絶対零度 ～未然犯罪潜入捜査～ 第9話 弟よ!

絶対零度 ～未然犯罪潜入捜査～
(2020年1月期・フジTV・月曜21時枠)

第9話 最終章!遂に迫る香坂の死! 黒幕は!?
(東京サミット爆弾テロ)

【ストーリー】

・北見がミハンルームに来ていた事を吉岡が告げる。
加賀美に彼の居場所を調べてもらうがデータは全て消去され
ていた。
加賀美は北見と現場で鉢合わせした際に語っていた事がある。
「君は僕が犯した罪を知ってるよね」
その加賀美のPCに入っていた写真(香坂の弟)を見た香坂が
驚く。君と同じで僕も彼を探しているという加賀美。
トキサミシンが大量購入されていた形跡がある。
1トンあれば一棟のビルを破壊できる。北見のアジトには
爆弾を作った形跡があった。既に持ち出されていた。
これはテロ・・このタイミングだと「東京サミット」が狙い
だろうと。曽根崎は香坂に対して激怒。
井沢は居なくなった香坂のタブレットを見てテロに関する
データが入っている・・これは香坂がテロに関わっている
という意味だと。

●対策室の設置

北見(28歳)が犯人だが彼を操っているものがいる。香坂の
居場所が掴めず北見も黙秘していた。

加賀美は香坂がミハンで調べた形跡を見つける。
里谷隆一(50歳)、海外で要人警備や傭兵をしていた人物。
また香坂が調べていたリストの中で笹原引一と田中雅俊
が防犯カメラに映り込んでいるのを香坂は見つけそこから
居場所を絞り込んだのだろうという。香坂は何故このタイ
ミングで消えたのか。ミハン法制化の為に行動していたの
はウソとは思えないと小田切。それは事実だろうこと。
犯罪を未然に防ぎたいという強い思いを持っていたという
井沢。

井沢はみんなに香坂のことを語る。
「26年前(1994年・クリスマス)の映画館(スフィア座)で
神経ガスが巻かれて多くの犠牲者を出した事件。犯人は
水島恵一(45歳)、それは香坂の父だという。事件の数年前
に両親は離婚し香坂は母に連れられ法務省の官僚の男と
再婚していた。そして事件が発生していた。
スフィア座では地獄の光景を目にしている。多くの人が
もがき苦しむ姿。事件後すぐに法務省の義父が戸籍を操作
して加害者家族であることを格下のだという。水島には
幼い息子(5歳)を道ずれにした凶行だった。それは香坂の
弟でもある。一命を取り留めた弟は加害者家族のバッシング
に絶望して自殺。当時15歳の彼女には何も出来なかった。
名前が出れば義理の父の人生も狂わせる。
法務省入りし加害者家族に尽力したのは助けられなかった弟
への償いか。自分だけ助かった後ろめたさか。
しかし例え助けられても多くの人の命を奪った事実は変え
られないという井沢。できる限り人を救う。殺人犯の娘と
いう十字架を背負いながら生き続けて来たのだという。
そんな過去を背負った人がテロをするのは変だと語る。

■感想

いよいよ終盤。これを見たのはもう1週間以上前のことなので
忘れていること多数。間違えていたとしてもお許しください。

この時点で真の犯人はまだ明かされていないが、狙いとしては
複数の意図が見て取れる。

「ミハンシステムの法制化」の有無については過去から何度も
繰り返し唱えられていたことで、その重要性については
香坂が一番力を入れていた。
ドラマではよくある設定の一つとして、日本の防犯システム
の緩さ故にテロを誘発したり自らテロと成り代わって最小限
の被害を与えて法制化に拍車をかけるというもの。

現在ドラマの中ではミハン法制化については無理だろうことが
言われている。

前回逮捕された北見、そしてそれと精通していた香坂。
ただ香坂のタブレットに書かれていたのはよく見えなかった
けど捜査官たちは「テロに関するデータ」とは言っていたが
私には爆弾に使われるトキサミシンの購入者(社)リストだけ
でしかなかった。彼女がそれを掴んでいても別に不思議な無い
けれど、問題は彼女が信頼を寄せた井沢にも何も言わずに
行動を起こしている。

