リドリー退任警部補の事件簿
(Ridley) 2022 , England , 60min
制作 / Juliet Charlesworth(1)(2)、
Jonathan Fisher(3)(4)(5)(6)、Paul Matthew Thompson(3)(4)(5)(6)
製作総指揮 / Jonathan Fisher 、 Ingrid Goodwin 、
Paul Matthew Thompson
(c) Ridley Productions Limited 2022
制作 / ITVスタジオ
第6話 届かぬ声 後編 Swansong
脚本/ Paul Matthew Thompson(1)(2)(3)(4)、
Julia Gilbert(5)(6)
監督 / ブリン・ヒギンズ Bryn Higgins(1)(2)、Noreen Kershaw(3)(4)
Paul Gay(5)(6)
原作 / “SWANSONG” Julia Gilbert
【STORY】
●前回までは・・・Previously
イブという女性と出会ったリドリー。
告別式で歌う為に来たイブ。告別式はジュリアン・バーナム。
ジュリアンは家族以外にも財産を残していたと弁護士サイモンから
聞く。ジュリーも受取人の一人。
イブから弟・ルークが15歳で家を出たとしリドリーは自分が探す
ことを申し出る。
14歳の頃のルークの写真とRAY’S SOUND PALACEの店前で男女複数人
と一緒に撮影した写真を手渡される。30年前の写真。
店主のレイはラジオ局でDJをしていた為に情報を募ると約束。
ジュリーは今朝公園で遺体を発見される。
写真を見てルークの事を知っている車の修理工の元を訪ね話を
聞こうとするが彼はルークとは年が違って彼らのようなグループ
とはつるんでいなかったという。
ラジオ局に匿名で電話がありルークの情報を聞いたとレイから
連絡が入る。失踪した日に解体業者へ向かったとのこと。
解体業者に事情を話すと、昔警察にも話したように失踪後に
一度も来ていないとのこと。
リドリーはイブにルークはもう死んでいる可能性があることを
告げる。そしてそれを隠したい人物が居るのではないかと。
■バーナム家
尋ねたいことがあるとしてキャロルとダレンはリザ・バーナムに
話を聞く。
ここを出た3時間後にジュリーの家に客が来ていてカメラ映像から
してあなたではないのかと。
訪問の目的は?
家を買い戻しに行ったが断られたとリザ。
値段ではなく私には売らないとのこと。
頭に来たでしょ?彼女がここで父親に会ってた時と同じか?
激怒してジェドに言ったのでしょう。
「あの疫病神を父に近づけるな」と。
■ラジオ局
レイを尋ねてラジオ局に行くが彼は10分後に放送が始まると
してリドリーを歓迎していない。
局の運営資金は誰が出しているのか?Alex
補助金や住民の寄付だよ。地域の人の善意で成り立っている。
地域に特化した話題がこのラジオ局の強みだ。
君の番組はどんな内容か? Alex
音楽は欠かせないが主にリスナーの気晴らしの場だ。
問題の提起、イベントの宣伝・・
通話記録がみたいんだ。Alex
9時47分、曲の最中の電話で放送はされてない。
俺が電話を受けた。他に誰もいない。
電話相手に見当はつくか?Alex
2ヶ月前にルークを見たというパブは1年以上前に閉店していた。Alex
俺は単なるメッセンジャーだがとんだ勘違いだ。
■警察署
キャロルとダレンが帰宅するとアレックスが資料を見ていた。
ずっと電話していたというキャロル。
クレイデールの目撃情報を確かめに行ってた。Alex
イブを連れて行った。土地勘もあるしルークの当時の仲間を知って
いるだろ。Alex
しかし全くのガセネタだった。Alex
もう一人嘘をついてたとキャロル。
殺人犯と疑われるのが嫌でリザが嘘をついてた。Carol
なにかわかったのか?
左がジュリーからジェドへの手紙。
右がルークからイブへの手紙。
同じ筆跡だ。
イブへの手紙はジュリーが書いた?
