ミステリと言う勿れ 第7話 炎の天使編完結! 炎の天使の正体とは…驚愕の真実が明らかに

ミステリと言う勿れ
(2022年1月期・フジテレビ・月曜9時枠)

原作:田村由美
プロデューサー:草ヶ谷大輔、熊谷理恵
脚本:相沢友子
演出:松山博昭(1)(2)(3)(5)、品田俊介(4)、松山博昭(6)(7)
音楽:Ken Arai
主題歌:King Gnu「カメレオン」

https://www.fujitv.co.jp/radiationhouse2/index.html

第7話 炎の天使編完結! 炎の天使の正体とは…驚愕の真実が明らかに

【ストーリー】

久能は病院のクリスマスイベントの手伝いを頼まれ、下戸が
語る倉庫にいく。しかしそれは罠で下戸に押さえつけられる
久能。
情報を知りすぎている久能のことを里沙の両親と一緒に燃や
してしまえば良いと語る井原。

下戸は”赤いものを見ると痛みを感じる体質”だった。

●大隣署
・12月23日(2日前)

青砥は捜査官たちに半年で起きた4つの事件について語る。
全てこの管内で起きた連続放火殺人事件。

1件目・2021年7月13日・大隣市東町・佐和野家・2人犠牲
2件目・2021年8月24日・大隣市相生町・須永家・3人犠牲
3件目・2021年10月6日・大隣市桜井町・河本家・2人犠牲
4件目・2021年11月19日・大隣市石切町・磯山家・2人犠牲

これら共通点は2つ。
両親が死亡して子供だけが生き残っていること。
現場の塀には炎を象ったマークが描かれていること。

3年前にも同じ共通点を持つ放火事件が起きている。

2018年12月19日・大隣市山根町・新井家・2人犠牲

当時は証拠不十分だが容疑者として一人浮かび上がっていた。
井原香音人(21歳・2001年1月11日生)。母親を10歳の時に自宅
火災で失い、父は13歳の時に病死している。井原はその後
小火程度の容疑で逮捕されて医療少年院に2年間収監され、
半年前に出所していた。今回の事件の発生した時期と一致
している。

都市伝説サイト「炎の天使」によると虐待されてる子の親を
殺しているのが天使と呼ばれている人物。マークは子供が
天使を呼ぶ際に使われているもの。青砥は天使と呼ばれている
人物は井原で間違いないことを語る。

・温室

久能はライカから明日のイブにクリスマスプレゼントの交換
をしようと持ち掛けられる。簡単なもので良いという彼女。

・捜査官

警察は井原の消息が掴めずにいた。

風呂光は帰り道に町を歩いて居ると、同じ道を反対側から
歩いてくる久能の姿がある。久能はライカにプレゼントする
ものを何にするかで迷う。一方風呂光も店(theory luxe)の
ショーウィンドにあるものを見て、マフラーを久能にプレゼン
トしようと購入する。

●大隣総合病院
・12月24日(1日前)

大隣署の捜査官は、虐待されていた浩輝を児童相談所の指導員
に任せる。
そんな指導員を待っている間に風呂光はライカの姿を目にする。
彼女は売店で赤いイチゴのオーナメントを買っていた。

ライカは久能はプレゼント交換をすると、今度は午前3時に約束
を取り付ける。
夜中の3時・・

●中央公園裏の古いビル

井原は下戸に対して、病院に行くのかと問う。
里沙の決心がついた頃だろうとし、他の子供のようにあの子
にも幸せになって欲しいという。あの子を幸せにできるのは
井原さんだけだ。

●大隣総合病院

里沙が退院して両親に連れていかれるのを目にする久能。
彼女はなんと壁に炎を象るマークを書いていた。
久能がやってくると、あの子の境遇を語る。

・夜23時、倉庫

久能は下戸に連れられやってくる。
入る前に風呂光に電話するが彼女は携帯電話を車に置き忘れて
いた。

●大隣署

井原は何処で隠れているのかいまだに足取りは掴めていない。
そんな中、青砥は都市伝説サイトの管理人が分かったと報告。
鷲見翼(17歳、高校生)。事件記録に名前があり、5年前に放火
殺人で生き残った子供だという。事件当時の話を聞きに行くぞ
と青砥は池本と風呂光に語る。

