここで疑問を述べる。

「なぜ線路沿いなのか。遺体の状態から見て他の場所で殺され
て運ばれたもの。わざわざ線路横に遺棄するものなのか?」
「何らかのメッセージのように見える」

■警視庁・捜査本部

令和4年2月27日から28日に発生した事件。
被害者は吾妻元彦(54歳)。千葉の星川で菓子店”吾妻堂”を経営
する社長。

そんな中、線路沿いの小学校の裏庭に財布が投げ込まれている
のを用務員が発見。更に免許証とメガネ、スマホの位置情報
から光原駅のロッカーからスマホが回収されたという。
あとは凶器だけが見つかってはいなかった。
中園はこれらのものがすべて高千穂の線路沿いから発見されて
いるのを見て凶器もこの線上にあるのではないかとし、重点的
に調べるよう捜査官に命じる。

・特命係

右京の元に米沢から電話が鳴る。
被害者は星川町の人で、現在その場所は鉄道ファンの間では
取りざたされている場所だという。

右京は被害者の遺留品の見つかった場所、遺体の位置から
あることに気が付く。
遺体・遺留品が見つかったことから見て

・光原町1丁目4番地、6丁目9番地。
・関山町3丁目2番地、8丁目15番地。

これらの場所を探そうという。

すると公園から凶器と思われるナイフ、被害者のクレジット
カード、そしてバッジが見つかる。

右京は捜査本部でそれらが見つかったことを報告。

千葉県ローカル私鉄・星川鐵道のロゴマークはオリオン座で
あること。被害者がそのバッジを持っていたこと。
星川は被害者の地元でもあった。
右京はその中でもオリオン座の3つの星の配置に着目し、
ロゴマークと照らし合わせて位置関係を割り出したことを語る。

■事件

かつて星川鐡道によって潤った地域経済だが、現在赤字路線で
あり、運営会社であるSTAR RIVERS HOLDINGSは、一昨年の
大水害も重なり廃線の危機にある路線に頭を抱え、廃線の方向
を打ち出す。
そんな鐡道を守るための活動をしていた今泉悟志が殺害され
て発見される。鐡道沿線に遺体や遺留品が置かれていたこと
からも鉄道をよく知るものの犯行に思われるが・・・

■感想

20年もドラマをしていれば始まった当時に生まれた子供も
成人となっている。
ここに来て過去の人的資産とも言える人事の再活用が行われた。
鑑識課だった米沢を投入することでカンフル的役割をもたらす
のか。

それ以上の歴史を持つのが星川鐡道であり、先日の
ドラマ同様に世間からは忘れられようとしているものの存在
を抽出し、世代交代の波は避けられないものかとして描かれる。

この手の鉄道は地域住民が愛し、日常の生活活動に於いて
利用しない限りなかなか赤字からの脱却は難しく、一部マニア
だけを中心にして盛り立て直しても再生するのはなかなか難しい。
人々の間でも観光やレジャーのパッケージの一つとして
この鐡道は欠かせないものという意識が欲しいところ。

凋んでいく物事に対して、意外性をもたらすことが出来るの
は、かつての「熱海」が良い例なのではないか。
新婚旅行のメッカとして扱われたものが、一度は廃れて、
再び昭和レトロ感の復活と都心部からの距離的な利点、
インバウンド効果によりよみがえった例もある。

千葉という土地は都心からとても近いので
短期的レジャーの需要は有りそうなところもあるが、九州に
似て中心部の山岳・田園地帯が少々扱いづらい土地である。
私も千葉に6年間住んだことがあるが、車が無いと移動は
不便で話にならず、急勾配的坂道は自転車での走行を阻む。

しかし歴史探訪をするものの為に、例え路線がなくなったと
しても残しておいて欲しいところはある。
季節によっては本当に美しい景色と、天体観測にはもってこい
の土地も無視できず、臨海エリアの凄い勢いで吹く風を
除けばマリンスポーツとしての可能性はいくらでもありそうだ。

