アライブ がん専門医のカルテ
(2020年1月期・フジTV・木曜22時枠)
脚本 倉光泰子・神田
演出 髙野舞
プロデューサー・プロデュース 太田大、有賀聡
音楽 眞鍋昭大
オープニング 須田景凪『はるどなり』
https://www.fujitv.co.jp/alive/
第4話 愛する人の死の受け入れ方
【ストーリー】
薫は若い女性の乳がん患者・佐倉莉子に対して、私も
ガンサバイバーである事を告げる。そして胸は再建した
としてその跡を見せる。次第に愛情が沸き、体の一部に
なるという。薫が酒を飲んでいると突然男性・関河隆一
が近づいてくる。
「嘘をつくよりも真実を話した方が罪は軽くなる」
として薫の現状を語っているような発言をする。
そんな中、ついに匠は死亡する。心は事故の日に傷つく
ことを知って彼を傷つけてしまったことにショックを
受ける。
●匠の葬式
関係者は出席。先生ならば患者の生死に関わってきたの
で大丈夫だという。その葬式には隆一が遠くから眺め
薫の写真を撮る。
葬式も終わり帰宅する。
漣に対して外食でもしようという心。京太郎が食材を
買ってくる。パパが好きだったというカレーライスを
作った京太郎に対して漣は反発心を抱く。パパはもう
それを食べることは出来ない。不安定な心情を覗かせ
る。
●横浜みなと総合病院
心は今日から出社する。みんなの前で復帰宣言。
それには阿久津も驚くが・・
心は夫の死を忘れるように回診してまわって仕事を
こなしていく。まるでパワーアップしたかのようだった。
・ランチの時間。
薫は心に同席を求める。薫は心の体調を気にするが・・
■感想
今回は家族を失った人の悲しみに触れ、決して癒える事
のない悲しみの中でちょっとしたサプライズと同時に
家族がまた日常を取り戻す為の課程を描いたもの。
亡くなる日の行動がちょっぴりミステリアスで有り、
人によっては罪悪感を抱くものが有ったりして、この
ドラマには元々そういう形で相手の意図することが
少し分かりづらくするような工夫をしている。
一番悲しいのは誰なのかは分かりかねるけど、父親、
妻、子供は想像を絶する悲しみはある筈で、それぞれに
少しずつ通常とは違う行動を取っては、常軌を逸する
程にその悲しみ・痛みというものを伝えている。
匠が亡くなった場所。
今までそこで何をしていたのか分からなかった心として
は、その事実が明らかにされるという偶然とも必然とも
いうべき事態で少し気持ちを和らげられたのかも知れない。
そしてその気持ち・その事実を同じく悲しみにくれて
混乱している父にも話した。
彼は浮気していたでも家でだらけていた訳でも無く
小説を書いていた事が分かる。それが遺言となって
しまうことの皮肉さもあるけど、逆に彼の残した遺言は
身内の励ましに繋がったのではないか。
問題は薫が匠の執刀をした事実を「何時」「どのタイミ
ングで」話すのかということ。信頼関係を築いてから
話をしようとしているのか。
薫と心のやりとりとか距離の取り方は見ていて興味深い。
薫はやはり心が乗り越えたような発言をすればいい顔を
するし、逆に彼女が悲しめば薫の中の罪悪感も膨らむ。
ただこれだけ薫が献身的な行動を取っているところを
見るとドラマ「それでも、生きてゆく」での加害者・
被害者家族の友情・愛情関係というよりも、寧ろ須藤進
さんの方が怪しくないか? 関東医大を調べている隆一の
ことを見れば医療ジャーナリストというよりも自分の
身内をこの病院内で失ったとかあるのかな。
そうなるとドラマは「チーム・バチスタ」っぽくなる。
・今回の患者
佐倉莉子(26歳)、乳がんの患者。前回からの続き。
抗がん剤における不妊の事実があることを知らせつつ
卵子保存/妊孕性温存ということを説明する。
ただし担当医の心は、彼女の顔を一切見ようとせず
淡々とした対応しかしない。
身内の死は何処かで必ず支障を来すので、いくら一人
死を目にする医者でも、感情のある人の子であること
を忘れてはならない。
パクリタキセルを使った抗がん剤治療。結城くんが
それ以外の可能性やそれを使った弊害について調べて
いた。カバーしてくれる人がいることは有り難い。
ただアメリカのドラマだと確実に「アテンディングを
差し置いて・・」みたいな感じになりそう。
・今回の患者2
森川という人物。軽井沢の旅行、そして妻とテニスを
したときのことを語る。しかし実際には夢で見たこと。
これは先日匠が一瞬心の前だけでは意識を取り戻したよう
なシーンがあったのでその辺の流れとリンクして共通意識
を持たせているのかも。
阿久津さんが担当しただけ有って今回はもの凄く良い味
を出していました。
そして「グリーフケア」に対する3つのポイントを学ぶ。
1) 悲しみを肯定する
2) 悲しみを表現する
3) 儀式を行う
■出演者
恩田心 …… 松下奈緒 (横浜みなと総合病院の腫瘍内科医)
梶山薫 …… 木村佳乃 (関東医大 -> 消化器外科医)
結城涼 …… 清原翔 (研修医)
夏樹奈海 …… 岡崎紗絵 (研修医)
恩田匠 …… 中村俊介 (心の夫、小説家、意識不明)
須藤進 …… 田辺誠一 (関東医大、消化器外科副科長)
守野光男 …… 藤井隆 (腫瘍内科医で心の同僚、5人の子)
阿久津晃 …… 木下ほうか (腫瘍内科の部長)
高坂民代 …… 高畑淳子 (患者。全身がん)
恩田京太郎 …… 北大路欣也 (匠の父、人気脚本家)
恩田漣 …… 桑名愛斗 (息子・小学生)
渡辺 …… 田川可奈美 (看護師)
松井聡 …… 松本慎司 (看護師・イケメン)
関河隆一 …… 三浦翔平 (フリージャーナリスト)
佐倉莉子 …… 小川紗良 (26歳、乳がん患者)
吉田 …… 加藤雅人 (品川西交番)
中山 …… 佐藤みゆき (徳文社)
森川 …… 三浦誠己 (半年前妻をガンで失う。テニス趣味)
加藤雅人、宮崎真一、豊岡泰之、寺岡哲