相棒18
(2019年10月期・テレ朝・水曜21時枠)
監督:橋下一(1、2)(5)(6)、権野元(3)(4)
脚本:輿水泰弘(1、2)、神森万里江(3)、児玉頼子(4)(5)
橋下一(6)
エグゼクティブプロデューサー – 桑田潔
チーフプロデューサー – 佐藤凉一
プロデューサー – 高野渉、西平敦郎、土田真通
編集 – 只野信也
音楽 – 池頼広
https://www.tv-asahi.co.jp/aibou18/
第6話 右京の目
【ストーリー】
◆藤山町ハイツ
花畑管理サービス・社員の女性・江波和江は206号室の前
で聞き耳を立てる。そんな中そのマンションには右京と
冠城がやってくる。右京と江波は彼女が家政婦をしていた
時からの知り合いで、”とある誘拐事件”で右京は江波に
助けられ、そして彼女の方も右京を頼りにしていた。
江波は今回右京を呼び出したのは、空き部屋のハズの206
号室の中から物音が聞こえるということ。過去にもホーム
レスが亡くなっていたことがあるので怖いという。
藤山町ハイツの管理業務をしている事も有りマスターキー
を持っていた彼女から鍵を借りて室内を調べる。
何も無いように見えたが唯一、机の上には高級メロンと
書かれた箱が置かれていた。江波は思わずそれを開ける
為に触れるとカチッとした音が聞こえる。すぐに右京は
江波の行動を止めると変わって箱の蓋を開ける。すると
中から催涙スプレーが噴射し顔に吹きかけられてしまう。
目が見えなくなったという右京。
そこに白川友里が飛び込んできて和江の事を心配して声を
かける。彼女は品田区役所でケースワーカーをしている
白川友里ちゃんだという。右京は救急車を呼んだというが
和江は近くに総合病院があるのでそこに行った方が早い
ことを語る。
右京は白川に同行を求め、そして冠城には和江と共に聞き
込みをしてきれと頼む。
◆病院
右京は病院で応急措置をしてもらう。角膜障害で一週間程度
は視力低下と目の痛みが続くという。そんな右京に対して
近くに座っていた片倉莉奈が右京に声を掛けてくる。
「おじさんも目が見えないのか」私も手術でもうすぐ見える
かも知れないという。
◆藤山町ハイツ
206号室で侵入事件が有ったとしてその下の階に住んでいる
中村に話を聞く。彼は5年前に脳梗塞を患い友里が担当して
いるとのこと。
右京と冠城は合流すると分かったことを右京に報告する。
現場の部屋のベランダの鍵が開いていたこと。侵入、逃走が
出来る。不法侵入者を狙ったイタズラなのかという冠城。
しかしそれにしても手が込んでいるというのは右京だった。
誰かを狙って部屋に呼び寄せて箱を開けさせて視力を奪って
襲う計画だったのかも知れないと。
住民の中で怪しい感じなのは408号室・野川猛という人物。
彼はオンライントレーダーだとしていたが室内にモニター
が沢山有り、室内を真っ暗にしていたのだという。
■感想
私はこのシーズンの「ドクターX」は見ていないのだけど、
メロンと言えばこのドラマを想像するのでそれを皮肉る
ような冒頭の演出(笑)
今回は組織的犯罪を扱ったもの。
以前こういうホームレスの救済・再生と称して生活保護
を受けさせては、それを奪い取るという事をヤクザがやって
いて社会問題として取り上げられたことがある。最近は
ヤクザというよりも普通の人がこういう犯罪に荷担して
しまうところが殆どなんだろうな。
冒頭で右京の目が一時的に見えなくなるという緊急事態。
相棒は常々頭が切れる右京側の活躍が目立ってしまうので
五感の一つ・視覚を奪い、冠城に活躍を譲った格好なの
だろうけど、それでも右京の活躍は留まるところを知らない。
右京は今回の件を通して視覚障碍者の難しさを唱えていた
が、逆に日本のバリアフリー化が進んでいることを示した
ところも有りそうだ。
私は山崎一さんのイメージからあんまりエグイ犯罪には