・26年前の事件

今回は26年前の事件について語られた。
香坂の行動意図を把握する為には26年前の事件のことを説明
するしかない為のもの。

1994年のクリスマス。香坂の父・水島恵一が映画館/スフィア
座で薬品をばらまいて死者を出した。息子を道連れにしたが
娘である香坂は当時一緒に死ぬ為のチケット(映画「34丁目の
奇蹟」だったね。)をもらうも行かないと連絡したので彼女
だけは助かる。しかし問題となってくるのが実は香坂の弟は
一命を取り留めていたが加害者の家族という重荷を背負い
周りからのバッシングによって自殺したと言われる。
ただしその彼が生きているのではないかとされる。

加賀美がパソコンに映し出していた写真はこの弟の写真だっ
た様子。

・犯罪は犯罪を生む

犯罪者をコントロールしようとしていたのか。
そのコントロール側に香坂が本当に関わっていたのか。

このドラマは刺されたり撃たれたりして関係者がよく亡くなる
訳だけど、ラストで香坂が何者かに撃たれて、そのシーンに
一歩遅く出くわした井沢が犯人に仕立てられた感じだ。

犯人の思惑だったのか。

また今回犯罪者の一人として、加賀美がかつて捕らえたクラ
ッカーの一人・諏訪樹生がいよいよ台頭し始めた。
これまで現場付近、特に小田切のことをずっと見張っている
かのようだったよね。

そして小田切と言えばカメラマンだとする篠田浩輝の存在も
ある。過去刺された映像が出てきたことがあったけど、あれは
カモフラージュなのか。それとも最初から犯罪を追っていた
ジャーナリストなのか。それとも・・

・犯罪者

香坂がミハンのコンピュータで調べた形跡がある男が何人か
浮上する。

里谷隆一は元傭兵らしく、如何にもガチでぶつかりそうな相手。
笹原引一と田中雅俊も防犯カメラに写っていた為に行動を追跡
して犯人たちのアジトを調べる。

廃校・雑居ビル・河川敷が候補として浮上するが、河川敷が
正解ルートだった。

香坂が河川敷でアジトを見つけていち早く制圧し、PCにささ
っていたUSBとトランシーバーを持っていく。
ただこの行動を井沢は現場にいた訳ではないのに妙に把握して
いたよね。

後にロッカーで香坂のUSBが見つかり、そこから解析された
データとして爆弾の配置図が見つかる。

犯罪を盗まれて別の犯罪に利用されようとしている。
最初の犯罪を計画していたのが曽根崎であり香坂と共謀して
ミハンの法制化の実現を目指していた。

・クローズド

アクションシーンあり、次のテロに繋がる情報有りで楽しか
ったけど、少々ミハンチームには井沢以外に骨太の武闘派が
居ないんだよね。山内が頼りない。

クラッカーの諏訪樹生は逮捕されるが1つだけ爆弾は残って
いるとされた。そして倒壊させる為に威力が増す可燃性ガス
の集まるところを突き止めて爆弾自体は収まった。

真犯人は香坂の弟だとされるが果たして誰なのか。
そして曽根崎が保身のために犯人とされてしまう井沢の運命
はどうなるのか。

■出演者

井沢範人 …… 沢村一樹 (50歳、公安部外事第二課から)
山内徹 …… 横山裕 (未然犯罪捜査班。巡査部長)
小田切唯 …… 本田翼 (元生活安全課、未然犯罪捜査班)
香坂朱里 …… 水野美紀 (法務省官僚、ミハンの統括責任者)
吉岡拓海 …… 森永悠希 (未然犯罪捜査班、キャリア警察官)
加賀美聡介 …… 柄本明 (世界的天才ハッカー)
板倉麻衣 …… 田中道子 (警視庁捜査一課刑事。巡査長)
早川誠二 …… マギー (警視庁捜査一課刑事。警部補)
宇佐美洋介 …… 奥野瑛太 (殺し屋、井沢の妻子を殺害)
篠田浩輝 …… 高杉真宙 (スポーツカメラマン)
北見俊哉 …… 上杉柊平 (法務省官僚・香坂の部下)
曽根崎正人 …… 浜田学 (公安部部長・警視長)
門田駿 …… 粗品 (早川の相棒)

諏訪樹生 …… 松尾諭 (世界的クラッカー)
里谷隆一 …… 高岩成二 (元50歳、要人警護、元傭兵)
水島恵一 …… 森本のぶ (45歳、篠田の父親、26年前の事件)
笹原引一 …… 宮川連 (テロリスト)
田中雅俊 …… 伊藤俊 (テロリスト)
幼少期の篠田 …… 湯川颯 (写真の人物)
15歳の頃の香坂朱里 …… 田幡妃菜
本部指揮官 …… 渡部遼介 (メガネの人)
報道 …… 金井淳郎

小山紘徳