■感想

2話続きのドラマなので前編的流れ以上のドラマを後半に
持ち込めるのかに注目しているけど、見ている限りでは
期待を裏切らない濃ゆいドラマになっている。

虐待される者が殺人を実行することを決意した時、その人物に
とっては、被害者だけでなく加害者の意識を持ち始める。
その境界線がよく分からなくなるのは本人が実感している
だろうし、現状をよくしようとしてその存在を消したところで
その後の人生が好転する保証もない。

被害者側の側面にだけ目を向けると、生きていることが
丸儲けのようにも感じるけれど、現実を見れば、ただそれだけで
はないことが分かる。

加害者側の側面を見ると一見すれば実行している人や賛同者
は、助けている感覚を持っている。
しかしこういう大事な決断を子供に迫るという酷な現実が有っ
て判断に於ける正しさとか、その後の人生なんてものは二の次
のような流れが有る。

今回のドラマが進行している時点で、人物像を掘り下げて
いない人がとても多い。
今回は少しずつではあるが、それら人物を構成する核心に迫る
ような過去の事象が描かれ、傷跡だったり、今の自分を司る
心理的・精神的な内面的なものにまで言及していく。

一昨日「相棒」のS20の16話を見たのだが、ある意味では
井原の存在は、相棒での容疑者と同じような演出が行われて
いた。既に死んでいるのに生きているかのような幻影。
ライカも同様のものがあるのかなと思ったけれど、他の人にも
見えるからね。寧ろ時限爆弾的な病気を抱えているとみる
方が自然か。

相棒20 16話
https://dramatimez.sakura.ne.jp/jp/2022/03/14/post-1819/

興味深いのはライカはどの程度まで今回の件に関わっていて
過去から現在に渡るまで井原が行っていた行動を知っている
のか。久能は目の前のことを分析していることに長けている
がライカの場合は、少し先の未来が分かっているとか、人間の
行動心理を熟知しているかのような行動を見せる。
今回のオーナメントのことなどを見るとね。

■犯人は既に分かっている

視聴者にとっては犯人が誰かは分かっているし、それに
関わるものたちは、誰もが何らかの心の傷を幼少期に負い、
大人に対する憎しみや反骨的感情にも触れていく。

犯人が分かっているだけに無防備に倉庫に向かう久能の事が
心配になる。そもそも今回のドラマではクリスマス時期の
事とはいえ、時間的概念がかなり狂っている。

倉庫での待ち合わせは午後23時。
ライカとの待ち合わせは午前3時である。

犯罪者心理なのかは分からないが、人それぞれに被害者と
言ってもその人物に起きている生育環境は違い、誰一人として
マニュアル的対応では対処ができない事も分かる。

・犯罪者心理・加害者心理

放火犯罪の実行者である二人の人物。
下戸と井原。

犯罪者はその理念に共有・共通感を持つからこそ、精神的にも
繋がりが強いのだろう。
しかし井原が下戸と違うところは結構多く有る。
それが決定的なものだとしたら、裏切られたと思ってしまうもの。

・井原の火災は偶然に発生したもの。
・下戸は井原に助けられたが、赤いものを見るだけで痛みを
生じる。
・その痛みは良心であり人の心が残っている部分では
ないものなのか。
・下戸は幼いころにいじめや虐待を経験して、仮の人格が
別の作られてしまったのか。彼の中で見ている井原の幻影は
崇拝している人の造形であり、下戸にとっては、井原が罪悪感
を持つことは、自分の存在意義を否定されているように見える
のかも知れない。

