太陽にほえろ! 第152話 勇気

太陽にほえろ!
1972年7月21日から1986年11月14日・全718話
日本テレビ

プロデューサー(日本テレビ):津田昭、岡田晋吉、清水欣也、山
口剛、川口晴年、中村良男、酒井浩至、服部比佐夫
プロデューサー(東宝):梅浦洋一、梶山仗佑、新野悟
企画・原作:魔久平(共同ペンネーム)
原案:小川英
音楽:大野克夫

http://www.teletama.jp/drama/index.html

第152話 勇気

脚本/長野洋 監督/小澤啓一

【ストーリー】

山村が歩いているとカブに乗ったソバ屋の出前持ちの水森
はぶつかりそうになる。水森が激怒して怒鳴りつけようと
するが、気をつけるのはそっちだとして山村は語る。
水森に対してその後マジメにやっているのかと問いナイフ
は持ち歩いて居ないだろうなと確認する。気になるなら
調べれば良いとして説教はゴメンだという。山村はそれが
お前の悪い所だとしカッとなるから不要なケンカをして
しまうのだという。二度と説教を聞かずに済むようにしっかり
とやれよと声をかける。

・2丁目緑荘

町田正二が7号室の中岡を尋ねてやってくる。しかしドアを
叩いても反応が無い。すると8号室の大里家の政美は、中岡
さんならパチンコではないかという。
その頃大里家では大里浩平の就職について舘野が相談に
乗っていた。妻は夫に対してなんでアンタはそんなに意気地
がないのかとして折角雇ってくれるというのに断るなんて
と激怒。夫婦ゲンカしている中、ソバ屋の水森がやってくる。
更に警察官が館野家を尋ねてくると、まだその場にいた町田
は警察官を見て動揺しいきなり警察官に発砲する。そして
ソバ屋に銃を向けると大里家に立てこもりを始める。

・七曲署
ボスの元に事件の知らせが入る。2丁目の緑荘で警察官が
撃たれたとし2階の奥の部屋に犯人は人質をとって籠もってい
るという。デンカは病院に行き警察官から事情を聞いてくれ
とし他は現場へと語る。

・2丁目の緑荘

長さんは山村がやってくるとあの部屋に人質だと状況説明す
る。ゴリは裏に回ったとし、アパート住民は全員退避させた
とのこと。すると館野と名乗るお婆さんはお爺さんを助けて
欲しいと訴えてくる。あの部屋に居るのかと問うと、部屋には
大里夫婦と高校に入学したばかりの政美ちゃんが居るとの
こと。人質は4人で大里家の他に5号室の館野がいるとゴリに
伝えるテキサス。

その頃室内では町田に対して館野は君は何者だとして銃を
手にしている犯人にも一歩も引かなかった。後ろに下がれ
と言われるが貴様のようなチンピラに命令される覚えはない
とし撃ちたければ撃てと語る。しかしそんな緊迫感が走る
中館野は持病の心臓病の痛みで倒れてしまう。

アパートの外からは拡声器で長さんが犯人に向けて投降を
呼びかける。「君は完全に包囲されている。武器を捨てて出て
来なさい」と。

町田は水森に対して館野に水を与えろと指示する。
すると水森は台所に包丁が置いて有ることに気がついて
水を入れる振りして包丁で犯人を突き刺そうとする。
町田はそれに気がついて攻撃を交わすと一気に形勢が逆転し
水森のことをボコボコにする。
ゴリは山村に対して中で誰かが激しく殴られていることを
語る。犯人はカーテンを閉めてしまい中が見られなくなる。
ボスに報告するとゴリは依然として見張りを続けろとし、
犯人からの要求は無いのかと尋ねられる。
そんな中テキサスはゴリが望遠カメラで撮影していた犯人の
写真の現像が終わり持ってくる。現場のみんなに渡してやれ
というボス。そのボスは何処かで見た事が有ると感じる。