■現代的な問題を色々と織り交ぜるばかりの内容

近年鉄道ファンが暴走してクズ鉄と呼ばれるものの存在が
抽出されてネットで騒がれている。

もう何年も前から赤字路線と戦っている小湊鐡道なんかも
意識して作られた感じだし・・。

鉄道オタクも少し前までは乗り鉄、撮り鉄程度であったが、
現在米沢が語る限り、

運行ダイヤを分析研究して楽しむ・・「すじ鉄」
「車両鉄」「模型鉄」
「クズ鉄」(迷惑行為に手を染める自称鉄道マニアのこと)

などに細分化されている。

自分がどれに該当するのか。
米沢さんは「飲み鉄」じゃないのか(+_+

私は昔は撮り鉄(と言っても駅のプラットホームに入ってくる
列車を撮るのが好きだった人)的なことをして一日中駅で
張り付いていたことがあるが(笑)

■人の心、人間関係はダイヤグラムの様だ

これがドラマで描きたかったのか。
すじ鉄と呼ばれているとは知らなかったけど、ダイヤ
グラムの研究をしている人の存在は耳にしたことがある。
昭和の日本のドラマは時刻表と睨めっこして殺人事件の
アリバイトリックなどに利用していたこともあるが、
このドラマの中で難しかったのは、廃線のよる利害関係に
於ける真の賛成派・反対派のえり分け作業である。

右京は「サボタージュ計画(マニュアル)」と称して内部陽動
を扇動して組織の弱体化を図る人物が居る。

千葉という土地と聞いて忘れられないのは、「成田空港建設」
での問題が有るので、そんな言葉も意外ではない。

「サボタージュ計画」については、色んなドラマで使われて
いる。
かつて放送していた「コールド・ケース」でも有ったし、
山崎豊子さん原作のドラマに於いて労働組合との対決に於いて
は大抵敵側スパイの存在が明らかになったりして味方だと
思っていたものが裏で金を受け取っていたという事実に触れる
こともある。

その人物の本来の意図なり正体を知る時にこそ、このドラマの
醍醐味があるのだが、正直シナリオはあまり面白く感じなかっ
たのは、繊細かつ計算高く作りすぎたからではなかろうか。
実はこのドラマでは、最後に語るようにスパイだった人の
心を変えようとして行動していたのではないかという疑問符が
投げかけられている。

そして最後に花の里で語るやりとりでは、近くにいる人間に
触発されてしまうという言葉が有るが、冠城は右京に良い
意味でも悪い意味でも毒されてしまっているようにも思える。

■出演者

杉下右京 …… 水谷豊 (警視庁警視庁・特命係)
冠城亘 …… 反町隆史 (4代目相棒、総務部広報課->特命係)

伊丹憲一 …… 川原和久 (警視庁刑事部捜査第一課員)
芹沢慶二 …… 山中崇史 (警視庁捜査一課。伊丹の後輩)
角田六郎 …… 山西惇 (警視庁組織犯罪対策五課)
小松真琴 …… 久保田龍吉 (警視庁組織犯罪対策部)
内村完爾 …… 片桐竜次 (警視庁警視長・刑事部長)
中園照生 …… 小野了 (警視庁警視正・参事官)
青木年男 …… 浅利陽介 (警視庁サイバーセキュリティー)
益子桑栄 …… 田中隆三 (警視庁鑑識課員)
小出茉梨 …… 森口瑤子 (家庭料理店”こてまり”の女将)
出雲麗音 …… 篠原ゆき子 (警視庁 交通機動隊から捜査一課)

捜査官 …… 児島功一

米沢守 …… 六角精児 (警視庁警察学校教官)
今泉悟志 …… 松浦祐也 (39歳、”星川鐵道を復活させる会”会員)
松原玲子 …… 中原果南 (STAR RIVERS HOLDINGS 鉄道事業部本部長)
白川洋一郎 …… 野中隆光 (50歳”銀河屋旅館”・経営者)
小国義久 …… 児玉頼信 (“星川鐵道を復活させる会”・代表)
吾妻元彦 …… 藤本浩二 (54歳、菓子店”吾妻堂”・社長)
富田哲哉 …… 東龍美 (STAR RIVERS HOLDINGS・社員)
高橋 …… 松嶋健太 (吾妻堂・従業員)
吾妻堂・従業員 …… 松嶋健太、池亀未紘、小石川桃子

鹿出しゅんのすけ、佐藤智美

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