・それぞれの過去

ドラマではわざわざ丁寧にキャラクターの名前が出てきて
章を分けているかのような演出が施されている。

みんなそれぞれに「お前に俺の何が分かる」的な主張を繰り
広げられるという展開であり、犯罪者同士も同様である。

・下戸陸太

カエルと呼ばれている。母親は兄を溺愛して、弟だった陸太
は虐待の対象だ。
そして骨折した際には同級生からえげつないいじめを受けて
その光景を教師は目にしている。その同級生らを下戸の
「遊び相手」として称賛する姿。相談する人物は誰も居ない。
井原に殺人を依頼したことで、赤い色を見ると痛みを感じる
ようになった。

事件発生、2014年3月22日・大隣市宮元町

・井原香音人

母親の趣味が「聞香」である。
結構良い家の出身のようで着物姿で室内も風格がある。
お香は嗅ぐものではなく聞くもの。
そこから彼の名前が付けられていることからも母親は相当
聞香に対するこだわりが強いと思われる。
父親が離婚した頃から母親がおかしくなり始めた。
有るとき偶然にお香が倒れて家は火災になる。
その時から自由を手に入れて「火」に魅了される。
井原が天使と称して行った虐待防止のための親殺しは
結果的に未来に繋がるものではなく、不幸な人生を送って
いることが分かり放火は辞めることにする。
しかし放火癖っていうのは衝動制御障害の一種なので
そう簡単に辞められるのかは謎だが・・・。

・久能整

彼は教師になりたい様だ。
物事を考えることに関しては、幼少期に美吉喜和という女性
から声をかけられて色々と教わったことから始まる。

・ライカ

相変わらず謎なんだけど、彼女も彼に助けられたのか。
井原香音人の遺体の前で手を合わせていた際にそんなセリフ
を述べていた。

・興味深い点

・自省録
「感謝する。 君の火に助けられ苦痛は過ぎ去り私は喜びに
満ちている」

・ライカが語る。
「思い起こせ、君はどれほど前からこれらのことを延期して
いるか」「君には一定の時の制限が加えられており、その時を
用いて心に光明を取り入れないなら時は過ぎ去り、君も過ぎ
去り…機会は二度と再び君のものとならないであろうことを」

・千夜子は知らない
ライカが語ったセリフ。ライカの妹かな。

・「どんな親でも子供は好きだろう」
「それは良い話ではない。子供のその気持ちに大人は付けこむ」

■出演者

久能整 …… 菅田将暉 (東英大学教育学部の学生)
風呂光聖子 …… 伊藤沙莉 (大隣署・新人刑事、”フロミツ”)
池本優人 …… 尾上松也 (大隣署・巡査)
青砥成昭 …… 筒井道隆 (大隣署・警部、冤罪事件)

ライカ …… 門脇麦 (入院患者、牛田悟郎に『自省録』を渡す)
天達春生 …… 鈴木浩介 (久能整が通う東英大学教育学部の准教授)
下戸陸太 …… 岡山天音(「炎の天使」、井原と協力。)
井原香音人 …… 早乙女太一 (「炎の天使」主犯)
鷲見翼 …… 今井悠貴 (17歳、高校生、都市伝説サイトの管理人)
美吉喜和 …… 水川あさみ (心理カウンセラー)

梅津真波 …… 阿南敦子 (大隣総合病院内にある温室の管理者)
幼少時代の下戸陸太 …… 猪股怜生
井原の小学生時代 …… 徳山凛響
幼少時代の久能整 …… 柊木陽太 (美吉喜和に声を掛けられる)
里沙 …… 福島星蘭 (両親に虐待され”炎の天使”に依頼する少女)
里沙の父 …… 一條恭輔 (義理の父)
里沙の母 …… 村木エリ (母)
浩輝 …… 柳下晃河 (虐待されていた少年)
佐橋謙介 …… 三島ゆたか
児童相談所指導員 …… 今藤洋子 (浩輝を連れていく)
下戸の母 …… 吉村涼
教師 …… 板倉武志
痣だらけの少年役 …… 大熊大貴
生徒役 …… 加藤瑛斗、松浦理仁、神尾優典、小井圡陽飛

宮崎京、水野瑛

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