[終] 特捜9 シーズン2 第11話 正義の罠

特捜9 シーズン2
(2019年4月期・テレ朝・水曜21時枠)

第11話 正義の罠
(aka.正義の罠!旅立ち…さらば班長!! 最終回スペシャル)

【ストーリー】

宗方と神田川は語り合う。改めて見ると不思議な場所だ
という。歩いて10分程の範囲に法治国家の全てが集まって
いる。国会議事堂、法務省、検察庁、弁護士会、最高裁判
所、警視庁etc…。

神田川はそれを効いて偉く達観的なものいいだと語る。
君はまだ現役・・一億の規範となる正義を担うものだと。
特捜班はどうか?と問われると宗方は、そろそろ親離れ、
子離れする時期だと語る。

直樹は足代新市(63歳)のことを考えて居た。
六本木爆破テロ犯として扱われて、結果射殺された格好
だったが、彼は無罪を主張していた。直樹は冤罪なら必ず
犯人を見つけることを約束していた。

そんな中宗方がオフィスにやってくると事件だと語る。

・現場へ
被害者は小林則夫(50歳)、弁護士。死亡推定時刻は午後
6時から8時だという。遺体は殆ど無傷だとされるが、青柳
は人差し指の指の状態以外はねと語る。床に血文字でJP
と書かれていた。ダイイングメッセージなのか。
そもそもこの部屋は入居者募集の賃貸物件であり、遺体
が発見された時には鍵がかかっていたという志保。
被害者のスマホに何か有るかも知れない。朗はロック解除
して起きますと告げる。

・検死官室
真澄によると毒物性の検出はなく、心不全とし今の所
言いようが無いという。持病もなく指先の傷は本人の指型
と一致したという。

・鑑識
朗はスマホには同じ人の写真が大量に入っていたという。
この男がJPなのか。青柳はこれは東京地方裁判所ではないか
という。

早速現場に行ってみると確かに撮影場所は東京地方裁判所内
だった。傍聴マニアによるものなのか。浅間という男に
聞くと東京地方裁判官の櫻井潤(50歳)だということを聞く。

■感想

なかなか難しい正義感のぶつかり合い。
ただ日本の司法制度は既に起訴・送検された時点で99.5%
が有罪だということで、議論する余地もなく、それが本当
に正しいのかどうか分からない。
普通はどの国でも有罪になるまでは推定無罪である為に、
裁判の様子を放送したりもするのだけど、日本は容疑者だ
という先入観を先に擦り込まれてしまうのでなかなか取り
返しが付かない。
そうなってしまうとその人にかかる社会的制裁は度を超え
て現れる。それが勘違いだとしても恐らくそれが止むのは
難しい。

この検事が最後に語っていた。
犯罪者に制裁を求めているのは市民であり、そしてまた
日本の市民の安心はそういった形の罰を与えられる所に
あること。人は犯罪そのものに興味がないのでスケープ
ゴートにされた人でも、市民達は罰した事実が有れば
安心してしまう。

ドラマを見るとこのシーズンは明らかに新藤亮と佐久間朗
の成長に有り、新藤亮に至ってはシーズン通して前半と
後半ではまるで別キャラのようになってしまっている感も
ある。朗くんも全く目立たなかったけど残り数話の段階
になってワンポイントだけでなく多くのところで登場
することになった。そして何よりもこのシーズンで変わった
事と言えば、直樹の階級があがったことだった。
新藤亮の前半部はとにかくウザったらしく先走り・先走り
の事で暴走しまくりだった。途中でグレた後に突然覚醒。

さて事件を解決したのはチームだが、最終的にネゴシエート
したのはその新藤だったという点で興味深いところ。
これまでならば恐らく直樹などが解決の為の体の良い台詞
を延べていたが、今回の彼は犯人の説得ではなく、もっと
上層部の検事との正義感・倫理について語り合った。

しかし警察と検察官、弁護士は全く無関係ではない。
ただ司法の独立性や警察との癒着や偏向的な扱いだけは
してはいけないこと。令状を出すのが検察だからと言って
臆するようでは検察官は無敵の存在だ。

ダイイングメッセージは犯人が与えた最後のチャンスで
有ったこと。J=Judge(裁判官)、P=Prosecutor(検察官)、
B=Bengoshi(弁護士)。司法研修所で使われる法曹三者の
隠語だとしていたけど、Bengoshiだけ日本語というのが
どうも違和感しかない。

警察としても検察にしてもそれぞれの立場がありそれぞれ
の正義が違う。ただ真実を求めるという共通性はあると
思うんだよね。

難しいのは足代の事件もあるし、今回の村野圭右の冤罪の
件では犯人さえ見つかって居ない状況でどう短い時間で
解決するのかと思っていたが、足代の件では宗方最後の
仕事になったし、村野圭右の件は今後の課題になるのか。

しかしおみくじが皮肉にも面白い使われ方をした。
村野真法が引いたおみくじが結果的に彼を動かす原動力と
なったこと。父親のアリバイを証明する形になるおみくじ
の存在。しかし村野真法はやたらと賃貸物件に詳しかった
ので不動産業者かと思った。

■出演者

警視庁捜査一課特別捜査班

浅輪直樹 …… 井ノ原快彦 (特捜9・主任、元渋谷中央署刑事課主任)
小宮山志保 …… 羽田美智子 (特捜9、元二子玉川署生活安全課係長)
青柳靖 …… 吹越満 (特捜9、元警視庁資材課)
矢沢英明 …… 田口浩正 (特捜9、杉並南署総務課主任)
村瀬健吾 …… 津田寛治 (特捜9、元東中野署刑事課係長)
早瀬川真澄 …… 原沙知絵 (監察医)
新藤亮 …… 山田裕貴 (特捜9、元新宿中央署)
宗方朔太郎 …… 寺尾聰 (特捜9・班長、元警視庁人事課)
浅輪倫子 …… 中越典子 (パティシエ、直樹の彼女)
神田川宗次朗 …… 里見浩太朗 (警視総監)
佐久間朗 …… 宮近海斗 (鑑識)
広岡巧 …… 新貝文規 (監察医)
監察医 …… 鳥塚千恵 (監察医)

三原達朗 …… 飯田基祐 (刑事部長)
桜庭琴美 …… 庄野凛 (孫)
足代新市 …… 石倉三郎（六本木(セントラルスカイタワー)爆破テロ容疑者）

櫻井潤 …… 嶋田久作 (50歳、東京地方裁判官・刑事部総括判事)
村野真法 …… 笠原秀幸 (圭右の息子)
小林則夫 …… 坂本直季 (50歳、小林則夫綜合弁護士事務所 弁護士)
松井浩史 …… 古河耕史 (38歳、弁護士・元検事)
村野圭右 …… ノモガクジ (町工場経営者、練馬区青酸ガス殺害事件・死刑囚)
工藤武 …… 被害者 (23歳)
鮫島敏夫 …… 被害者 ()
吉岡総一 …… 被害者 (57歳)
村野明日香 …… 母・病気で入院
深野智章 …… 世古陽丸 (地方裁判所・所長)
有元卓 …… 那波隆史 ((有)舞連不動産)
浅間 …… 佐藤まんごろう (傍聴マニア)
鈴木次朗 ……
車椅子被害者 …… 平松実季
東京地裁の職員 …… 今村祥佳
喫茶店店員 …… 山田奈保

新虎幸明、元井須美子、渡邉治郎