現場の山村も写真を見て何処かで見た事が有ると考えて居た。
長さんは拡声器を使って再び犯人に呼びかける。
人質を解放すれば要求を全て飲むと。室内ではせめて苦しん
でいる館野だけでも解放してくれという声が出るが・・

■感想

今回は山さんが主役のエピ。
人質立てこもり事件を扱ったので興味深かったけど、
あの室内でのそれぞれの行動はある意味、言動が伴って
居なかったので、妙な感じがして滑稽だった。

犯人役が下条アトムさんだったというのも驚きだったかな。

まず不自然な感じなのはこの町田は警察官を冒頭で撃っている
のにその後はかなり躊躇していること。山さんは武闘派では
ないけど犯人との格闘の末にのされてしまうというのは
警察官としてはちょっとヤバイ。

昔の老人の心は強かったなって感じで館野が銃を持つ犯人に
向けてチンピラ扱いして怯まず立ち向かうところが良かった
のだけど、その後突然心臓を押さえて倒れてしまう。
まるで怒り噴出で血圧が上がって倒れそうになる名古屋章さん
ばりのシーン。
またチンピラ第二号の水森が童顔な顔してナイフを振り回す
短気な人物像だとされたけど、思った以上に弱過ぎて泣ける。

下条アトム最強説になってしまった今回のエピだ。

山村と言えば落としの山さん。
普段は取調室でその力量が試され結果を出しているが、人質の
居る籠城現場の中では山さんのペースで物事は動くハズも無
い。不確定要素が多すぎるというのがまた問題なんだろうけど
そもそもあれだけ凛としていると悪者を演じている様には
見えない。

長さんは拡声器で外から説得。
取調室でのハウツーっぽい定型文的な説得のセリフが笑えた。
「お前は完全に包囲されている。武器を捨てて出て来なさい」

これで出てくるヤツはまず居ない(笑)

パチンコ”アラジン”に居た中岡を少年に案内される。
少年が知っているくらいだから余程有名なんだろうな。
で、結局呼びに行かせたけど何の役にも立たず・・

ボスや山さんの提案で人質にして逃がせようとする。
復讐する相手を殺さず他の人を殺しても確かに意味は無いと。
もちろん人質を犯人から遠ざける為の行動だったけど、
人質は全く理解もしていない。
水森もここぞとばかりに山さんを裏切り出したけど、あそこ
で暴露することで状況が変わるか?

そもそもボスは最後の手段としてゴリが発砲したら投入する
という手はずだったハズなのにゴリが大門刑事ばりにライフル
で射貫いた後の刑事たちの踏み込んで来ないところがまたなん
とも言えなかった。
犯人が銃を落とした後に幾らでも犯人を止める手立ては有った
のになぁ。
因みに残っていた銃弾は2発。
自分が犯人から奪ったら脚を狙って撃つか、それとも窓めがけ
て外に投げ捨てるな。

最後の山さんのセリフによって最強説は銃を持っていた町田
ではなく、ただ銃を拾っただけの男が最強説にのし上がった。
元々銃を持つことを嫌っていたのってゴリさんだっけ?

■出演者

藤堂俊介 …… 石原裕次郎 (七曲署・一係のボス、係長)
山村精一 …… 露口茂 (山さん)
石塚誠 …… 竜雷太 (ゴリさん)
島公之 …… 小野寺昭 (殿下)
野崎太郎 …… 下川辰平 (長さん)
三上順 …… 勝野洋 (矢追町派出所から異動、テキサス)

町田正二 …… 下条アトム (兄の敵として中岡を追う)
大里浩平 …… 佐竹明夫 (緑荘・8号室、主人)
大里 …… 根岸明美 (妻)
町田勇一 …… (兄、スーパーの守衛)
水森 …… 矢野間啓二 (ソバ屋の出前持ち)
舘野 …… 河村憲一郎 (緑荘・5号室)
大里政美 …… 本木紀子 (高校生)
中岡 …… 石山克己 (緑荘・7号室)
舘野 …… 泉よし子 (妻)
警察官 …… 林寛一 (撃たれる)

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