健康で文化的な最低限度の生活
(2018年7月期・フジTV・火曜21時枠)
原作 – 柏木ハルコ『健康で文化的な最低限度の生活』
脚本 – 矢島弘一、岸本鮎佳
音楽 – fox capture plan
主題歌 – AAA「Tomorrow」
オープニング曲 – 安田レイ
演出 – 本橋圭太、小野浩司
プロデュース – 米田孝、遠田孝一、本郷達也、木曽貴美子
第9話 娘より金!? 育児放棄の身勝手母と対決!
【ストーリー】
阿久沢は娘の麻里が務めていたキャバクラで倒れたのを知る。
“花沢総合医療病院”周産期医療センター医師の大園綾からは
娘さんは妊娠しているとし16週目である事を告げる。腹痛と
出血、母子手帳が無いので健康診察はしていないのであろう
こと。22週以降の出産を目指しましょうと言われる。
娘の入院のことを円に手伝ってもらう。
相手が誰か分かって居るのか?1年も暮らしているのにまだ
知らないのかとされる。子供の父に連絡するものなのに真っ
先に阿久沢に電話してきたのは訳ありでも有る。
そんな円は服を整理している際にこれが目に入ったとして
阿久沢に渡す。催告状や借用書の山。
一方深夜に丸山家で小火騒ぎが起きる。
半田とえみるが丸山家を尋ねることになる。ハルカを見つけ
ると怪我はなかったかと無事を確認。室内に入ると突然見慣
れない女性が居る事に気がつく。話を聞くとなんと4年間
居なくなっていたハルカの母の丸山梓だと判明。この子の
母だと。6年前に離婚し彼女が引き取ったが3年前に男と
居なくなっていたのである。
小火のことを聞くとコンビニに行っている間に母がコンロの
火をつけてしまったようだと。
梓は突然半田とえみるに対して私も生活保護を受け取れますよ
ね?と語る。一緒に住んでいる実体が必要だとすると先週に
引っ越して来て大家からも許可をもらっているという。
まずは申請をしてもらい精査するという。育児と介護で生活
保護が必要と書類に記入する。
半田は帰宅する際に子供を愛せない親がいないと願っている
が4年前に失踪している事実が有ること。子供家庭支援課と
連携してこの件は見守ろうということになる。
■感想
前回が石橋の過去、そして今回は半田がケースワーカーに
なった際の失敗談のエピソードを重ねて描いたものだった。
子供のことを無条件に愛する親という神話は日本だけでも
年間12万件を超えている虐待件数を考えると現実的な立場に
いる彼らにとっては信じたい心とは別に疑心暗鬼になるのが
普通ではないのか。そういう意味ではまだ新人のえみるに
とっては信じたい心が強くて説得すれば親は子供を愛すると
でも思っているに違いない。
そこで働いているベテラン組は信じないケースの方が
圧倒的に多く目にしていそうだが。
小狡さが有って色々と工作しているので支給を決定する初回
は騙せたとしても二回目以降の支給時に於いては確実に査察
が入って騙せるものではないと思う。
冷蔵庫一つ開ければ食材が何も無いことが分かるだろうしね。
依存症繋がりで阿久沢家の親子問題を繋げていくかと
思ったが意外にもドラマでは丸山家の家庭の事情の流れを
阿久沢家の問題とぶつけて描いてきた。
子供の面倒ではなく親へのサポートが大事だという現実。
「子供の貧困は親の原因だ」というのはよく考えると当然の
ことで、子供が働ける訳では無いのだから収入は親に頼るしか
ない。
「笑顔」と「言葉」で騙されてしまう職員たち。
現実を分かって居ないで笑顔と言葉で巧みに話を進める
えみるなんかは罪深きところはあるけど、もう少し色んなことが
進行する前にケースワーカーが異変に気がついて欲しい所がある。
色んなサポートがあることが提示されたが、寧ろ役場で
話を聞かない限りはそういうサポートがあるということを
知らないで生きて居る人も多そうだ。
まるでヤクザ状態で金を寄越せとやってくるカップル。
久しぶりにあの可愛い声をしている松本まりかさんが
こういう怖い役をするとは思わなかった。
■出演者
東京都東区役所生活課
義経えみる …… 吉岡里帆 (22歳、新人ケースワーカー)
半田明伸 …… 井浦新 (45歳、先輩ケースワーカー)
栗橋千奈 …… 川栄李奈 (22歳、福祉専門職のケースワーカー)
七条竜一 …… 山田裕貴 (22歳、一般職のケースワーカー母子家庭)
後藤大門 …… 小園凌央 (22歳、一般職のケースワーカー)
桃浜都 …… 水上京香 (22歳、一般職のケースワーカー)
石橋五郎 …… 内場勝則 (50歳、先輩ケースワーカー)
京極大輝 …… 田中圭 (35歳、生活課係長)
南英里佳 …… 安座間美優 (一般職のケースワーカー)
向井里香 …… 谷まりあ (一般職のケースワーカー)
山岸彩 …… 鈴木アメリ (面接相談員)
青柳円 …… 徳永えり (35歳、定食屋”アオヤギ”店主)
阿久沢正男 …… 遠藤憲一 (53歳、元印刷業、生活保護受給者)
幼少期のえみる …… 古山椛葉 (両親と映画館へ)
あじの純、尾形美香、駒水健、重田裕友樹、藤沢大輔
石田夕理、小川ガオ、佐伯晃、城美うら、真木恵未
岩崎香織、小池まり、佐藤達也、瀬戸葉介、水城ゆう
野田貴之
丸山ハルカ …… 永岡心花 (祖母に育てられる)
片岡麻里 …… 阿部純子 (阿久沢の娘・24歳、マリンちゃん)
丸山梓 …… 松本まりか (丸山ハルカの母)
宮川洋介 …… 渋谷謙人 (梓の彼氏)
大園綾 …… 阿南敦子 (“花沢総合医療病院”周産期医療センター医師)
警備員 …… 藏内秀樹 (東区役所の警備員)
野中寛子 …… 柿弘美 (ケアマネージャー)
金子敏邦 …… 佐藤滋 (東区子ども家庭支援課)
丸山幸子 …… 小野和子 (46歳、認知症の疑い)
海老原 …… 西野優希 (コンビニ)
ミナ …… 糸原美波 (半田が担当した20代の子、虐待)
眞野沙耶花、田中こなつ、辻しのぶ、彩木りさ子
黒川心