鑑定結果によるがこれだけは言える。
誰かが警察を欺こうとしてる。Alex
偽電話は男からよ。Carol
つまりルークの死を隠したいのはジュリーだけじゃない。
当時のファイルがみたい。Alex
ダレンに頼む。Carol
ジェドは昔からジュリーと付き合ってるからルークのことを知って
るかも。
●ジェドに話を聞きに行く
ルークを知らないか? 1989年に行方不明になった。
彼はそれ以降もずっと姉に手紙を書いてる。Carol
10代の頃のジュリーの友達よ。
まだ知り合ってない。
あなたの彼女だった頃も手紙は届いてた。
その手紙はルークではなくジュリーが書いたものだ。Alex
俺の知る限り彼女は手紙を書いてない。
●資料室
ダレンは資料を調べる。
「お金もちだからあんなお金が払えるの。私の孫はふるさとに
小さな家すら買えないわ。」リスナー
レイは同じ試験の人も多いだろうね。昔はこの町にも何世代も
続く人同士の繋がりがあった。嘆かわしいね。
次のリスナー。
「ルークだ。居場所は知ってるだろ。わかるだろレイ。
自分のしたことをみんなに打ち明けろ。お前が言わないなら俺が
いう」
■刑務所
アレックスはマイケル・フラネリー に呼び出される。
切羽詰まっていたな。
知らせが会った。おふくろから。
ガンでもうすぐ死ぬそうだ。おふくろは俺の味方でどんなときも
支えてくれた。一目会いたい。
君は重罪人だからここを出るのは難しい。Alex
特例があるはず。なんとかとりなしてくれよ。
規則はかえられない。Alex
力を貸したくないんだな。
ほんの30分だけでいい。最後のチャンスなんだ。ちゃんと説明
しないと。あの子はキレて手がつけられなくなる。
このまま何もいなけりゃ家族がバラバラになっちまう。
俺の気持ちがわかったかAlex
・
アレックスに電話が鳴る。
イブからの電話。明日の夜は暇か?
アニーのクラブで歌うのだけどあなたも来ないか?
行くよ。
■警察署
アレックスはキャロルの元へ。
ラジオ局の通話履歴を調べたところ9時47分に電話はなかった。
記録は見る前に書き換えたのでしょう。嘘つきはレイよ。
当時放送・電話がなった通話の録音を聞く。
「ルークだ。居場所は知ってるだろ。自分のしたことをみんな
に打ち明けろ。お前が言わないなら俺が言う。」
番号を追跡したらダンカンだった。Carol
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■感想
ジュリアン・バーナムという大物興行主が亡くなり、告別式が行わ
れる中、イブという歌手がそこで追悼の歌を歌うためにアメリカ
からやってくる。ジュリアンが創設する奨学金で彼女は音大の道に
進み今の成功があるからだった。
彼女には弟のルークが居たものの1989年(14歳)から行方不明になって
おり、彼から毎年誕生日などの記念日には手紙が送られてきていた
が、それも昨年4月から無くなっていた。
イブの歌声に魅了されたアレックスは彼女の事情を知りルーク捜索を
する事になる。
地元のローカルなラジオ局やルークが当時足を運んだとされる
場所を探していく中、ジュリー・コンウェイが殺害されて発見され
る。彼女はジュリアンから別荘を相続することになっており、
その二人の関係を探っていくことになる。
今回のエピソードは前編で提示されたストーリーの解答編ではある
のだけど、失踪したルークの消息の生前の人間関係の流れと共に
新たに発生したジュリー殺害事件についての捜査が加わる事になる。
二つの流れを結びつけるものは明らかにルークの事情が関わって
いて過去の事を知る人物だ。時計が動き始めたと
期待を裏切らないシナリオだったけど少し消化不良な部分もあった。
シナリオの組み立て方が個人的にはもう少し工夫がほしかった。
ジュリアンという人物が生前犯していたこと。
町にある一軒のレコード店に集まる青年・少女たち。
興行主がパーティーをするといえば行き場のないものたちは自然と
集まってくる。
子供の中でも家庭に居場所が無い子を見つけて、子供たちは興行主の
元に案内される。そこで行われている性的搾取はどれだけの人間関係が
関わっているのか。
個人的にはルークが生きていて、誰かとすり替えられたなどの”生きて
いるエンディング”に期待したのだけど、生まれてから死ぬまで
大人の都合に振り回されて短い生涯を閉じてしまったところが悲しい。
彼は大人たちに抗って生きていこうとしたものの結局はその宿命的
世界から抜け出すことはできなかった。
警察に知らせてもその連鎖から抜け出せないという恐怖と絶望。
世の中は金持ちがルールを作り都合の悪い者たちは虫けらのように
してこの世から無いものとして扱われる。
最後にあの遺体が見つかったところがレイブンストゥープだったのか?