手を染めるような人って印象が無いのだけど今回は結構
色々と暴れて最後の最後まで犯罪を否定し、それを右京たち
が論理的にねじ伏せるというシーンに繋げた。そして
更には暗闇の中での犯人との緊迫感のあるラストシーンに
繋げる。
右京は咄嗟に病院で白杖の女の子からもらったり教わった
方法でこのピンチを乗り切る。ビーズで転ばせるとは思わ
ないけどビーズが物音として利用し、犯人の居場所を特定
した。今回はそういう意味では「足音」というのは一つの
ポイントだった。
暗闇の中で敵と対峙するシーン。
「シティハンター」で威嚇射撃の一瞬の閃光で居場所を
特定したシーンを思い出すな。あのシーン好きなんだよね。
ただそう簡単に色々と身につけられるものでもあるまい。
右京さんは何でも一瞬で身につけてしまう。
イチ不動産管理業者にしても突然ガス噴射機を作ったり、
また色々と薬剤の調達から仕掛けまで作ったりして、
もっと大きな組織が絡んでいるのかと思った。
そして役割を強調しているのであれば殺し屋だけは、また
別の人が取り扱っているのかとも思った。
記録は嘘を付かないね。
最近はこの記録の流れを追うのが難しいのだけど、今回は
役場も通しているし「共通するもの」を探ることで見つか
った。まるで「クリミナル・マインド」に於ける連続殺人犯
を追いかけているかのようだ。
そして「相棒」という名に引っかけて右京の相棒に新しく
音声認識ソフトが加わった。「キャッスル」の最終シーズン
とか確かリックがこれを使って色々と行っていた。
将来はより精度があがってこういう装置が人々の役に立つ
時が有るのだろう。
最後にサプライズ的に役場のケースワーカーも荷担している
ことが判明。
当然ながら生活保護の人を見つけてこなければ話にならない
し、それを通過させる人が必要。ただこの人は都合良く自分
の欲を他人を助けていると正当化して心のバランスを保って
いたのかな。冷静に考えれば悪い事だが、ホームレスと
日本に有る数百万戸の空き部屋の問題を考えるとそれらと
ホームレスを上手く救済に使えたりしないのだろうか?
因みに江波さんが家政婦時代に事件に於ける重要な役割を
果たしたというシーンはS7E11のことだ。
別サイトに飛びます
https://itawind.web.fc2.com/2008/aibo7_11.htm
■出演者
杉下右京 …… 水谷豊 (警視庁・特命係)
冠城亘 …… 反町隆史 (4代目相棒、総務部広報課->特命係)
伊丹憲一 …… 川原和久 (警視庁刑事部捜査第一課員)
芹沢慶二 …… 山中崇史 (捜査一課。伊丹の後輩)
角田六郎 …… 山西惇 (組織犯罪対策五課)
小松真琴 …… 久保田龍吉 (組織犯罪対策部)
内村完爾 …… 片桐竜次 (警視長・刑事部長)
中園照生 …… 小野了 (警視正・参事官)
青木年男 …… 浅利陽介 (サイバーセキュリティー)
益子桑栄 …… 田中隆三 (警視庁鑑識課員)
白川友里 …… 佐藤寛子 (品田区役所・福祉課/ケースワーカー)
江波和江 …… 山本道子 (花畑管理サービス・社員)
竹村誠 …… 遠山俊也 (テイトーハウジング品田支店・支店長)
森田佑真 …… 長田拓郎 (被害者、テイトーハウジング品田支店営業)
真山誠一 …… 山崎一 (花畑管理サービス・課長)
中村 …… 五頭岳夫 (106号室、5年前に脳梗塞)
片倉莉奈 …… 土屋希乃 (視覚障碍、目の手術をする)
野川猛 …… 仲井真徹 (408号室、オンライントレード、3年前)
田村絵梨 …… 神崎れな (テイトーハウジング品田支店)
カズ …… 松田一希 (Youtuber、宝探しゲーム)
タックン …… 松岡拓弥 (Youtuber、宝探しゲーム)
バディの声 …… 高城元気
片倉 …… 尾崎舞 (莉奈の母)
山本 ……
前東美菜子、阿部信勝