相棒18
(2019年10月期・テレ朝・水曜21時枠)
監督:橋下一(1、2)(5)(6)、権野元(3)(4)、片山修(7)
脚本:輿水泰弘(1、2)、神森万里江(3)、児玉頼子(4)(5)
橋下一(6)、斎藤陽子(7)
エグゼクティブプロデューサー – 桑田潔
チーフプロデューサー – 佐藤凉一
プロデューサー – 高野渉、西平敦郎、土田真通
編集 – 只野信也
音楽 – 池頼広
https://www.tv-asahi.co.jp/aibou18/
第7話 ご縁
【ストーリー】
右京はレストランで期間限定のブレンドティーを飲んでいる
とそこに伊丹がやってくる。伊丹は女性の居る席に座る。
右京は興味深げに見ていると、そこに芹沢がやってくる。
伊丹さんは親に言われて婚活をしているようですと報告。
しかし【アポ電強盗】が発生したという電話が鳴った為に
芹沢は右京と現場に行く。
・大井川家
右京は部屋を見て回る。すると”緑麗会”のパンフレットが
置かれていた。被害者は大井川君枝(60歳)。
彼女は激高すると犯人を捕まえて2千万を取り返してと語る。
伊丹もやってくると、芹沢はデートはどうしたのか尋ねる。
そんな事より「緊急事案」として連絡が入ったのだという。
君枝だから話を聞く。
今日昼過ぎに息子さんが働いている病院の弁護士を名乗る
電話が鳴ったこと。大和は横浜海浜中央病院の外科医。
通勤中の電車でぶつかって口論になった相手を殴って警察
の取り調べを受けているとしていたという。
「後遺症が残る。家族が訴えると言っている。示談にしたい
と思っている。」「示談にするなら今日中に現金を用意
して誠意を見せろ」と電話が有ったという。
怪しいと思わなかったのか?と問うと、息子のことをよく
知って居たのだという。
小森医院長も大井川先生には期待しているので、なんとして
も助けたいとし看護師からの信頼も厚い」と言われたと
いう。金庫に2千万あると言った後に心配なので大和に
電話したら連絡が付かず、そうしている間にインターホン
から警察を名乗る人物が来てそのまま3人組が押し入り
金を盗まれたとのことだった。
・捜査会議
事件発生は本日14時(12月13日・金曜日・港区白金)。
新たな発見として防犯カメラには「青いワンボックスカー」
が走り去り、天現寺から首都高に乗り東名方向へ。
事件前後でも現場付近の路上を通行していたという。
今回と似た手口のアポ電が6件あり、本件発生前にあるグル
ープがインターネットで工学の闇バイトを募集していた
とのこと。他には高齢者情報募集・高額謝礼詐欺のターゲッ
ト情報も募集していたこと。事件後にアカウントは削除され
てしまうので発信者は特定に至っていないという。右京は
今時はサギグループが名簿屋などは使わないのかと問うと
名簿屋も手を引いているとのことだった。
■感想
今回もなかなか面白かった。
今時の時事的キーワードをふんだんに盛り込んでいた。
「代理婚活」「高齢者」「役割分担」が含まれ、そこには
何時になっても普遍的であるハズの親子の絆に対する
信頼関係を揺るがすものとして存在している。
日本はともかくアメリカならこういう事件って存在しなさ
そうだ。オレオレ詐欺っていうのは人間のちょっとした
欲とか出来心を突いていて、その中に有る不安感を最大限に
引き出すように詐欺師は言葉巧みにやってくる。
顔が見えない相手への恐怖。親でも子供でも人間なので
間違いを犯すことだってあるかも知れないが、日本的風土
は一つの犯罪を許さないという世間の厳しい視線がある
のでそれを含めて身内の人格を否定されることを好まない
ところがあるのだろう。
個人的にはこういう事件って逮捕するのが一番簡単な気が
するんだけどね。
まさに今回は「クリミナル・マインド」なら超得意案件。
二つ以上の中から共通性を探り出しては、被害者情報から
犯罪者への流れの解明のロジックを割り出していく。
今時の犯罪者は下調べが凄いので安易に接触したり、
被害者選定はしないと思う。それに今時は防犯カメラの
設置とか至る所にカメラが設置して有るので余程透明化
出来ない限りはいずれ捕まるというのが全てだろう。
興味深い流れは冒頭から発生していた。
伊丹さんの婚活。そしてその途中で犯罪が起きて、ついに
右京さんと芹沢さんの珍しいコンビ姿が見られるかと
思った。しかしそこは「男・伊丹!」。仕事を前にしたら
婚活など後回しですよ。
犯人が色々とパン屑を残していってしまったようだ。
情報を提供する人物が本物の娘の写真を使っていたり、
逃げられる車を見られていたり・・
最後は中園を囮にして上手いこと犯行の全貌を明らかにし
情報提供者だけでなく犯罪グループを一網打尽にした。
「人が犯罪に陥る要因の一つは孤独だ」
更にこの秋山耕平という人物は悲惨な目に繰り返し有って
いる。人が犯罪に陥るだけでなく巻き込まれてしまうという
のもまた孤独な人なのだろうね。
最近のドラマでは世の中不公平ということは否定しない。
右京さんもそれは否定しないものだった。しかしここまで
叩きのめされた一人の人間に対して立ち直らせるには
相当なものが有りそうだけどね。非常に肩入れするのが
複雑過ぎて自分はこの人物の側に立ちたくないなと思わざる
を得なかった。
■出演者
杉下右京 …… 水谷豊 (警視庁・特命係)
冠城亘 …… 反町隆史 (4代目相棒、総務部広報課->特命係)
伊丹憲一 …… 川原和久 (警視庁刑事部捜査第一課員)
芹沢慶二 …… 山中崇史 (捜査一課。伊丹の後輩)
角田六郎 …… 山西惇 (組織犯罪対策五課)
小松真琴 …… 久保田龍吉 (組織犯罪対策部)
内村完爾 …… 片桐竜次 (警視長・刑事部長)
中園照生 …… 小野了 (警視正・参事官)
青木年男 …… 浅利陽介 (サイバーセキュリティー)
益子桑栄 …… 田中隆三 (警視庁鑑識課員)
秋山耕平/津田保 …… 河西健司 (62歳、代理婚活P”緑麗会”、元大工)
大井川君枝 …… 山口美也子 (60歳、アポ電強盗被害者)
阿久津貴子 …… 松井紀美江 (50歳、ジュエリー店”サンティエロ”)
広瀬乃愛/津田のぞみ …… 桑江咲菜(28歳、娘になりすましていた女)
阿久津琴音 …… 中田絢千 (28歳、貴子の娘)
…… 荒井眞理子 (もえぎやま保育園園長)
秋山のぞみ …… 田中奈月 (秋山の娘・5年前にがんで死亡)
大井川大和 …… 津和野諒 (横浜海浜中央病院医師・君枝の息子)
榊大地 …… 山川ありそ (半グレグループ)
中園裕太 …… (息子)
長谷川 …… (刑事)
高橋美津子、古賀理紗子、浅野千鶴、羽村純子、安田ユウ
原布助、池田光輝、西塚郁哉、浜田大介、西沢智治
長谷川茂、宮下忠人、名越佳代