ジュリーは遺体があることを知って相続したのだろうか。
逆にバーナム家のものたちは父親のしていたことをどれほど認知して
いたのか気になる。
リザがその別荘を買い取ろうとしていたとしていたところを見ると
彼女はあの場所に遺体があることを知らなかったのだろう。
ただ買い取ろうとする中にはルークが生前か死後か分からないが
あの場所に遊びに行ったり過ごしたりする思い出は少なからず
有ったのか?
■不幸な人たち
今回のシナリオは不幸な連続だった。
イブはジュリアンを知るまでは彼のしてきたことに感謝を示していた。
奨学金によって今の自分を作ってくれるチャンスを与えてくれたこと。
しかし全貌が分かるにつれて徐々に彼女は自分を否定していくのかも
しれない。
彼女がジュリーを殺害した。
しかし不可抗力のようなもので、彼女は殺す意図はなくジュリーを
押した時に後ろに有った割れたビンが頸動脈を切ってしまった。
この場面で通報していたら助かったのだろうか?
アレックスはそんな彼女に自分の残りの人生を共に過ごすパートナー
の可能性を考えた。
イギリスを出たことのないアレックスがフロリダで住む事への迷い・決断。
この年で新天地で暮らすことのリスクは相当高く、また孤立してしま
う可能性もある。
共同経営者のアニーはそれを考慮して「決めるのはあくまでアレックス」
だが賛成はしていなかった。
イブはアレックスをアメリカに連れて行った後に事件が発覚した時の
ことを考えたのだろうか?
■鑑識はあくまで最後の確認
科学捜査班 Crime Scene Investigationが遺体のDNAや時計の製造番号、
電話の通話記録などを調べる。
今ではCSIという言葉も一般的なものになったが、やはり
アメリカのCBSネットワークで放送した【CSI: 科学捜査班】の影響
は大きいだろう。放送したのは2000年の頃(Y2K)である。
CSIの使い所は難しい。
ウェンデイも鑑識とは書かれているがCSIの捜査官。
・殺人と失踪
これとは別に前回にも言及したかもしれないが、警察が動いた流れの
中にはジュリーの死というものがある。
警察は行方不明の失踪者ごとき訴えでは動かない。
特にキャロルたちが担当しているのが殺人課の刑事だということが
あるのかもしれないが、失踪事件の捜査自体はそれ程難しいものでは
なかったのでもう少し協力的になっても良かったのではないかと
いう感じがする。
当時の警察署の警部が失踪届の受理にサインをしていた。
現在の警部であるポールも殺人事件以外のことには協力しようと
せずにアレックスの事を無視するような行動を取ることが多数ある。
そして最後に警部のサインが有って初めて警察署と一連の事件に
ついての内部調査を行うことを約束しした。
■その他
●ジュリーの遺体を見つけた人
公園で犬連れの老人が遺体を発見する。
イギリスのドラマで多いのかどうかわからないが
「ウェールズ連続少女殺人事件~30年目の真実」の中でも犬を連れて
散歩している老人が第一発見者だった。
●一度は前に進もうとしたアレックス
アレックスが今回イブに誘われてアメリカ行きを考えたことは上にも
書いた。その際には彼は自宅に戻って亡き妻の幻影と会話する姿が
有り、未来に向けて時を進めようとする。しかし結果としてイブが
逮捕されたことで御破算になってしまう。
●居場所
クレイデールの解体業で一度ルークが訪れて暫くお世話になっていた
ことがある。そこの経営者のトニーはルークの人間性を語っていた。
