[終] 絶対零度~未然犯罪潜入捜査~ 第10話 復讐者に憐れみを

絶対零度~未然犯罪潜入捜査~
(2018年7月期・フジTV・月曜21時枠)

脚本/浜田秀哉、小山正太、井上聖司
音楽/横山克
企画/稲葉直人
プロデュース/永井麗子
演出/佐藤祐一、城宝秀則、光野道夫
主題歌/家入レオ 「もし君を許せたら」

http://www.fujitv.co.jp/zettaireido/index.html

第10話 復讐者に憐れみを

【ストーリー】

山内は捕まり拷問されていた所、桜木が助けに来る。
井沢がそこに現れるとあなたは亡くなったことになっている
として桜木のことを不審に感じる。すると桜木は意外なことを
口にする。
「井沢さん、あなたはミハンに組み込まれた人間だ」と。
パトカーのサイレンの音で桜木は立ち去る。

井沢は桜木が生きて居たことを語る。彼女はコッチを警戒して
いたしミハンのことも知って居た。警視庁内でもバレつつ
あるがそれは関係者だけだと。そもそも彼女の失踪はミハンが
始まる前の事なのに・・元特捜班室長の長嶋が桜木に頼まれて
動いていたのかも知れない。東堂ならば何か知って居るので
はないか?

そんな東堂がやってくると今回の捜査に当たってもらいたいの
は桜木泉(1984年7月12日生)。彼女はベトナムから日本に偽造
パスを使い入国、違法に銃を入手した。彼女が誰かを殺す。
それを否定する職員たちだが、井沢は誰かを激しく憎んでいる
感じがしたことを語る。ベトナムでの事件が彼女を変えたの
か?と山内。1年も失踪していたのだから余程のことが有った
筈。本人から聞きだそうと。

・ベトナム・ホーチミン市
グエン・チー・リンという女性に声を掛ける。あなたが桜木
警部補の事件を担当されていた方でしょ?と問いかける井沢と
山内。グエンはもう刑事を辞めたので知らないことを語る。
死の偽装の件について、その辺のからくりを聞こうとする。

■感想

いよいよシーズン3の最終話。
桜木が出ることでこのドラマの根幹にあるテーマ自体は一貫
したものが有ったのだけど、アレンジの仕方がいまいち
面白く感じなかった。
個人的には何度か書いたがシーズン1をもっともっと突き詰め
て描いて欲しかった。

最初はコールドケースを扱うシーズン1、そして表面化しない
事件を潜入の形で捜査するシーズン2、そして殺人を犯すで
あろう人物を未然に防ぐシーズン3。
少しずつそれぞれに足りないと感じる要素を修正していき
何処かで繋がりを見出していくシリーズ的コンセプト。

所詮はコンピュータ/AIが割り出したものなので、それを補完
する意味で人間の介入が必要だった。
コンピュータ/AIが人間を越える2045年問題が有ったとしても、
主導権を握るのはあくまで人間で有って欲しい。
人の心を知るのはコンピュータではなかなか出来ず、過去に
犯した犯罪からその確率・傾向でしか判断していない為に
起きたミスである。

今回の件で少し強引に感じたのはベトナムでの件を絡ませて
描いてしまった事だ。CASE-0のエピソードが有ったそうだが
これを桜木たちが行っていたとなると国際的な犯罪を扱って
いたことになる。
そして一連の事件には相当な死人が出ているけれど、そういう
人物にはミハンシステムは作動しなかったようで・・
テストケースだから仕方が無いとするのも良いけど、出来れば
こういうケースはもっと補助的な役割をもって導入するべき
ものだと思う。さもなければCASE-0を含めたミハンシステム
は成功し暫く成功例を出した後に失敗例を出す。そこで
“現役の”捜査官たちを葛藤させるという構図を取るべきだ。

そもそもの誘拐ビジネスの件ではぐだぐだ。
そしてそれに関わっていたであろう旭証券もぐだぐだ。
警察長次官が一人で動かせる筈もなく、もっと組織的なもの
が働いている筈なのに・・警察長やその他政治の流れも
ぐだぐだだ。

ただドラマの本質はミハンシステムという実用化に近い
構築されたシステムを一度の冤罪によって無効にしてしまう
のかどうかというのがテーマとして残る。このドラマの中で
は限りなく有効に活躍された例が多かった訳だし、最後に
井沢が留まることが出来たのもまたミハンを通した流れが
あることも忘れてはならない。
ここで歩みを止めるのが近年の悪い日本の傾向だと思う。
失敗から学ぶには大きな代償を払ってしまっているが、それと
共に成功例も提示されている。
恐ろしいのはCASE-0で扱った案件があまりに大きすぎたこと
だと思う。

そして人は自殺するにも他殺するにも最悪の崖っぷちの状況
にいる際にはそれを止めてくれる周りの仲間の存在が欠かせ
ない。それ故にある程度はオープンにすべきシステムであり
そしてチームプレーでのやりとりは必須という気がする。
結局このエピソードでは自分の利益/復讐心を正義と捉えた
人たちだけは自分勝手な行動を起こしていた。

久しぶりにフォンチーさんを見た。
ベトナム人が日本に滞在する人口も増えてきたので今後は
もっと活用して欲しい。

・備考

S1「未解決事件特命捜査」(2010年4月期)
https://itawind.web.fc2.com/2010/zettaireido.htm
S2「特殊犯罪潜入捜査」(2011年7月期)と続いた
https://itawind.web.fc2.com/2011/zettaireido2.htm

絶対零度シリーズの第三弾「未然犯罪潜入捜査」。

■出演者

井沢範人 …… 沢村一樹 (50歳、元公安・リーダー)
山内徹 …… 横山裕 (元特殊捜査班)
小田切唯 …… 本田翼 (元生活安全課)
田村薫 …… 平田満 (各部署たらい回し)
東堂定春 …… 伊藤淳史 (キャリア・総責任者)
南彦太郎 …… 柄本時生 (資料課の内勤、情報解析)
早川誠二 …… マギー (捜査一課)
板倉麻衣 …… 田中道子 (捜査一課)

町田博隆 …… 中村育二 (警察庁次長)
桜木泉 …… 上戸彩 (警視庁特殊犯罪捜査班)
長嶋秀夫 …… 北大路欣也 (警視庁特殊犯罪捜査班)
宇佐美洋介 …… 奥野瑛太 (井沢の妻子殺害)
赤川武志 …… 須田邦裕 (井沢の妻の元パートナー)

谷口正博 …… 斉藤佑介 (32歳、旭証券社員、前科2犯)
谷口弘文 …… 大内田悠平 (正博の弟、両親を幼い頃失う)
相馬和久 …… 辻つとむ (55歳、旭証券)
相馬由紀子 …… 桜井ユキ (和久の娘、バラ園、正博の婚約者)
グエン・チー・リン …… フォンチー (ベトナム警察)
法務大臣 …… 池浪玄八
松永義正 …… (40歳、元特殊工作員、殺し屋)

児玉頼信、羽田真

横山一敏、佐藤賢一、村岡弘之、和田三四郎、若林秀敏
藤村さおり(アナ)、今井靖彦、岡元次郎、中野高志
佐藤誠、斉藤明日美

PHAN DINH TUAN、FAISAL A、田中夏海、山下徳久、平井夏貴
好野雅彦、小平一誠、下里秀永、志賀宏郎、林田直樹
鈴木祥三郎

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