ラジエーションハウスII 第2話 15分拡大SP 陸上の天才少年に悲劇

ラジエーションハウスII ~放射線科の診断レポート~
(2021年10月期・フジテレビ・月曜9時枠)

原作:横幕智裕、モリタイシ
プロデューサー:中野利幸
脚本:大北はるか(1)(1)
演出:鈴木雅之(1)、相沢秀幸(2)
音楽:服部隆之
主題歌:MAN WITH A MISSION「Remember Me」

https://www.fujitv.co.jp/radiationhouse2/index.html

第2話 15分拡大SP 陸上の天才少年に悲劇
選ぶのは子供の未来か家族の夢か

【ストーリー】

一本の川・・岸を隔て二つの地を区別する。
人と人との間にも川が流れている。

●朝

バスに乗って病院に向かう五十嵐と広瀬。

●森の台公園陸上競技場/全国小学生陸上競技大会

この日、速川走太(12歳)にとって小学生最後の大会。
彼の両親の速川一郎と速川叶恵は元オリンピック選手。
走太の妹の速川花恋もまた陸上選手で、走太の前に金メダル
を取っていた。

走太に対して一郎は告げる。
「必ず決勝に行け!」

観客たちも噂のサラブレッドを見に観戦に来ていた。

そんな中走太は一位で決勝に進出するが・・ゴールで倒れて
痙攣してしまう。

●甘春総合病院

軒下はサラク(20歳)と映画館デートしたとするも、結局付き
合う事は出来ず落ち込む。エレベーターで居合わせた技師
たちはそんな話を茶化す。
更に辻村は好きにも種類があるという。
「同僚として好き」「男として好き」は意味が違う。

杏と五十嵐は先日の気まずさを引きずっていた。
辻村は五十嵐と二人きりの状況になると、彼に宣戦布告する。
フェアな環境になった事も有り、杏に告白するという。
これからは遠慮無く全力で奪いに行くとして、彼の手には
美術館のチケットが握られており、杏をデートに誘おうと
していた。

・救急車

走太が救命士によって運ばれてくる。
彼はこの病院にてんかん治療で通院している患者の一人で
脳外科医の渋谷が担当していた。
倒れたときに頭部を痛打したとの事で、MRI検査が必要。
しかし子供なので被爆の少ない小児用プロトコルで行こう
という五十嵐。広瀬には緊急用のカートの準備を頼む。

てんかんとは能に電気的興奮が起きて発作が起こるという。

検査が終わると父親たちは心配そうに見ていた。
頭部へのダメージはない。
てんかんの治療薬を電子カルテで確認する。
「バルプロ酸」「カルバマゼピン」「フェニトイン」
「クロパゼム」・・そしてカルバゼピンから「ラコサミド」
に変更されていた。彼は「難治性てんかん」で、外科手術が
必要かも知れない。ただし子供の脳にメスを入れるのはリスク
が高かった。

■感想

親は自分の子供に過度の期待をする。
子供は親の期待に応える為に、顔色をうかがいながら自分
なりの努力を行う。

一見すれば完全に親が子供たちをコントロールしている
虐待の様な親子の話。

子供は上述するように親に喜んでもらたいが為に、親の
顔色をうかがい、自己犠牲の下で期待する親によって
用意された道を歩もうとする。
全ては親の笑顔が見たいが為。親に褒められたいと思う子供
心である。

親はそんな子供の行動に勘違いを冒す。
自分の指導は子供が願う気持ちに応える為のものだと考えて
いること。

私はパニック発作で呼吸のコントロールが乱れることが
過去に何度かあった為が、てんかんとは似ても似つかない様な
ところもある。正直呼吸のコントロールが乱れた
ことは10回にも満たない程であるが、それでも尚パニック
発作は私の身体を常に強ばらせるような破壊力があり忍耐の
必要な病気である事は確かだ。神経経路の繋がり方の誤りから
危険でもないものを危険だと認識しては自爆するようなアホ
みたいな病気に手足を奪われている。まるで自己BDSM状態だ。

■患部を見て患者を診ず

さて脱線したが今回は二人の患者を扱う。いずれも左足に
爆弾を抱えるような病気で解明しづらさがあるのだろう。

何気ない左足のアザなど我慢するために、握りしめていた
が為の痕跡だろうこと。笑顔は額面通りの喜びを元にした
ものではないこと。チンパンジーが行う【グリマス】と呼ば
れる表情。喜んでいるように見えるが実際には怖がっている。

「人も同じ。見えている顔と心の中は違う」
「なのに人の気持ちを全て理解しようなんておこがましい」

また今回は未成年の患者の扱いなので難しい部分も多かった。

・それぞれの立場からの主張

灰島vs五十嵐vs杏の正論のぶつけ合いもなかなか興味深い。

「子供の人生を決めて責任を背負えるのは親だけ」
vs
「治療の可能性を最大限に広げて患者に提示出来るのは我々
だけ」

vs
「技師の立場で患者の家族に意見を言うなんてあり得ない」

・職場の人たち

初回と違い今回は職場でのやりとりが面白かった。
等身・・身長が似ている軒下五郎と田中福男のやりとりが
時に子供染みていて面白かったし、結婚出来ないものたち
の面白くも寂しいやりとりはツボに入るような笑いを提供する。

辻村が杏を呼び出して美術館チケットを渡そうとする際に
登場する田中のタイミング。

灰島と大森の対立関係はやや不発に終わる。
ただ大森が503号室の人物を特別視している理由は何かという
疑問を提示した。かつてのドラマ「コウノドリ」だっけか。
そのパターンではないのか。
しかし大森から五十嵐は大切なものを教わる。

「何が美味しいと思うかは人それぞれ。正解は人それぞれ」

島倉千代子さんの名曲
「人生色々、男も色々」
状態である。

・医者も技師も患者から教わる事は多い

互いの患者の関わる間に、色々と今の自分に必要なものを
見つけ出していく作り。
足のアザ、そしてふくらはぎのむくみ。

完全に親のエゴにしか見えない今回のエピソードにおいて
てんかんのような死を意識するような状況でも信じている
親子の愛情は細い糸のようにして残っている。

「努力は絶対に裏切らない」

■出演者

甘春総合病院

五十嵐唯織 …… 窪田正孝 (天才放射線技師)
甘春杏 …… 本田翼 (放射線科医)
広瀬裕乃 …… 広瀬アリス (放射線技師)
軒下五郎 …… 浜野謙太 (放射線技師)
南里美 …… 浅見姫香 (医師?)
威能圭 …… 丸山智己 (放射線技師)
悠木倫 …… 矢野聖人 (放射線技師)
黒羽たまき …… 山口紗弥加 (放射線技師)
小野寺俊夫 …… 遠藤憲一 (放射線技師長)
辻村駿太郎 …… 鈴木伸之 (整形外科医)
鏑木安富 …… 浅野和之 (副院長)
大森渚 …… 和久井映見 (循環器内科長)
田中福男 …… 八嶋智人 (放射線技師)
灰島将人 …… 高嶋政宏 (新院長)

速川走太 …… 長野蒼大 (12歳、てんかんを持つ患者・陸上選手)
速川花恋 …… 白鳥玉季 (11歳、走太の妹・陸上選手)
速川叶恵 …… 入山法子(元陸上選手 速川兄妹の母)
速川一郎 …… 眞島秀和(元陸上選手 速川兄妹の父)
柳田哲平 …… きたろう(自宅で負傷した患者)
渋谷慎一 …… 野間口徹(脳外科医 走太の担当医)

岡村まきすけ、佐藤まんごろう、椎名一浩

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