ルークは悪いやつに思われたが、実際には殺害されるに至るシーンに
於いても彼は自分を貫いた人物だった。こういう話は出来れば
イブに直接伝わってほしかったけどね。
●答え
・手紙を書いていた人・・ジュリー。
・ラジオ局への匿名通報者・・・ダンカン
・レイを脅迫したもの・・・ダンカン
・ルークを殺害したもの・・ジュリアン
・ジュリー殺害・・・イブ
●それ以外のこと
・マイケルのこと
刑務所内に収監されているマイケル・フラネリーの母親がガンで
余命幾ばくもないこと。アレックスに釈放を求める。
「一目会いたい」。
このドラマではあらゆる人がそれを訴えているのではないか?
アレックスもそうだし、今回のイブのルークの気持ちもそうだった
のではないか?
・探し物
前回のエピソードの中でアレックスはJohn Coltraneの”Impressions”
の名盤を探していると書いたけど、今回実はレイの家に強引に立ち入
り証拠を探している際にこの名盤が有ってアレックスが思わず
ウロウロしている姿が見られる。
■使用された曲
・What’ll I Do? by Joanna Riding、Adrian Dunbar
・My Funny Valentine by Adrian Dunbar
■出演者
アレックス・リドリー (Adrian Dunbar) 元警部補(DI)、退職
DI キャロル・ファーマン (Bronagh Waugh) アレッマスの後輩、ボス
DCI ポール・グッドウィン (Terence Maynard) 主任警部
Dr.ウェンディ・ニューストーン (Georgie Glen) 鑑識
DC ダレン・ラカン (George Bukhari) 捜査官・髭面
アニー・マーリング (Julie Graham) マーリングズジャズクラブ
マイケル・フラネリー (Aidan McArdle) ブラッドフィールド刑務所・囚人
ジェリ・ファーマン (Bhavna Limbachia) アレックスのパートナー??
ジャック・ファーマン (Tareq Al-Jeddal) キャロルの息子、学生・14歳
ケイト・リドリー (Jacquetta May) アレックスの妻、焼死
エラ・リドリー (Kitty Watson) アレックスの娘、19歳の時に焼死
レイ・トレヴィス (George Costigan) レイズ レコード&CD
ジェド・バーナム (Bryan Dick) リザの弟、薬物中毒の過去
リザ・バーナム (Lucy Robinson) ジェドの姉
イブ・マーベリー (Joanna Riding) シンガー、失踪した弟探しを依頼
ダンカン・ダーウィン (Jack Deam) 自動車整備工。最後にルーク目撃
ジュリー・コンウェイ (Hopi Grace) 46歳ジュリアンの遺産(別荘)を引き継ぐ
サイモン・クランフィールド (Gary Pillai) バーナム家の顧問弁護士
ドナ・コンウェイ (Tupele Dorgu) ジュリーの姉。カフェを経営
セブ・マーシュブルック (Gareth George) 地球科学者
トニー・アルダーフォード (Ian Talbot) スクラップ工場
(Christine Walsh) イブが泊まるホテルの受付係
ジュリアン・バーナム 有名な興行主、告別式
ルーク・マーベリー () 14歳の頃
House Band
(Steve Holness)(Sophie Alloway)(Rory Dempsey)(Graeme Belvins)