黄昏流星群 – 人生折り返し、恋をした –
(2018年10月期・フジTV・木曜22時枠)
原作:弘兼憲史『黄昏流星群』
脚本 : 浅野妙子
主題歌 – 平井堅 「half on me」(アリオラジャパン)[7]
音楽 – 得田真裕
プロデューサー : 高田雄貴 (フジテレビ)
演出 : 平野眞、林徹、森脇智延
https://www.fujitv.co.jp/tasogare/
第3話 決壊
【ストーリー】
完治は本社への栄転を期待していたが、逆に出向になり
銀行員支店長の座から川崎の荻野倉庫で働くことになる。
携帯電話を忘れたことを知った妻の真璃子は新宿支店に
届けに行くがそこで初めて薫から今月から川崎に物流倉庫
に出向になったことを知る。更に真璃子が知らなかったこと
に薫が微笑んだ為に屈辱感を味わうことになる。
完治は帰宅すると真璃子からどうして黙って居たのかと問い
詰められる。携帯を届けに行って薫という人から聞いたこと。
その人は私の事を可哀想だという目で見ていたとし優越感を
持っていたという。完治のことは自分の方が知って居ると
いうこと。完治は黙って居たのは悪かったとし、内示を受けた
後にどうしたら良いのか分からず心の整理が出来たら話す
つもりだったと語る。彼女とは何でも無いというが、スイス
に出張にいくと言って嘘をついたり、出向も黙って居たのに
信じられると思うのかと語る。本当に何でも無いというが、
例えそうでも嘘をついていた事実は消えないことを語る。
ずっとガマンしていたこと。仕事で約束をすっぽかされても
子育てに協力してくれなくてもあなたは仕事は命だと思った
から。ただその仕事で起きた事を何で黙って居たのか?真っ先に
言ってくれなければ・・・私ってそんなに頼りないのか?
私はあなたの妻でいる意味って何か?と。
美咲が帰宅すると出向したことを話す。
すると私が結婚するまでは銀行マンでいて欲しかったという
娘。彼は気にしないが彼の母親や親戚は気にする人たちだ
という。結婚は当人同士というだろうとする中、完治はいつの
間に結婚する事になっているんだ?と尋ねる。俺はその彼氏と
逢ってもいないのだという。この前会いに来てくれたのにす
っぽかしたのは父さんが仕事だったからでしょと。真璃子は
その場を収める為に父さんだって頑張っているのだという。
しかし娘は約束を破られるのは1、2度ではないこと。すぐに
そういう噂は近所にも広まると気にしていた。
■感想
大抵破滅に向かうドラマだけど、結局最後は落ち着くところ
に落ち着いていきそうな感じ。
人それぞれ背負うものが違う。
何かを背負うということに対して責任を持つ側が決して
優位性を持つというものではないが、それに対して不満を
言うのは良いとしても、その人自身を否定するというのも
また違う気がする。それならその都度不満を述べるべき
で、時が過ぎる程にそういう不満は大きく膨らんで
しまい悪者が全て夫ということになる。
人は一人では生きていけない。だからこそ何らかの形での
繋がりを通して関係を保っている。
それが例え幸せでなくとも、関わりがあり少しでも自分に
利益をもたらしているのであればそれはそれで感謝すべき
ものだと思う。
自分には選択肢はないと思っていた違う生き方がある。
全てを捨ててまでもそれにすがる程に人生に疲れてしまって
いるのか。
一時の感情なのか。それとも残りの人生30年を共にしたい
と本気で考えて居るのか。
その人となりに背負うものが多い程にその荷を降ろした時の
爽快感というものは有るのだろう。人間はそもそも自由であり
勝手に手足を縛ってしまうのもまた人間である。
それは人間的・社会的なしがらみ。
しかしそういうのは何処にでもある。
完治の場合、銀行での出世争い、そして出向先での人間関係
に、そのしがらみが存在しており、家庭の中でも妻や娘から
批難されて行き場を失ってしまっている。
元々行き場の無かった真璃子にとってはかなり年下の春輝と
の間に何か芽生えていきそうな感じだ。春輝にとって官僚的
家系をひけらかしている母親にはウンザリしているのか?
真璃子のように何も無いようで自分の求めている女性像を
全て持ち合わせていた彼女に惹かれたのだろうか?
「変わりの利かないことをやってきたんだ。」
今までに無い言葉に喜びを覚えているが
一歩外から見るとしがらみなんてバカなものだったと気がつく
時が来る。学生時代にいじめに有った人たちは、その時は
自分の世界はそこにあるのが全てだと感じる。しかし社会に
出れば意外とちっぽけなものだと気がつく。
しかしまた別の形で人にはしがらみが待っている。
娘には何か秘密が有りそうだ。
■出演者
瀧沢完治 …… 佐々木蔵之介 (若葉銀行・新宿支店長から荻野倉庫へ)
瀧沢真璃子 …… 中山美穂 (専業主婦)
日野春輝 …… 藤井流 (弁護士)
瀧沢美咲 …… 石川恋 (娘、男性を紹介したいと・・)
川本保 …… 礼二 (荻野倉庫・課長)
日野冴 …… 麻生祐未 (春輝の母)
水原聡美 …… 八木亜希子 (翻訳家、真璃子の親友)
徳田和夫 …… 小野武彦 (居酒屋”一番星”の大将)
目黒栞 …… 黒木瞳 (荻野倉庫・社員食堂調理師)
横尾博 …… 増田英彦 (若葉銀行・二度目の宿根・幡田薬品)
大野剣 …… ヒャダイン (IT企業”HICOA”の社長)
篠田薫 …… 本仮屋ユイカ (支店長秘書)
小俣房江 …… 山口美也子 (荻野倉庫・社員食堂調理師)
木内祐輔 …… 笠松将 (荻野倉庫)
奥山敦子 …… 三浦真椰 (荻野倉庫)
目黒悦子 …… 岩本多代 (介護老人ホーム”こはるの里”)
井上英樹 …… 平山祐介 (若葉銀行・八王子支店)
金田真之 …… 伊藤正之 (若葉銀行・本店常務)
秦幸太郎 …… 大谷亮介 (若葉銀行本店頭取)
上田明 …… 渋谷謙人 (若葉銀行・新宿支店)
光代 …… 南風佳子 (瀧沢家隣人、電車で乗り合わせる)
北ひとみ、中谷早希、高宮まり、堤坂笑加
飯伏将人