黄昏流星群 – 人生折り返し、恋をした –
(2018年10月期・フジTV・木曜22時枠)
原作：弘兼憲史『黄昏流星群』
脚本 : 浅野妙子
主題歌 – 平井堅 「half on me」
音楽 – 得田真裕
プロデューサー : 高田雄貴
演出 : 平野眞、林徹、森脇智延
https://www.fujitv.co.jp/tasogare/
第1話 誰もが恋の主役になりえる
【ストーリー】
スイス・マッターホルン。
「人生の折り返し地点。多くの人は今までの人生を振り
これからの人生を考える。そして死ぬまでにもう一度魂を
漕がすようなことに身を投じたいと考える。」
「後世に残す仕事」「熱中する遊び」「燃えるような恋」。
瀧沢完治は銀行員。若葉銀行・新宿支店の支店長である。
28年前に銀行員を選んだのは安定性の為。秘書の篠田薫は
完治に対して色々とアプローチしたりするが・・
80年代後半のアメリカの圧力によるプラザ合意。
数年間のバブル期を経てあっさりと日本の経済はバブルは
弾けてアメリカの思惑通りとなった。そして銀行は貸しはがし
により中小企業を倒産に追い込み、97年には今度は銀行を含め
た金融機関が合併することになる。
その結果IT企業など新たな世代の若者たちが社会を牛耳るよう
になり一回り以上も下の大野剣などに頭を下げて融資する。
全ては実績を残して本店行きへ行く為。
金田真之/常務、秦幸太郎/頭取、守口克彦/専務と共に行動
する。瀧沢は定年まで残り10年。ここがゴールだと。
人生を全て捧げてきた対価は本店の幹部の椅子。
薫は瀧沢に残業なのか?と問う。上田の作った書類だとする
と、今は「働き方改革」で若い人に残業はさせられないとして
瀧沢は仕事をする。薫は明らかに誘ってくるが・・不倫は
一時の感情だとしてガマンする。
瀧沢真璃子は水原聡美を自宅に招待する。
パンを焼いていたので帰りにお土産に持ち帰ってというと
聡美は喜ぶ。聡美も10冊目の本をプレゼントするとして
「あの子の死には理由がある」を渡す。
■感想
何度も撮影されているドラマのフジテレビ版。
フジがこの枠の色を変えてきたのは「最後から二番目の恋」
辺りから始まった中年の恋の物語をここでも再現していく
のかな。
シチュエーション的には全てのシーンで既視感を覚えるもの。
別にマッターホルンまで行く必要が無いにしても、出世組から
外れた時に自分に残るのは何なのかを今一度考えさせて、新しい
人生に向けて歩いて行くという物語の様だ。
その際に過去の自分の積み重ねたものが重荷になるのか、それ
とも誇るべき実績と感じるのか。
マジメな人ほどこういう所は失望感が高いのだろう。
私が嫌いなのは主人公が銀行マンであること。
これだけで嫌悪感しか抱くものがない。
バブル時代で金融を引き締めることなく垂れ流しにした罪と
都合の良い時だけ頭を下げる下品な人たちだ。ウチの実家は
それを実感しているので(最近は確かに良い対応をしている
人が多いとは思っている)
私からすれば既にこの人たちは幸せを幸せだと感じず歳月だけ
を過ごしてきてしまったというだけで幸せという要素は
持っているのだ。それに気がつかないのは罪なことで、
そんなに無機質なカタチで存在している家庭だと思っているので
有れば、娘の結婚と同時に解散するのも悪くは無い。
ただ離婚という選択肢は簡単だが、やはり仕事にかけた28年
を強調しているように、この家庭を築く過程もまた思い出して
欲しいところ。
時代性とか職種だとかそういうのは全く関係なく、全てのものを
手にしてこれ以上何を手にしようというのか。飽くなき向上心や
欲求への追求は悪いものではないのだけど、
仕事で全ての人が成功するとは限らないのだから・・
黒木瞳側に同情すべきところがありそうな流れが有り、そっち
の方から物語を眺めていけば面白く感じるのかも知れない。
ただ自分はどうも女性中年陣に魅力をまるで感じていない。
中山美穂さんは大好きだったけど、どうもこの役はイマイチ
かな。
私は「昼顔」が嫌いだったタイプなので、やたらと面白いと
イチオシしていたフジテレビの作るドラマが無駄に人気もない
のに”人気だ”と流布してごり押しする姿が目に見えていて
少々ウンザリするかも。
■出演者
瀧沢完治 …… 佐々木蔵之介 (若葉銀行・新宿支店長から荻野倉庫へ)
瀧沢真璃子 …… 中山美穂 (専業主婦)
日野春輝 …… 藤井流 (弁護士)
瀧沢美咲 …… 石川恋 (娘、男性を紹介したいと・・)
川本保 …… 礼二 (荻野倉庫・課長)
日野冴 …… 麻生祐未 (春輝の母)
水原聡美 …… 八木亜希子 (翻訳家、真璃子の親友)
徳田和夫 …… 小野武彦 (居酒屋”一番星”の大将)
目黒栞 …… 黒木瞳 (荻野倉庫・社員食堂調理師)
横尾博 …… 増田英彦 (若葉銀行・二度目の宿根・幡田薬品)
大野剣 …… ヒャダイン (IT企業”HICOA”の社長)
篠田薫 …… 本仮屋ユイカ (支店長秘書)
小俣房江 …… 山口美也子 (荻野倉庫・社員食堂調理師)
木内祐輔 …… 笠松将 (荻野倉庫)
奥山敦子 …… 三浦真椰 (荻野倉庫)
須藤武史 …… 岡田浩暉 (パティシエ、完治の同級生)
目黒悦子 …… 岩本多代 (老人ホーム)
井上英樹 …… 平山祐介 (若葉銀行・八王子支店)
金田真之 …… 伊藤正之 (若葉銀行・本店常務)
秦幸太郎 …… 大谷亮介 (若葉銀行本店頭取)
守口克彦 …… 春海四方 (若葉銀行本店専務)
上田明 …… 渋谷謙人 (若葉銀行・新宿支店)
高田社長 ……
ポコ美、田端妃菜、飯尾夢奏、北ひとみ、中谷早希、大出雅也
関口秀実、高宮まり、Hagen、Sonja、ティモ
(アナウンサー)
堀本直克、名護谷希慧、金田祐幸、衣笠梨代、萩原渉、淵本恭子